憑依された彼女を助けたけど様子がおかしい話 (Pixiv Fanbox)
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「本当にごめんね、真澄くん……他にお願いできる人が居なくって……」
「いーよ、別に大丈夫。しっかし心霊スポットねぇ」
近くの学校に通う、二人のカップル。男子学生の鷹城真澄(たかしろますみ)は、彼女である住村茜(すみむらあかね)の
頼みということもあり、学校近くの山にある小さなトンネルにやってきていた。
なんでも、最近学生の間で噂になっているらしい。このトンネルは曰く付きで、『出る』のだと。
「他の人も行ってて、不思議なものを見たとか、何も感じなかったとか。私も確かめてみたくって……」
肩までかかる黒髪のミドルヘア、艶やかな印象から、一見お淑やかな印象を与える茜だが
好奇心は人並みよりも強く、色んな話題に食いつくのが彼女の活発なところでもある。
そんな彼女に対して、真澄はさほど流行りには疎かった。なにせ、今回の話題も茜から伝えられるまで
知らなかったぐらいだから。
「逢魔が時……6時頃に出るんだっけ?」
「そう! そのタイミングでトンネルをくぐると、不思議な光景が見れたり、パラレルワールドに着いちゃったりするんだって!」
「ぱら……れる?」
言葉の意味を真澄は知らなかったが、こういうオカルトじみた事は一切信じていない。
どうせクラスメイトが話題を盛ったか、そんな塩梅だろうと推察していた。
「うん……ちょうど6時! 行こう、真澄くん!」
「はいよー」
そうして2人はトンネルに入り込む。天井は低く、車一台がギリギリ通れそうなぐらいだ。トラックなら通れないだろう。
誰かしらは通行しているのか、木の枝や石などで道が塞がっている様子ではない。しかし、
トンネルに照明は一切無かった。夕暮れ時、太陽が沈みかけている状態ではこの空間は真っ暗で。
通り抜けるために、二人ともスマホのライト機能を起動する。
「うっわ~……真っ暗すぎて、本当に出ても気が付かなさそう……」
「まぁ、夜にここを通ることは想定されてないのかもな。そもそもこの山の上に人が住んでるのか……?」
「うーん、この山のてっぺんって鉄塔があるよね、送電線。それのメンテナンスのためにあるのかも」
成る程、と真澄は納得する。普段誰も使わない道だが、いざという時に無いと困る道ということだ。
トンネルの中央ぐらいまで着ただろうか。ちょうど、入口と出口の遠さが同じになった時。
「──ひっぐ」
「……?」
真澄は、始めは茜がしゃっくりでもしたのかと思った。──しかし。突然彼女はスマホを手から滑らせ、
頭を抱えて──しゃがみこんで叫んだ。
「痛いっ────痛い痛い痛いッ!!! ぁ、ぁああああ゛っ!?」
「ど、どうした茜ッ!」
「頭がっ……割れそうに、痛いッ……!! い、いやぁぁあ゛っ!!」
「なっ……」
何か頭上からぶつかったか。そう思い彼女の頭を照らすが、傷らしきものや出血は見当たらない。
「や、やだっ……! 私の、なかにっ……入って、こないでっ……!!」
「何を言って……」
明らかに様子がおかしい。とにかくここから離れなければ。そう判断した真澄は、茜のスマホを拾った後
彼女の肩を持ち上げ、元の入口まで戻ろうと抱える。
ガクガクと彼女の身体の震えが、真澄にも伝わる。原因はわからない。だが、急病の可能性を否定できない。
今すぐにでも電波の届く所に出て、救急車を呼ばなければ。
行きがスムーズに歩いていたというのに、帰りの出口の光はひどく遠く見えた。震える茜を連れているのも
あってか、ゆっくりとしか動けない。足取りが重く、出口に至るまで数十分はかかるのではないかと
錯覚してしまう。
──突如。震えていた茜の身体が止まる。するり、と彼女の方から肩が抜け出す。今の茜は、自分の脚で
立っていた。震えている様子も、痛みに苦しんでいる様子もない。
「だ……大丈夫、か」
おずおずと尋ねる真澄に対して。数秒遅れて、茜は返事をする。
「だい……じょうぶ。オレ……大丈夫。私は大丈夫。」
遠くを見るような瞳でそう答えられる。その姿が真澄には奇妙に映ったが。自分の足で立って歩けるなら
問題はないだろう。
「スマホ、返すよ。今日は戻ろう」
「戻る……うん」
帰り道の口数は少なく。下山するまで、会話という会話は無かった。
────
茜の家の前まで一緒に帰ってきた真澄。ただ、頭痛があったというのが気がかりだった。
目に見えないだけで、実は身体の中では内出血でも起こっているのかもしれない。
「あのさ……一応、頭痛がしたってことで病院に行ったほうが良いかもしれない」
しかし、その言葉に茜は頭を振る。
「だいじょうぶ。私、たまにそういう事あるもの。だから今日も平気よ」
……真澄は、彼女がそんな頭痛持ちであることを知らなかった。
他でもない彼女自身の言葉で言われては、返す言葉もない。
「そっ、か。……じゃあ、また明日。茜」
「うん、また明日ね」
そう言って、真澄は別れを告げて彼女の家を後にする。
──真澄は気が付かなかった。茜の口元が、邪な笑みをたたえていることを。
────────────────────────
翌日の学校。クラスでは、真澄と茜は付き合っていることを秘密にしている。
なので、会話なども基本的には放課後こっそりと名前で呼び合うぐらい。
……なのだが。
(今日の茜、何か様子がおかしいな……)
彼らが通う学校は制服の胸部分に名札を着けるのがルールなのだが。
今日の茜は、話しかけられる女子の胸を見ながら会話している様子だ。
まるでクラスメイトの苗字を忘れて、確認しながら会話しているかのように。
そう彼女を観察していると──視線が一瞬合う。しかし、そっぽを向かれた。
そこには、あからさまな嫌悪感が混ざっているかのように見えた。
次は体育の授業ということもあり、着替えで男女も分かれる。
奇妙な様子の茜について考え込みながら、真澄は体操服に着替えるのであった。
────
放課後。一緒に帰ろうと茜にはメッセージを送ったが、返事がない。
少し考え込み……真澄はふと、自分が忘れ物をしていることに気がつく。体操服を教室に置いたままだった。
急いで教室に戻り、扉を開けようとした、その時。
「んっ……♡ はぁっ……♡♡ あんっ……♡♡」
『開けてはいけない』。直感で真澄はドアを開く手を止める。教室のドアの隙間から、思わず真澄は教室の中を覗き込む。
そこに居たのは、メッセージを送った茜だった。だが……様子が普通ではない。教室の一番前、窓際の席。
机に自分の身体を押し付け、ため息交じりに甘い声を上げていた。
「くっ……ふぅっ……♡♡♡ オンナの身体って、こんなに感じるのかよっ……♡♡♡ ん゛っ♡♡♡」
教室の自分の席で、スカートをたくし上げ。白色のショーツを机の角にあてがい、角オナをしている。
常軌を逸した行為に思わず真澄は声も上げる事も出来ず。ただ硬直して、その様子を見る事しか出来ない。
「おっぱいもまあまああるしよっ♡♡♡ 胸を弄っても、んぁっ♡♡ 気持ちいいとかよぉっ♡♡♡」
そういいながら、ワイシャツ越しに自分のおっぱいを揉みしだく茜。
教室でこのような事をする事も十分おかしいが……発言も何やら気になる。
まるで自分が初めてオナニーをするかのような発言。真澄は違和感を覚える。
「はぁっ♡♡♡ んひゅっ♡♡♡♡ く、るっ♡♡ まんこがきゅ~ってなりゅっ♡♡♡♡ ぁあああ゛っ♡♡♡♡」
ぷしっ、と水音が静かな教室に響く。……イったのだ。彼女が、教室で。
少なくとも、真澄が知る茜は。そのような事をするような人間では無かったと考えている。
──その時。思わぬ光景を見てしまった真澄は。気を取られて、鞄を落としてしまった。
「……!」
ドアの向こうの茜が、慌ててスカートを戻す様子が見える。真澄と目線が合う。
彼は覚悟を決め、教室の内側に入り込んだ。
真澄と顔を合わせた茜は、気まずそうな顔をして真澄の胸元を見ていた。
「えっと……『鷹城くん』。その……えへへ。こんな姿見せちゃってごめんね。黙ってくれたら、その。良い事、シてあげるから──」
「『お前、誰だ』?」
思わず真澄は口走る。『コイツは住村茜ではない』。直感でそう分かってしまう。彼女はこんな事をしないし、何より
お互いを名前で呼び合う仲だ。──今日の彼女は、誰に対しても苗字を確かめるかのように話しかけていた。
まるで今日教室に入るのが初めてかの様に。
──『茜』がため息をついた。
「はぁ……チッ、バレてんのか。『このカラダ』と何か特別な付き合いでもあんのか? 恋人とかかぁ?」
「……答える必要はない」
「フン……でも良いのかよ? 今オレは『お前の彼女の身体を乗っ取っているんだぜ』?
例えば『私が鷹城くんにれ~ぷされましたぁっ』って言ったら皆はどう思うだろうなぁ?」
「…………くっ」
思わず歯ぎしりする真澄。確かに『彼女』の語る言葉は事実だ。例え嘘でも──彼女の口で語れば、それは『事実』になる。
やはり。あの時、トンネルで起こったのは何らかの霊障だったのだろう。それがキッカケで、茜は悪霊に憑依されてしまったのだ。
「『オレ』はなぁ……随分前にあの山の鉄塔で落っこちて死んだんだよ。成仏も出来ずに山のトンネルで閉じ込められてたんだ。
そこに丁度、波長の合いそうな『カラダ』がやって来てなぁ……『コイツ』の事だよ、はははっ!」
自分の身体を指さしながら邪悪な笑みを浮かべる茜。鋭く相手を見つめる真澄だが、内心は後悔に苛まれていた。
茜が憑依されていた時にすぐ近くに居たのは自分だ。何か、より良い方法は無かったのだろうかと。
だが、そんな後悔の念を察することも無く、『茜』は。
「おい、お前。今すぐ床に仰向けになれ」
「何を……」
「いいから早く! 先公にチクられてもいいのかぁ?」
言われたとおりにするしかない。教室のタイル床、そこに背中を預ける。すると──
茜がいきなり真澄の顔に目掛けて座り込んできた。スカートに包まれ、彼女の薫りに包まれる。
「あんっ♡ 私ったらぁ~♡♡ 放課後にえっちな気分になって~♡♡ 角オナしてたのを鷹城くんにバレちゃいましたぁ~♡♡♡
──おい、何してんだ、早くおっ勃てろよ。自分の彼女なんだろ?」
彼女の下着は既に濡れていて、その愛液が真澄の顔に着く。こんな奴に──こんな奴に!
「それともぉ~♡♡ 直接シコシコしてあげないと勃起できない体質なんですかぁ~?」
馬鹿にしたような口調で、茜は真澄のズボンのチャックを開く。慌てて閉じようとするが。
「下手に動くんじゃねえぞ? さっきの脅しの意味、分かってるよなぁ?」
──真澄は、彼女のスカートの内側で歯噛みする。抵抗は出来なかった。ジジジ、とチャックが開かれて。
自分のボクサーパンツから逸物が外の空気に晒される感覚を覚える。
「……おいおい、しっかり大きくしてやがる。中身が違うのにこ~ふんしちゃうんだ、私悲しいよぉ、え~ん」
「っ……くっ……」
茜の手が真澄の肉棒を掴み、それを速いテンポで扱き始める。今までこんな事をされたことは真澄もなく。
彼女のすべすべした手で肉棒を掴まれているという事実が、彼の興奮を昂らせてしまう。
「へへっ、なかなかデカくなるじゃねぇか……♡♡ 元の『オレ』程ではないけどなぁ、ははっ!」
その言葉とともに、顔面にまたがっていた茜が立ち上がり。ショーツを面倒くさそうに脱ぎ捨てる。
乱暴に打ち捨てられたショーツは、ぐっしょりと水気を吸っていた。
「それじゃ、ディルド代わりの生ちんぽ、いっただきまー…………あぐっ!?」
「な、あっ……お前っ……!!」
茜の顔が痛みで歪む。じんわりと結合部から赤い液が染み出して来た。
「かひゅっ……何だよお前ら、ヤることヤッてなかったのかよっ……処女喪失ってこんな痛ぇのか……っ」
「ふ……ふざけるな、勝手に茜の身体を操っておいてっ!」
「黙れよガキっ……! こっちは滅茶苦茶痛いんだぞっ……!」
その中身が違うが故に。真澄としても、彼女の処女を勝手に奪ってしまったことはショックだった。
ガニ股で、荒い呼吸をしながら『茜』は。それでもより奥深くまで肉棒を求めるように、ゆっくりと
沈み込んでゆく。
「はぁっ……くっ……あっ……クリトリス、弄ったらっ……少しはマシになってきたっ……♡♡」
痴態を見せつけるかのように、『茜』は片手でスカートをたくし上げながら。自らのクリトリスを
右手でくりくりと弄り続ける。その行為とともに、吐息が徐々にゆっくりと熱を孕んだものになって。
徐々に、彼女の身体に真澄の肉棒が入り込んでゆく。
「くっ……うっ、ぁあっ……!」
「ふ、ふふっ……♡♡ 『ハジメテ』の私のおまんこの感覚はどう? 気持ちいい、でしょっ♡♡♡♡」
「お、お前っ……」
「何だぁ? テメェはチンポを勃起させてりゃ良いんだよっ♡♡♡ この肉ディルドがよぉっ♡♡♡」
いつもの茜とは全く違う乱暴な口調。抵抗できない真澄は、せめて射精してはダメだ、と歯を食いしばる。
しかし、茜はというと。破瓜の痛みに慣れてきたのか、段々と腰を上下に振り始めた。
「んっ♡♡♡ くっ♡♡♡ ふぅっ♡♡♡ あひゅっ♡♡♡ これっ♡♡♡ 身体の内側、かき混ぜられる感覚っ♡♡♡♡」
「や……め゛っ……ゔっ……!」
「良いんだよ~♡♡ 鷹城くぅん♡♡♡ 腟内にいっぱい射精してっ♡♡♡ だって私たち恋人だもんねぇっ♡♡♡♡」
「ふざけるなっ! ぐぅっ……!」
「ふざけてなんかないよぉ~♡♡♡ 鷹城くんのモノ、い~っぱい欲しいなぁっ♡♡♡ ほらっ、さっさと射精しろよっ♡♡♡」
やがて茜の腰の動きは激しくなっていって。ぱちゅん、ぱちゅんと身体が乱暴にぶつかり合う音が
静かな教室に響き渡る。真澄の我慢も、もう限界に達していた。今すぐにでもコイツを引き剥がして
逃げなければという思いの反面、こいつの要求を断ったら何をされるかわからないという恐怖が入り混じって。
「あぐっ……ぐぅぅぅうっ……!」
「我慢しないで♡♡♡ 私の腟内、ぜ~んぶ鷹城くんので満たしてっ♡♡♡♡」
「く、ぁああ゛っ、はぁあああ゛っ!」
彼女の腟内の締め付け。生暖かくぬるりとした感覚。上下に揺れる、彼女の胸。
限界の糸が、切れてしまった。
「っっっっ♡♡♡♡♡ ぁああ゛あ゛~っ♡♡♡♡ あっついのっ♡♡♡♡ どくどくきてりゅっ♡♡♡♡♡」
二度、三度、四度。彼女の身体を貫いたまま、真澄の身体が跳ね、肉棒から精液を吐き出す。
その度に腰の上にいる茜は、甘い喘ぎ声を漏らしていて。
「──あ~ぁ♡♡♡ 私のカラダ、鷹城クンに汚されちゃった♡♡♡♡」
ぺろりと舌なめずりをした笑みを浮かべながら、茜が言う。真澄の体温が、一気に冷めてゆくのを感じた。
────
「さて、と」
まだ腟内に精液が残っているまま、脱ぎ捨てたショーツを着た茜は。いつの間にか立てかけていた
彼女のスマホを回収する。
「心配すんなって。お前の顔は撮影してねえよ、これは今夜シコ……じゃなかった。オナるためのオカズだからなぁ。
男優の顔が映ってたら集中できねぇ。茜ちゃんのイってる姿でしっかりオナってやるから安心しな♡」
床に倒れたまま、茫然自失としていた真澄を残して。
「来週の月曜も来いよ。来ないと……変な噂が出回っても知らないよ~?」
そう言って、茜は去っていった。
しばらく動けず。時間が経って、思いついたようにパンツとズボンだけ着直して。
それでも、茜の身に降り掛かってしまった災厄を思い。天井を仰ぐことしか出来ない真澄。
だが──だが。彼女の事を助けなければならない。どんな方法を使ってでも。
思考を巡らす。今までオカルトなどは信じていなかった真澄。
しかし現実に起こってしまった以上。それを信じざるを得ない。
そう考えると────気づくと、彼は一度も電話したことのない親戚に電話をかけていた。
「叔父さん……頼みがあるんだ」
開口一番、そう伝えた。
────────────────────────
翌日の放課後。スマホのメッセージアプリで、『茜』から指定の教室を伝えられる。
真澄は渋々ながらも、その教室に向かった。
「ふふっ、今日も来てくれたんだね、鷹城くん」
──しかし。彼とて、何の準備もなしに彼女と会うつもりは無かった。真澄の背後から、別の人物が現れる。
背の高い、ボサボサヘアの男。アロハシャツをまとい、明らかにこの空間から浮いていた。
明らかに真澄よりも年は行っている彼は、カラカラと笑いながら喋り始めた。
「おぉ、お前さんかい。甥っ子の彼女を取って食ったヤツってえのは」
「なっ……鷹城、テメェ!」
茜が他人に憑依されていることをバラした事に、怒る『茜』。しかし全く調子を崩さずに、真澄の叔父は続ける。
「ウチの本家は代々霊媒師をやっていてのぉ。悪いことは言わんから、その娘から離れてくれんかのぉ?」
「……嫌だね。こんな若くて綺麗な身体を手に入れたんだ。やりたいことヤらなきゃつまんねえだろ」
「ほぉ……亡霊と成っても元気なヤツじゃ」
だが。一応の説得が拒絶されると──叔父の口調が変わる。
「さっさとその身体から出たほうが良いぞ、『シドウ』?」
「は……? 何でテメエが俺の名前を知って……!」
「あの山の鉄塔で事故死したのはお前さんだけじゃからな。霊的存在にとって名前を知られるのは致命的だと知らなかったのか?」
「ぐっ……そうだ! だ、誰か~! 助けて~! 鷹城くんが襲ってきて──」
「残念だが。人払いも防音の障壁も張ってある。ここには誰も来んよ。お前の予想する対処法は全部無駄だ」
「何っ……!? 窓も、開かねぇっ……!」
ガタン、ガタンと窓を開けようとする『茜』だったが、全く動かない。舌打ちした彼女は──
カバンからペンケースを取り出し、カッターナイフを取り出し。自分の首に近づけた。
「おい! こいつのカラダがどうなっても良いのか!? 『俺』は別のカラダに取り憑くが……コイツが死ぬのは嫌だろう!?」
「──ッ!!!」
刹那。それまで我慢をこらえていた真澄は、一気に『茜』との距離を詰め、彼女に飛びかかる。
右腕を強く打ち付け、彼女から刃物を取り上げようとする。
「テメっ、離せっ──」
「ぐっ……!」
乱暴に動いたせいで、彼女の抵抗を受ける。真澄の腕に制服を貫き、浅い切り傷が走った。
だが、その不安定な動きのおかげでカッターナイフは真澄によって教室の床に弾かれる。
彼女の身体を抑えつけ、真澄はその上に乗りかかる形で封じ込める。
「ほぉ……俺の可愛い甥っ子を傷つけてくれたな?」
叔父の声が、ドスの利いた低いものになる。彼はポケットから小瓶を取り出す。水のように透明なソレは、
瓶のコルクを外すと一気に気化して、教室に霧のように広がっていった。
「いつもはキチンと『説得』して祓ってやるんだが──そこまで抵抗されちゃ仕方ねぇ。お前は悪霊のまま『喰われろ』」
教室に蔓延していた霧が形を作る。巨大で透明な狐のような姿に成ったソレは、大きな口を開きながら
茜の身体を丸呑みしようと飛びかかった。
「や、やめ゛っ────が、ぁあああ゛っ!!!??」
「お、叔父さん!? これはっ……!?」
「ヤツが茜ちゃんの身体を奪ったように──悪霊(シドウ)の魂を茜ちゃんの魂が喰らうように操作している!
真澄、お前は離れろっ!」
飛びのいた真澄。床でジタバタと身体を動かしながら、痙攣を起こすようにびくびくと震える茜。
やがて透明な狐は、茜の身体にズブリと沈み込んで──茜は動かなくなった。
「……やはり、こうするしかなかったか」
「茜……茜っ!」
思わず駆け寄る真澄。彼女の身体を抱きかかえて揺すると──茜はゆっくりと目を開く。
「あぁ……ごめんなさい、真澄くん……! 君を傷つけてしまった……!」
「そんなのどうだって良い! 茜は……茜なんだよな!」
「う、うん……!」
「良かった……!」
だが。茜はふと呟く。
「……わ、私のおっぱいって、こんなに大きかったっけ……いや、おれ……わたし……?」
「茜……?」
「……すまんのぉ、真澄。『副作用』が出る方法しか取れなかったんじゃ」
真澄の叔父が語るには。あのトンネルには鉄塔で落ちた以外の別の悪霊も残存しており、
弱った茜の霊魂を採取するので精一杯だったこと。そして弱った茜が元の体を取り戻すためには
無理やり霊力を引き上げることしか出来ず。『悪霊(シドウ)』ごと魂を喰らって
奪い返す方法しか取れなかった事を伝える。
「じゃからのぅ……茜ちゃんの魂には僅かに男の精神が宿っている。アンバランスな状態になってしまったんじゃ」
「そ、そんな……」
「い、いいの。真澄くん。元の体に戻れただけで、私は十分良かったわ……」
そうは言いながらも。彼女は自分の身体に違和感を覚えているようだった。ソワソワと動き、
股間を気にするように、何の恥じらいもなく股を触る。
「無い……のが、普通なんだよね……」
「どうにかならないか、叔父さん」
「方法があるにはあるが……茜ちゃんの同意が必要じゃ」
「──何だってします。二人に助けられた私ですから」
「じゃぁ、それはのう……」
叔父が語った言葉に。二人は一気に顔を赤くする。
「じゃからの、俺はこの場ではお邪魔虫じゃ。一旦この辺りを見て回るから、じっくりやることじゃ」
そう言って──真澄の叔父である霊媒師は、教室を一旦去る。
彼女の魂を定着させる方法は──『二人でセックスをして、陰陽の気を安定させること』だった。
────────────────────────
「そ、その……イヤ、だよな……こんな方法で……」
「ち、違うよっ!」
そう言って、茜は真澄を抱きしめる。『自ら』が付けてしまった傷に、後悔の念を抱きながら。
「もしもセックスしなきゃってなったら、真澄くんが良い……いや、真澄くんじゃなきゃヤダ」
「茜……」
「でも……でも……やっぱりおかしいんだ、今の私。こうやっておっぱいを押し付けてる事に興奮しちゃってる。
自分がオンナで良かった、だなんて変なこと考えてるんだ。自分で自分に興奮するなんて……っ」
その様子は、強く自分に嫌悪感を抱いている表情だった。心配させまいと、真澄も強く茜を抱きとめる。
「なんとかする。茜が、自分のことを嫌いにならないように、努力するから」
「うん……!」
だが、やはり衝動には勝てないのか。彼女は教室の姿見の前に座り込み。
「これが、私なんだ……おっぱいが大きくて、チンコもついてなくて……代わりにここに、マンコがあって……っ♡♡♡」
「…………」
「あ、あはは……ごめんね。やっぱり今日の私、変だよね……」
「いや、いつも通り可愛いよ」
「…………♡♡」
とくん、と茜の鼓動が跳ねる。四つん這いになった彼女は、スカートのままショーツをゆっくりと脱いで。
「ハジメテ、じゃないんだよね。でも、『私』にとってはハジメテだから、その……」
「優しくする、うん」
そう言うなり、四つん這いの彼女の身体のおっぱいをゆっくりと揉む。じんわりとした熱が彼女にこもる。
「んぅっ……♡♡ いきなり挿入れなくて、いいのっ……♡♡♡」
「こういうのは先に気持ちよくなる準備が要るんだとさ」
「そっかぁ……♡♡ 自分が気持ちよくなるだけじゃ、無いんだね♡♡」
ブラ越しに乳首をクリクリと弄られる度に、胸にゾクゾクする快楽が走って。それに呼応するように
股がきゅんと疼く。片方の胸から真澄の手が離れて、茜のクリトリスをゆっくりと弄る。
「はぁんっ♡♡♡ そ、それしゅきっ♡♡♡ 真澄くんの手でっ♡♡♡ 敏感なとこ、弄られてりゅっ♡♡♡」
眼の前には──快楽で蕩けた表情の雌の顔。綺麗な癖に、雌として感じている姿。
自分の顔なのに、ものすごく興奮する。ねっとりと、彼女のワレメから愛液が染み出してくる。
「真澄、くんっ……♡♡ もう、いいよっ♡♡♡ 私の準備は出来た、からっ♡♡♡♡」
こういう時、男ならどうやって誘われたら興奮するだろうか。茜はそう考えて──自分のワレメを
片手でくぱぁと開いてみせた。
「ここ……♡♡♡ 真澄くんので、いっぱいにしてっ♡♡♡♡」
亀頭がワレメの表面をなぞる。痛いほどに勃起しているのが、見なくても分かった。
それが茜の身体に、ゆっくりと入り込んでくる。一気に入れたいだろうに。それでも自分を
気遣ってくれる事に、余計に嬉しくなってしまって。
「あ゛っっ♡♡♡ はぁぁぅっ♡♡♡♡♡ 真澄くんのっ♡♡♡♡ きてりゅっ♡♡♡♡♡」
鏡合わせの『自分(茜)』が見える。涙目で、顔を赤くして、にへらと口元が緩んでいて。
幸せしか感じていないかのような表情に、余計に自分が興奮するのが分かる。
あぁ。自分は、自分にすら興奮する変態になってしまったのだと。
──それも悪くないかな。そう茜は思う。
「茜のナカっ……きゅぅって、締め付けてきてっ……!」
「だってっ♡♡♡ 真澄くんのが、欲しくて欲しくてたまらないんだもんっ♡♡♡♡」
「茜っ……!!」
恥ずかしいセリフだって、今なら言えちゃう。だって、私も真澄くんも興奮するから。
媚び媚びの言葉も、歯の浮くような言葉だって、私が興奮できるんだから。
「今日は安全日だからっ♡♡♡♡ 真澄くんの全部、私に膣内射精してっ♡♡♡♡」
「っっっ……!」
パン、パンと腰が動く。茜の内側がかき混ぜられて、グラグラになる感覚。
好きな人に貫かれて、自分を壊されて。もっと大好きになる。壊れた自分の顔も、もっと好きになる。
「射精してっ♡♡♡♡ 真澄くんのモノ、いっぱい欲しいのっ♡♡♡♡」
「んんぐ、ぁあああ゛っ──!」
びゅる、びゅるる~~────『茜』の内側に、熱くて粘っこい液が放出される。
一気に脳まで電気が走る。ゾクゾクした快楽が『茜』を襲い、四つん這いの姿勢が崩れる。
舌を出し、びくんびくんと身体を震わせながら……トロ顔で床に倒れ込む鏡の向こうの『自分』。
──とってもエロくて、とっても幸せで。
「えへ、へ……♡♡♡♡」
理性の欠片もない、だらしない笑みを浮かべることしか出来なかった。
────────────────────────
霊障事件があって、数日後。真澄と茜はいつも通りの日常を過ごしていた。
──表向きは、の話だが。
「真澄くん、今日も一緒に……」
「お、おお……」
二人は一緒に勉強をする、という名目でお互いの家を訪問する事が増えた。それも、なるべく家族が居ない時間や機会を狙って。
今日は茜の家で『勉強会』。自室に入り込み、ドアのカギを閉めると──
「……ふぅ、疲れるな。『女の子』らしく振舞うのは」
「だよなぁ……俺が同じ立場なら間違いなく苦戦する」
ソファーに二人揃って座る。茜は脚を開き、まるで男のように座り込んだ。
『シドウ』と自称した男の魂を喰らった茜。その影響が残ったままなのか、
二人っきりの秘密を共有できる場面では『男の性質』を隠すことが無かった。その方が気楽なんだとか。
「大変、だよな」
「いや、案外そーでもないぜ」
そう言うと、ソファーに隣同士座っていた茜は真澄の肩に頭を寄せる。
ふわり、と柔らかい匂いに包まれて僅かに真澄はドキッとした。
「こうやって『理解してくれる』奴が居るからな。へへっ……君が居なかったらもっと大変だったかも」
「それに、さ……」
茜の顔が真澄に近づき、口づけする。そのまま、真澄の上に座り込むようにして抱きついた。
「へへっ……♡♡ やっぱり真澄(お前)と居ると安心するし、ドキドキする♡♡♡ いい匂いもするし♡♡♡」
「っ…………それは、茜だって……」
「知ってるよな。匂いが好きなヒト同士って、遺伝的にも相性が良いんだってさ♡♡♡」
蕩けた表情で、茜は続ける。
「はぁっ……♡♡ 自分がオンナなんだって事だけでも興奮するのにっ……♡♡♡ これから大好きなオトコに
抱かれるんだって思うと、二重に幸せになっちまうっ♡♡♡♡」
じわり、と彼女のショーツが子宮の疼きに反応し、湿ってゆく。あの事件以来、男を誘うような下着を
身につけるようになった茜。今日は黒色のフリルが付いた下着。勿論見せるのは、真澄にだけ。
「ソファーじゃ狭いしさ……行こうぜ、ベッドに♡♡♡♡」
パサリ、とお互いの制服を脱ぎ捨て。ふと真澄は気がつく。
「あれ……ブラ、また大きくなったか」
「お前がずっと揉むせいで乳腺が発達したんだよ、このヘンタイ♡♡♡♡」
言葉とは裏腹に、茜は育ったおっぱいを真澄の身体にむにゅり、と押し付ける。
「ふふっ♡♡♡ これだけで勃起するのかよ♡♡ 気持ちは分かるぜ、『私』も勃起すると思うし♡♡♡」
「それ、は……」
「良いって。ほら、脱ごうぜ♡」
そして、二人とも一糸まとわぬ姿になって。コンドームを着けている内に、茜が先にベッドに仰向けになった。
「──来て、真澄くん。貴方のモノで、私を……いっぱい愛してほしいの♡♡♡」
先程までの男のような乱暴な口調を抑えて。『かつての彼女』らしい仕草で、真澄を求める。
ゴクリと唾を飲み。真澄はゆっくりと、肉棒をワレメに突き立てて。
「~~っ♡♡♡ はぁっ♡♡♡ んくぅぅっ♡♡♡」
「……痛くないか」
「ち、違う、のっ♡♡♡ 好きな人のモノが入ってきてっ♡♡♡ 軽イキしちゃってっ♡♡♡」
ビク、ビクリと茜は身体を震わせる。真澄の身体が茜に覆い被さり、トン、トンと膣内を突く。
「んっ♡♡ あ゛っ♡♡♡ あひゅっ♡♡♡ 好きな人に包まれてっ♡♡♡ 子宮トントンされてっ♡♡♡♡ あん゛っ♡♡♡♡ しあわせっ♡♡♡♡」
「くぁっ……気持ち、良いよっ、茜っ……!」
「嬉しいっ……♡♡♡ 『アタシ』のナカっ♡♡♡ 真澄くんの形に作り変えられてくっ♡♡♡♡」
どこか歪で、それでも互いに幸せな二人。あの悪夢を味わいたいとは思わないが──今の二人は幸福だった。
「オンナの身体、最高っ……♡♡♡ おっぱいも、クリトリスも気持ちいいのに、好きな人に犯されてもっと気持ちよくなれるっ♡♡♡♡♡」
「茜っ……茜っ! 俺、もうっ……!」
「射精しそう? いいよっ♡♡♡ 全部全部、アタシの中にちょうだいっ♡♡♡♡」
薄皮のゴムに隔てられているとは言え。身体を預け合う彼と彼女は──どこまでもお互いを求めていた。
「イ゛っ……あ゛っ、ぅぁああ゛っ──!!」
「ぁああ゛っ♡♡♡ ドロっとしたの、来てりゅっ♡♡♡ 真澄くんのっ♡♡♡♡」
ゴム越しに、真澄の精を感じる茜。分かっている。本当は生で射精したいのだろうとは。
それでも、今の学生の関係ではまだ早い。それを理解してくれる真澄が、また好きになってしまって。
おまんこが真澄の肉棒を包んで離さない。気がつくと、茜自身も真澄に腕を絡めていた。
そのまま、二人は繋がったままベッドに沈んでゆき。
「────大好き、だ♡♡♡」
荒い呼吸の中、それだけを真澄に呟くので、茜は精一杯で。
多幸感に溢れていた二人は、やがて再び身体を重ね合う。
この幸せだけは、誰にも壊せやしない。
お互いに、そう想った。
「こんな私だけど……幸せにしてくれる?」
「当たり前だろ」
手が重なり、恋人繋ぎをして。二人の唇が、また重なる。