奇妙な隣人 13 (Pixiv Fanbox)
Published:
2021-11-23 05:23:56
Imported:
2026-06
Content
13異世界からの訪問者
「『ヒドロゾアラー』が俊太さんの恋人ですか」
アパートに戻ると岩崎が待っていた。
ブルームは岩崎をひと目見るなり「おや?」と少し驚いてからこう言ったのだ。
「あなた方も苦労されてらっしゃいますよね? 私どもの世界と同じく絶滅の危機が迫っておりますし」
俺と岩崎のポカンとした表情を交互に見たブルームが付け加えてこう言った。
「ご存知ではなかったのですか?」
俺よりもむしろ岩崎がブルームに強く迫った。知っている事があるなら教えてくれ、と。
◇
「私どもが把握しているだけでも48の世界が隣接して同じ時間軸でこの宇宙に存在している事が判明しております」
「48も異世界があんのかよ!?」
ブルームを先生として岩崎にまつわる情報を教えてもらう講義タイムが始まった。
「科学技術の進歩や文明の発展具合がそれぞれ異なりますからテクニカルな『知識』をお伝えする事は不可能、です。そこは
ご承知おき下さい」
岩崎も俺も大きくうなずいた。
他の世界に干渉して歴史を捻じ曲げるような行為はできない、と言う意味だ。
「他の世界を観測できる装置のお陰で俊太さんこそ受精可能なお相手だと判明したんですが、こちら以外の世界を調べなかったのかと言うとそうではありません。
その世界がどう言う状況か、どのようなヒトがいるのか、などは把握しております」
「それで、岩崎も異世界人、だっていうのか?」
「はい。岩崎、と呼ばれているこちらの方は、陸と海、両方で生息可能な異世界の人間・『ヒドロゾアラー』と申します。
ザックリ申しますとクラゲから進化した人類、となりますね」
俺と岩崎が顔を見合わせた。
「俺……、クラゲだったんだ……」
特段ショックを受けているように見えないのは、それなりに思い当たる事があったのかも知れない。
「『ヒドロゾアラー』は卵生でして、基本的には無精卵で出産された後、配偶者からの精子を卵が受精し成長していくのですが、配偶者ではない場合でも精子を与えた相手と同じ種族に擬態し、成長すると言う特色がございます。
なので、岩崎さんもこちらの世界で人間の精液を与えられ受精しておられる事は確実でしょう」
なるほど。
研究所代表の二ノ宮から聞かされた『IWASAKI』にまつわる話とも一致している。
「そして、ヒドロゾアラーたちの世界もまた我々同様に絶滅の危機に瀕しているのです。原因についてはいくつも重なっていて、
これが一番の要因なのです! などは申せませんが、彼らも絶滅の危機を悟って、様々な手を打っている事は事実です」
「じゃぁ、他にも岩崎みたいなヒドロゾアラーって奴がこっちにいるかも知れないのか?」
「そこまでは、分かりかねます。個体、個別の事象についてまでは観測し切れませんので。ここにヒドロゾアラー、いえ、岩崎さんがいらっしゃることも知らなかった訳ですし」
「悪ぃ。話の腰を折っちまって」
「いえいえ。全く問題はありません」
「あ、あの!」
岩崎が顔を上げてブルームに尋ねた。
「ずっと前から俺、人間じゃないんだろうな、とは分かっていたんだけどまさか異世界からこっちに来たヒドロゾアラーだなんて正直理解が追いついていないと言うか、頭ん中混乱してるって言うか……」
岩崎は俺の目をじっと見つめた。
「そんな状態だけど、でも、一つだけ言いたいのは、俺は、ここに居てもいいのかな、って……。俺の中には別の俺が何人も居るし……。そんなおかしな奴がシュンちゃんとこの先も、……一緒にいても良いのかな?」
「よろしければ詳しくお聞きしても構いませんか?」
首を傾げるブルームに岩崎は、これまでの事、何人もの別人格の事、俺のフォローを加えつつ語った。
「――ふむふむ。なるほど、そう言う事情でございましたか」
流れで俺と岩崎が付き合っている事も話したが、ブルームは眉一つ動かさずに聞いていた。俺を伴侶に! と言っていたのは何だったのだ?
「複数の人格がある、と言う点に関しましては恐らくヒドロゾアラーの擬態能力の成せる技、かと思います。また人格の元となっているのは与えられた精液の持ち主に準拠していると思われます」
「じゃ、じゃぁ! 俺の人格や意識がだんだんと薄れてきてるいるのは!」
「ヒドロゾアラーの人格形成について専門家ではありませんが、いずれは最も優位な人格があなたを支配するのだと思います。
成長するにつれてその傾向がより明確になって来てる訳で、あなたの今の人格が薄くなっている代わりに他の人格が強くなってきているのでしょう」
岩崎の顔が深刻に青ざめた。
「ど、どうしよう……。俺、もうじき俺でなくなっちゃうよ、シュンちゃん……」
「でしたら産卵されれば良いと思います」
「は?」
「え?」
俺も岩崎も目が点になった。
「すでに岩崎さんは成体なのですから産卵は可能でございます。その産み落とされる卵に基本人格として移されれば良いと思いますよ?」
「んな事ができんのかよ!?」
俺はブルームを、そして岩崎を見つめた。
「や、やったことないから……」分からないと岩崎は言う。
「でも、その方法しかお前を、『岩崎 啓司』の人格を守る方法はないんじゃないか? 俺は『岩崎 啓司』を失いたくない」
俺と岩崎の目と目が合う。
他の人格の奴らも俺を好きだと言ってくれたけど、俺はやっぱこの『岩崎 啓司』と居たい。
「オッホン! お二人良い感じの中誠に申し訳ないんですが、俊太さんは私に精子を授けてくださいませんと。私もこの世界にまで来て、受精も妊娠もできず死んでしまうのはごめん被りたい所です」
「どう言う意味なのシュンちゃん」
今度は俺から岩崎にブルームとの経緯を話さなくてはならなかった。
「そっか。そう言う事なら仕方がないよ。シュンちゃんの精子で妊娠できなきゃ死刑になってしまうんでしょう?
嫉妬しないと言ったらウソになるけど……。俺の別人格とセックスしている時だって他の人とヤってるのと同じだからさ」
「では俊太さん。恋人である岩崎さんのお許しも出たようですので早速――」
スッと岩崎が立ちあがった。
「とは言え、だ。シュンちゃんとブルームさんの二人だけで、その、ヤッているのを指を咥えて黙って見てるだけなんてできない! 俺も交ざるから!」
ブルームが手を打って喜んだ。
「おお! 素ん晴らし~いですねぇ! 私も大賛成でございます! 興奮と快感が大きければ大きいほど着床率は高まりますので是非岩崎さんもご参加下さい!」
「お、おい! 何を勝手に話を進めてんだよ!」
「さぁさぁ! 俊太さん! 時間がもったいのうございます! 男3体、皆で気持ち良くなろうじゃありませんか!」
着ているスーツを脱ぎだすブルーム。もっこりとしたヒョウ柄ビキニ一枚になって俺に股間を見せつける。
岩崎もいそいそとパーカーとジーンズを脱いでケツワレ一丁になってやがるし。
ああ、こうなったらもうヤケクソだ!
トコトン精液をぶっ放してブルームを孕ませてやる!