おねだり② (Pixiv Fanbox)
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たまには有給休暇を取って平日の昼間からのんびりするのも悪くない。普段はなかなか見られない昼の帯番組をぼんやり眺めていると、玄関の方からガチャリと音が聞こえた。
そういえばもうこんな時間かと、スマホの時刻表示を見て音の正体に察しをつける。
「あれ、お兄。もう帰ってたの」
社会人になってから何年も一人暮らしをしている俺の部屋に、ここのところ頻繁にやって来る我が妹だ。
「あー分かった。ズル休みでしょ?」
「バカ言うな。有給だよ、大人は仕事に差し支えなきゃ好きな時に休んでいいの」
「へー」
妹はカバンをテーブルに置くと、中から縄の束を取り出して俺に差し出した。
「じゃあ……これ、よろしく」
俺の妹にはとても人に言えない趣味がある。それは縄で身体を縛られるというもので、当然ながら俺以外の家族には内緒にしている。
妹が頻繁にやって来る目的はもっぱらこれなのだった。
「制服のままでいいのか?」
「うん。もう長袖になったし、痕が付いても平気」
「そうかい」
皺になってもいいのか聞いたつもりだったのだが、どうやらそんなことは気にしていないようだ。
俺に背中を向け、腕を後ろに組んで見せる妹。その体に言われるがまま縄を走らせていく。
やがて全身の自由を奪うと、床に転がした妹は息を荒くし始めた。
「ん……ありがと……」
「どういたしまして」
こんな非道なことをやっていていいのかと不安にもなることもあるが、本人が望んでいるなら仕方ないだろう。俺からは特に断る理由もないしな。
「飯、食ってくか?」
「うん……」
「何食べたい?」
「何でもいい……」
今は飯の心配よりも縄の感触を貪るのに夢中なようだった。
今日は仕事を休んでいて疲れてもいないし、たまには凝った料理でも用意してやるか。俺はネットで近所のスーパーのお買い得情報を集めつつ、今の気分と相談しながら何を作ろうかと考え始めた。