アルティマミレーヌ・オリジン③『地上破壊計画』 (Pixiv Fanbox)
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挿絵 JAM様・江路院様
地球でアルティマミレーヌが活躍し始めてからしばらく…
幾多の怪獣や宇宙人が出現するも、ミレーヌとDUO、そしてその仲間たちの活躍で地球の平和は保たれていた。
そんなある日、DUOの各支部が集まって行われる会議にミレーヌの地球での姿…卯月メイ隊員が派遣されることが決定する。
日本支部の指揮を取る村正キャップの指名で、メイはパリ本部へと赴くこととなった。
「もちろん君の正体は秘密だが、一番近くでアルティマミレーヌの活躍を見届けたものとして、存分に他の支部と交流してきたまえ。」
地球人側でミレーヌの正体を知る数少ない人間…村正の計らいに、メイの顔は綻ぶ。
「ありがとうございます!あんまりミレーヌを褒めるのは自画自賛になっちゃうから気が引けますけど…」
戦う場所は違えど、同じ地球を守るDUOの仲間と会えることに、メイは喜びを隠せなかった。
ちょうどパリ本部から技術交流で来ていたアンジェ隊員と共に、パリへと出発するメイ。
これが大きな事件の始まりになるとは、まだ誰も知るよしはなかった…
全世界的な通信異常が発生したのは、メイたちが旅立ってすぐのことであった。
地中を網羅していた通信ケーブルが悉く破壊され、衛星通信などもその基地が物理的に攻撃されたことで機能を喪失してしまう。
全世界が大混乱に陥る中、その対応に追われるDUOの日本支部…
その陣頭指揮をとる村正も、一つの違和感を抱いていた。
これほどの緊急事態…いつもなら変身してでもミレーヌは日本へ飛んで帰ってくるはずである。
しかし彼女から一切のアクションがないことは、今回の事態の重大さを物語っているようであった。
「卯月くん…無事でいてくれよ…」
こんな時に限って、ミレーヌの義姉・リオナも地球を離れている。
部下を心配しながらも、まずはDUOの力で目の前の事象に集中しなければ…
村正はこの難局へ、部下と共に挑んでいくのであった…
DUOの活躍もあり、何とか通信システムが復旧して事態の収束が見え始めた。
そんな最中、気になる報告が村正へと上げられる。
それは、メイと共にパリへと出発したはずのアンジェ隊員が東京の街中を歩いていた…というものだった。
目撃地点の監視カメラをチェックした村正が目にしたのは、確かにそこに映っていたのはアンジェ隊員その人であった。
「一体どういうことなんだ…」
村正は精鋭を組織して、アンジェが最後に消えたビルを張り込む。
サングラスでその視線を隠したアンジェ隊員が現れたのは、張り込み開始から数時間後であった。
「待て!アンジェ隊員、こちらを向くんだ!」
背後から銃を構えて村正が呼び止めると、こちらへ振り向くアンジェ隊員。
「改めさせてもらおう…サングラスを外して顔を見せろ!」
村正の言葉にアンジェ隊員の口角が上がる…
しかし、サングラスを外したその顔には、本来あるべきはずの目がなかった。
「そんなばかな…のっぺらぼうでもあるまいし…」
困惑する村正たちをあざ笑う声が、街中にこだまする。
ハハハハハハ…
高らかな笑い声に呼応するように周りの地面が隆起し、そこから地底鋼獣テレノータスが現れる。
火を噴き大暴れするテレノータスから逃れるため、DUOは一時撤退を余儀なくされるのであった…
ズウウウン…
部屋全体が振動し、天井からパラパラと破片が落ち始める。
「テレノータスが地上を破壊し始めた…これでわれらの地上制覇の夢まであと少しだ!」
部屋の中で興奮している人々から歓声が上がる。
彼らの顔には、さきほどのアンジェ隊員と同じく目に当たるものがなかった。
「地中で苦しい生活を続けてきたこの幾千年…ようやく地上を我が物とするのだ!」
狭い部屋の中心には制服姿のメイが横たわっている。
催眠でも施されたのか、うつろな表情で目線を泳がせるメイ。
「くくく…卯月メイくん。君の正体は知っているよ…キミたち正義の女神が現れてどうなることかと思ったが、身体能力を抑えるために地上人の不利などしていたのが運の尽きだったな!」
ミレーヌたちは地球での活動時はいざという時のために力をセーブしているため、一般人より少し優れている程度の能力になっている…
その隙をついて、アンジェ隊員に化けた地底人がメイを拉致するというのが今回の計画だった。
通信網の破壊による混乱に乗じた作戦は見事に成功する。
混乱した地上ではテレノータスが暴れ、洗脳したアルティマミレーヌまで手に入れば、地上の征服もスムーズに進む。
地底人の地上破壊計画は、今まさに成就しようとしていたのである。
「さぁ…あとはアルティマミレーヌの秘密を見せてもらおうか…」
メイに変身を促すため、その身体を改めていく。
制服のボタンをはずしてその胸をあらわにしたとき、明らかに異質なものを感じ取る地底人。
「これは…エナジータイマーか?」
目のほとんど見えない地底人にはその眩い輝きを直視することはできなかったが、メイの胸には青く光を湛えるエナジータイマーが鎮座していた。
「憎々しい光の象徴め…われらの手に堕ちろ!」
バチバチバチッ!
手をかけようとした地底人の手を、まばゆい光の熱が焼いていく。
「うわああああっ!?」
無意識に自らのもつ光の女神の力を解放して変身するメイ。
凄まじい光が室内を満たし、メイを取り囲んでいた地底人たちはバタバタと倒れていった。
たとえ意識を失っていても、光の女神たるミレーヌの力は色あせることはない。
彼女の危機に発現したその力は、メイの身体をミレーヌと変えて地上へ向かって地中を進んでいくのだった…
「ふぅ…催眠にかかってしまったのに気づいたときはどうなることかと思ったけど…」
意識を取り戻したミレーヌは、光の力の発現で何とか窮地を乗り切れたことに胸をなでおろし、地上に飛び出ようとしていた。
ズウウゥン…
再び地中に大きな揺れが起きた瞬間、地上へと到達するミレーヌ。
空中へと飛び出したミレーヌが見たのは、火に包まれた町と中心で咆哮するテレノータスの姿であった。
「くっ…もう被害が広がっている…止めないと!」
空中から勢いを活かし、飛び蹴りの要領でテレノータスへと蹴りかかるミレーヌ。
ガキィッ…
ミレーヌの全体重と自由落下の力が加わったキックがテレノータスの胸板に食い込み、鈍い音があたりに響く。
いつもなら怪獣が倒れ込むシーンが展開されるはずだったが、そこには全く微動だにしないテレノータスの姿があった。
「きゃああああっ!」
逆に弾き飛ばされたミレーヌが地面へと転がり、痺れた足を押えて蹲る。
「固くて…重いっ…」
身長はミレーヌより一回り大きいほどであったが、その体重は優に4倍近くになるテレノータスの自重と、地下を掘り進む生活で鍛えられたであろう頑強な皮膚が攻撃を跳ね返していたのである。
ガアアアアアッ!
テレノータスはこの隙を逃さず、一気にミレーヌにのしかかる。
全体重をかけた圧殺攻撃のまえに、ミレーヌの身体は地面へと押し付けられて反撃不能に陥った。
「う…ぐぅ…身動きが…」
ハアアアア…
目の前で自らの力に屈して動けなくなった獲物を前に、涎を垂らして興奮するテレノータス。
その涎が身体を汚していく毎に、ミレーヌは違和感に襲われる。
「なんでっ…力が…抜けちゃう…」
地底人たちは万が一作戦が失敗したときにはテレノータスでの地上破壊をスムーズに進めるため、ミレーヌを催眠状態にする際に薬物の投与を行っていた。
その効果は、テレノータスの匂いや体液に反応して筋弛緩を誘発させるものであった。
ただでさえ対格差で不備があるのにもかかわらず、戦う力まで奪われてしまったミレーヌ…
ピコンピコンピコン…
エナジータイマーも点滅をはじめ、胸にはぷっくりと乳首が浮かんでしまう。
「身体が…熱い…なにかされてしまったの?…ああっ…」
股間のスリットも湿り気を帯び始め、ミレーヌに危機が迫っていた…
ミレーヌが登場して胸をなでおろした村正であったが、状況は彼女に不利なようであった。
明らかに本調子でない様子のミレーヌは、テレノータスに組み伏せられてピンチに陥っている。
あられの無いミレーヌの姿に民衆は息をのんでいたが、DUOの面子は何とか状況の打破を図るためにテレノータスの様子をうかがっていた。
「あの口の中…おそらく奴の身体で唯一攻撃が通る可能性があるところでは…」
部下からの進言を受けた村正は、部下の中で射撃に長けた三人を集めて指示を出す。
「ミレーヌが身体を張ってくれている…奴が口を開けた瞬間に、トリニティショットで狙撃するんだ!」
DUOシューターの射線を交差させることで、レーザーショットの威力を増幅させるトリニティショット…
テレノータスに対抗するには、現状で出せる最大火力が必要なのを理解した村正の指示が飛ぶ。
「ミレーヌ…何とか隙を作ってくれ…」
村正の視線は、テレノータスに蹂躙される光の女神に注がれていた…
パンッパンッ…
ビルにもたれかかったミレーヌをバックの姿勢で蹂躙するテレノータス…
ピピピピピピ…
高速に点滅するミレーヌのタイマーが、女神の終焉が近いことを告げていた。
「このままじゃ…あんっ…やられちゃう…」
突き上げられる快感で意識が刈り取られそうになるのを、何とか耐えるミレーヌ。
しかし、そんなミレーヌの目に希望の光が飛び込んでくる。
それはDUOシューターを構えてこちらに狙いをつけている村正たちの姿であった。
視線の先にいる村正たちの様子を見たミレーヌは、その意図を理解して頷いて見せる。
期せずして顔を上げたことで体勢が変わり、その刺激がミレーヌとテレノータスを同時に絶頂へと導いた。
「あああっ…い…いくぅっ…」
ブビュ…プシュウウウ…
ミレーヌの締め付けにテレノータスも果てたのか、覆いかぶさりながら咆哮する。
グオオオオオ…
満足そうに口を開けて吠えるテレノータス。
「いま…みんな、おねがいっ…」
その隙をついて、ミレーヌは前に倒れ込む。
次の瞬間、テレノータスの無防備に咆哮する姿が銃を構えるDUOの隊員たちの前に晒された。
「いまだ!てぇっ!」
村正の号令で狙撃位置についていた隊員たちの銃口が火を噴き、交差した光線が一つの閃光となって走る。
DUOシューターの最大火力…トリニティショットがテレノータスの咆哮する口内に命中し、その柔らかい体内から焼き尽くしていく。
ギャアアアアア!
テレノータスの断末魔が響く中、最後の力を振り絞ったミレーヌも、倒れ込みながらその姿を消していた…
数分後、ボロボロの姿になったメイ隊員が保護されたとの報告が村正に入る。
「あはは…地底人に捕まったところをミレーヌに助けられちゃいました…」
心配するほかの隊員たちにおどけながらも、担架で運ばれていくメイ。
村正と目があったメイは軽くウィンクし、村正もうなずいてそれに応えるのだった。
こうして地底人の計画は失敗に終わり、世界は平穏を取り戻していく…
その中でまた、次の戦いの予感が胎動していくのだった…
次回予告
東京湾近郊で海洋生物の遺体が大量に発生する事件が起きる…
その現場に共通する航路をとっていたカカオ豆輸送船に隠された秘密とは…
次回「東京湾警備指令!」
さぁ、来週もみんなでみよう!