魔列車 ―神羅鉄道・性接待線― (Pixiv Fanbox)
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バレットは、とにかく金を必要としていた。
日々の生活費、セブンスヘブンの経営資金、そしてアバランチの活動資金。
そのどれもが彼の肩にのしかかるような重荷になっていた。
今日をなんとか乗り切ったところで、明日にはまた別の重圧が襲ってくるのだ。
そんなある日、知り合いから妙な儲け話を持ちかけられた。
「金持ち向けの接待の仕事だとよ。マッチョな男を探してるらしいぜ。お前なんかピッタリじゃねえか?」
バレットはすぐに察した。
おそらくはただの力仕事ではない。金持ちの接待など基本的にろくでもないに決まっている。
だが、話を聞くだけなら構わない……そう思い、彼はプレート上層へと向かった。
面接の場所は、上層の外れにある廃墟同然の古びたビルだった。万が一の事態に備えて十分に警戒しながら足を運んだが、面接官の男は予想に反して満面の笑みでバレットを迎えた。
「やっといい人材が見つかりましたよ」
面接官はにこやかに対応したが、その眼差しは値踏みするかのような鋭いものだった。
仕事の内容はシンプルだった。
終電後貸し切りとなった神羅鉄道列車内での性的接待。
走行する車内で「特別」なサービスを提供する。客は神羅の上役やミッドガルの有力者たちに限られ、厳密な秘密保持契約の遵守が絶対条件。
走る列車という密室の中でインモラルな非日常を味わわせる……それが妙な儲け話の正体だった。
「まぁ、そんなこったろうと思ってたぜ……」
さすがに気乗りはしなかった。立ち去ろうとするバレットだったが、面接官が提示した報酬の額を見て息を呑んだ。
これだけあれば、当分は金に困らない。
それどころかセブンスヘブンの経営も安定させ、アバランチの活動にも集中できるだろう。
帰路の道中、バレットは逡巡した。自身のプライドとその他全てを秤にかける。
一夜だけプライドを捨てれば、多くの人間を楽にできる。マリンやティファ、ジェシーにビッグスやウェッジ……皆の顔が脳裏に浮かぶ。
バレットは重い息を吐き、覚悟を決めた。
深夜二時、神羅鉄道のプレート上層駅前。
面接時に配布された添乗員の制服に身を包んだ男たちが既に四人ほど集まっていた。
皆、鍛え上げられた肉体を持つ男ばかりだ。制服の下に筋肉を押し込めるようにして、逞しいシルエットを浮かび上がらせている。
しかしそんな中でも、バレットの巨躯は群を抜いていた。
先日の面接官が今日の仕事の進行役でもあるらしい。
進行役が駅員に声をかけると、バレット達は裏口のような通路を通ってホームへと案内された。
照明が最低限しか灯されていないホームはどこか異様な雰囲気を孕んでいる。
空気の淀みを一層に感じ、足音はやけに大きく響く。
間もなく、暗闇の中から列車のヘッドライトが近づいてきた。
バレットは左手を固く握りしめ、意を決して列車に乗り込んだ。
乗り込んだ瞬間、バレットは既に大きな後悔に襲われていた。
若い女を抱けるなどという期待は最初からしていなかったが、せめて金持ちの女相手だろうと高をくくっていた。しかし、車内を一目見て、彼の表情は凍りついた。
そこにいたのは男ばかり……しかも脂ぎった中年男達が、座席にところ狭しと詰め込まれている。
焦ったバレットは進行役の襟を掴み、小声で詰め寄った。
「……おいっなんで男しかいねえんだよっ……!」
進行役は表情一つ変えず、にこやかに答えた。
「説明は事前にお伝えしたはずですが……」
さらに、冷たい視線を添えてこう続けた。
「事前に提出していただいた身分証、随分精巧な作りでしたね?」
バレットはぎょっとした顔を浮かべた。その一瞬の動揺を見逃さず、進行役は口端に薄い笑みを浮かべた。
「……報酬は、しっかりとお支払いさせていただきますので」
くそ、カマかけてやがったな……などと悪態をつく暇もなかった。
列車は低く唸りを上げて動き出し、「仕事」の始まりを告げる。
接待の内容。
車内での酒類や軽食の販売、それに伴う接客。そして乗客への「特別なサービス」。
バレットたちはサービスワゴンを押し、1号車から5号車までを練り歩いた。
時折、客の前でポージングを強いられ筋肉を誇示する。
乗客たちは値踏みするような目で彼らを眺め、希望するサービスのために追加料金を支払う。
バレットが通路を進んでいると、通りすがりの白髪の男に尻を鷲掴みにされた。
「このっ……!」
思わず睨み返すと、車内放送が流れ始めた。
「おやおや、お触りはいけませんよ~。しっかり料金を支払ってもらわないと、困りますからね~」
進行役のふざけたような声が車内に響き渡る。バレットはそれが自分への嘲笑のように聞こえていた。
酒や軽食を売り歩く中で、様々な要求が飛んできた。
「チンコを触らせてほしい」だの「触ってくれ」だの、なんだの……
バレットは男相手に勃起するはずがないと思っていた。だが、繰り返し揉まれ続ければ生理反応でどうしても固くなってしまうのが男の一物というものだ。
万が一客相手に勃たなかったらいけないと思い自慰を我慢したのも悪影響だったのだろう。
バレットは歯を食いしばり、勃起を晒す醜態に耐えていた。
ある客からは「唾を顔に吐きかけてほしい」と言われ、そりゃお安い御用だと従った。
客が顔にかかった唾を嬉しそうに手で集め取り、口へと運ぶ姿にバレットは寒気を覚えた。
「今履いている靴下を売ってほしい」と言われたときは、正気を疑った。
今日は一度も靴下を履き替えていない。革靴を脱いだ途端、強烈な蒸れた足の臭いが車内に広がる。
「まるで理想の臭いだ」などと大層喜ばれ、バレットは恥ずかしさと情けなさと嫌悪感で潰されそうな気持ちになった 。
永遠に続くかと思われた車内サービスの時間が終了した。すると、車内には緊張した空気が流れる。
オークションの始まりだった。いわゆる……「本番行為」のための競りの時間である。
参加者たちの中で、バレットには圧倒的な値がついた。
競り落とした客は小太りで、蛙のような印象を抱く中年男だった。
男は満足げにバレットにまとわりつき腕を絡めて見上げてくる。
嫌悪感を隠しきれないバレットだったが、男は一切たじろがなかった。
3号車の中央……衆人環視の中で、接待セックスが始まる。
蛙男がバレットの唇にむしゃぶりつく。ぬるついた舌が歯茎を舐め取り、口腔内を掻き回す。
吐き気が込み上げ胃液が逆流しそうになるのをバレットは必死に堪えた。
意外にも男の口臭はほとんどなく洗口液のミントのような清涼感を感じた。それが唯一の救いだった。
やがて蛙男は自ら服を全て脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿になった。白く弛んだ腹と、垂れた胸、短い手足。まさに蛙といった容貌が露わになる。彼は後ろを向き、尻を突き出してバレットの股間に肛門をすりつけてきた。柔らかく熱い肉が、布越しに硬くなりかけた肉棒に擦れる。
しかし嫌悪感が強かったためかバレットが勃起することはなかった。
正直焦っていた。「本番」の完遂が報酬支払いの条件でもあったからだ 。
蛙男が係員に目配せを送る。すぐに後ろから足音が近づき、首筋に鋭い痛みが走った。注射針が皮膚を刺す感覚。
「っ……!」
興奮剤。効果は驚くほど速やかに現れた。
血管を駆け巡る熱が一気に下半身へと集中する。
あれほど拒絶の意思を示していたバレットの肉棒がみるみるうちに充血し血管を浮き立たせ猛々しく勃起した。
先端から透明な先走りを垂らしながら脈打つ。
「こうなりゃヤケだ……」
バレットは低く唸り、両腕で男の太ももを掴み蛙男の体を力任せに抱え上げた。
いわゆる駅弁の体位。
衆人環視の車内で、蛙男の体重を自分の腕と腰だけで支えながら、肉棒の先端を濡れた尻穴に押し当てる。
ずんっとバレットの太く逞しい肉棒が一気に根元まで蛙男の尻穴へと埋まる。
「あぁぁん!!」
甲高い喘ぎが車内に響き渡った。
確かな抵抗は感じるものの締め付けは強すぎず、内部の粘膜が柔らかく包み込むように絡みついてくる。
バレットは初めて味わう男の内部の感触に思わず息を詰めた。ケツ穴がこれほど気持ち良いものだとは想像もしていなかった。
バレットはそもそもセックスの経験自体が少なかった。
それに、アナルセックスなど一度も経験したことのなかったバレットにとって衝撃とも言える快感だった。
熱くぬるついた腸壁が、脈打つ肉棒全体を搾り取り逃さない。
バレットは腰を引いて、再び深く突き上げる。
バチュン、バチュン、バチュンとリズムを刻むたびに、蛙男の体が震えた。
中年太りの腹が波打ち、自由にならない手足が空中でばたつく。
男は気持ちの悪い喘ぎ声を上げ続けていた。
「あひっ! あんっ! んぉおっ深いぃ……! もっと、奥までぇ……!」
小ぶりな性器からは、先走り汁なのか小便なのか精液なのか、ありとあらゆる液体が、ぴゅるるっと勢いよく飛び散って床を汚す。列車内には生臭い匂いが広がっていく。
蛙男の穴はまさに極上と呼べるものだったが、バレットの肉棒もこれまた極上であった。
奥のS字結腸を巨根で容易く抉り、力強いピストンによって睾丸が会陰部と前立腺を容赦なく潰す。
腰を回転させながら深く掘り込むと、腸壁全体が収縮しそれに答えた。
バレットは今回の仕事を受けた時に射精だけはするものかと思っていた。
自分は射精せずとも、相手を満足させて終わればそれでいい。
「はっ……はっ……はっ……はっ……」
バレットは自身の男性能力を甘く見ていた。
頭では我慢が効くと思っていたし、十分に覚悟もしていた。
しかし、バレットの肉体がこの極上の穴に射精しないということを許さなかった。
理性が溶ける。蛙男は涎を垂らしながら、恍惚とした表情で喘ぎ続けている。
蛙男の快感は終わりがないと言えるものだったが、バレットには限界が近づいていた。
「……あぁぁ!クソッ!クソッ!クソッ! 出るッ!!!」
「ぁぁぁああん!!来てっ、出して、中で出して!出してぇえ!」
完全に根元まで埋め込んだ状態で、バレットは激しく射精した。
どくっ! どくんっ! びゅるるるるるるるるるる
特濃で大量の精液が、勢いよく蛙男の腸内へ注ぎ込まれる。腹が鳴るような猥褻な音を立てながら、熱い子種汁が突き進んでいく。その奥に求めるものがないとも知らずに腸の最奥を叩き、満たしていく。
蛙男もその瞬間、幸福の絶頂に達した。
体を硬直させ、短い手足をぴんと伸ばし、甲高い嬌声を上げながら腸壁を激しく痙攣させる。
小さな性器から薄い精液を何度も噴き出していた。
バレットは射精の余韻に浸りながら、男の体重を支え続けた。
頭の中は真っ白で、吐息は荒く、汗が全身を伝う。
その後の記憶は曖昧だった。
務めを終え、疲れ果てたバレットは進行役から報酬を受け取り、朝焼けの光を浴びながら列車を降りた。客は相当満足したようで、報酬には予定以上の上乗せがついていた。
その日は家に帰る気になれず、スラムの安ホテルに泊まった。
一週間後、セブンスヘブン。
経営に余裕が出たことでメニューを少し増やせることになり、閉店後にティファが新しいカクテルを振る舞ってくれた。
グラスを鼻先に近づけた瞬間、強烈な記憶が蘇る。
意を決したようにそのまま飲み干し、曇った表情を浮かべるバレットにティファが心配そうに声をかける。
「ごめん、口に合わなかったかな モヒートっていうお酒で、みんなには好評だったんだけど……」
いや、美味かった、とだけ告げ、店から離れ夜風にあたる。
何よりも最悪だったのは、思い出したのが嫌悪感ではなく、極上の射精の記憶だったことだ。