爆乳淫魔ハンターシオン~『双子淫魔』魔悦の絶頂管理~(3話) (Pixiv Fanbox)
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………
「ああう……ハァ……うぐぐっ……は、早く……はやぐぅぅ……い゛、逝がせて……」
それから数時間経ったであろうか。
状況は好転するどろこか、より悪化し、泥沼の焦燥地獄にずっぽりと首元まで浸かりきっている。もちろんあれから一切眠れてなどいない。欲求不満で逝きたいと連呼していながら眠れるはずがないからだ。
今は再びスライム達の甚振りが再開している。
生殺しに慣れてくると寸止めに切り替える、硬軟織り交ぜた焦らし責めを見せている。
肉体というのは不思議なもので、どんな苦境でも順応しようとする。
ようやく適応し始めたときに、責め方を変えることで、また一からやり直しというわけだ。長時間にわたる責めの中でも巧みに緩急をつけることで、シオンは翻弄され続け、常に最悪ギリギリに焦らし続けられるのだった。淫魔ならではの絶妙な絶頂管理と呼べるだろう。
不惑の指輪の効き目は当然切れたままだ。
欲求不満で煮えたぎりながら喘ぎ悶えていては、休むことも眠ることもままならず、魔力の回復どころではないからだ。
なのでまともにスライム達に触れられたら瞬時に逝き果ててしまうだろう。
この地獄の絶頂管理が始まる前から、風がそよぐだけでも感じてしまう最弱乳首など、指ではじかれるどころか、息を吹きかけられただけでも逝きそうなのだ。。
守ってくれる不惑の指輪もなくなった今なら本当にそれだけで逝ってしまうかもしれない。
ではそんな身体をどうやって寸止めしているのか。
極限まで発情し、感じすぎる肉体だからこそ、スライム達はそれを見計らって空気が流れる程度の刺激を与えてくるのだ。
乳首にも、肉芽にも、膣の中も、子宮の入り口にも、そよ風より弱い、ほんの微かなゆらめきが与え続けられている。
そしてそれ以外の刺激は一切遮断し与えない、むごたらしいまでの焦らし責めだった。
こんな超絶技巧は人の手では決してできないことだろう。
乳首にも、肉芽にも、膣の中も、子宮の入り口も液状化したスライムで満たされ、それが動いているかいないかわからないくらい、ほんのかすかに揺れるのだ。
たったそれだけで、放置されるのとは比べものにならないくらい官能が根元から揺さぶられ、煽られるのである。
と同時に催淫粘液もゆっくりと重ね塗りされてゆく。
こうしてシオンを慣れさせることなく、休ませることも、楽にすることもさせない責めが続けられているのだ。ただシオンを狂わせ、苦しめ抜くためだけに。
たぶん髪の毛一本ほどの刺激が追加されれば、シオンは逝ってしまったかもしれない。
だがその後一本の刺激が与えられることはない。
逝く直前ギリギリのところに押し上げられたまま、そこから昇ることも降りることも許されない、えぐいほどの絶頂寸止めをもう何時間も味わい続けているのだ。
ほんの一撫で、いや、一息でもが欲しい……今はただそれだけだった。
何もかも忘れ、ただ逝くことのみを考える肉人形と化した今のシオンの姿は、あの淫魔達の狙い通りなのだろう。
「あっ……ああっ……逝きたい……逝きたい……逝きたい!!」
もはや魂の抜け殻のようになり下がり、そううめきながら、のたうつだけだ。
そうして疲労困憊した身体は一段と体力をすり減らし、気力すら奪われている。
魔力も回復するどころか、むしろ消耗しているだけだろう。
だが、そんなことどうだっていい、そう思えるほどにシオンは追い詰められていた。
あの歴戦のS級ハンターシオンが、淫魔の調教の前にどろどろに肉体をとろけさせ、惨めに屈伏しようとしているのだ。
とにかく逝きたい、それだけだった。
この火照りをなんとかしてほしい。その思いだけ一つにどんどん収束してゆく。
「ああ、も、もうたまらない……なんとかして……」
気が付けばシオンは天井の使い魔に向かって、そう叫んでいた。
淫魔にすら助けを求めるほどに。
そこにはもはや淫魔ハンターの誇りもプライドも微塵も感じられなかった。
それを看取ったコウモリの目が光る。
『惨めなお姉さん……しょうがないなぁ。そんなに逝きたいなら逝かせてあげようかな』
ルルのあざ笑うような声が聞こえた気がした。
「ああ、い、逝きたい……逝かせて……逝かせてよぉ!!」
そんな淫魔の問いかけにまるで赤子のように無邪気にうなずいてしまう。
すると乳首を責めるスライム達の動きが少し変わった。
ごく柔らかい羽毛が触れるか触れないか程度の、赤子の頬を優しく撫でるような刺激が乳首にようやく与えられたのだ。
通常ならば愛撫とも呼べないような刺激だろう。
だが今の快楽に飢え切ったシオンには、まさしく甘露のようなものだった。
そんな感じるか感じないかわからない程度でも、乳首の先から乳房全体に染み込むように愉悦で満たされてゆく。
だが、それでもいい。そんな動きでも極限まで性感が高められ、欲求不満に喘いでいた乳首にはそれで十分だったのだ。
ああ……どれだけ待ち望んだことか。
もう長い間お預けされ、すっかり忘れかけていた肉の感触。
さわさわと乳首の先端がせつなくこすりあげられるだけで、もう身体も、心も絶頂へ向けて走り始めていた。
突き抜ける……今度こそ突き抜けちゃう……
もう待ち焦がれた天上の世界はすぐそこにまで見えている。
身体全体が震えるように悦んでいる。悦びに満ち溢れているのだ。
「ああ……逝く……逝っちゃいます……」
絶頂を確信し、高らかに宣言したその瞬間だった。
ピタリ……
またしてもスライム達の動きが寸での所で止まってしまう。
そして目前まで見えていた天井から、ずるずると見えない手によって引きずり降ろされてしまう。
必死に手を伸ばしても、どんどん絶頂から遠ざかってしまう……
「ああああ……どうして……どうして……ううっ」
すぐそこに、もうほんのちょっとで逝けたのに……期待だけさせておいてそれが打ち砕かれる絶望感は尋常ではなかった。
淫魔たちが笑い転げる姿が目に浮かぶようだ。
『バッカじゃない。逝かせるわけないじゃないの。顔に付けられた傷の恨み、こんなもんじゃ済むわけないじゃない。もうたまらないだって? いいこと教えてあげる。お姉さんがたまらなくなるのは……こ・れ・か・ら♡」
「そ、そんな……」
『仇である私たちにまで助けを求めるくらいだから、お姉さん、本当に耐えられなくなっているんだね? そんな耐えられないのを耐えさせられるからこそ本当の焦らし責めになるんじゃない。これまでのは軽い準備運動みたいなもの。調教の本番はこれからなんだよ。お姉さんが本当に苦しみ抜く地獄はね♡」
「そ、そんな……」
『それがわかったところで、また最初から始めてあげるね。同じ責めでも絶頂を取り逃したお姉さんには身に染みるようなつらい責めになるはずだよ』
そして再び始まる粘りつくような、そよ風の生殺し責め。
「ああ……そんな……一度でいい、一回だけ逝かせてください!!」
『いいよいいよ、お姉さん、だいぶいい顔になってきたじゃない。でも夜はまだ長いんだからね。もっとじっくり遊ぼうよ。ほーら、また新しいお薬あげるね』
「い、いや、もうこれ以上狂わせないで……うううっ!!」
シオンの悲痛な叫びを無視し、スライムたちから媚薬が注ぎこまれる。
シオンがこれ以上感じたくない、おかしくなりたくないと思っていても、どっぷりと塗り込まれた新たな催淫粘液はその思いを簡単に塗りつぶし、上書きしてしまう。
「ああ……き、気持ちいいぃ……」
『あら?もしかしてお薬だけで感じるようになっちゃったの? でも安心して、これだけでは決して逝くことはできないから。ふふふ、じゃあ髪の毛一本だけでじっくり身体中をまさぐってあげるね』
そういうとスライムが変形し、乳首の先を髪の毛一本ほどの繊毛がさわさわと撫でさする。
「うっ……ううっ………」
『逝きたい気持ちでいっぱいになったお姉さんにはもうこれで十分すぎるでしょ? さぁもっと苦しもうね、お姉さん♡』
乳首だけでなく、クリトリスにも繊毛は伸びてくる。その一本触れられ、ねっとりと肉芽の上で踊るように動かれると、それだけでシオンは逝きそうになってしまう。
他の感情は消え失せ、ただ「逝きたい」と、その一心になってしまう。
膣内深くに眠るGスポットや、子宮の入口までをも繊毛が触れてくると、その気持ちはますます強くなってきた。
『じゃ、朝まではまだ時間があるから、ゆっくり楽しんでね。おやすみなさい……お姉さん』
「ハァ……ああ……い、逝きたい……逝きたい……逝かせてよぉ……」
だがその血のにじむような願いに淫魔は答えることはなかった。
それほど暑くもない部屋なのに、シオンの身にまとう衣装はぐっしょり汗と体液に濡れている。たぶんこれからもっと苦悶の汗を染み込ませることになるだろう。
休むことも、眠ることすらできないシオンは一睡もできぬまま、夜は更けてゆく。
◇
ハッと目を開くシオン。ここは……さっきまでの宿の部屋だ。
部屋には朝日が優しく差し込んでおり、遠くから鳥の鳴き声も聞こえてくる。
いつの間にか気絶同然に眠ってしまったようだ。
「ようやく……終わった……?」
でもようやくあの地獄のような淫獄から解放され、ひと息つくことができたと安堵する。あれは本当につらかったと、昨夜のことを思い返すだけでもゾッとする。
自分の肉体が快楽に弱く、耐えられないことはわかっていた。
それを更に焦らされ、厳重に絶頂管理されるのがあれほどだとは……
「うぐっ………ハァ……ハァ……ああ……」
少し思い出すだけで、また身体の芯が疼き始める。
昨夜の悪夢のような出来事は夢幻ではなさようだ。
身体が綿のように疲れて重い。夜通し責め抜かれ、そのまま泥のように寝落ちしてしまったのだろう。だが少し寝た程度では回復には程遠い。
身体の異変は何も疲労だけではない。この煮えたぎるような官能の火照り。「逝きたい」と泣きむせんでいた記憶がまざまざと思い返される。
結局一度たりとも逝かせてもらえなかった。
その欲求不満が沈殿したように折り重なって重くのしかかり、再びシオンに襲い掛かってきたようだ。
そこに思いがけない声が聞こえた。
「起きたみたいね、お姉さん」
「あれだけこってり嬲られたのに、ぐっすりだったみたいだね?」
驚いて目を向けると、あの上級淫魔達が部屋の片隅に立っている。
ルルとララが二人嬉しそうに笑い合っているではないか!
「な、何故あなたたちがここに!」
突然の双子淫魔の登場に驚くシオンだが、淫魔を前に猛然と闘争心が蘇ってくる。その切り替えはさすがS級というわけだ。冷静にその首を刈り取ろうとして武器に手をかける。こういうこともあろうかと寝台の下に隠しておいたのだ。
上級淫魔二人相手というのが少し気になるけど、今は人質もいない。やれないことはないはずだ。
「へぇ、あれだけ嬲られたのにまだ闘おうとできるんだね。怖い、怖い。まだまだ責め足りないってことかな? だったら……」
パチッ
ルルが指を鳴らすと、部屋の中の背景がぐにゃりと歪む。
な、何が起こっているの……?
………
「な、なんですか、これ!?」
気が付くと天井から吊り下げられたまま拘束されていた。
しかも左右の両足は大きく開かされたまま縛られ、閉じることも隠すこともできない恥ずかしい拘束だ。
「うっ……ほ、ほどけない……」
後ろ手に拘束された縄目を揺さぶっても、肌にきつく食い込むだけで緩む気配もない。これは一体……
「お姉さん、起きたつもりだったかもしれないけど、実はまだ夢の中。お姉さんがあまりのつらさに気絶同然に夢の中へ逃げ込んじゃったから、わざわざ追っかけて来てあげたんだよ。さっき見た朝日差し込む宿屋の情景も実はフェイク。やっと解放されたって安堵しちゃったでしょ? ふふ、甘い甘い。お姉さんはこれからもっとつらい目にあわされるんだから……この終わりのない夢の中でね。ようやくゴールしたと思ったのにまたスタート地点に引きずり戻される気持ちって最高でしょ?」
「そ……そんな……ありえない……」
「ふふん、もうこの夢は支配下にしちゃったから、やりたい放題できるんだよ。その拘束なんかもね。もっとも夢魔ほど自由にはできないけど、お姉さんを楽しませることくらいはできると思うよ」
ルルはこの上なくサディスティックな笑みを浮かべながら、身動きが完全に封じられたシオンをじっくり観察している。
「これ、すっごくいい格好よ。大事なところも全部丸見え。淫乱なお姉さんにはピッタリだよね」
馬鹿にした態度でララも嘲笑している。よく見ると貼りついたスライムたちが透明に変わり、シオンの秘園の奥までパックリさらけ出されているではないか。そこに顔を近づけ見られているのはさすがに恥ずかしい。
「ううっ……」
思わず股間を閉じようとしても、縄が軋む音はするだけで全く緩む気配がない。絶望的に無防備な状態をさらしたまま何もできない屈辱と恥辱。後ろ手にくくられた両手を無念そうに握りしめるしかない。
「それにしても随分溜まってるみたいだねぇ、お姉さん? どうやらスライムのオモチャ随分気に入ってくれたみたいだねぇ」
「くっ、そんな……そんな……うぐっ……」
「あら、苦しそうに顔しかめちゃって。だってそうよね。アレから一度たりとも逝かせず、髪の毛一本で遊んでいたら気絶しちゃうんだもの」
「そうよ、逃げることなんて許さないんだから。だからこうしてやってきたってわけ。夢の中でもこうして楽しめるなんて、最高でしょ?」
「そ、そんな……な、何を始めると……うぐっ……言うんですか!?」
「何って、それはお姉さんの大好きなことに決まってるじゃない♡」
その言葉を聞いて背筋がぞっとする。
見た目こそ幼く可憐な少女に見えるが、中身はドSの上級淫魔なのだ。
もう屈伏寸前だというのに、これから更に何をしようというのか?
いや、想像はついている。淫魔がやることなんてひとつだけだ。
逃げ出したかった地獄のような絶頂管理が再び始まろうとしていることに。
でももう夢の中に閉ざされ、逃げることもできない。
絶体絶命の窮地だ。だけどそう焦れば焦るほど、何故か股間は熱く潤んでしまう。
こ、こんな状況なのに……感じてしまってる……ううっ……そんな場合じゃないのに……
「汗と汁がすっごいね。ぐっちょぐっちょの汁塗れ」
ララが嬉しそうに嘲笑する。
茹でられた後のように紅潮した肌と滝のように流れる汗。そして股間から匂い立つような淫汁が滴り落ちている。それら全てがシオンの切羽詰まった惨状を正直に示している。
生粋のサディストである淫魔はそれが楽しいのだ。
そして捕えた獲物が苦しめば苦しむほど、もっと苦しめたくなる性分なのである。
「淫乱乳首もほら、こんなに勃起して、すっごくつらそう♡ 普段は陥没してるのに感じると出てくるんだよね」
「こんなに大きくして自分から責めてとおねだりしてるみたい♡ しかもただ大きいだけじゃなく感度も抜群。胸の先っぽにとびきりの弱点が二つもついているだなんて、お姉さん肉奴隷になるしかないじゃない」
気が付けばいつの間にか全裸になっている。これも淫魔の夢の効果なのか。薄布一枚すら身を守るものがない乳首を楽しそうに二人の淫魔が眺めている。
見られてる……そう思うだけで……ううっ!!
時間の経過とともに気を失う直前まで繰り返されていた終わりのない焦らし責めの記憶が徐々に呼び覚まされる。
生殺しと寸止めの緩急つけた焦らし責めの繰り返し、悪夢のような終わりのないループ。そこに強力な催淫粘液を塗り重ねられ、更に焦らされる。
それに耐えかね、淫魔に助けを求めるくらい追い詰められていたというのに、そこから更に髪の毛一本ほどの繊毛を使ってネチネチと朝までひたすら焦らされ続けたのだ。
「ああ……い、逝きたい……ぐっ……お願い……逝かせてください……」
そう、夢現の中で、使い魔に向かってそう繰り返し言い続けていた。
もはや屈辱すら投げ捨て、そう懇願していたのだ。
それでも逝かせてもらわず、性も根も尽き果てるように気を失ってしまったのだった。
「ふふふ、お姉さんのその言葉、聞こえていたわよ。だからこうしてやってきたってわけ。夢の中へだけどね」
「そうそう、お姉さん、おかしくなる寸前だったものね。だから少しくらいなら逝かせてあげてもいいかなって。それ、とびきりの大サービスだよ。だって私たちがやってるのって単に焦らすだけじゃなく、あくまで絶頂管理なんだからね」
ああ……ついに逝ける……逝かせてもらえる!
もう夢の中でもなんだっていい、逝かせてもらえるのなら、なんだってする!
「お、お願いします……い、逝かせてください……ああ……な、なんでもしますから……ああ……は、早く……早く!!」
「そんなに必死にならないでもわかったわよ。ホラ、これで……この乳首なら逝けるでしょ?」
淫魔の指先が乳首ににじり寄ってきて……
ちょん……っ
ほんの軽く指で触れられる。たったそれだけだった。
「あ……ううぐっ!!」
ぶるりと身体を震わせてたちまち絶頂を始めてしまう。
「え、今のでイッちゃったの?あはは、相変わらずヨワッ!」
「ほんと惚れ惚れするくらいの逝きっぷり。お姉さんはやっぱり最高の玩具だよね」
バカにされたっていい。今はとにかく逝きたい……この待ち焦がれたエクスタシーを心行くまで堪能したい、ただそれだけだ。
先端から長乳首全体が痙攣するほどの気持ち良さが伝わり、それが性感中枢を震わせる。
ああ……なんて気持ちいい……
もはや忘れかけていたその快感にうっとりと頬を緩ませる。
文字通り天にも昇る気持ちとはこのことだろう。
焦らしに焦らし抜かれたことで、いつもの何倍にも増幅されている気持ち良さ。
太腿も手も折り曲げられたまま不自由な身体を仰け反らせ、その快楽の限りを全身で貪り尽くそうとしている。
ああ……逝くのがこんなにも気持ちいいなんて……初めてかも……
そう、このオーガズムの高ぶりは、これまで経験したものを遥かに超えている。
それが指チョンひとつでこんなにもなっちゃうなんて、もう信じられない……
フゥゥ………スッ……
だが、そのとめどなく迸る快美感の高まりがまさに頂上に差し掛かりそうになった時、それは忽然と消え果ててしまった。
待ち望んだその瞬間、最も欲しかった最上の快感がないまま、シオンの絶頂は唐突に終わりを告げる。
「え……? ど、どうして……どうしてなんです? ううっ……」
この数時間、身を焼き尽くすような焦らし責めに身悶え、待ちに待ちこがれていたオーガズム。その最後の、最も感じたかったエクスタシーの瞬間だけがまるで雲をつかむように消え去ってしまったのだ。
その結果、シオンには絶頂寸前の、最ももどかしく、たまらなく切ない感覚だけが残ってしまった。絶頂寸前で置いてけぼりをくらったようなものだからだ。逝ったはずなのにまるで満足感がない肉体は満たされるどころか、逝きたいと切実に訴え始める。
「アハハ、つらそう~ 待ち焦がれた肝心のオーガズムが無かったでしょ? 私たちの作った夢の中だからこんなことまでできちゃうんだよ」
「焦らしに焦らされた身体から絶頂を取り上げられ、残るのは逝く寸前の最も逝きたいと願う刹那の感覚だけ。だからね、お姉さんはこの夢の中では逝けば逝くほど、より強く逝きたいと感じるようになっちゃうんだよ」
「そ、そんな……逝かせてくれるって言ったのに……」
シオンはギシギシと縄を揺らして抗議するものの、淫魔たちは楽しそうにその軋む音を聞いている。むしろ獲物が奏でるはかない抵抗の旋律こそ、サディストたちにとっては心地よい癒しの調べとなる。
「約束は守ったじゃない。逝かせてあげるって。でもスッキリ満足させてあげるなんて言った覚えはないんだからね。だから言ったでしょ、これ絶頂管理だって。お姉さんは自分で絶頂する自由はもうないんだよ。お姉さんが気持ちよく逝けるかどうか決めるのは私たちの気分次第。だからその気になるまで玩具としてしっかり遊んであげる。この終わりも絶頂もない夢の中でね……うふふ」
「ああ……そんな……」
ルルの執念深さは筋金入りのようだ。もしかしたらまだ顔に受けた傷の恨みを根に持っているのかもしれない。だがそれだけでもなさそうだ。いつ時点からか、シオンをとことん苦しめたいという加虐心に猛然と火がついてしまっているようだ。
これだけ極上の獲物を前にしては嬲り尽くさずにはいられないからだ。それは愛玩動物を可愛がる感覚に近い。
だけど女王淫魔のお手付きということもあり、完全に自分のものにできるわけでなく、時間の制約もある。
だったら自由にできる間は夢の中へ入り込んででも、とことん弄んでしまえというわけだ。
女王淫魔の時もそうだが、このとびきりドSな上級淫魔に出会ってしまった事が、シオンにとって災難というしかなかった。
「ああ……そんな……い、逝かせて…………」
だがそんな状況を考える余裕もなく、シオンは汗にまみれて光る髪の毛を振り立てながら、悩ましく身をくねらせ絶頂を懇願し続けている。
「さっき逝ったばかりなのに早くも逝きたくなってるんだね。そうなんだよ。お姉さんはこれから逝けば逝くほど絶頂したくてたまらなくなってドンドン狂っていっちゃうんだよ。頭の中が逝きたいって気持ちで擦り切れそうになるくらいにね」
「ううっ……そんな……」
「夢の中だから安心して狂っていっちゃっていいんだよ。それにね、昨晩の触れるか触れないかの焦れったい刺激くらいじゃ全然物足りなかったでしょう? だから今度は思う存分逝かせてあげようってわけ」
「でも絶頂はずっとお預けされるわけ。するとどうなるか。身体中の性感帯がどんな刺激でも逝けるように勝手に進化しようとするんだよ。お姉さんが逝きたいと泣きうめくたびに、肉体の感度は勝手に研ぎ澄まされていっちゃうの。これ続けたら今でもヨワヨワのお姉さんの身体がもっと弱くなれるんだよ」
「うっ……そんなの……怖いです……」
「何言ってるの? こんなに期待しちゃってる癖に」
股間に巣くうスライムが二枚の花弁を開くと、そこからは粘っこい牝の果汁があふれ出てくる。
「スライムたちが散々吸いつくしてるはずなのに、まだ新鮮な蜜を垂らしている。ホント、お姉さんはスケベな身体をしてるよね。だからもっとそれを磨き上げて、四六時中エッチなことしか考えられないようにしてあげるんだから」
極上のエサを目にしたスライムはいそいそとそれを舐めしゃぶり始める。
ニチュ……ニュルリ……
「うっ……い、逝っちゃう!!…………!!……あっ……い、逝けない……こ、こんな……こんな~~~!!」
スライムたちが粘膜に触れただけでたちどころに逝ってしまったようだ。もちろん肝心の絶頂だけは感じられない。
「夢の中だからね、いつもの倍の感度にしてあげてるんだ。お望みなら10倍くらいにもできるけど、初日からそれするとお姉さん壊れちゃうかもしれないからどうしよっかな~」
「も、もうこんなになっているのに10倍なんて……そんなの無理です……」
そんな恐ろしい言葉を聞いて、さしものシオンも火照った美貌を引きつらせている。
「そんなおびえた顔もステキね、お姉さん♡ でも逝ってるのに満足できない苦しみを味わい続けたらどんどん感度が上がっちゃって気づけば10倍くらいになってるかもね」
「そ、そんな……」
「それに夢の中だから時間軸も思うままってわけ。お姉さんは一瞬寝落ちしてるだけだけど、その一瞬が夢の中では10日でも100日でも……なんなら1年にでも引き延ばせるってわけ……お望みなら10年でもね。もちろん食べる必要も眠る必要もない。だってもう寝てるんだし」
「それが嫌なら眠らず頑張ることね。でもそれって無理だよね。昼間は昼間で休まず責め続けて、体力も気力も削り取ってくたくたにしてあげるんだから、限界きたら気絶するように眠っちゃうしかないよね。そしたらその瞬間、楽しい夢の中へご招待ってわけ。お姉さんはこれから起きてる間も、寝てる間もこってり責め続けられちゃうんだよ」
これから行うおぞましい調教について冗舌に語るのも、サディストならではの楽しみの一つなのだろう。それを拘束され、耳を塞ぐことすらできないシオンはただ聞かされるしかない。
「もういらないってくらい快楽を与えられ続け、逝きたいという欲求不満を溜め込んでいくんだよ。これで次目覚めた時にはどうなっちゃうんだろうね。夢の中の記憶だから覚えてないかもしれないけど肉体には極限まで絶頂管理された苦しみがガッツリ刻み込まれ、より淫らに開花してる。そうして確実に調教は進むってわけなんだよ」
寝てる間にも淫魔によって調教される……そんなの……
これから行われる絶望的な状況……だがそれを考えただけでピクリと乳首の先端が嬉しそうに震えてしまうのはどうして……
「あれ、乳首を奮わせちゃって、お姉さん、これからおかしくなるほどつらくて苦しいことされるのに、身体は期待しちゃってるってわけ? やっぱりお姉さん、マゾの素質あるみたいだね」
「ううっ……そ……そんなことは……」
「いいよ、いいよ。無理して否定しなくっても。違うかどうかなんてお姉さんの身体に聞いてみたらすぐ分かる事だからね」
ルルの合図にともないスライム達が再び動き始める。
「あっ………ああっ!!……ああぐっ!!」
「今度は寸止めなんかじゃなく全力で責めてあげる。もちろん絶頂はとりあげてあるから最後まで逝くことは絶対ないけどね。その敏感すぎる身体でどこまで抗えるのか……まず無理だろうけどね」
パチンッ
淫魔が軽く指を鳴らして合図する。
胸、クリトリス、肉穴、アナル……その全てを支配するスライムが一斉攻撃を開始する。
淫魔の言葉通り、手加減することなく、全力で逝かせようとする本気責めだ。
乳首の先をグイグイ力強く擦り上げ、肉芽もじゅぽじゅぽ音をたてながら嬲り抜く。
乳首の先を指チョンだけで逝ってしまう、快楽にはとことん弱いシオンに耐えられるわけもない。その一撫で毎にシオンの肉体は悲鳴をあげ、逝ってしまう。
だが、肝心の快感はなく、ずっとお預けされたままだ。
エクスタシーに向け、快感が高まり、ついに果てる……だがその最後の快感だけが感じ取れないのだ。それだけが消えている。
心身ともに逝こうと身構え準備する。だが、まさにその時が来た瞬間、目の前で消えてしまうのだ。
「あっ……あっ……な、なんで……なんで……」
その戸惑いが覚めやらぬまま、すぐに次の波が訪れる。逝ってないのだから当然だ。
インターバルなく次々と絶頂の波がやってくる。
ありとあらゆる性感帯が同時に嬲られ、全身いたるところで絶頂のしぶきが上がっている。それは頭で処理しきれずに、待ち行列を作るほどだ。
そしてまた……空撃ちのように虚しく絶頂の、最後の一瞬が消え果てるのだ。
その連続に逝く直前の最ももどかしい感覚を延々と味あわされることになる。
絶頂抜きの絶頂……それは寸止めや生殺し以上につらい最悪の絶頂管理であった。
「い、逝きたい……逝きたいのにぃ……ああっ……どうして……ま、また………」
まだ責めが始まったばかりなのに、先ほどから同じことばかり言っている。
こんなのは現実ではありえない、淫魔の夢の中だからこそ可能な非現実責め。
責め苦と呼ぶのも生やさしい、もはや絶頂管理拷問である。
現実の夢ならそれが例えどんな悪夢でも終わりが来る。
だが、この夢は醒めることはない。いつ終わるかは淫魔の気分次第なのだから。
この夢の世界では絶頂する自由だけでなく、終わる自由までもが奪われてしまっているのだ。それは絶望でしかなかった。
「あっ……あっ……あああっ……」
「うは、お姉さんすごい逝きっぷりね。あ、でも逝けてないか。気持ちいいのがこんなに苦しいなんて、初めての経験でしょ?」
ブシュッブシュ~~~
肉穴からはスライムのリズミカルなピストン運動のたびに、容赦なく飛沫が跳ね上がる。身体はずっと逝き続けているようだ。
だけど肝心の絶頂だけが来ないのだ。しかも敏感すぎる性感帯をくまなく責められ続けることで絶頂状態から降りることすらできない。
今のシオンは絶頂直前の、もっとも逝きたくて、焦れったい状態で磔されたようなものだった。
「あ゛っ……い゛い゛……逝ぎたい……い゛……いがぜて……」
脳天まで逝きたいで塗り固められ、もはや言葉すら失い始めているようだ。
いまや乳首は完全に勃起し、その長大に伸びきった横腹をずりずりとスライムたちが小気味よさそうに擦りあげている。
クリトリスもこれまで見せたことないくらい肥大化してるところをスライムたちに捕らえられ、キュッキュとしごき抜かれている。
スライムたちも生殺しや寸止めに飽きていたのか、ようやくシオンの魅力的な肉体を活き活きと嬲り抜いている。
もちろん股間の奥に潜り込んだスライムも高速で回転しながら振動し、シオンの肉体を壊しかねない勢いで責めている。
仮に壊れてたとしても夢の中なのだ。だからこれくらいの無茶は構わない、そう考えた淫魔たちによって、リミッターが解除されたようなこれまでにない動きを見せている。
その躊躇を忘れた総攻撃の前に、シオンは逝き続けることをやめられない。
スライムのひとこすり、ひとこすりで逝っている。逝かされている。
絶え間なく逝っているのに、だけど絶頂には決して到達することはない。
まるで天井に見えないガラスの壁があり、それに顔を擦りつけてるのに、すぐそこに見える頂上にたどりつけないとでもいうように。見えてるだけに、そこに手が届かないのが余計に苦しいのだ。
「どう、私に屈伏する? そしたら次の夢の中で思いっきりアクメさせてあげようか? それとも~……永遠に私たちの玩具になる?お姉さんくらいの美人さんなら大歓迎だよ?」
「あ、そんな……ィ……くっ……!?」
だがそんな言葉も、のたうつシオンにはもう届かないようだ。
逝けば逝くほどもっと逝きたくなる悪夢のような、しかも終わりのない肉の淫獄。
その中に押し込められたシオンには、拘束された肉体同様どこにも逃げ場などない。
「逝く……逝ってるのにぃ……い、逝きたい……逝きたいよぉ……」
ただそんな叫び声が空しく木霊する。
それもただルル達淫魔を喜ばせるだけだった。
「本当につらそうね。でもお姉さんがつらくなるのはこれからなんだよ。さっきまでのが子供だましだったと思えるくらい、真の絶頂管理の苦しさをその身に刻みこんであげる……これで朝起きたらどうなってるか、本当に楽しみだね……うふふ……アハハ!!」
◇
「あ……ハァ……ハァ……あああぅ……」
部屋の外は明るくなってきている。どうやら本当に朝が来たようだ。
何かとんでもない悪夢を見てた気もするが思い出せない。
結局いつ寝たのか、それとも眠れないまま一夜を明かしたのか、それすらわからない。 だがはっきりしている事はひとつだけある。
焼きつきそうなほど「逝きたい」と願う気持ちだ。
今も火が出そうなほど熱い吐息を漏らしながら、満たされぬその思いに身を焦がしていた。
ほんの少し微睡んだ気もするが、気が付くとアナルから出てきたスライムがシオンを責めていたので、休んでる間も身体を責められ続けていたのだろう。
結局一晩中、まともに絶頂できなかった。スライム達は決して許してくれず、自分で慰めることもできなかったのだ。
よく覚えていないものの夢の中では何度も逝かされた気もする。現実ではどうしても逝けないのでそんな淫夢をみてしまったのだろうか?
だけど夢の中では気持ちよく逝ったはずなのに満足できず、むしろ欲求不満が煮詰まってるように感じられてしまうのはどうしてだろう。
もちろん夢の中で逝ったとしても、肉体的には何ら発散されたわけではないので昨夜に比べても尋常ではない肉欲の高ぶりに打ちのめされそうになる。
「何かがおかしい……ううっ……」
夢の中で何かされたのだろうか……そう思えるくらい異常なほど「逝きたい」としか考えられなくなっている。そして体の芯まで重く気怠い疲れ。
少し眠って休んだはずなのに全身覆う疲労の色も一層濃くなっている。
それに火照りも治まるどころかむしろ加速し、昨日の夜に比べても抑えきれなくなっているのだ。
何故だろうか、全身が泡立つほどいきり立ち、一段と快楽に耐えられなくなった気がするのは。
そんな葛藤を抱えながら寝台に身を横たえたまま、シオンは満たされぬ身体を持て余すように汗みどろでのたうちまわっていた。
「ハァ……ハァ……あぐっ……ううっ!!」
逝きたい……逝きたい……逝きたい!!!
沸騰しそうなほどの絶頂への渇望。それに完全に飲み込まれていたのだ。
ただ色に狂う。強靭なS級ハンターには到底見えない無様な姿。それを惜しげもなく曝してしまっているのだ。
部屋の片隅には使い魔であるコウモリがぶら下がり、そんなシオンがただ狂っていく姿をじっと眺めている。その眼の先には淫魔がいるのだ。おそらくは舌なめずりしながら、このあられもない姿を酒の肴にしながら鑑賞しているのだろう。
だが、それを気にする余裕すら、シオンからは失われていた。
淫魔に見られていると分かっていても、はしたない声をあげるのを止められないのだ。
「あっ……アアン……アハッ……ううっ……」
触れられないとわかっている、だけど股間と乳首に手が伸びてしまうのはどうしようもない。
無駄なのに爪を立て、カリカリとひっかき続けているが、鉄壁の貞操帯と化したスライムに阻まれ、一切の刺激が与えられない。
そんな狂乱状態のシオンを嘲笑うかのようにスライム達は陰湿に寸止めを開始してしまう。
「こ、こんなになってるのに……もう、動かないで!!」
そんな悲鳴に似た懇願も、遠く離れた淫魔に届くはずもない。
例え届いたとしても、ある種の清涼剤のように胸がすく思いを与えるだけだろう。
シオンが嫌がれば嫌がるほど、その弱みに付け込んだ責め苦が加えられる。
淫魔の直接指示がなくとも、スライム達は自発的に行動しているのかもしれなかった。 それほどシオンの垂れ流す苦悶の脂汗と淫汁は最高のご馳走なのだろう。
「うっ……うううっ……」
夜が明けて早々に開始された焦らし責めを前に、早くもシオンは絶頂寸前へと駆り立てられる。容赦ないその責め苦の前に、シオンは再び昇ることも降りることもできなくなってしまう。
恐らく指で弾いただけで逝ってしまう完全に勃起した乳首の周囲には粘体となってまとわりつき、トロリトロリとわずかに揺れ動く。そよ風より穏やかで繊細な動きのため逝くこともできず、それでいてシオンの官能が落ち着くこともない。今のシオンにとって最悪ないたぶりだろう。
「おっ……おおっ……おお゛お゛っ……」
シオンを高ぶらせても、決して逝かせない限界ギリギリの絶妙な責め苦。
淫魔の後押しがあるとはいえ、僅か一日でスライム達はそこまで学習していたのだった。どうすれば獲物を最も苦しめ、逝く寸前の最も苦しい状態に固定できるのかを本能で理解し始めたようだ。そしてシオンの美味汁を味わいつくしたお返しに、特濃の催淫粘液が塗し込まれる。それによってシオンは強制的に発情させられ、降りることは許されない。 逝くこともできず、煮詰まるような官能から逃げることも許されず、悶々と見悶えながら、うなされるように逝くことを願い続けている。
「お、お願い……もう……い、逝かせて……」
何度同じことをお願いしただろう。だがそれが聞き入れられることはない。
淡々と、ただシオンを追い詰め、焦らし狂わせるだけの責めが続けられている。
そんな悦楽と懊悩の狭間で身悶えている、その時だった。
コンコン
部屋をノックする音がする。
「シオンさん……起きてますか?」
マインさん!?
その声が官能の泥沼にはまりこんでいたシオンの意識を呼び覚ます。
こんな浅ましい姿を見せるわけには……ううっ!!
そう思った最中にも股間や胸に伸びた手を止めることができない。
そもそも自分で慰めてるわけじゃないのだから、手を離していいはずだ。
だけど内側からスライム達に焦らすように嬲られると、たまらずカリカリ引っ掻き続けてしまうのだ。例えそれが無駄だとわかっていても。
トントン!
扉を叩く音が大きくなる。
いけない……ううっ……
それでようやく手を止める。
マインさんにこんな情けない姿を見せるわけには……
「シオンさん、どうしました? 大丈夫ですか!?」
「い、今……開けます……」
間近にあったガウンを素早く羽織り、這いずるように扉へと向かう。
ただ歩く、この何気ない動作だけでもじりじりと精神力が削り取られるようだ。
沸き立つ淫情を必死に抑え込みながら、扉に手を掛けたその時だった。
突然あざ笑うようなルルの声が脳裏に聞こえてきた。
『もっともっと堪らなくしてあげる。あの子の前で、その欲情しきった淫乱マゾ牝の顔を情けなく晒すんだよ』
使い魔を介してシオンに囁きかけているのだろうか。
「ああ……そんな……そんなのいけない……うぐっ」
扉の向こうに思い浮かぶマインの朗らかな笑顔。
それに対し、淫欲と脂汗にまみれ、紅潮した顔を歪ませて、口元からは甘く濁った官能の吐息を漏らしている自分。これではとても合わせる顔がない……
「うっ……うぐっ……」
なんとか官能の火照りを抑えようとするが、それを淫魔は許すはずもない。
媚薬に漬け込まれたままの乳首の周りを催淫粘液がゆっくりと揺れ動く。実際にはスライムが動いているのだが、硬質化した表面内部は催淫粘液で半ば満たされたようになっているため、そう感じるのだ。
ただでさえ焼け付きそうな特濃媚薬粘液。それがゆったりかき回されることによって、乳腺の奥にまで媚薬が染み込んできそうなほど感じてしまう。
さざ波よりも静かな、ほぼ凪いでいると言ってもいいほどのほんの微かな揺らぎ。それでも今のシオンを狂い立たせるにはそれで充分なのである。
乳首に構成する、歪な塊となって寄り集まった無数の性感細胞の一つ一つが、バチバチとはじけ飛ぶように反応し始める。
それだけでまた嬉しそうに乳首が跳ね上がってしまう。
「うっ……ううっ!!!……ダ、ダメ……ダメなのにぃ……」
真顔になるどころか、どんどんダメになってしまう。
この肉体で我慢するなんて無理なのだ。
逝きたい……その思いだけに支配され、逃れられない色地獄へ堕ちてしまう。
『いい表情になってきたじゃない。そう、その蕩け切った顔であの子に会うんだよ……ギリギリまで焦らし抜いてあげるからね』
「うっ……そんな……」
ドンドン!
「シオンさん!?」
マインが心配する声が聞こえる。
「逝きたい」としか考えられない情けない私をそこまで心配してくれているなんて……だ、だけど……うう……
「ああ……い、逝きたい……」
『いいよ、いいよ。最高のマゾ顔になってきたじゃない。そうそう、その顔見たらあの子はどう思うだろうね。さぁそのまま扉を開けてご対面するんだよ』
開けたらダメだ、それはわかっている。
こんなひどい顔を見せるわけにはいかない。だからといって身体中からあふれかえる淫欲を抑えることもできない。
だけど扉を叩き、シオンを呼ぶ声は続いている。
もうこれ以上待たせるわけにはいかない。
扉に手をかけたままどうしようか迷っているその時、身体がふっと楽になった。
どうやら不惑の指輪の効果が戻って来たようだ。
まさに間一髪と言うタイミングでなんとか助けられたのだった。
『アララ、忌々しい指輪の効果が戻っちゃったのね。残念~~』
淫魔が残念そうにつぶやく声が聞こえてくる。
だが、さしもの上級淫魔も不惑の指輪には手を出せないのだ。
ふーっと大きく息を吸って鍵を開けると、そこには心配顔のマインが立っていた。
「シオンさん、なかなか起きてこられないので心配しちゃいました。それに……顔が赤いみたい。熱でもあるんですか?」
「ああ……これは……」
つい今しがたまで不眠不休でもがき苦しんでたなんてとても口には出せない。
それに不惑の指輪の効力が復活したと言っても、身体中のあらゆる性感帯に忌まわしいスライムたちが食い込み、こんこんと催淫粘液をまぶしこまれている事に変わりはない。それに加えて散々焦らされた肉体がこれでリセットされるわけではないのだから強制的に発情したままであり、その倒錯的な悦楽に悩まされているのだ。
「……は、入ってください」
そう言ってマインを部屋へと招き入れる。
今も部屋の中にはねっとり湿った淫臭が充満してるように感じて恥ずかしい。
それに散々に寝乱れた寝台をよく見ると、中央部分がべっとり濡れていることに気づかれるかもしれない。それも汗だけではない何かで……
ドキドキしながら、シオンは汗でべっとり絡みつく髪の毛を整えなんとか息を整える。
「ひどい寝汗……やはり昨日の戦闘の疲れ……それって私のせいですよね」
本当にマインさんは純真でいい子だ……私のこと親身になって心配してくれてるのが表情見ただけでわかる。
だからこそ、本当のことは口が裂けても言うわけにはいかない。
今もなお、股間も乳首もべっとりと濃厚な催淫液に浸けられ、発情しきっているなんて。逝きたい、逝きたいと欲情し、煮詰まるような絶頂管理でかいた脂汗にまみれたままだなんて。
こんないい子を騙しているなんて……すごく悪い気がする。
この子のためにも淫魔に負けるわけにはいかない……そう思ったときだった。
『我慢できるようになったのなら、この子達とまた遊んでもらっていいよね』
再びルルの声が脳内で聞こえた。それと同時に胸に貼りついたスライムが突如蠢き始めるのだ。それも先ほどまでのさざ波のような生殺しの動きではなく、はっきりわかるいやらしい動きだ。どうやら不惑の指輪の効果が再開したことでその責め方を変えてきたようである。その時その時シオンが最も苦しめるよう強度を変えた、イヤらしい動きだ。
「っ!!! ひぐっ!!」
い、今はダメ……ダメです!
その抵抗を楽しむかのようにスライムは先ほどまでより強く嬲り始める。
液体から少し粘度を増して唇のように変形し、両乳首を口に含むように包み込む。
そよ風でも逝き果てる最弱の乳首が、この一晩の調教で一段と弱くなっている。そこをしゃぶられては魔道具とて防ぎきれるものではない。
舌先で強くなぞり上げるだけじゃなく、ちゅるると音を立てて舐られると乳首はまたむくりと苦しそうに伸びてしまう。
にちゃ……にちゃ……
唾液代わりに催淫粘液をまぶしこみながら、ぢゅぽぢゅぽ上下に動かれると指輪で耐性が上がったとは言え、シオンに耐えられるはずもなかった。
だが自失せず、ギリギリ踏みとどまっているのは、目の前にマインがいるからだ。
「ど、どうしたんですか!?シオンさん!」
「あっ……こ、これは……ああうっ!!!」
胸を覆うスライム表面は全く変化はない。だがその内部でそれほどねちっこく、両乳首を虐め抜かれてるとはもちろんマインは知る由もない。
へ、変な声がでちゃいそう……うっ……
それにスライム達がかさにかかったように舐めしゃぶる生音が外に漏れないか気が気でならない。
そんな窮地に追い込まれたシオンの姿を、天井に貼り付いたままのコウモリの目が妖しく光って見守っている。どこか笑ってるようにも見えるのは、淫魔たちは高みの見物をしながら、この絶望的な状況を楽しんでいるからだろう。
くっ……なんて嫌らしい……そう歯噛みするものの、昨夜からずっと逝かせてもらってない肉体はすっかりシオンを裏切り、歓喜の声を上げ始めている。乳首嬲りの猛攻の前に、マインのために頑張ろうとした決意もたちまち溶け崩れてしまう。
「あっ……あっ……ぐはっ……ダ、ダメ……マインさんの前でなんて……うっ!!」
ダ、ダメ……抑えられない……でもマインさんに話すわけには……
『言っちゃって早く楽になりなさいよ』
そんな嘲笑するルルの声が聞こえてくる。
それを急き立てるようにスライム達は責めたてるものの、シオンは紙一重のところで踏みとどまっている。マインの目の前で恥をさらすわけにはいかないからだ。
『へぇ、お姉さん頑張るじゃない。だったらこれならどうかな?』
そんなシオンの焦燥を嘲笑うかのように、スライムの責めはギアを上げる。
乳首を嬲っていた舌先が今度は無数の超微細な針金のような繊毛に変化し、カリカリとひっかき始めたのだ。
カリッ……カリリッ……
ちゅぱ……ちゅぱ……
まるでフェラチオでもするように口で両乳首を上下にしごきながら、先端はカリカリと引っかかれるというありえない動き。人では到底実現不可能な責め苦である。
その前にシオンはたちまち絶頂寸前まで追い込まれてしまう。
だけど……逝かせてはもらえない。
恐らく爪で強く引っ掻かれたら、たちどころに果てていただろう。
だが目に見えないほど極細の無数の繊毛でかきむられては逝くに逝けず、口に含む動きも最後の一線だけは超えないように巧みに調整されている。逝くこともできず、だからといってじっとしていられない、今のシオンにとって最も辛い生殺し責めだ。
突然胸を押さえて苦しみだしたシオンを前に、おろおろするしかないマイン。
『さぁ、言いなさいよ。でないともっとひどい目にあわせちゃうから』
もう無理だ……乳首をこんなにされたら、ダメになるぅ……
その淫魔の一言が最後の一押しとなった。
「……シ、シオンさん!?」
「も、もう……もう……ダメ………」
追い立てられるように、シオンは口を開かされるのだった。
「マインさん、実は……うっ!!」
「は、はい」
「あの時、私は淫魔に……うぐっ!!……ハァ……ま、負けていたんです」
「え!?」
マインが飛び上がるように驚いている。
それはそうだろう。シオンが撃退してくれたと信じてたのが逆だというのだから。
「そんな、ど、どうして……」
純真な思いを裏切り、今も淫魔のしつこい色責めに負けてしまっている……そんな惨めさにシオンは言葉を詰まらせる。
だが、早く言えとばかりに両乳首の先端をブラシがけもされるようにひっかかれて催促されると、呻くように口を開くしかなかった。こうして乳首を人質に取られてしまっては、もう耐えられないのだ。
「マ、マインさんが淫魔に捕らえられてしまって……やむなく……ううっ……」
「え!?……私のせい……」
それを聞いてうつむくマイン。気に病ませたくないので言うつもりはなかったのに、言わされてしまった。深い後悔の念がシオンを包み込む。
だが淫魔はそんな程度で満足してくれないようで、更にシオンを追い込んでゆく。
『さぁ、もっと……全部曝け出しちゃいなよ!』
「あぐっ!!! うううっ!!!……あああハァァァ……」
先端だけでなく、長く伸び切った乳首の横腹をスライムにしっかり捕らえられ、挟みこまれたまま上下にゆっくり動き始める。舐めるだけじゃなく、しごく動作まで加え始めたようだ。
ぎゅっぽ……ぎゅぽぽ……じゅぶっ……
胸の中でそんな水音が響き渡っている。
「シ、シオンさん、何だか変な音が聞こえてきましたけど……?」
その異変にマインもさすがに気づいたようだ。
「ああ……い、逝きそうぅ……くふぅぅ……」
肉体は狂おしく逝くことを求めている。だが最後の一線だけはどうしても越えられない。不惑の指輪の効果が発揮され、快楽責めから身を守ってくれているためだ。
だがその事がシオンを逝くことを許さず、逆に苦しめているのは皮肉なことである。
それを敏感に感知したスライム達は、伸び伸びとシオンを責め始めたようだ。
最も苦しく、耐えられない責めを繰り出し、シオンをぐずぐずに悶絶させる。
『さぁ、大切なこの子の前でこんなに気持ちよくされてることを正直に白状しちゃいなよ』
もちろん与えられるのはシオンを生かさず殺さずの絶頂寸前の甘くつらい苦しみだけだ。その苦しみに押し流されるようにシオンは自らの身体を蝕む惨状を告白するしかなかった。
「ハァ……ううっ……ハァ……そう、その時身体中の大切なところに……うっ!……イヤらしいスライムがつけられ、い、今も蠢いているんですぅ……あぐっ!!」
なおもスライムにいじめぬかれながら、息も絶え絶えに説明してしまう。
「それに……自分ではどうしても取れないんです。取ろうとすると固くなって邪魔をして、その上でしつこく焦らし続けるんです」
「しつこく……焦らす……ゴクリ」
突然シオンから語られ始めた生々しい話にマインは意表をつかれたようだ。
生娘のマインには少々刺激が強すぎる話だったかもしれない。
「それで……そんなに身体を震わせてたんですね。今も聞こえる変な音ももしかして……」
「そうです……さっきから激しく乳首を舐められて……ううっ……気が狂いそうなんです。でも最後まで逝けなくて……ハァ……も、もうおかしくなりそうなんです!」
シオンが苦しそうに身をよじらせるだけで、ムンムンした色気がまき散らかされるようだ。マインに告白したことで、抑えこむ気力もどうやら尽きてしまったようだ。
「ありがとうございます、シオンさん。ちゃんと打ち明けてくれて。やっぱり私のせいなんですね……私がシオンさんに無理やり護衛を頼んで、人質にとられたばっかりに」
「え、いや…それは……」
「だから私にも何とかさせてください! シオンさんのお役に立ちたいんです」
気が狂いそうな身体を持て余しているシオンも何とかしてほしいのは山々だ。
だけどマインにそんなこと頼むわけには……それに貞操帯代わりのスライム達がいる限り、何もできない気もする。
「大丈夫です、私平気ですから!」
ぐっと拳を握りしめるマイン。
自分のせいで苦しむシオンをなんとかしたい、その一心なのだろう。
だけど純真無垢な乙女そのもののマインに、性欲の解消をお願いするなんて気がひける。それに今もじっと部屋の片隅で監視しているルル達がどう出てくるか読めない。
「もしかして……私、お邪魔ですか? やはり私なんかいても……」
どうするか思案にふけるシオンを見て、勘違いしたマインが残念そうにうつむいている。
「いや、そうじゃなくって……じゃ、じゃあ……ハァ……ほ、本当にどうしようもなくなったら……手助けお願いします……うくっ……」
そうは言ったものの、既にどうしようもないところに追い込まれているのだ。
今は復活した魔道具の指輪でかろうじて抑えているが、両乳首だけでこの有様なのだ。 いつまた乳首以外のスライム達が動き始めるかわからない。
乳首以外のスライム達が……動く……?
悪い予感は当たるものだ。
『あれ? 乳首だけじゃ物足りないって? 別のところも動かしてほしいんだね? ご期待には応えてあげないとね』
まるでシオンの心を読んだかのように、全身のスライム達の動きが活性化される。
「はああっ!!!」
天井に貼りつくコウモリがニタリとほくそ笑んでるように見える。
この状況を見ている淫魔たちは実際そうなのだろう。
ただでさえ絶望的な状況なのに、そこに絶望を上書きするような行為。淫魔による遠隔操作によって、スライムたちが一斉にシオンに襲い掛かったのだ。
スライムの支配下に置かれた全身の性感帯。乳首だけでなく、クリトリス、膣内、アナルへの同時波状的な攻撃が始まったのである。
しかもこれまでのとろ火でじっくり煮込むような生殺しする動きではない。
それよりも格段に強い、女体を絶頂へと追い込む動きだ。
「あっ……くふっ…………くうぅぅ……はうっ!!」
しばらく放置され、欲求不満の吹き溜まりとなった性感帯を本気責めされると、たちまち失神寸前のすさまじい快感が湧き上がってくるのだ。
うぐぅっ……マインさんの目の前で恥をさらすわけには……
眉根を寄せ、歯を食いしばって必死に堪えるものの、それで収まるほど生易しいものではなかった。
陥没したまま、それでも勃起し膨らんだ乳首。スライムはその隙間にうまく入り込み、乳首全体を覆うように包み込んでいる。その上で材質を変化させ、まるで乳首全体を複数のブラシで摩耗しながらしごくような人知を超越した動きで責め立ててくる。
もちろん下半身への責めも抜かりはない。
すっかり剥き身となって屹立した肉芯もスライムが包み込み、まるで甘噛みでもするかのように、しつこくしつこく吸い続けている。しゃぶりながら舐め、そしてざらつく舌先で研磨する巧みな責めだ。まるで挿入前の前戯だけで逝かせようとするような老獪で熱のこもったクンニリングス責めに翻弄されている。
更には膣内。この中でも我が物顔でスライムが膨らみを増し、膣内の襞の一枚一枚を根こそぎこすりあげるような複雑な蠕動運動を開始している。膣内がみっちり液状のスライムで埋められたまま、表面だけが波打つように次々変化し、押し寄せるのだ。それによって通常の力強い挿入とはまた違う、いや、次元の違う快感を生み出しているのだった。
優しく撫でてるだけじゃない。グイッグイっと抉るような力強さも与えてくる。それによってGスポットも、更には通常では届かない子宮近くの奥のほうまでくまなく振動が伝わり、えぐりとられてゆくのだ。膣内ビッシリ埋め尽くした巨大な責め具が鈍い音をたてて振動し、子宮までもが揺さぶられているといった破滅的な悦楽がそこにある。
そしてアナル。こちらもまさかこんなところでと思うかもしれないが、前後の穴で挟み込まれるように動かれると、逃げ場のない快楽に押しつぶされるようになってしまう。アナルだけでも逝ってしまいそうになるのに、膣内のスライムと合わせて前後からぎゅうっと圧し潰されると、逃げ場のなくされた肉が悲鳴を上げるしかない。
そんな全身綺羅星のように眠る極上の性感帯全てを責め立てられては、シオンに耐えられるはずもなかった。
『大好きな娘の前で、無様に逝っちゃいなさい』
その言葉にもう抗う体力も気力も残されていなかった。
「おおおぅ………おうぅ……ハァ………いぎぅぅ………」
喘ぎ声と言うより、咆哮に近い声を張り上げ、まるでおこりにかかったように身を震わせ始めたシオンを見て、マインは動揺する。
「ど、どうしたんですか!?突然」
知識は持ってたとはいえ、女性が本気で逝くところを見るのは初めてなのだろう。その身体に触れて良いものかも判断がつかず、ただ見守るだけだった。
「い……逝く……逝っちゃう………」
スライム達の容赦ない責めの前に、シオンは絶頂へとひた走る。
マインの前で恥を晒すという負の感情はもはやどこかに忘れさられていた。
それよりも昨夜以来ずっとお預けされていた絶頂がようやく味わえる、警告音より歓喜の鐘の音が頭の中で鳴り響くのだった。
「ああうぅ……逝く……逝ける……逝けるぅぅ!!!」
ガクガクと大きく腰を揺さぶり、まさに全身で待ちに待ったエクスタシーを味わい尽くそう……そう考えた時だった。
ピタリ……
まさに後ひと撫で、ひと擦りで逝く……そうなった瞬間にまたしてもすべてのスライムの動きが止まってしまったのだ。
「ああ……な、なんで……どうしてぇ……こ、こんなのひどすぎる……ああうっ……ううっ!!」
まさに逝けると思った瞬間、またしても寸止めされたのだ。焦らし抜かれた生身の女にとってこの上なく辛い寸止めを。
なんとかしようと身体をくねらせるものの既にスライム達は液状化し緩衝材となっており、いくら揺さぶっても何の刺激も与えられないのだ。
「ああううぅ……逝きたい……逝かせて……」
ひりつくほど待ち焦がれた絶頂が取り上げられたシオンは、まるで駄々をこねる子供のように惨めに泣きむせぶしかなかった。
同じ焦らし責めとはいえ、とろ火でじっくり煮込むような生殺し責めも焦れったいが、絶頂寸前での残酷な寸止めも相当つらい。ましてやもしかして逝けると淡い期待を抱かせておいてそこを寸止めするというのは悪魔のような所業だ。淫魔だからそれも当然か。
その時その時でシオンが最も苦しめるようにルルは手を変え品を変え、追い込んできている。
「シオンさん……」
あの気丈なシオンさんがまるで子供が泣き叫ぶように声を張り上げているなんて……
マインにとって初めて見るシオンの姿であった。
「ああぐっ……も、もう、やめて……嫌なのにぃ……ううっ……」
暴発寸前に膨らんだ欲求不満を糧として、スライム達はまたしてもこれまで以上に濃い催淫粘液を分泌し始めたようだ。苦しみ抜いて吐き出した汗と体液のお礼として、もっと宿主を狂わせる媚薬を敏感な粘膜に塗し込んでくれるのだ。
惨たらしい寸止めに加え、濃厚な催淫液まで浴びせられては、もうマインに助けを求めるしかなかった。
「マインさん……た、助けて……」
額に大粒の生汗を浮かべ、そう訴えかける顔はふるいつきたくなるほど美しかった。
「わ、わかりました。どんなことでもお手伝いします!」
その言葉に勇気付けられたのか、シオンは恥じらいながらも着ていたものを脱ぎ、マインの前に肌を露わにしてゆく。
「これ……ひどい……」
シオンのそんな完成された裸体に目を奪われるより先に、そこに我が物顔で張り付き、蠢いている複数のスライムを見て、マインは思わず言葉を失ってしまう。
胸や、股間、そしてお尻の穴にまで取りついて、それらがまさぐるように淫猥に蠢いているなんて……
いくら経験の乏しいマインでも、あんなところやこんなところに密着し、しつこく刺激されたらどうなるかくらいは容易に想像できる。
しかも感じるだけ感じさせられた挙句、その上ずっと焦らされているだなんて……このままだとシオンさんがおかしくなっちゃう!
「こ、これ、取れないんですか?」
「ダメ……ダメなんです……ううっ……手を近づけると固くなって触れることもできないんです」
「そ、そうなんですか……」
試しにマインが手を近づけてみる。するとスライムは軟体のままだった。
「アレ? とくに固くはならないみたいですよ」
「え……?」
確かにそうだ。マインの手が近づいてもスライムは反応しない。
もしかしたらシオンの手にだけ反応するように仕込まれているのだろうか。
「でもヌルヌル滑って……摘まもうとしても摘まめないですね」
スライムたちを引きはがそうとしても、まるで水でも摘まむように手応えがない。そうして何度か試しているうちに、偶然指先が長乳首の先に当たってしまった。
「はうっ!!!」
仰け反るシオン。そのあまりの反応に驚くマイン。
「ご、ごめんなさい! シオンさん!」
「ハァ……ハァ……」
昨晩からどうしても届かなかった指先での直接的な刺激。
偶然の出来事とはいえ、マインの指だと乳首に触れられるようだ。
これはもしかして……
「ああうっ……つ、続けてください……マインさん」
「はい……分かりました。これを続けたらいいんですね!」
嬉しい。あのシオンさんが私のことを求め、頼ってくれてるなんて……身震いするくらいの感激だ。
「それにしても大きな胸……服の上からでも分かってましたけど、ここまでなんて……でもシオンさんの乳首ってその中に埋まってるんですね」
マインが生唾を飲み込む音が聞こえてきそうだ。
身体中に覆いかぶさっているスライムたちが今は無色透明に変化しており、まるでマインに見てくれと言っているようなのだ。
これも淫魔の企みなのか。
マインさんの息が感じられるくらい間近で見つめられるのって、ちょっと恥ずかしい……
「あ、あまり、見ないでください……」
「ああう、すみません! でも……隠れんぼしてるみたいで可愛いですね、これ」
「ううっ……」
マインからするとシオンは憧れの存在である。高名なS級ハンターであり、その抜群の強さに加え、近寄りがたい美貌、そして同性からみても羨むような抜群のスタイルと、文句の付け所がない女性であった。
街中に住む、その他大勢の一人にすぎないマインにとって雲の上の存在であり、近寄りがたい雰囲気すら感じていたのだ。
もちろんシオンはそんなマインにも分け隔てすることなく、気軽に話しかけてくれる。 そのおかげでまるで姉妹のような関係で付き合うことができてきたのだ。
その完璧なはずのシオンさんに、こんな弱点があるなんて……
しかも劣等感の塊のような醜い陥没乳首がついてるなんて驚きだった。でもそれがマインには嬉しくてたまらない。
だってこれは自分だけにしか分からないシオンさんの弱みなんだ。
その秘密を共有することで高嶺の花だったシオンさんが、手が届くところまで降りてきてくれたのだから。
「これ、すっごく太くて大きいんですね。見えてるだけでも私の何倍もあるのに、まだ隠れてる……こんなの信じられません」
昨夜からのスライム達の責めで顔を少し覗かせているものの、まだその半分も出ていない、底なしの巨大長乳首なのである。
嬉しさのあまり、マインが少しからかうとシオンは顔を赤らめる。だが恥ずかしさ以上にどうにもならない崖っぷちにまで追い詰められているようだ。
「ううっ……マインさん……お、お願い……早く……」
「わ、わかりました。遊んでる場合じゃなかったですね。では、さ、触りますよ!」
マインは恐る恐るという感じで、シオンの胸にたどたどしい手つきで指を伸ばしてゆく。
「きゃ、きゃうん!」
「え、ええ!?」
ちょんと指先が先端に触れただけなのに、ぶるると震えるながら声を張り上げるシオン。
そのビックリするほど敏感すぎる反応に、思わず指先を引っ込めてしまうマイン。
「もしかして痛かったですか? ごめんなさい。なんだか腫れてるみたいですし……」
「ううう……だ、大丈夫です。つ、続けて……ううう……」
元々感じやすい乳首を焦らし抜かれ、催淫粘液によって数段感度を上げられていることをマインは知らない。自分の胸と比較して痛がってると勘違いしてしまうのも無理はなかった。
でもシオンに促され、また恐る恐る指先を伸ばし、シオンの火が出るような反応に飛び退るようを繰り返す。
そんなおっかなびっくりの慣れない手つきが、まるで焦らし責めでもされてるようで、シオンにとってはこらえきれない。
「マ、マインさん……も、もっと強く……」
「は、はい……こ、こうですか?」
マインは今度は二本の指を差し入れて乳首を摘まみ出そうとしている。
だが何度か試すものの、肉の厚みに守られた乳首は容易に引っ張り出せない。そのたびに乳首の先端を指で引っ掻く動作を繰り返すことになる。
「あっ!……うっ……うくっ!!」
陸に上がった魚のようにビクッビクっと大きく身体を跳ね上げるシオン。
最初こそ求められるままにしていたが、自分の指先一つで面白いように反応するシオンを見てると少しおかしな気持ちになってくる。
あのシオンさんが……私の手の中にある……こうした指先ひとつで身悶えているなんて信じらない。
尊敬の対象だったはずのシオンさんをこうやって思い通りに支配しているんだ。そう思うといけないことをしてるようでゾクゾクしてしまう。
「先っぽに軽くタッチしてるだけなのにこんなにも敏感に……相当辛かったんですね」
ああ……可愛いシオンさん……このままずっと時が止まってくれたらいいのに。
淫魔の姦計のせいでシオンさんは自分を頼ってくれたのだ。そう、今のシオンさんにとって目の前にいる私が全て。この状況を作ってくれた淫魔にむしろ感謝したくなる。
そう考えると、このままあっさり終わらせてしまうのも、勿体ない気がしてきた。ここでシオンさんをスッキリさせてしまったら、また元の関係に戻ってしまう。もう私のことなんて絶対頼ってくれないだろう。
もう少し……このまま一緒にいたい。二人っきりの時間を過ごしたい。だったら……
「あうう……ご、ごめんなさいシオンさん……スライムがぬるぬるでうまくつかめないんです」
マインはわざと失敗しているふりをして、乳首の先端を滑らせるように指先を軽く往復させる。
「うっ……うっ……ううっ!!」
シオンは女っぽさでパンパンに膨れ上がった胸をふるわせ、必死に官能の吐息を押し殺している。
スライムを外そうと懸命に手伝ってくれてるマインの行為で甘い声をあげるわけにはいかないと、歯を食いしばりながら我慢しているようだ。
マインの指先を性の道具のように扱ってしまうことは、好意を冒涜し、汚してしまうことに他ならないからだ。
だけど、その抵抗も長くは続かなかった。
そもそもが限度を超えた焦らし責めに屈した挙句、マインに介助を求めているのである。
なのにこうして最弱乳首をじれったく嬲られては到底耐えられるものではなかった。
「マ、マインさん……お願い……は、早く……ひと思いに……逝かせて」
眉根をぎゅっと寄せ、苦しそうにうめくシオン。
恥も外聞の投げ捨て、マインにそう懇願するしかなかった。
「ああう……す、すみません。うまくできなくて……でもスライムを取るのはいいんですか? 逝かせてって……それ……」
ちょっとやりすぎちゃったかなと思いつつ、意地悪ついでにからかうマイン。
「い、一回だけでいいんです。もう昨日からずっと逝ってなくて……一回だけでも……逝かせてください……」
顔を真っ赤にして話すそんなシオンさんもとっても可愛い!
そんな恥ずかしい台詞でおねだりしちゃうほど限界突破しちゃってるのかな。
にわかに立場が逆転し始めたことに、少し余裕も生まれてくる。
「わ、わかりました。引っ張るのは無理なようですけど、先っぽをカリカリするくらいならなんとかできそうです」
「あぐっ!! そ、それで……ああ……も、もうなんでもいいからしてくださいぃぃ……本当におかしくなりそうなんです……ハア……ハァ……」
完全に出来上がってて我をなくしたシオンを見て、マインは心の中で笑みを浮かべながら、両乳首の先端に爪を立て、ゆっくりと引っ掻いていく。
だが、それは乳首のほんの先端をなぶるような、ぎこちない愛撫でしかない。
カリ……カリ……
「マ、マインさん……も、もっと強く……」
「ごめんなさい! うまくできなくて……」
だがシオンは知らない。少しでもこのひと時を共に過ごしたいマインがわざとじれったい責めをしていることに。「逝きたい」という気持ちで沸騰した頭では冷静に分析する余裕はないのだから。
「あっくぅぅ……くひん!……うっ……ううぅ……」
「こんな先っぽカリカリされただけで……すごく感じてるんですね。ビクンビクン震えてます」
股間のスライムは先程から動きを止めている。
淫魔もこの二人の女同士が始めた愛撫合戦の成り行きを見守りたくなったのかもしれない。
だから今のシオンにはマインが乳首の先端を引っ掻く、もどかしくじれったい刺激が頼みの綱なのだ。
「ああっ……うぐっ……」
最初こそマインにこんな卑猥な行為させていいのだろうかとどこか罪悪感すら感じていた。
だがそれを吹き飛ばすほどに、ただ逝きたいという思い一つに収束してしまった。それが今のシオンの全てなのだ。それを味わいつくそうと乳首に全神経を集中させてゆく。
「あっ……シオンさんの乳首が少しずつ出てきてますよ!」
それを見たマインが目を輝かせている。
もっと強く感じたいと自ら求めるように、埋没していた乳首の先がゆっくりと顔を出し始めている。
シオンさんがなりふり構わず自ら弱点を曝け出してまで、私の助けを求めてくれるなんて!
手がかかる我が子をあやすように、母性本能がくすぐられてるのがたまらない。
「ううっ……恥ずかしいです……」
顔を赤らめるシオンだが、むしろ意識すればするほど乳首はにょっきり伸びてしまう。
もう自分の身体が自分のものではなくなりつつあるのだ。
自分の拙い愛撫でもシオンさんはこんなに感じ、素直な反応を返してくれる。
ムクムクと乳首が力強く伸びあがるのを指先で感じ取り、マインは嬉しくなってくる。
「ハァ……ううっ……お願い……逝かせてください、マインさん……」
そう請われたマインは汗みどろでのたうつシオンの裸身をそっと見る。
甘酸っぱい吐息、蒸れるような汗の匂い、そして股間から漂う女そのものの淫臭。
その全てがたまらなくイヤらしい……でもそんなシオンさんは神々しいばかりに美しい……
「シオンさん……すごく必死なんですね。そんなシオンさんも大好きです」
マインは思わず「好きだ」と言ってしまっていた。
初めて自分の気持ちに素直になれた、そんな気がした。
でも逝くのに必死なシオンは、それに気づいてもくれない。それが少し寂しい。
するとまたちょっと意地悪したくなってくる。
ダメですよ、シオンさん。私をこうさせるのは、シオンさんなんですからね……そう言い訳しながら爪先に力をこめる。
カリ……カリ……カリリ……
「あっ……ひっ……ハァ……アアン……」
わざと焦らされているこもとも知らずに、シオンは物足りない刺激でなんかと逝こうと懸命だ。その苦闘のあがきが乳首の先端からヒリヒリと感じ取れる。
自分にとってカリスマだった存在を指先ひとつで翻弄できる万能感。
もはやシオンと同列を飛び越え、シオンの上に立ったような陶酔感に支配されてくる。
それにこの場にいるのはシオンとマインの二人だけ。邪魔するものなど何もいない。性欲にどろどろに蕩けきったシオンを煮るのも焼くのも自分次第なのだと思うと、もうしばらく虐めてみたい気持ちになってしまう。
「ああ……も、もっと強く……ううっ……」
乳首の先端はなんども指先で往復され、焼き付きそうになっているようだ。
また乳首が伸びてきている。
それに驚いたのはシオンの快楽に対するあまりの弱さだ。
ほんの軽く指先で触れているだけなのに、面白いような反応を打ち返してくれるのだ。
戦闘では凄腕の達人なのに、こっちはまるで赤ん坊のみたいに弱くて堪え性がないなんて……そのギャップがなんて可愛いんですか!
そう思うとこのままギュッと抱きしめてしまいたくなる。、壊したくなるくらい強く……そんな思いをぶつけるように、マインはせつなくてたまらない愛撫を続けてゆく。
「もう少し……もう少しで届きそうなんです。もっと伸ばせませんか?」
「そ、そんな……伸ばすなんて無理ですぅ」
自分の意思で乳首を伸ばせるはずもないのに、それはまったく無茶な要求だ。
だけどそれを疑いもせず、素直に従おうとするシオンさんってなんて可愛いの。こんなに強くて、美しくて、可愛くて……そしてすっごくドスケベ。
「うっ……うっ……ううっ……ハァ……はぐっ……ああうっ!!」
マインが単調に繰り返すだけの乳首への愛撫にも関わらず、シオンの口から漏れる声が喘ぐように熱を帯びてゆく。
乳首を勃起させるのは無理としても、そこに意識を集中させ研ぎすませることで、カリカリ引っ掻くだけのじれったい愛撫ですら乳首全体をとろっとろに蕩けさせているようだ。
「あぐっ……逝く……逝きそう………」
恍惚とした表情を浮かべるシオン。
頭の中でイキそう、それがこんなに気持ちいいなんて……ううっ……
「あっ……あっ……ああっ……」
カリ……カリカリ……カリッ……
それをマインの指先が確かに後押ししてくれている。
不慣れで物足りないけれど、今では力強い味方に思えるマインの指先。
それを乳首全体で嬉々として噛みしめると、脳内でイメージが膨らみ、まるで乳首がズボズボと荒々しく扱かれているように感じてしまう。
ああ……マインさんの指先、き、気持ちいいぃ……
脳内に快楽物質がドバドバ拡散するのが止まらない。それだけで自失しちゃいそうだ。 やがてそれが腰から下へと広がり、クリトリスまでもがひとりでにピクピク震え始める。
「うくっ……ハァ……ハァ……ううっ!!」
「い、逝きそうなんですね。私に構わず逝ってください、シオンさん!」
その言葉に安堵する。
そうだ、マインさんはスライム達のように意地悪することはない。
だったらそれに身を委ねてみよう。いや、そうするしかない!
だって今はマインさんの指先が全てなのだから。
その細い糸にすがりつくように官能のすべてをぶつけていく。
ドロリ……
ようやく逝ける……逝けるんだ……
そう考えるだけで、自然と頬が緩んでくる。股間もまた潤んでくる。
ああ、マインさんが逝かせてくれてる……ううぅ……気持ちいい……
まるで母親に抱きかかえるように身を委ね、自分は絶頂に向かうことに専念してゆく。
ただ逝きたい、その煮詰まるような思いが全てなのだ。
「い、逝きたい……ああ……逝きたい……逝きたい……」
頭の中がまた一段と明るさを増してゆく。これは快楽の光だ。それが明滅し始める。
逝っちゃいそう……
頭の中が真っ白になって、もう何も考えられなくなる。だけどどこか明るい。
何かが輝いている。すごく、気持ちいい。
そんな快感でいっぱいになって、ことごとく塗りつぶされてゆく。
カリ……カリカリ……カリッ……
「いい……逝きたい……逝く……逝くんです……」
そう言いながらシオンは陶酔の表情を色濃く浮かべていた。
まるで暗示でもかけるように、自らに言い聞かせる。すると秘奥がトロリととろけ、子宮がキュンとせりあがる。
そこにはマインの指先があって、ないようなものだった。
もはやそれすら溶け崩れ、消えている。
逝く……それがシオンとって世界の全てであった。
その大きな流れに身を任せる。まるで揺り籠の中のような居心地の良さだ。
母親の腕の中に抱かれているような安心感に包み込まれる。
ああ……逝ける……逝っても、いい……
加速度的に快感が高ぶってくる。
「い……いっく……………」
キューンとした熱い快感の大きな塊がゆっくりと持ち上がってくる。
気が付けば信じられないくらいの上空を舞っていた。
カリ……カリ……カリ……カリ……
その一方マインは身体が小刻みに痙攣し始めたシオンを間近で見つめていた。
もちろん指先だけの愛撫は続けている。
本当に乳首の先端を擦るだけで逝っちゃうなんて……ちょっと驚き。
だけど、今はそんなことどうでもいい。シオンさんをなんとしても逝かせるんだ。
「お願い逝って……逝ってください……逝って!!」
足首を持ち上げ、つま先をぐっと折り曲げながら、シオンは全身で絶頂を味わい尽くそうとしている。
グリッ……
それを見たマインは、仕上げとばかりに伸びきった乳首全体を指で捻り上げた。
「!!!」
頭の中を快楽で染め抜き、それだけでも逝こうとしていたところに、追い打ちをかけるような乳首責め。その不意打ちはあまりにも強烈だった。
それこそが待ち焦れたままずっとお預けされてきた本物の刺激だったからだ。
それで一気に官能の頂へと駆け上がる。
それはこれまで体験したことがないような絶頂の極みであった。
焦らして焦らして焦らし抜かれて、欲求不満をもう無理というくらい溜め込んでから、それを一気に発散するのがこんなにも気持ちいいなんて……
同じ水を飲むにしても喉が渇ききった時に飲むと体の隅々にまで染み渡るように感じられるのと同様に、肉体が求め続けたものが満たされた時の興奮は一段階も二段階も上に感じられてしまうのだ。
そんな次元の異なる悦楽の奔流が出口を求めて殺到する。
溜まりに溜まった欲求不満全てが押し寄せたのだ。
質と量、どちらも圧倒的なエクスタシーの前に、シオンは身も心も揉みくちゃにされ、形がなくなるくらいに蕩けさせながら昇りつめてゆくしかなかった。
「おおお゛お゛ぉぉぉ……いっく……いっぐぅぅぅ!!」
その一際輝く愉悦の大波はシオン自身、自分が逝ってるのかどうかもわからないほどだった。
あまりにも眩しい光を浴びると何も見えなくなるように、全てを焼き尽くすほどの強烈な快感の前にはシオンはなすすべもなかった。
少し遅れてようやく「逝ったのだ」と理解できた。
その時ようやく、凄まじい快感に身を震わせるのであった。
ビクンビクンと身体を揺さぶり、全身で絶頂を感じ取る。
頭も、乳首も、肉芽も、膣も、アナルも、太ももも、背中も、ふくらはぎも全身全てが絶頂の悦びにビックンビクン震えているのだ。
「シオンさん……すごい……」
その凄絶な逝きっぷりは傍で見ているマインも心配になるほどだった。
やがて強張らせていた身体を弛緩させ、ばたりと倒れ込む。
その後も息を乱したまま、絶頂の余韻につま先から頭の先までどっぷり浸りきっているようだ。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
あまりにも高く、そして深い絶頂。こんなのは初めての経験だ。
それが肉体のみならず精神的が擦り切れるほど消耗するなんて思いもよらないことあった。
シオンの全身はいまだに力が抜けたまま、指先ひとつ動かせないほどなのだ。
それも焦らしに焦らされ抜かれた果てにようやく逝けたのが大きいだろう。逝きたいという欲望が膨らめば膨らむほど、逝った際の反動も大きくなるのだから。
それはシオンにとって禁断の領域であった。一度知ってしまえば二度と戻ることができない麻薬のようなものである。
また一段とダメになった、そんな気がした。
「シオンさん、逝けたんですね。すっごく気持ちよさそう。これでようやくすっきりできましたね」
すっきり……?
そう言われてはたと気づいた。今のはほんの乳首の先っぽだけで逝ったにすぎないことに……
まるで全身で逝き果てたように感じたのも、頭の中でそうイメージしただけで、クリトリスも股間もアナルも何ら直接的な刺激は与えられず、放置されたままであることを。
むしろ一度逝ったことで、こっちも、こっちももっと感じさせて、と全身ざわめき始めてしまったことにようやく気付いたのだ。
「くっ……ううっ……」
歓喜に緩んだ顔を再びしかめ始めたシオンをみて、マインは嬉しそうに眉を上げる。
まだ自分の果たすべき役割があるとわかったのだから。
「……もしかしてシオンさん、まだ足りないですか? やっぱり乳首の先っぽだけだと物足りなかったんですね」
シオンの苦悶の様子は、その乳首からも見て取れる。半勃起した長乳首は完全に顔を出したわけでなく、苦しそうに斜めに引っかかっている。それが逝ったはずなのにすっきりしていない今のシオンの苦境を象徴しているかのようだ。
「シオンさんの乳首、引っかかって苦しそう……」
するとその言葉に反応したのかスライムが乳輪を引っ張るように押し広げ始め、その奥の奥まで覗き込ませる。仕舞い込まれた長乳首の全貌が明らからにされたのだ。
どうやら淫魔もこの先の展開が気になり、協力する気になったようだ。
「す、すっごく長くて……大きい……これ、私の何倍……そのどこを撫でても感じるなんて……」
「マインさん、そ、そんなにじっくり見ないでください……」
まだ絶頂の余韻覚めやらぬ中だとしても、やはり気恥ずかしい。
何故なら長さ3センチの威容を誇る長乳首はシオンにとって調教済みの奴隷の刻印であるからだ。かつて捕らえられ、嬲り抜かれた女王級淫魔からお墨付きとして与えられた証なのだから。
苛め抜かれるたびに、その苦しみを糧として歪に成長していった長乳首。
息苦しいほど逝かされ続け、もう感じたくないとシオンが泣き叫んでいるのにその乳首はもっと感じられるように、もっと快楽に弱くなるようにと進化し続け、いまや性感細胞の塊と化していた。どこに触れても感じるほどに、シオンにとって最悪な形になっていた。シオンが自慰するのもためらい、ニップレスの奥に封印するほどの最弱乳首である。
それが今や、マインに触れてほしそうに顔を覗かせてしまっている。
「私分かっちゃいました、シオンさん。戦う女の人って夜もすごいって聞いたことがあります。だから……シオンさんもこれくらいじゃ満足できませんよね」
「え!?」
マインの目が妖しく光っている。
「だから今度は……乳首全体をじっくり虐めてあげますから、覚悟してください」
「い、いじめる……?」
突然マインから出てきた言葉に戸惑うシオン。
「あ、少し言葉が過ぎちゃいましたね。でも大丈夫です!私、シオンさんが淫魔と戦ってるって知ってからエッチなことも少し勉強したことがあるんですから、きっと満足させてみせます!」
そいうと、まだ息が荒いシオンににじり寄るように迫ってゆく。
「ちょ、ちょっとマインさん……キャウッ!!」
先っぽカリカリだけであっけなくアクメに達した超敏感乳首である。
その絶頂の余韻も冷めやらぬ長乳首。
そこに今度はずっぽりと指を差し込み、長く伸びた乳首の横腹を擦りあげられる。
乳首全体を摘まむように、長く伸びた突起をゆっくり撫でさすられると、シオンはそれだけで言葉を失ってしまう。
「おおぅ……おおおほぉ………」
呆けたように開いた口元からは情感のこもった吐息がひっきりなしに漏れてしまう。
マインがゆっくり指先を使って、ざらつく乳首表面を上下に撫でさすると、それだけで弾けるような快感がシオンの身に襲い掛かるのだ。
乳首表面にひしめきあった数百もの性感細胞。それが次々に刺激されてゆく。
一つが終わればまた次に、次に、次に……しかも一つではなく、同時に二つ、三つ……そのたびに気泡が弾け飛ぶように、バチバチと快感の粒が音を立ててシオンを強く揺さぶるのだ。
弱すぎる雑魚乳首への刺激、その一粒一粒がシオンを逝かせるほどだった。だが先ほど濃厚な乳首逝きを経験してしまったシオンの肉体は、より深く鋭いアクメを求めていた。
先ほど逝って発散したのも溜まりに溜まっていたごく一部だけだ。
一晩中焦らされて、溜めに溜まった肉欲はその程度で解消されることはなく、出口を求めて催促し続けているのだ。
「もっと……もっと……ああ、もっと……」
そう求めるシオンの口元からは一筋のよだれが垂れている。
「シオンさん、こうですか? すっごく気持ち良さそう……」
そっと軽く撫でさすってるだけなのに、その身をとろかせるほどシオンは感じてしまっている。それが指先からひしひしと伝わってくる。
固く引き締まった長乳首を上下にゆっくりしごいていくだけでまた伸びてしまい、隠れていた場所からゆっくり顔をのぞかせてしまう。
そうすることで一層逃げ場がなくなり、マインの指先にしっかり絡めとられてゆく。
「シオンさんの乳首ももっといじめてって伸びてきちゃってますね。いいですよ、こうして欲しいんですよね?」
シュコ……シュコ……
「ううっ……す、すごい……ハアァ……マインさん、そこすごいですぅ……」
剥き出しになりつつある両乳首を音が聞こえるほどしごかれると、もうシオンは居ても立ってもいられなくなってしまう。
『いいコンビじゃない。だったらこっちも堪らなくしてあげるね』
シオンとマインの濃密な愛撫にあてられたように、そう言うと淫魔まで参戦してきた。 乳首愛撫に加え、股間に居座るスライムまでもが小刻みに振動し始めたのだ。
乳首責めだけでも絶頂寸前できりきり舞いしてるのに、下半身への色責めまで再開されてしまったのだ。
それもこれまで見せた焦らすような加減した責めではない。スライムがその持てる能力をいかんなく発揮し、全力で逝かせようとする本気責めである。
その前に、とろとろに潤み切ったシオンの秘肉などひとたまりもなかった。
「ああう……そ、それ……きくぅぅぅ………ああ……ハアゥ……」
それは自在に変化可能なスライムならではの繊細かつ大胆な動きだ。
ある時は巨大な張り型のように肉洞全体を貫き、破滅的な振動を与える。
子宮近くまで剛棒で埋め尽くされたまま蠢くのだから、耐えられるはずもない。
それに加え、その表面は無数の繊毛に変化し、それが襞の粘膜の一枚一枚にまで深く入り込み、磨き抜くように丹念に刺激までしてくるではないか。
Gスポットも逃げ場なくしっかり挟み込まれ、キュウキュウとしごき抜かれている。
それはクリトリスも同様だ。股間から伸びたスライムがねっとりと包み込み、無数の繊毛でブラッシングでもするように回転しながら磨きあげてゆく。
更にはアナルも忘れていない。前の穴と連動し、お尻の穴からも敏感な粘膜を捕らえ、押しつぶすように圧迫してゆくのだ。
そこには念には念を入れ、シオンを絶対逝かせてやるというルルの執念すら感じてしまう。いや、ただ逝かせるだけではない。
これまで感じたこともない、未知の、途方もない絶頂に逝き果て、決して戻れない高みへと押し上げてやる。自分たちだけが与えられる魔悦の前に屈伏させ、忘れられない刻印を刻み込んでやる、そう考えているのかもしれなかった。
「あうっ……くふぅ……あううぅ……」
いかに不惑の指輪の効果が復活しているとはいえ、それだけ敏感な性感帯全てをねこそぎ責め立てられたら逝くしかないではないか。
シオンは怖かった。怖いくらいに気持ち良かった。
記憶の底から女王級淫魔にとらえられ、朝から晩までそれも連日連夜、快感一色で塗りつぶされていた記憶が蘇る。
決して思い出すまいと封印した記憶。
だが、こんな人知を超えた絶頂を経験する予感に、その封印が解かれそうで怖いのだ。
またあの快楽に溺れ、ただ快楽のみを味わうことのみを生き甲斐とする肉人形のような日々に戻ってしまうのではないか……それだけはダメだというのに……
だけど絶頂へ向かって走り始めた肉体はもう止まらない。
抑えようにも抑えられないのだ。
「アアン……ハァ……はあうっ……ハァ……ハァ……」
全身で悦楽を感じ取りながらエクスタシーに猛進してゆく。
頭の片隅ではなおも警告音が鳴り響いているが、マインが弱乳首を扱くように刺激しはじめると、そんなことすらどうでもよくなってしまう。
「ああっ……マ、マインさん……そ、それ……すごっ……」
ギュッポギュッポとしなるような音がする。
マインは目を細め、両乳首を休むことなく虐めてゆくのだ。
クリトリス以上の感度を誇る乳首を二つとも責め抜かれ、下半身でも肉芽、膣内、アナルを同時に嬲られては、シオンに逃げ場などなかった。
再び色欲の泥沼に引きずり込まれる怯えすらどうでもよくなってしまい、まだ見ぬ絶頂の高みへと突き進んでゆくのだ。
ギュッポ……ギュッポ……グイ……カリ……カリ
ふと天井を見上げるとコウモリが笑って見えた。
『ほら、逝きなさい。でもこの快感を一度でも味わえばもう戻れなくなっちゃうよ。それでいいの? もうこれまでの快感では決して満足できなくなっちゃんだからね』
もう戻れない、確かにそうかもしれない。
でもそれが分かっていながらどうすることもできない。もう逝くしかないのだ。
だが次々と押し寄せる快感の大波に理性は遥か彼方へと押し流されていく。焦らしに焦らされた肉体が踏みとどまることを許してはくれないのだ。
逝く……逝く……今度こそ……逝きたい……逝きます……逝っちゃいます!!
目先の絶頂をとにかく味わい抜きたい、今のシオンにとってはそれが全てであった。
とにかく全身全霊でアクメを貪りつくしたいのだ。
「あっ……ハァ……ああぅ……おおっ……」
アナルに潜り込んだスライムも我が物顔で動き回っている。
前後の穴を薄膜一枚隔てて挟みこまれると、弓なりに身体を仰け反らせながらキリキリと唇を噛みしめる。
「ぐはっ……おおぅぅ……」
先ほどから子宮の入り口近くのホットスポットまでをもスライムが捕らえ、美味しそうに嬲り始めている。
これまで散々続けられた焦らし責めで子宮も完全に緩み切り、それを防ぐ力などなくなっているのだ。それを捕らえられ、人の手が決して届かない子宮内部にまで入り込もうとする動きをされると、息もつけなくなってきてしまう。
身体全てがずっぽりと、頭の先からつま先まで快楽に飲み込まれてしまう。
これが……焦らされきった果てに味わう快楽なのか……
かつて女王級淫魔の調教ですら経験することなかった未知の領域だ。
かつての女王級淫魔はとにかくシオンの肉体を快楽に弱く感じる身体に作り変えることに執着していたように思う。
そんな開花しきった肉体を徹底的に焦らされ、もうこらえきれなくなったところを集中攻撃され一気に逝かされる。そんな絶頂管理がこんなにも気持ちいいものなんて……それを今、シオンは知ってしまったのだ。
「シオンさん、蕩けちゃいそうなくらい良い顔。ふふふ、さぁ逝ってくださいね」
長乳首の両サイドをじゅぼじゅぼしごき続けながら、先端に爪を立てて強く引っ掻いている。逃げ場なく二つの最弱乳首を同時に責め抜かれ、いよいよシオン自身も進退窮まってしまう。
「ああ……ううっ……も、もう……我慢できないぃ……」
妹同然に思っていたマインに逝かされることへの抵抗感は、もはや微塵も残っていなかった。マインの指先が逝くに逝けない焦燥地獄から救い出してくれる救世主のようにすら感じていたのだから。
「ああっ……い、逝きます……マインさん、逝きます!!!」
ああ、こ、これ……すごい……すごいぃぃぃ!!!
身体の芯から迸る凄まじい快感!
溜めに溜めていた性欲が今解放される、すさまじい絶頂感。
こ、これが焦らされ苦しめられた後に味わう解放感なのか……これまで散々苦しめられた分、それが何倍にもなって降りかかってくるようなあり得ないくらい高く大きなアクメである。
こ、こんなの一度味わったら……もう戻れない……
「い゛ぐぅ……ああ……うう゛っ………い゛ぎます゛ぅぅぅ………!!」
ああ……淫魔に負けた……そんな後悔の気持ちもある。
だが、それ以上に、ようやく逝けた、その満足感のほうが強い。
戦うよりも敗北に満足すること自体が、シオンが堕ちているという証拠なのかもしれなかった。
だが、今は何も考えたくない。ただこの絶頂を貪り、この余韻に浸りきりたい。
そんな心地よい疲労と、安堵に包み込まれながら、シオンは気を失うように眠るのであった。