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skebで書かせていただいた作品です!


今回一応ご注意を……

過去に投稿して来た中でもぶっちぎりにハードなシーンが多々あります。

R-18Gの中でも割と激しめです。

……異能者少女欠損合同とかお好きなら美味しくお召し上がりいただけるかと思いますが!


Pixivリクエスト(https://x.gd/woq8b)、skeb (https://x.gd/6aUDc)は毎月最初の1週間で募集(たまに募集しない月もあります)!

1文字1.5円、5000文字から受付できます。

またFANBOXにて2週間早く読むことができます!

素敵なエロネタがありましたら、僕に具現化させてください!

リクエストお待ちしています!

※僕の知らない作品の二次創作ですと支援者様のものでもお受けできない場合があります。


【登場人物】

ヒノモト・サクラ・ヴィクトリア(17)

身長152 B88 W54 H100

15歳という最年少かつ首席で士官学校を卒業した宇宙軍所属の女将校(少佐)

ハイレグ軍服を纏った大和撫子系美少女

プライドが高く頭がよく気が強く、男嫌い(特に年上)

行方不明の相棒を探してマイノ・タウロ星を訪れた


ルイーズ・ラフランナ(19)

身長166 B110 W60 H92

ふわっとした柔らかな雰囲気の美少女将校(中尉)

サクラの先輩だったが、入隊後は側近としてサポートに入っている

ある日、マイノ・タウロ星への渡航記録を残して行方不明になった


グラッドン・メリゲィン

サクラやルイーズの上司で軍幹部(中将)

金と欲に目が眩んだデブの醜いクソオヤジ

立場を利用して好き放題やっていて、セクハラもエグい

噂になるレベルで贈収賄に手を染めている


グノスソス・ボロア

マイノ・タウロ星のニンゲン

外務大臣を務めるエリートであり、客人であるサクラをもてなす

身長2m近い、大柄で引き締まったたくましい体格

見た目に反して紳士的な男


ミミ(13)

マイノ・タウロ星のブタ(黒)

グノスソスに飼われており、サクラの世話役を任されていた

いつでも何事にも一生懸命な真面目なメイド


【用語】

宇宙連盟

数世紀前に発足した国連みたいな組織

宇宙全体の平和維持を目的に云々と語っているが、宗教や常識がまるで違う星々の統制に苦労している

不敗が進み、幹部たちは金儲けや欲望を叶えるためだけに行動している


宇宙軍

宇宙連盟に加盟した惑星人で組織された軍隊

肉体構造から別物の種族が混在するため、ほぼ完全な能力主義

寿命だけでも10数年〜2000年以上と、種族ごとにバラバラであるため、「軍にとって有益かどうか」以外では評価が難しい

この「有益か」を拡大解釈して幹部のハーレム部隊があったりする


マイノ・タウロ星

宇宙連盟の支配域から離れた辺境に位置する田舎惑星

支配種族はニンゲン、被支配種族にブタがいる

文明レベルC (宇宙未進出だが、文化的進化の段階にある)

宇宙連邦区分C+ (加盟条件は満たしていないが、友好的であり交流の機会は多い)

保護レベルA- (保全価値のある特異な文明・貴重な環境がある。滞在には高度文明の使用は秘匿する条件付きの許可制)


ニンゲン

マイノ・タウロの支配種

人間の体に豚の頭部を持つオーク風の霊長類

体が大きく知性が高く暴食で完全な肉食

同等の存在に対しては友好的かつ紳士的であり、戦は好まない


ブタ

マイノ・タウロにおけるニンゲンの主食の肉家畜(一部愛玩用でも繁殖されている)

数千年に渡る改良の結果、余りにも美味しく品種改良がされ、中毒性がある味と肉質になっている

ニンゲンに美味しく食べてもらえる事が何よりの幸福で絶頂であると心の底から思っており、ニンゲンへの感情は崇拝の域

食用に適した白ブタと、使用人として働く黒ブタがいる


◆◆◆◆◆


「お初にお目にかかります。私、プロブナ・ドゥルド・グロドリウス・マイノ・タウロ……」

「は……え、えっ? し、失礼ながら、もう一度最初から……」


 突然始まった耳馴染みのない言葉の羅列。

 彼が名乗りを挙げているのだと気付いた頃には、既に前半部分は頭からすっぽり抜け落ちてしまっていた。

 いけないいけない、と頭を振る。

 思っている以上に自分の心が乱れているのだと、ここでようやく理解する。


 宇宙連盟に未加盟の惑星を調査するのは慣れたもの。

 しかし、単独でとなれば話は別。


(一心同体だなんて言ったこともあったけれど……こんなにも、不安定になるものなのね)


「これは失礼。どうやら、我々の名前は外星と比べて長いのだとか……無配慮なご挨拶、申し訳ございません」


 幸いにも、彼は気を悪くした様子はない。

 深々と頭を下げるなど、連盟規範に従った外交マナーを徹底している様子だ。

 服装こそ歴史的文化財になり得るような文明レベルだが、コミュニケーションに致命的なズレは感じない。

 礼儀作法だけで言えば一般的な宇宙連盟の加盟惑星と遜色ない。


(現地民との初期接触は順調。どころか、かなり良好ね。文明区分、宇宙連邦区分が両方C程度の惑星にしては、まともすぎるくらい)


「改めまして、マイノ・タウロ星の外務大臣を務めております、グノスソス・ボロアと申します」


 そう言って彼、グノスソスは再び深く頭を落とした。

 2メートル近い場所にあった頭を腰の位置まで下ろし、所謂最敬礼を現す。

 軍服にはシワひとつなく、神経質なまでの完璧な着こなしだ。

 所作の一つひとつが丁寧で真剣で、不意打ちをしてやろうなどという邪な企みは感じられない。

 ただただ真摯に、来訪者を受け入れようとしているのだ。


「先ほどの御無礼、どうかお許しください」

「いえ、惑星外接触に際しての基準が定まっていない状況で、事前告知も無い訪問でしたから……こちらからも非礼をお詫び致します。外務大臣殿のお出迎え、大変痛み入ります」


(教科書をなぞるような外交挨拶ね。一部の隙もなくスムーズな言葉運び……金と権力に縛られた連盟の上層部(豚小屋)より、よっぽど好感が持てるわ)


 彼はそこでようやく頭を上げた。

 謝罪が受け入れられるまでは頭を下げ続けるというのもまた、かっちりと礼儀作法の教科書に沿った美しい仕草だ。

 仕草や言葉選び、この星なりの正装の着こなしなどに不満はない。

 減点法で考えれば100点だろう。

 減点法で考えれば、だが。


 再び高い位置に登った彼の顔を見上げる。


「ありがとうございます。マイノ・タウロ星は宇宙連盟の一員となるべく、星を上げての制度制定に尽力しております。滞在中、問題などあればいつでもお申し付けください」


 そう言って彼はにっこり笑った……おそらく、笑顔に対応するであろう顔の動きを見せた。


(……ッ! 滞在中に、「これ」に慣れることはあるのかしら)


 真面目な表情を努めて維持しながら、こちらからも敬礼を返す。


「ご配慮、感謝いたします。ご挨拶が遅れました。私、宇宙軍所属、サクラ・ヒノモト・ヴィクトリア少佐であります。今回の訪問は宇宙連盟への加盟査定には影響しない案件ですから、どうか気負わず」


 すっぱりと横一文字に切りそろえた前髪に指先を当て、サクラは定型分そのままに名乗りをあげた。


(むしろ、気負わなければいけないのは私の方ね。私の選択で、ルイーズの無事が左右するかもしれないんだから……!)


 誇り高い血統書付の猫を思わせる鋭い目を持ち上げる。

 サクラは目の前の男を、マイノ・タウロ星外務大臣のグノスソスをまっすぐに見返した。


「お会いできて光栄でございます、ヒノモト少佐殿。ご来訪の目的についても承知しております……お荷物はこちらでお部屋に運ばせますので」


 対するグノスソスは物腰柔らかく、澱みなく部下へと指示を出す。

 素早く部下たちがサクラの元へと駆け寄ると、国宝でも扱うかのように荷物を受け取り、運んでいく。


「中尉殿の行方については、現在星内に通達を回しております。追加の保護命令と外見情報についても先程発出致しました……ですが何分、我々の技術では時間がかかるものですから」


(先程……? 保護要請を出したのは出発前だったのに、先程? ここだけ時間の流れまでトロついているのかしら?)


「いえ。急な要請にも関わらず、迅速な対応誠に感謝致します」


 そんな心の悪態などおくびにも出さず、サクラはあくまで事務的な応答に注力する。

 サクラの内心を知ってか知らずか、グノスソスはまた「ご理解いただきありがとうございます」と笑顔を見せた。


「ヒノモト少佐殿のマイノ・タウロでの安全と快適な滞在は、このグノスソスが責任を持って保証いたします。どうぞよろしくお願いいたします」


 実に紳士的で、礼儀の基本に忠実で、一部の隙もない。

 それほどまでにこのグノスソスと名乗る男は、所作が完璧だった。


(だ、だとしても……ッ! どれだけ所作が完璧だったとしても!)


「長旅でお疲れでしょうから、まずは夕食など如何でしょうか? マイノ・タウロが誇る極上の食材をご用意しておりますので……ぶふるるるぅ゛ッ!」

「……ッ!」


(到底、分かり合えるとは思えないわ……こんな、まるで……ミノタウロスの星なんて……)


 この、地鳴りのような鼻息をあげる、首から上が家畜の豚に瓜二つの造形をした、マイノ・タウロ星のニンゲンは。


◆ ◆ ◆


 宇宙に広がる惑星と、その一つ一つで独自の文明を築いた支配種族たち。

 彼らが互いを認識しあってから、既に千年が経とうとしていた。

 邂逅、交流、侵略、戦争、絶滅……そうした数々の工程を何度か繰り返した末、現在の宇宙連盟を軸とする平和の形ができあがった。

 もっとも、宇宙連盟だって広大な宇宙の極一部を統率しているに過ぎない。

 支配域を少しでも外れれば、倫理や常識、どころかニンゲンの定義すらも連盟の常識から大きく逸脱した惑星が溢れている。

 「連盟の支配域外は知性ある猛獣が蔓延っている」なんて子供たちへの教育も、大袈裟な差別表現だとは言いきれない。

 それほどまでに、この宇宙は広大だった。


「ルイーズ中尉の個体識別信号が途絶えたのは、その支配域外の中でも更に僻地なのだろう? 一介の将校が一人でそんな場所に許可もなく……何の目的があったというんだい?」

「ですから、それを明らかにする為にも、調査団を組織する必要があると訴えているんです!」


 ヒノモト・サクラ・ヴィクトリアは苛々と、今日何度目かもわからない怒号を張り上げた。

 どの星製ともわからないゴテゴテと下品な高級さを放つテーブルへ、手にしたタブレットを叩きつける。

 今にも噴火寸前という少女の激情を表すように、カチューシャ型のヘッドギアが赤く点滅し、尻尾型のエネルギーパックが大ぶりに揺れた。


 血統書付きの貴族猫を思わせる、鋭い刃のような美貌は、見つめられるだけで心臓がちぎれてしまいそうになる。

 かっちりと規則通りに着こなした制服は、88センチの張り強いバストによって押し上げられ、サクラの細かな仕草に応じてダイナミックにシワを作り上げる。

 一方の下半身は、その長く美しい御御足を見せつけるかのような改造ハイレグスーツ。

 100センチを誇る魅惑のヒップから、ニーソックスで段差を作る太ももへ、そして地面を貫かんばかりのハイヒールへと鋭く集約する。

 小柄で美麗な少女でありながら、その自信に満ち溢れた佇まいからは大の男すらも萎縮する圧力が放出されていた。


「調査、調査と言うけれどねぇ……探検ごっこ感覚であちこち飛び回られちゃぁ困るんだよ。宇宙の秩序を背負った宇宙軍が、ちょっとしたことで慌ただしくしていては、非加盟惑星への示しがつかないだろう?」

「……ッ!」


 そんなサクラの、射殺すような危機迫る剣幕に、しかし満足な反応は返ってこなかった。

 グラッドン・メリゲィン中将は、タブレットに表示された調査団組織案をチラリと見ただけで、内容に目を通そうともしない。

 テーブルとセットの悪趣味なチェアと融合するかのように、太った体を沈み込ませ、さも「知将」ぶってため息をつく。


「君が好きに動く分には私の管轄外だがね。部隊を動かすと言うのなら、もっと宇宙の調和に貢献できる立案をしてくれなければ、許可は出せないなぁ……」


ねとり


「まあ、個人的な「交渉」になら、男として応じる構えはあるのだがねぇ」

「ッ!」


(……この……ッ! こっちが下手に出れば……汚らしい雄豚が調子に乗ってッ!)


 しかし、サクラの身体をねぶるように見回す視線には、知も将もない。

 あるのはドブ河を煮凝りにしたような「性」だけ。

 緩んだ口元をべろりと分厚い舌で湿らせるその男には、目の前のサクラを堪能すること以上の感情はないようだった。


「結構です! 本件は私の権限のみで対処しますから」


 カツン、と敬礼代わりにヒールを鳴らし、サクラは踵を返す。

 グラッドン中将の言葉も待たず、自動ドアの向こうへと消えていく。

 後には苛立たしげなヒールの音だけが残された。


「……は」


 一人残されたグラッドン中将。

 より深く、チェアに身体を沈み込ませ、短くため息を吐く。

 手元に残ったサクラ作成の調査団組織案を見下ろし……その渡航先、マイノ・タウロの文字を見る。

 ルイーズ中尉が無許可の単独渡航を行い、発信が途切れた辺境の星の名を、脂の乗った指でなぞる。


「高貴な血が流れていようが、雌豚は所詮、雌豚か……クク」


 そして、またべろりと舌舐めずりを見せるのだった。


◆


「ッああもう! 頭の先まで脂肪が詰まった愚図で愚鈍な雄豚め……! こんな簡単な申請にすらブヒブヒ御託を並べるなんて、どこまで無能が極まっているのかしらッ!」


 人がいないのをいいことに、サクラは己の感情を撒き散らす。

 乳房を揺らし、尻肉を弾ませ、カツンカツンとヒールで床を踏み締める。


「あんな鈍重な雄なんか、とっとと辺境の星にでも放り出しておけばいいのにッ! 臭くて汚らしくて、正しい判断もできない猿以下の豚が将を名乗るだなんて、それこそ宇宙軍の名折れでしょうが!」


 ヒノモト・サクラ・ヴィクトリア少佐。

 中将の地位にあるグラッドンに対し、表でも裏でもこの態度。

 それは、彼女が固く踏み締めてきた人生によって裏打ちされた自信の表れだった。


 身長152センチという、軍の中ではかなり小柄な体躯でも見くびられない、視界に入れるだけで目が焼けるような美貌とオーラ。

 威嚇するようなヒールの音に視線を向ければ、バスト88、ウエスト54、ヒップ100のスタイルを突きつけるハイレグ軍服姿の彼女が現れる。

 キツく尖り、しかし無駄なく整った美貌に睨まれれば、一兵卒たちは声を発することもなく左右に逃げ出し、道を開ける。

 通り過ぎるサクラの背中を見送れば、ハイレグに彩られたヒップをスカートのように隠す艶やかな黒髪が、サラサラと網膜に焼き付いてくる。

 上から下まで何一つとして文句を付けることのできない美少女だ。

 国ではおべっかなしにも100年に一人の奇跡と言われ、文字通りの国の顔として、士官学校に送り出されたものだ。


 勿論、顔採用なんてちゃちな理由では、数年で少佐にまで上がることはできない。

 確かな血筋と、それを使わずとも周囲を黙らせることができる実力は必須だ。

 そして、サクラはその両方を持ち合わせる才女だった。


 地球の極東に位置する小国で、王家の血を引き継ぐ地位に生まれた本物のお姫様。

 軍に入ったのはあくまでも社会勉強と、連盟内での発言力を高めるためのものだった。

 士官学校を15歳という最年少での主席卒業を果たし、情報将校になった。

 この時点で十分、ヒノモト家としては目的を達したも同然だ。

 だが、サクラ本人は、それだけでは満足できなかった。


「こんなに汚れた軍に従うなんて、それだけで心が貧しくなるわ」


 士官学校で、そして女将校として数ヶ月を過ごして、少女は世界の汚れを理解した。

 世界は今、品性を欠いた下劣な雄という存在に支配されている。

 宇宙軍の上層部にいる将官たちは、その最たる者たちだ。

 彼らは不細工にも身体を超え太らせ、ブヒブヒと鼻息荒く無意味な会話を繰り返すばかり。

 必要な部隊には金を出さず、注目するのは己の財布と体のことだけ。


(多様性のカケラもない、男尊女卑の権化のような連中ばかり……雄が威張り散らしていた戦争の時代はとっくに終わっているのに!)


 女性を見ればだらしのない声と視線を投げかける。

 情報将校の地位になれば、邪悪なハーレム思想に傾倒し、惑星規模の悪事に加担する者まで見えてくる。

 弱者を見れば、蹴って叩いて、僅かな金を搾り取る。

 彼らにとって非加盟惑星とは権利を持たない資源の塊。

 差別も搾取もない、ただの「採取」だ。


 その癖、自分たちを宇宙の秩序とうそぶき、さも正義の体現者ぶってふんぞりかえる。

 彼らと同じ宇宙軍の証を付けることすらも、サクラにとっては不愉快極まりない屈辱だった。


(結局、雄はいつまで経っても醜い欲と汚らしいプライドは抜けないのね。正しさよりもみっともない見栄を優先するような家畜以下の連中が居座っているようでは、何百年経っても真の平等な世界は築けない……)


「……そうだ。私が正しく美しく、宇宙軍を導いて魅せましょう」


 将校になって早々に、サクラは己の目指す先を見定めた。

 信頼できるバディと共に、地位にあぐらをかく汚らしい上層部を一層し、正しく美しい女性たちによる穢れなき真の宇宙軍を創ること。

 サクラの地位と実力があれば……そして理解ある仲間がいれば、達成は不可能ではなかった。


「ノブレス・オブリージュ。全てを持って生まれた私には、持たざる者たちを幸福に導く義務がある。その義務を果たす志を持った以上、達成は目標ではなく、道順の一つにすぎないわ」


 入隊から2年、目的に向けての準備は順調だった。

 数段飛ばしで昇級し、発言力をみるみる高めていった。


「全ての女性が美しく幸福な人生を歩めるように。私がその道筋を作るの」


 だが、そんな「理解ある仲間」が、「信頼できるバディ」が、失踪した。

 つい10日ほど前のことだ。


「はぁ……ルイーズ……あなたとこんなに長く離れ離れになるなんて、いつ以来かしら……」


 苛々と自室に戻り、力任せに扉を閉めたサクラ。

 暗い部屋で電気も付けず、机に向かう暇すら惜しんで、プライベート端末を開いた。

 トップ画面には大きく女性が映し出されている。

 カメラに目を向け、柔らかく人懐こい笑顔を浮かべる軍服姿の美女。

 その頬と髪を細指でなぞり、サクラはようやく強張った頬を緩ませた。


「はやく私を呼んでほしいわ……肥えた雄豚の鳴き声で汚れた私の耳は、ルイーズの声でしか清められないの」


 ルイーズ・ラフランナ中尉。

 サクラと同じ士官学校を卒業した女情報将校。

 この穢れた軍部に所属しながらも、ころころと無邪気な笑顔を絶やさない、母性に溢れた女性。

 士官学校ではメンターとして指導にあたってくれた先輩であり、現在は同じ理想を見据えて歩く同志。

 軍内でもサクラのバディとして登録される、一心同体にも等しい存在だ。


(愚鈍な豚にいくら交渉しても無駄……やっぱり、ルイーズを助け出せるのは私しかいない……ッ!)


 常日頃、軍での仕事は勿論、プライベートでさえも5分と離れることのなかった間柄。

 そんな彼女が、サクラに理由も告げずに失踪など、増して連盟支配域外に単独で出て行くなんて、あり得ない。


「ルイーズ……ッ❤︎ 私の可愛いルイーズッ❤︎ まったく、主を放ってどこかに行くなんて……躾けが足りなかったみたいねぇッ❤︎」


くち、ぬちゅッ❤︎ にくちゅっ❤︎


 清楚な色白の頬を朱に染めて、サクラは熱い息を吐く。

 扉に背中を預け、己の股間に指を這わせる。

 ハイレグスーツをきゅ❤︎ と肉割れに食い込ませ、指の腹を何度も何度も擦り付ける。

 ルイーズの顔を見て、ルイーズの名を呼んで、それだけで、サクラのおまんこはじっとりと湿り気を帯びていた。


「毎日、ちゃんと貴女のために手入れをしてるのよッ❤︎ それなのに、ルイーズッ❤︎ ルイぃずぅ……どうしていなくなったのッ❤︎ ン❤︎ ぁッ❤︎ どこに、いるのぉ……ッ❤︎」


 サクラとルイーズは、プライベートでも離れたことのない親密なバディ関係。

 一心同体にも等しい間柄。

 勿論それは、シャワールームでも、ベッドルームでも、だ。


「可哀想なルイーズッ❤︎ ンッ❤︎ ふぁッ❤︎ ごめんなさい、私がもっとしっかり首輪を付けてあげていれば……ッ❤︎ ン❤︎ やっぱり、ルイーズに舐めて貰わないとッ❤︎ ウズウズ止まんないわッ❤︎」


 端末画面をスクロールすると、そこには二人だけの「秘密の記録」が現れる。

 マゾっ気の強いルイーズを「嗜める」、写真の数々。

 男たちの視線で汚れた互いの肌を清め合う、サクラが1日の中で最も大切にしていた時間の記憶。

 今となっては、サクラがルイーズと触れ合える唯一の繋がりだった。


にちゅッ❤︎ ぬちっ、ぬち❤︎ ずチュッ❤︎ ぐチュッ❤︎ ぬ゛ヂュゥッ❤︎


「ンッ❤︎ ふ❤︎ ふゥッ❤︎ も、もう限界ッ❤︎ はやく……ルイーズッ❤︎ 私の腕の中に帰ってきてルイーズっ❤︎」


 防音の個室にも関わらず、サクラは甘い嬌声をひそめ、淑やかにオナニーに興じる。

 ルイーズを想って濡れる股間に、何度も何度も決意の指先を擦り付ける。

 スーツに染みが広がって、やがて太ももに雫が溢れる。

 だが、サクラの手は止まらない。

 それ程までに、ルイーズという存在は大きく暖かく、欠けてはならないものだった。


「今、迎えに行くから……必ず待っているのよっ❤︎ 私の……ルイーズっ❤︎ ンッ❤︎ ふゥゥゥッ❤︎」


 暗い部屋に、か細く震えるサクラの喘ぎ声が沈んでいく。

 愛する女性を想い、再会への努力を誓う。

 サクラにとって、この蕩ける痺れは己への決意表明にも等しいものだった。


 恋人の温もりを思い出し、サクラは股間を震わせる。


「ぁッ❤︎ ルイーズッ❤︎ るぃッ、ず……ふぁッ、ぁ❤︎ ッく❤︎ ィくッ❤︎ ィ……ッ❤︎」


◆ ◆ ◆


「プギョッ❤︎ フゴッ❤︎ フゴッ❤︎ ぷコォ゛オ゛オ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」

「……は?」


 肌まで震わせる地鳴りのような声と共に、視界に飛び込んできた「ソレ」。

 「ソレ」で全てが吹き飛んだ。

 サクラは己の目が信じられなかった。

 パチパチと瞬きを繰り返すが、現実が覆ることはない。


(な……何なの!? あり得ない! 私が幻覚なんか見るはずが……でもッ! それじゃあ……?)


 どく、どく、と心臓が跳ねるように胸の内で暴れている。

 一時忘れていた呼吸を思い出し、動揺を悟られまいと静かに深く息を吐く。

 だが、衝撃に揺さぶられた心はそう簡単には落ち着かない。


 今さっきまで思い浮かべていたルイーズの笑顔が、崩れるように霧散していく。

 サクラの名を呼ぶルイーズの声が、たちまち薄れ、ザラつき、聞こえなくなる。


 それほどの景色だった。


 網膜にへばりついて離れないのは、透けるように白い肌と、絹糸のように繊細な金の髪。

 そして、大きく見開かれた瞼の向こうでキラキラ輝く碧い瞳。

 これまでに出会ってきた、どんな女性よりも美しい。

 自他共に認める絶世の美少女であるサクラをして、瞬きを忘れて見惚れてしまう。


 女性の美は、よく陶器や人形に例えられる。

 だが、彼女の魅力は全くの別種だ。

 熱く燃えるような生命力に満ちている。

 置物、飾り物としての美ではなく、今ここに息づいている一個の生命体として、その身に収まりきらない魅力を漲らせていた。


 そんな彼女が、果実のように潤んだ唇を開け、


「こ、こッ❤︎ この度はぁッ❤︎ 卑きメスブタに鼻輪を御下賜くださりっ❤︎ こ、こ、こッ❤︎ 光栄でございますゥッ❤︎❤︎❤︎」


 涎を垂れ流しながら、叫んだ。

 先に聞いたあの汚らしい鳴き声と同じ声色で、心からの感謝の言葉を叫んだ。


「この身、この肉ッ❤︎ ニンゲン様の胃袋にて結ばれェッ❤︎ プギィッ❤︎ 星の糧と成る栄誉ッ❤︎ ォ゛ッ❤︎ イグッ❤︎ つッ、謹んでェ❤︎ お受けいたしますゥ〜ッ❤︎」


ぐちゅ❤︎ ぢゅぐッ❤︎ ぢゅぐぢッ❤︎ じゅぢじゅぢぢゅぶぢィッ❤︎❤︎❤︎


 鼓膜へ突き刺さってくる、濃厚なシロップのようにドロりと蕩けるメスの声。

 そして、泥貯まりでもかき混ぜているかのような、聞くに耐えない汁の音。


 まるで魔法が解けるかのように、サクラは美女の違和感に気付いていく。


 蹲踞姿勢で、満面の笑みを浮かべ、己の股間を弄りながら、乳房を握り締めながら、サクラにオナニーを披露する。

 裸で、裸でだ。

 今の今までまったく違和感がなかったが、女性は一糸纏わぬ裸体だった。

 豊満な乳房……サクラの知る巨乳なんて目じゃない、よく弾みよく暴れる乳肉。

 中身が詰まった太もも……太いが決して下品に見えない、どころか目が離せなくなるきめ細やかな肌を張り詰めさせた太もも。

 ソレらを振るい、女性は一心不乱にオナニーにふける。

 サクラが「済ませる」オナニーの何倍も荒く、何倍も淫らで、しかし何十倍も性の力強さに溢れる自慰だった。


(うわ❤︎ おっぱいデカ……じゃなくてっ❤︎ どうしてこんな格好で、すべすべの太もも見せびらかし……違うッ❤︎ ああもうっ❤︎ なんでこんなふしだらな痴女っ❤︎ 見続けちゃうのっ❤︎)


 普通なら、「雄にへりくだるプライドを捨てた底辺女」として見下していたところなのに。

 目が放せない。

 その全貌を知りたいと、未知への好奇心が沸き上がる。


 特に目を引くのは、笑顔だった。

 キラキラと輝く笑顔……違う。

 輝きを幻視したのではない。

 彼女の美貌を彩る銀の輝きが、確かにそこにあった。

 彼女の美しさの一部に溶けていたが、そのツンと済ました鼻には、口が隠れる程の巨大な鼻輪が付けられ、光にあたってキラキラ輝いていた。


「ブヒュ❤︎ プギひゅゥッ❤︎ ブホ❤︎ フゴほッ❤︎ ありがとうございますッ❤︎ このメスブタに生きた証をくださってェッ❤︎ ニンゲン様ッ❤︎ ありがとうございますゥッ❤︎❤︎❤︎」


(この人……今自分の事をブタって言った? ブタならこっちに……あ、でもこの豚頭はニンゲン……? あれ? え、っていうか、そもそも何でこの人、私にオナニー見せつけて……? 待って、待って! わからない! 全然、何もわからないっ!)


 理解がまったく追いつかない。

 眩しいくらいに美しい。

 しかし、目を背けたくなるくらいに衝撃的。

 矛盾した二つの事実が、サクラの目の前で一つの肉体に同居していた。


「こちら、マイノ・タウロの特産品。その中でも現在最高ランクの肉質評価を受けております、ブランド白メスブタにございます」


 グノスソスの静かな紳士的な口調が逆に、目の前にしゃがみ込んだ美女の異質さを際立たせる。

 マイノ・タウロ星における頂点支配者……豚の頭を持つ男、グノスソス。

 サクラすら見惚れる美女が裸で床に這いつくばり、醜悪な顔貌をした彼がこうして、サクラの隣に着席している。


「……は、え? こッ、この……ぇ?」


 何か言葉を発しようにも、美女の股間のようにグチャついたサクラの思考では、情けない戸惑いの声しか出てこない。

 美女の言動も、グノスソスの言葉も、何もかもが理解できない。


(お……落ち着きなさいヒノモト・サクラ・ヴィクトリア! こんな僻地の常識なんか、連盟と大きくズレているなんて日常茶飯事でしょう!)


 入隊2年目とは言え、サクラとてエリートコースの情報将校だ。

 数多の星々に赴き、思わず眉を顰めてしまうような常識に出会う経験は、10や20では収まらない。

 だがコレは。

 この、目に映る全ては。

 ズレなんて軽いものではない。

 目の前に広がるのは、表裏をひっくり返したように真逆と言っていいレベルの光景。

 何か決定的な部分から常識が分たれ、連盟とは相容れない場所に到達しているという確信があった。


 しかし、サクラがその違いを指摘し、矯正することはない。

 サクラの目的は、マイノ・タウロの文化を学ぶことではないのだら。

 この星を連盟に加入させるべく「指導」をする必要性は皆無なのだから。


(捜査官が星外文化に干渉するのは御法度……そもそも、こんな豚頭の中身を理解しようとすること自体、私には不可能なこと)


 静かに深呼吸を繰り返し、己のスタートとゴールを改めて心に刻み込む。


(ルイーズさえ助け出せるのなら、田舎惑星の古臭い文明になんか興味はないの。あの子の無事を確認できるまでの辛抱よ……)


 グラッドン中将の許可が降りず、調査団の組織は叶わなかったものの、サクラはこうして無事にマイノ・タウロ星に着陸した。

 非加盟惑星でありながら、星のニンゲンは宇宙連盟に対して有効的かつ協力的。

 横で御託を並べるグノスソス以外のニンゲンも、サクラを客人として歓迎している様子だ。

 ルイーズの情報を提供した所、即座に(彼らの時間間隔での、だが)惑星中に捜索・保護の命令が出された。

 星の外という概念自体、恐らくこの世代でようやく明らかになったような文明レベルでのこの対応。

 宇宙連盟が設定する加盟基準も、100年と経たずに達成できるだろう。


 とは言うものの、この話はあくまでも宇宙連盟の平均的な視点からのもの。

 宇宙連盟の中でも先進星の出身(それも王族の生まれ)であるサクラからすれば、この星の文明は評価することすら不可能な水準だ。

 着陸した発着場や、外交用の施設だけを見れば、連盟の加盟を目指すだけあって辛うじての及第点。

 しかし一歩外に出てみれば、原始時代にタイムスリップしたかのような光景が広がる。

 率直に言って、本来ならば一生サクラの目に留まることはなかったであろう超発展途上惑星。

 最愛のルイーズ救出という目的さえなければ、今すぐ席を立って宇宙船に向かいたいとすら「思っていた」。


 「思っていた」のだが。


◆


だごンッ!


「ブギイ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛ィィィィィィーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎」

「〜〜〜ッ❤︎」


 前時代的な分厚く大ぶりな包丁が、ギロチンのように振り下ろされる。

 肉丸太を一直線に切り裂いて、一刀でまな板にまで到達した。


じゅあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!


「ふぎぎぎィ゛ッ❤︎ イ゛グッ❤︎ ブタイグッ❤︎❤︎❤︎ イグッ❤︎ イグゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」

「ッ❤︎ ッ❤︎ ……ッ!?」


 即座に断面に焼きごてが押し当てられ、芳ばしくも甘みを覚える香りが立ち昇る。

 ゴクリ、と思わず喉が鳴った。

 信じられなかった。

 目の前に広がる光景と、サクラの口の中に溢れんばかりに滲み出てくる唾液は……決して対応する現象ではないはずだ。


「いかがです? ヒノモト少佐がいらっしゃると聞き、今期最高評価の白ブタをご用意いたしました」

「し、ろ、ブタ……?」

「ええ。我々の祖先が何世代にも渡って飼育を続け、品種改良を重ね、肉質・造形のいずれもが神からの賜物と呼べるまでに極まった、マイノ・タウロ原産のブタでございます」


 サクラの質問に、グノスソスは事もなげに答えた。

 だがしかし。

 サクラはグノスソスの言葉を、半分も理解できないでいた。


だッがァんッ!


「ブッゴォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 目が離せなかった。

 この光景を処理することに、才覚に富むその脳細胞をフル動員しなければならなかった。

 グノスソスの言葉など、処理する余裕はなかった。

 瞬きの隙すら惜しんで、サクラは彼女を見続ける。


じゅう゛う゛う゛ッ!


「ンぎッ❤︎ ブぎィ゛ィ゛ィ゛ッ❤︎ イギュ❤︎ イ゛ギュッ❤︎ イ゛ギォ゛ォ゛ォ゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎」


 たった今、両足を付け根から切り落とされた白ブタ……先程まで目の前でオナニーを晒していた美女の姿を。

 現在進行形で「解体」され、サクラとグノスソスが座る食卓に向かうべく「調理」されている、美女の姿を。


「我々ニンゲンは食物連鎖の頂点として、家畜であるブタの全てに……肉だけでなく、全てに責任を持つべきと考えております」

「オ゛ッ❤︎ オ゛ォッ❤︎ ブヒ❤︎ ブキヒッ❤︎ ブギョ、ブギギョッ❤︎ プギィィィッ❤︎❤︎❤︎」

「故にこうしてブタの命そのものを見届け、心までを食すのです」


 グノスソスの解説のBGMに、狂気的な絶叫が添えられる。

 言わずもがな、女性の口から飛び出す嬌声だ。

 絞首刑に処されるが如く、女性は首を縄で締められ、サクラたちの前に吊り下げられていた。

 呼吸が制限され、口からは泡と涎と、獣じみた音が垂れ流しになっている。


 その両足は……既に喪失している。

 今しがた、荒々しい包丁捌きによって切り落とされ、「調理」に回されていた。

 先程まで大地を踏みしめていた両足を、サクラが怯む程に滑らかで美しく、思わず頬ずりしたくなるような白い足を、切断されたばかり。

 切り落とされるが早いか、その断面を焼きごてで潰されたばかり。

 二度と自らの足で立つことは叶わない。

 歩くことも、走ることも……これまでと同じ視線で世界を見ることも、もうできない。


 助けを求めようにも、逃げ出す足はなく、首を絞める縄は己の体重で食い込むばかり。

 かと言って、通常の絞首刑のような即座な死すらも許されない。

 軽くなった美女の肉体は、その首を絞め落とせるだけの重みを失っていた。

 金髪乱れる頭蓋の奥には今尚血が巡り、両足の喪失という事実を、己の無様な姿をサクラとグノスソスに眺められている現実を、はっきりと理解していた。


「ふッ❤︎ ふギュひッ❤︎❤︎❤︎ ひッ❤︎ ひッ❤︎ イ゛ヒヒヒッ❤︎ ンぎッ❤︎ ぐヒ❤︎ ぎゅヒッ❤︎ ひッ❤︎ ひッ❤︎ ひギぃ゛ぃ゛ぃ゛ッ❤︎❤︎❤︎︎」


ぬ゛ぢッ❤︎ にぢゅぐ❤︎ ぐぢッ❤︎ ぐぢッ❤︎ ぐぢぐぢぐぢぐぢゅぢィッ❤︎❤︎❤︎


 尊厳を粉微塵に踏み潰されるかのような状況にあって、尚。

 美女は……必死になって己の股間をかきむしっていた。

 満面の笑みを浮かべ、この現実を歓喜の感情で受け止めていた。

 神に謁見したかのように頬を染め、涙を流し、口角を吊り上げ歯を見せて笑い、今の自分を誇らしげに揺らしていた。


「はヒッ❤︎ く……かぁヒッ❤︎ た、食べられちゃうッ❤︎ 私ッ❤︎ やっとッ❤︎ ニンゲン様と一つに……ッ❤︎ エひッ❤︎ やったッ❤︎ やったぁッ❤︎ い、いッ❤︎ イきててッ❤︎ よかったぁッ❤︎❤︎❤︎」


 軽くなった足……太ももの残りを持ち上げて、濡れそぼった股間をむき出しにする。

 恐怖や苦痛による失禁などではない。

 今、この瞬間こそが彼女が待ち望んだ快楽の頂点であるとばかりに、股間は熱く燃えるような朱に染まっていた。

 片方の手で豊満な乳房を握り締め、ぐりぐりとねじ切るように乳肉をこねる。

 もう片方の手で濡れ蜜壺をかき回し、雌汁を湧き水のように垂れ流す。


 美女は今、確実に死へと向かっていた。

 両足の切断によるショックは確実に肉体を疲弊させる。

 足りない酸素では、治癒どころか生命の維持すらもままならなくなるだろう。

 このままでは……いや、例え今から救助を行ったとしても、長くて半日といったところか。

 星の文明レベルを考えれば、もっと短いかもしれない。

 そんな、そよ風の一吹きで消えてしまいそうな命の残り火を揺らすばかりの彼女が選ぶ行動は、


「イぎヒッ❤︎ しゅごッ❤︎ た、た、食べらりぇッ❤︎ 今ッ❤︎ 今わだぢィッ❤︎ ぎヒッ❤︎ に、に、ニンゲン様のッ❤︎ 料理に゛ッ❤︎ ヤベッ❤︎ 手マンとまンだィッ❤︎ お゛❤︎ イグッ❤︎ またイグッ❤︎ ブタマンズリきぉ゛ぢィッ❤︎ イグッイグッ❤︎ イ゛グウ゛ゥ゛ゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


びゅッ❤︎ びゅばァーーーッ❤︎❤︎❤︎


 肉穴をかき乱しての、本気絶頂だった。


「ひッ❤︎ ぁ……ぇ❤︎」


 乳を振り上げ、鼻輪を揺らし、歓喜に頬を染めて到達する絶頂。

 瞬間、サクラの頬に、いや顔面全体に、熱い何かが降りかかる。

 強張り、固まり、動かなくなっていたサクラの顔に、じわり温もりが伝わってくる。

 鼻をくすぐるのは、新鮮な果実を前にしたかのような甘い香り。

 真っ赤な鮮血、ではなく。

 絶頂の瞬間に噴水じみて噴き出した、美女のアクメ潮だ。


「おお、ブランド白ブタに恥じない絶頂汁……っと、失礼いたしました。おい、拭くものを差し上げろ」


 グノスソスの言葉に、素早くメイドが駆け寄ってくる。

 脳どころか身体までフリーズしたサクラの頬に、綿のように柔らかな布が当てられた。

 ようやくサクラがメイドを見れば、彼女はにこりと笑う。

 褐色肌と銀髪で彩られたメイドの顔は、サクラも良く知る(宇宙連盟内で)一般的な人間の顔。

 少女艶やかな髪を揺らし、ぺこりと頭を下げた。

 幼なげな顔が、銀に輝く艶やかな髪に隠れ、


だ、ぷゆ……ど、ゆ゛ぅんッ❤︎


「……ッ❤︎」


 ビキニから溢れんばかりの爆乳に、サクラの視界が引き寄せられる。

 宇宙軍の上層部連中が好む、一般的なメイド服。

 だがその胸元を隠す布は大きく削減され、乳房を支えるビキニへと取り換えられている。

 美女に負けず劣らずの豊満な乳房が、そんな弱弱しいビキニに押し込められ、サクラの目の前で揺れていた。

 顔を上げたメイドたちは、またにこりと笑い、元の配置に駆けていく。

 その道中、大きな瞳は、チラチラと美女へと向けられていた。


「オ゛ッ❤︎ イグゥッ❤︎ ありがどォござぃまずッ❤︎ い、偉大なるニンゲン様に消費してイただけるなんてぇッ❤︎ ンぐッ❤︎ ふッ❤︎ ぎふゥ゛ウ゛ォッ❤︎❤︎❤︎ なんて幸せェッ❤︎」


 うっとりと、自慰に狂う美女の命の炎を眺めながら、メイドの少女たちは給仕や解体の作業に戻る。


「ご説明が遅くなり、申し訳ございません……ブタのイキ潮を浴びるのも、ブタ共の命を食らうというマナーの一つでございます」


 サクラは隣のグノスソスを見上げた。

 彼の醜い豚顔にも、美女が撒き散らした汁滴が付いている。

 べろり、と舌を回して口元の汁を舐め取るグノスソス。

 そして「あちらを」とメイドの少女に手を向けた。


「あれらもマイノ・タウロ原産の黒ブタでございます。奉仕活動に優れる黒ブタは、ああして身の回りの世話をする形でニンゲンとの共存を果たしてきました」


 ビキニメイドの恰好で、世話しなく作業にあたるメイドたち。

 ブタと呼ばれる少女たちは、一人残らず褐色と銀髪を持ち……サクラたちと同じ人間の顔をしていた。


 その手がゆっくりとスライドし、目の前の美女へと向けられる。


「そして、あれは食用の白ブタ。全身の肉が柔らかな霜降り肉となっており、全てを余すことなく食すことが可能です。勿論、味や食感の改良にもこだわっています。一度口にすれば、他の肉が硬い木の皮に感じられることでしょう!」


 笑顔で、生きたまま捌かれ、その肉を調理されている美女……白ブタ。

 やはり、何度瞬きしても、その顔はサクラたちと同種に見えた。


じゅぁぁぁぁぁぁッ!


 鉄板の上を脂が跳ねる。

 見れば、細かく切り分けられた足の一部が、ステーキ肉として焼かれているところだった。

 グノスソスが言った通りの見事な霜降り肉。

 一流の食事以外を知らないサクラだが、肉と脂がこれ程高いコントラストを生み出している肉は見たことがない。

 熱い鉄板に乗せられたそれは、たちまち自らの脂を踊らせながら焼かれていく。


「我々ニンゲンの歴史は家畜の歴史。ブタを食らい尽くすことでマイノ・タウロは世代を繋いできました……そして、これからも」


ご……ぐッ


 不気味なほど大きく、喉が鳴った。

 芳ばしい肉焼けの香りには、ナッツのようなほろ苦さとワインのような濃厚さが混ざり、鼻腔を通すだけで消化器官が湧きたつのを感じる。

 どころか、心臓が跳ね、血液が巡り……サクラの生命としての機能が丸ごと、目の前で焼けていく肉に釘付けになっていた。

 特に、二箇所。

 痛い程に収縮し、胃酸を溢れんばかりに染み出させる胃袋。

 そして心臓よりも強く高鳴り、何かを感受している子宮。

 全速力で駆け回った直後のように脈打つサクラの肉体にあって、その二箇所は数段強く、美女の匂いに反応していた


「……!」


 ふと、何かがキラリと目に留まった。

 サクラは自らの手の甲を見た。

 そこには、大粒の雫が一つ。

 先程メイドが拭い忘れた、美女の雌汁だ。

 サクラの肌という皿の上、光に照らされたその雫は、宝石のようであり……瑞々しい果実のようでもあった。


「あ」


 サクラの手は、澱みなく持ち上がり、彼女の口元へと向かった。

 それが当然のことであるかのように、動きに戸惑いはなく、サクラの表情に恐れはない。

 行動の意図に気付く間もなく舌が伸び、手に残った雫をすくい取っていた。

 トロりと優しい舌触り。

 甘くしょっぱく、滑らかに喉へと滑り落ちた小さな果実は、溶けるようにサクラの口腔に満ち広がった。


「れぁ❤︎」


(……ッ❤︎)


ぱちゅぢィ゛ッ❤︎


「か……ッ❤︎ きッ❤︎ きゅゥォ゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


 瞬間。

 眩いフラッシュが視界の内外に飛び散った。

 舌先から、口、顔面、そして頭蓋へと、荒々しい弾けが連鎖する。

 流れる血液がどくん❤︎ と泡立ち、そこに新たな熱を生み出す。

 弾ける感覚が今度はサクラの肉体へ、困惑にフリーズした骨肉へと駆け、

 ぞくぞく、ゾゾゾと痺れが四肢を支配して、


ぷしゅッ❤︎ ぢゅぐ……びゅ❤︎ ぷびゅゥッ❤︎


「ッぷォ……❤︎ ォッ? ぁ……え゛……? えぇ?」


 気付けば、サクラは太ももの濡れを見下ろしていた。

 ぽたぽたと垂れる涎、だけではない。


ぢゅく❤︎ ぬ……るぅ……ッ❤︎


「ぇぁ……あ❤︎ わ、たし……ッ❤︎ イって……?」


 ハイレグスーツから染み出してくる、彼女自身の雌汁。

 たった一舐め。

 小さじの10分の1程度の雫を口にしただけ。


(そ……れで❤︎ その程度で、私イったの!? 今、一瞬で私……絶頂ッ❤︎ 雌汁まで吹いて……こ、こんなの、初めて❤︎)


 それだけで、サクラは目を覚ました。


(ほッ❤︎ 欲しいッ❤︎ 欲しい欲しい欲しいほしいッ❤︎ 今の……今のをもう一回欲しいッ❤︎ 一瞬すぎて全然わからなかった❤︎ けどッ❤︎ 絶対に「スゴい」コトだった❤︎ も、もう一回感じたい……今のをもう一回ッ❤︎)


「もうい……ッ❤︎」


だがンッ!


「ぎゃィ゛ェッ❤︎❤︎❤︎ エ゛ッ❤︎ ギへェ゛ェ゛ェ゛ッ❤︎❤︎❤︎」

「ひッ❤︎」


 目を覚まして、己の狂気にも気が付いた。


じゅぅぅぅぅぅぅッ❤︎


「ブギョオ゛オ゛オ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎」


(わ……私ッ❤︎ 私、今、なんてコトを……ッ❤︎)


 まるでショック療法だ。

 フリーズしていた思考が、雫の一垂らしに引っ叩かれて今、ようやく動き出す。


(いけない……こ、この空気に、吞まれかけていた……ッ❤︎)


 首を吊り、両手をも切り落とされる白ブタの美女。

 その作業をしているのはビキニメイド服の黒ブタたち。

 白ブタは狂乱と言えるまでに歓喜に叫び、四肢を失った身体をぶらぶらと揺らしている。

 絶頂し、ニンゲンへの感謝の言葉を叫び、その合間に呼吸する。

 生命を維持することよりも、ニンゲンに感謝することの方が大切とばかりだ。


(何なのこの狂った状況ッ! あまりに野蛮すぎて……こっちまでおかしくなるところだった……)


 その様を黒ブタたちはうっとりと女神でも現れたかのように見上げながら、きちきちと作業を続けている。

 肉を切り分け、次々に鉄板の上で調理する。

 零れるアクメ潮を水差しで受け止め、サクラたちのテーブルに甘露水として提供する。

 視界の端では、黒ブタたちはまた新たな解体機具の準備を始めていた。

 少女たちは自分と全く同じ姿形の美女を、その手で切り分け、グノスソスへと捧げようと働いていた。


(狂っている……全部、一つ残らず、この星の全てが納得できない!)


 垂れた涎を拭い、サクラは怒りを血に巡らせた。


(あの子たち、何が楽しくて笑っているの? こんな目に遭わされて、それが心からの幸福みたいに笑って……一体どんな教育をすれば成り立つの!?)


 世話しなく働くブタたち。

 その一方で、グノスソスは席から立ち上がるそぶりすらない。

 全ては周囲の黒ブタに任せ、どっかりと椅子に背中を預け、ただ食事……美女の到着を待っている。


 サクラは己の不甲斐なさを恥じた。

 一瞬とは言え、場の空気に流された己の弱さに屈辱を覚えた。

 美女の雫を口にしてしまった舌を切り落としてやりたいとすら思った。


(結局ここも宇宙軍と同じってことね。顔が豚なだけ……いえ、顔が豚な分、わかりやすいわ)


 腑分けが始まった美女の様を、まるで芸術鑑賞でもするかのように楽しんでいるグノスソス。

 その傲慢な横顔を、サクラは静かにねめつけた。


(この豚頭も、所詮は女性差別に凝り固まった下衆雄の一頭でしかない……私の目指す美しい宇宙連盟に、こんな汚れた思想は許されない!)


 宇宙軍の規定に沿えば、現地の文化に介入するのはご法度だ。

 さっきまではサクラもそのつもりだった。

 だが、


(そもそも……こんな星にルイーズが……!? レイシズムが顔面にまで表出するような種族が支配する星に、あの子が一人でいるなんて……ッ!)


 想定をはるかに上回る非道徳的な社会構造を前にして、ルイーズの安全が大きく揺らいだ。

 サクラにとって優先すべきは、今の腐った宇宙連盟なんかよりもルイーズだ。

 連盟より遥かに文明レベルで劣る豚頭の惑星なんかより、ルイーズという一人の愛する女性だ。


 サクラのやることは定まった。

 何よりも……女性差別から脱却できていない田舎惑星への配慮よりも、ルイーズだ。


(こんな会食、今すぐ終わらせてルイーズの探索を要請しなくちゃ……)


 最後の礼儀として、その旨をグノスソスに伝えようと顔を上げた。

 その時、


ぢゅぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~ッ


「ぁえ……❤︎」


 鼻を、目を、舌を、耳を、肌を、ドロりと蕩かす芳ばしい情報に包まれた。


「お待たせいたしました、白ブタの霜降りモモ肉ステーキでございます」


 グノスソスの声をどこか遠く感じながら、サクラは目の前の鉄板を……脂を跳ね上げて旨そうに煙を上げる肉を、見下ろすしかなかった。


(客人相手にこんなモノを出すなんて……どこまで野蛮で時代遅れなのかしら。コレを本気の接待だと思っているあたり、天然記念物レベルね)


「ッは❤︎ ふゥ……ッ❤︎ ンる……れぅ……ッ❤︎」


 頭の中はあまりの衝撃に冴え渡り、マイノ・タウロという惑星への決定的な相互理解への諦めを覚えていた。


(家畜だろうがなんだろうが、自分と同じ見た目の生き物を食べさせようとするって、どんな神経をしているの? こんな文化、平等の宇宙には不要よ! 文明レベルで正さなくちゃ、宇宙連盟に入るなんて夢のまた夢!)


「ンくッ、ふ❤︎ は……すゥ、ン゛ッ❤︎ ふ……ッ❤︎ は、ふゥッ❤︎」


 だが。

 目まぐるしく思考を巡らせる脳とは反対に、サクラの身体はゆるゆると動く。

 ゆるゆると、再び溢れ始めた涎を舐め取り、立ち昇る肉の芳香を鼻いっぱいに吸い込み震え、


(まずはルイーズ、その次は……星全体の改革ね。こんな文明を放って帰るなんて……負けたようなものじゃない! 私の誇りにかけて、この星を連盟に加わるに相応しい形に改革してみせる! ここを拠点に、私とルイーズが目指す宇宙連盟をスタートさせるの!)


「ふゥ……ふゥ……❤︎ っごく❤︎ ン……は❤︎ ぁ❤︎ ぁあ……❤︎」


 思考を置き去りに、ナイフとフォークを手に取って、


(ゆくゆくはルイーズと二人で……?)


 思考が現実を理解するより早く、


「はむっふ……❤︎」


 切り分けた肉を、口の中へと放り込んだ。


(あれ、何コレ……私、今何を食べて?)


 考える。

 考えるが、答えは見つからない。


 代わりに溢れる甘い肉汁。

 体温で蕩ける脂が口を満たし、唾液腺が弾けるように収縮する。

 今にも消えてなくなりそうな肉片に、サクラの歯が突き立てられて、


じゅくッ❤︎


「きふゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎ くッ❤︎ ン゛ン゛ン゛ッッッ❤︎ ギュぅ゛ぅ゛ぅ゛〜〜〜〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ぷしょッ❤︎ ぱっぷぢゅゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎


 噴火。

 濃縮された何かが、サクラの全てが、臨界点を突破して、勢い良く噴き上がる。

 脳のナカで熱い快感が神経を溶かす。

 唾液が溢れ、甘い肉汁と混ざり、喉の奥へと流れていく。

 そして……股間から。

 美女を感じて煮立ち続けていた雌汁が、己の太ももに再び噴射された。


(おい……っしぃ〜〜〜〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎)


 ぶるぶると背筋を震わせて、サクラは目を見開いた。

 まるで、今この瞬間に産まれ落ちたかのような衝撃。

 今日この時に至るまで、寝ぼけて生きてきたのかと勘違いする程の目覚め。

 先程雫を舐め取った時の衝撃すら、コレに比べれば虚無に感じる。

 神経が、血肉が、初めて本気で動き出すのを感じる。

 サクラがサクラとして生きていくのに必要な、真のエネルギーに今出会えたのだと確信する。


(何、こんなに美味しいモノ、食べたことないッ❤︎ 噛んでも、噛んでも、美味しいが溢れて……ッ❤︎)


「ンッ❤︎ ンッぐ……ふむ……は、ぁむゥッ❤︎」


 思考する暇すら惜しい。

 サクラは切り分けた肉を再び頬張り、噛み締める。

 柔らかな霜降りは旨みが詰まった肉汁と、噛みごたえ抜群の筋繊維が芸術的に重なり合ってできていた。

 固くない。

 しつこくない。

 どころか、食べる程に旨みと歯応えの絶妙なマッチに魅了され、もっと欲しいと思わされる。


「はゥむッ❤︎」


じゅくゥンッ❤︎


 肉を口に含むだけで、濃厚な刺激が全身に響く。


「はむ……ンぐッ❤︎ はふッ❤︎ ン゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


ぷしッ❤︎ ぷぢょッ❤︎


 肉を噛み潰す程に、そこに染みついた感情が、サクラの骨身に浸透してくるようだった。


「ン゛ッふォ❤︎ ふ❤︎ はむッ❤︎ ふぐぢゅ❤︎ ン❤︎ おいひッ❤︎ なにこれ……はぁむゥッ❤︎ ンッッッくゥ~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


ブヂュッ❤︎ ぶビュジュッ❤︎


「お気に召していただけたようで何よりでございます」


 肉を口に入れ、脂を飲み込み、肉を食む。

 それを飲み込むより早く、フォークは次の肉を掴んでいる。

 はしたないとわかりつつ、手が止められない。

 舌と歯を通して、何かがサクラの肉を揺さぶる。

 その未知の揺さぶりは、サクラが感じてきたどの快感よりも濃く、刺激的で、心地よいモノだった。


「続いては腕肉とモツ肉のスープです。長時間煮込むことで旨味を出すものが一般的とされているようですが……白ブタの腕肉ならば、短時間でも十分濃い旨味を抽出できるのです」


 たちまち空になった皿に変わり、今度はスープが現れる。

 立ち上る湯気にはやはり、脳を痺れさせる心地よさがたっぷり詰まっていた。


「はぁ……ふッ❤︎ じゅる……ッ❤︎」


 サクラは躊躇うことなくスプーンでそれをすくい取る。

 ついさっきまであの美女の腹の中で活動していたモツ肉を、肉汁が溶けたスープと共に、口の中へ。


「ふむゥ゛ウッ❤︎❤︎❤︎ ンッ❤︎ ンンッ❤︎ ふ……弾力があるのに、柔らかくてッ❤︎ 中からどんどん……旨味が溢れてぇ……っ❤︎」


 霜降り肉よりもしっかりとした噛み応え。

 だがいつまでも嚙み切れないなんて品のない硬さは皆無。

 程よく噛み締めれば優しく解れ、内に秘めた旨味を口の中で解き放つ。

 スープをすくう手が止まらない。

 一心不乱、息継ぎすら忘れ、サクラはカップの中身を飲み干した。


ぢゅぐ❤︎ くぢゅぶッ❤︎ ぬぢ❤︎ ぢゅぐッ❤︎ にぢゅゥッ❤︎


「はァッ❤︎ はァ……ふゥ゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


 濡れた肉が擦れ合う音。

 「この後に及んで、美女がまたオナニーをしているのか」と考えて。

 サクラは顔を上げた。


「オ゛ッ❤︎ ン゛ォ゛~~~ッ❤︎ かヒッ❤︎ か❤︎ はヒ❤︎ はヒッ❤︎ ェ゛ひ……ひッ❤︎」


 そこにぶら下がっているのは、四肢を削がれ、臓腑を抜かれ、最低限生命維持に必要な臓器だけを残された美女。

 当然、そこに股間をまさぐる手はない。

 それはとっくに煮込まれて、今しがたサクラが啜ったスープになっている。


ぢゅく❤︎


「ンッ❤︎ あ……ぇ……?」


 音の正体はサクラの太ももだ。

 食事をするだけでどれ程絶頂していたのだろう。

 ハイレグのスーツはへそまでぐっちょりと重たく汁に塗れていた。

 太ももは愚か、座っている椅子から足元にまで、サクラの雌汁が広がっていた。


「ェ゛へ❤︎ エ゛へぇッ❤︎」


 ぶらぶらと身体を揺らし、美女が笑いかけてくる。

 サクラやグノスソスが、己の肉を食らい尽くす様を見て、心の底から嬉しそうに笑顔を浮かべている。


 ごく、と喉が鳴る。

 口腔で嚙み蕩けた肉が、舌をくすぐりながら喉の奥へと消えていく。


「きゅふゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ぁ……はァゥッ❤︎」


ぷしゅッ❤︎ ジョバッ❤︎ じゅばァ~ッ❤︎


 サクラはまた跳ねた。

 肉が食道を落ちていく感覚に、背筋の痺れが追随する。

 腹の底にどちゃ❤︎ と痺れがうち広がり、性の快楽が拡散する。

 サクラは悶え、太ももをすり寄せ、噴き出るイき汁を肉の隙間でこね回す。


(この味……このッ❤︎ 刺激……ッ❤︎ まるで……この人……このブタの絶頂を、際限しているようなっ❤︎)


 旨味の正体、サクラの身に響く忘れられない快感。

 それは間違いなく、この美女が、この白ブタが歓喜している証だった。

 サクラと同じ姿で生まれ、サクラたち人間と同程度の知能を持ち、しかしサクラが想像もできない常識の中で育ち、今正に死を迎えようとしている美女。


 だが、肉を味わった今だからこそ理解できる。

 この白ブタの生涯は、幸福だった。

 その脳で受け止めきれない程の……受け止めきれず、己が肉に染み出てしまう程の快感の中で生まれ育った。

 そして今も。


「うむ。肉質も脂のバランスも素晴らしい。サシの細やかさに至ってはここ10年でも最高だろう……A5評定に狂いのない、今期最高等級のブタ肉だ」

「はヒッ❤︎ ひ……ぎッ❤︎ あッ❤︎ あ゛ぃがどォございあずッ❤︎ エ゛ひッ❤︎ えへひひッ❤︎ やだッ❤︎ やッ❤︎ あ゛❤︎ あィがォ゛ッ❤︎ オ゛❤︎ オ゛❤︎ オ゛ッ❤︎ ゴ……ポごォ゛ッ❤︎」


ブヂョッ❤︎ ピュ❤︎ ブビュッ❤︎ じゅびゅぅ~ッ❤︎


 ステーキとスープを平らげたグノスソスの評価を聞き、美女は最後の感情を燃え上がらせる。

 もはや動かせるモノなど、彼女の身体には残っていない。

 それでも、己が最大の幸福を与えられていることを疑いもしない。

 自分が今世界で最も幸せな瞬間に存在していると、心の底から感じている。

 残された膣穴からびゅるびゅると潮吹きを晒し、歓喜を精一杯に表現していた。


 その姿はもはや、人間でもブタでもなかったが、


(ああ……どうして……?)


「ヒノモト少佐殿も……っと、失礼致しました」


 サクラにもコメントを求めたグノスソス。

 だが、美女を見上げるその表情に全てを察し、口を閉ざした。

 サクラは既に、心からの賛辞を送っていた。

 白ブタの生に対して、一片の曇りもない幸せなモノだったと、その目で伝えていた。


「お待たせいたしました。こちらは香草と共に焼き上げたリブロース肉のステーキでございます」


 再び、鉄板で焼かれながら現れる霜降り肉。

 一段ときめ細やかに霜降りが広がる光景は、真っ赤な夜空とでも言うべき芸術的なものだった。


「はぁむッ❤︎ ン゛ぎゅゥ゛ゥ゛ゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


ぷしょッ❤︎ びゅッ❤︎ ぷぢゅゥウ゛ッ❤︎❤︎❤︎


(美味しいッ❤︎ あのブタの……生き様が詰め込まれているッ❤︎ 彼女が幸福だったって伝わってくる……っ❤︎)


 サクラの手は戸惑わなかった。

 溶けるほど柔らかな肉をカットし、フォークで口の中へ。

 美女が生涯で体験して来た弾けるような絶頂を、自分の血肉で共感する。

 あふれる肉汁に押し出されるように、また太ももを自ら濡らす。


「星外からのお客様にも……女性のニンゲンのお客様にも気に入っていただけて光栄です。通常、メスブタにメスブタの肉を食わせる場合、脳が委縮する病気になる可能性があるものですから……」


 グノスソスが何かを言っていた。

 決して聞き逃してはいけないコトだったかもしれない。

 だが、サクラの心は肉と美女でいっぱいだった。

 下品にがっつき、肉を噛み締め、飲み込むのがやめられない。


「はふむッ❤︎ ンぐむ……ふ❤︎ ンふッ❤︎ はぐふぅッ❤︎」


 食べて、食べて、食べて。

 そしてまた、食べたくなる。

 脳が止まらない。

 肉から迸る中毒的な快感の虜になって、辞められない。


「これ程夢中になられるとは、なんと喜ばしい。この先も心臓、ハラミ、コブクロ、脳に至るまで……是非、最後までお楽しみくださいませ」


 グノスソスが恭しく頭を下げた。

 だが、サクラの視線が肉と美女を、サクラの口が肉汁溢れる霜降り肉を、手放すことはなかった。


◆ ◆ ◆


「ヒノモト様、おはようございます。ただいまお食事をご用意いたしますねっ!」

「……ええ、ありがとうミミ」

「いーえっ! ミミのお仕事ですから!」


 ころころと鈴が鳴るような愛らしい声で、ミミは大げさにお辞儀をした。

 だぷるぅっ❤︎ と乳房を弾ませ、部屋の前に留めてあったワゴンを取りに駆けていく。


 お世話係にとあてがわれた黒ブタメイドの少女、ミミ。

 他の黒ブタよりも一回り小柄な彼女だが、やはりビキニで彩る乳房は豊満だった。

 あまりの幼い体躯を目にした時は、思わず児童労働に関する罰則規定が頭を廻ったものだ。

 だが、この星においての彼女は……家畜の黒ブタに過ぎない。

 10歳を超えたミミは既に「成体」であり、労働の義務を負った「黒ブタ」なのだ。


 そのそそっかしそうな、ちまちまとした動きは愛らしく、見ているだけで頬が緩む。

 決して、そこには食欲などという感情は湧いてこない。

 あくまでも、幼い少女の溌剌とした仕草に慈しみを抱いているだけ。


(そう……そうよ。これが普通の感覚。私の感覚は……間違っていない!)


 マイノ・タウロ星にやってきて二日目。

 夢のような……悪夢とも吉夢ともつかないあの夕食を終え、一晩経っての朝。

 真新しい客人用の屋敷に通され、シャワーもベッドも完備された及第点程度の夜を過ごした。


 屋敷にはサクラとメイドのミミだけ。

 辺境の星に来たとは思えない、静かで落ち着いた時間が流れる。

 が、穏やかなのは世界の時間だけだった。


(私は……昨日の私は一体……ッ! ど、どうかしているわ! あんなモノを食べて……ッ!)


 ミミが朝食を並べる傍らで、サクラは深い自責の念に頭を抱えていた。


 サクラはルイーズを捜索し、救助するためにこの星に降り立った。

 最初のプランでは、今頃にはルイーズの居場所が特定できていたはずだ。

 宇宙連盟軍の立場をフル活用し、現地民を扇動するなり脅すなりして惑星内の大規模捜索を実施させているはずだった。

 が、


「ヒノモト様、こちらのお席にどうぞぉ! 宇宙れんめえ? の、ニンゲン様のお口に合うかわかりませんが……もし、お気に召さないようでしたら、お取り替え致しますのでっ」

「……いえ、ありがとう、ミミ」

「はいっ! ミミはお側におりますから、何かあればお呼びくださいっ」


 今はこうして、客人として呑気に接待を受けている。

 ルイーズの居場所は依然として掴めていないというのに、シャワーを浴びてベッドで眠り、割合豪華な朝食を食べている。

 昨夜の食事……あの美女、あの白ブタとの衝撃的な出会いが、サクラのプランをめちゃくちゃにしてしまった。


(……事前の調査通り、植生は宇宙連盟の平均的な生活基準に適合している……ルイーズなら、半年でもサバイバルできるはず)


 サラダとパンを噛み締め、カットされた果物を齧る。

 そうして思い浮かぶのは行方不明の相棒、ルイーズの笑顔だった。

 サクラより年上なのに、どこか危なっかしい雰囲気を纏う彼女。

 サクラの参謀というポジションでありながら、いつも気を張るのはサクラの方。

 目が放せない……放してはいけない大切な人だった。


「……あのぅ……お、お気に召しませんでしたかぁ?」


 不安が隠しきれていない弱々しい声。

 見れば、ミミがおどおどとサクラの顔を見上げていた。

 叱られた子犬のように眉を垂れ下げ、サクラの言葉を待っている。

 サクラが難しい顔をしていたから、食事が合わなかったと思ったのだろう。

 黒ブタは精力的に奉仕を行う種族らしい。

 そんなミミにとって、自分の奉仕で相手の不快を買うということは、受け入れ難いことなのだ。


「……ッ!」


 その、愛らしさすら覚える困り顔。

 ベッドの上で見たルイーズと、重なった。


「ルぃ……ッ!」

「ふぁあッ!?」


 衝動に任せ、サクラはミミを抱き寄せた。

 簡単に抱き締められてしまう小さな体躯。

 胸に広がる、ぷよんと柔らかな乳房の温もり。

 その先にはとくんとくんと弾む心臓の鼓動が確かにあった。


「ひ、ヒノモト様……? く、黒ブタに抱きつくとお洋服が汚れて……」

「いいの」

「えぇっ?」


 困惑するミミを、サクラはまた強く抱き締める。

 柔らかな銀の髪に鼻を埋める。

 花畑に飛び込んだような仄かな甘い香りが鼻腔をくすぐる。

 緊張したように小刻みに呼吸するミミ。

 どうしていいか分からずに、おたおたと揺れる手。


 間違いなく、そこには意思ある生命があった。

 サクラと同じ。

 ルイーズと同じ。

 己で考え、動き、決断できる、一人の女性があった。


(そうね……そうよねルイーズ。貴女を助け出すだけじゃダメ。この子も……ブタなんて呼ばれて虐げられているこの星の女性たちも、私に救済されなければいけない!)


「ミミ……私のことは、サクラと呼びなさい」

「はぇっ!? で、ですが……それではご主人様に叱られて……」

「いいの。私が望んだことだから」

「えぇえっ?」


 抱擁を止め、サクラはミミの顔を真正面から見据える。

 そして「呼んで」、とミミを待った。

 ミミは困ったように大きな瞳をころころ動かし、何かを決意するかのように唇をキュっと引き結び、そして、


「か、かしこまり、ました……サクラ、様……っ」


 緊張で顔を真っ赤に染めて、言った。


「よろしい。これからよろしくね、ミミ」

「……ッ! は、はいっ! 精一杯ご奉仕させていただきます……さ、サクラ様っ!」


 サクラは微笑み、つられてミミもあの花畑のような笑顔を見せた。

 サクラが信じるルイーズや、他の部下たちと何一つ変わらない笑顔だった。


(ルイーズの捜索をしながら、この星の女性たちの権利を確立させる。それが私がここに来た真の意味……あの腐った豚雄なんかに虐げられ……む、貪り食われて終わる人生なんか、間違っている!)


 それが、サクラの使命だ。

 場の空気に流され、愚かにも彼女の肉を食らってしまった、罪深き自分自身が負った罪の代償。


(ごめんなさいルイーズ、もう少しだけ頑張って。私は、私自身に課した罰を清算するまで、貴女の前には出られない)


 清く美しいルイーズ。

 その身に罪を背負ったまま、これまで通り彼女の前に立つなど……許されない。


「朝食が終わったら、この星の産業について学びたいわ。案内を頼める?」

「ひゃい……は、はいっ! かしこまりました! ご主人様からも、サ、サクラ様が望まれる場所にお連れせよと言われておりますっ」


 この星の全女性の救済。

 困難な目標だが、不可能ではない。

 そして、サクラが目指す宇宙連盟の徹底改革を達成するためには、遅かれ早かれ通らなければいけない道だ。


「ミミ、サクラ様のお付きができて幸せですっ!」

「……大袈裟よ。まだ会って半日しか経っていないんだから」

「いーえっ! サクラ様は素敵なニンゲン様です……ミミ、こんなにも心がぽかぽかしたの、初めてですっ」


 それに、何より。

 ミミの笑顔を見れば、困難だろうが達成してやろうという気が湧いてくる。

 褐色肌でも分かるくらいに頬を染め、尊敬の眼差しを向けられては、やるしかないと心の炎が燃え上がるのだ。


(ああ……やっぱり。ブタなんて呼ばれて、虐げられていたのね。私が、この子たちの心を救ってあげないと……)


「わ、私もっ!」


 両手をぎゅっと強く握り、ミミは口を大きく開けた。


「私も……えへ❤︎ 絶対、サクラ様に食べていただきたいです……ッ❤︎」

「……ッ!」


 蕩けるように浮かべたミミの笑顔は……昨夜の美女のそれと、全く同じだった。


◆ ◆ ◆


「ふむ……ヒノモト少佐殿、一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?」


 サクラはミミの案内の元、マイノ・タウロ星の畜産文化について学び始めた。

 その歴史、現状、生活への浸透……そして、ニンゲンやブタたちの認識について。


「ええと、なんと言ったか……少佐殿が繰り返しおっしゃる「残ぎゃく」という言葉。他者が他者の生命を、当人の意思に反して脅かすこと……といった意味合いでよろしいですかな?」

「……ええ。概ねその意味で合っています……ですから!」


 案内されたのは大臣たちが働く省庁機関。

 と言っても、星内外で戦争をしている訳でもないマイノ・タウロでは、大臣クラスですら大した執務はない様子。

 サクラとミミが訪れた時、その豚頭はのんびりと浴槽に浸かっていた。

 大臣とは名ばかりの、古い王族のような生活ぶりだった。


「もしや、それをどこぞのブタが? 食されることを意に反する行為だと言ったのですか?」


 グノスソスより幾分年老いているニンゲンは、湯水を跳ね上げて立ち上がる。

 穏やかな口調だが、その目には強い覇気を宿していた。

 ニンゲンが敷いた常識からブタが背こうとする気配に、強い危機感を覚える支配者としての覇気。


「いえ……そんなことは……皆、ニンゲンに食べられることを、心待ちにしています」

「そうですか。それはよかった……思考の混乱は感染症の予兆ですからな。大規模の屠殺は我々としても心が痛い」


 サクラが否定すると、再び穏やかな目に戻る。

 浴槽から上がり、待機していた黒ブタたちに体を拭かせ、マッサージ台に寝転がる。


「マイノ・タウロの歴史は、最古の記録からだけでも五千年続いております。その間、ニンゲンとブタの関係が変わることはなかった。異議が出たことも、ありませんでした」

「それは……ッ」


 穏やかに語る老ニンゲン。

 その身体を命令もなく癒すのは、ミミと同じ黒ブタだ。


「食物連鎖と言うのでしょう? ブタが育ち、ニンゲンはブタを喰らう。しかしニンゲンが死ねば、それを糧に新たな草木が根を広げる……その草木を食べ、次のブタが育つのです。ニンゲンがブタを喰らう行為は、永遠の循環に組み込まれた要素の一つに過ぎませぬ」

「し……しか、し……っ!」


 サクラが言い淀んでいる間に、ニンゲンは鼻息をあげて眠り始めた。

 黒ブタたちに「あと数時間はお休みになられます」と頭を下げられては、サクラも退散するしかなかった。


(不気味な連中ね……顔は違って、でも言葉は通じる……けれど、やっぱり話は通じない! 頑張っても額程、沼に足を取られて沈んでいくみたい……)


「大臣様とのお話はいかがでしたか? あのお方はご先祖様の時代から、私たちブタの効率良い調理方を提案してくださる聡明なニンゲン様なのです!」


 外で待っていたミミに出迎えられ、サクラは次の屋敷に向かう。


「……ふむ。おっしゃられること、私には困難な議題ですな」


 急な訪問に対しても、ニンゲンたちは余裕ある対応を見せてくれる。


「「残ぎゃく」とは、ニンゲンとブタには当てはまらない言葉ではないのでしょうか? 月並みな言葉ではありますが、ニンゲンとブタたちは深い絆で結ばれているのですぞ」

「で、でしたら食べるという行為は……ッ」


 幼い少女……白ブタの子供を膝の上で遊ばせながら、農水大臣のニンゲンは口髭を撫でる。


「宇宙連盟程ではないにしろ、家畜の管理体制はこの100年でも大きく進歩しております。餌の品質、飼育環境の安定化、教育基準の策定……できる限りの安全と権利を……」

「しかしっ」

「まあまあお聞きなさい。ブタもまた、こうしたニンゲンからの愛情に応え、美味しい肉になるべく努力を重ねています」


 楽しげに持論を語るニンゲン。

 その姿は選ぶった人間の教授に瓜二つだった。

 サクラの弱々しい反論は、撫でるように振り払われ、後は彼の講演会だった。


「昨今では連盟への加盟に向けて白ブタ・黒ブタ愛護の日を記念日として設定し、おっしゃる所の残ぎゃく行為……ギャクタイに対する罰則規定の立案も既に最終調整に入っておりましてな……」


 「罰則規定」の推敲を行う専門家集会への勧誘が始まったところで、サクラは逃げるように屋敷から飛び出した。


(どいつもこいつも……微塵も自分を譲らない! 沼から上がるとっかかりすら掴めない……ッ)


「ミミが生まれる前ですが、大臣様が私たち黒ブタの権利を主張してくださったんですよっ! 奉仕業務にあたる黒ブタも、美味しく食される願いを持つ権利があると、広めてくださったんです!」


 学者や賢者と呼ばれるニンゲンの元にも足を運んだ。

 だが結果は変わらなかった。


「しかし、あれなのですかな? 宇宙連盟ではブタを食べることは禁じられているなど……」

「そ……れはッ! この際関係ない話でしょう!」


 サクラがどれだけ熱弁を振るっても、ニンゲンたちは「何を言っているんだ」と心底不思議そうに首を傾げるばかり。

 その口でむしゃりとブタの肉を噛み、美味そうに喉を鳴らして飲み込む。


どごォッ!


「ブギィィィィィィッ❤︎❤︎❤︎」

「ちょッ! だから私は……!」

「ブタの意に反する暴力行為、でしたな。それならばご安心くだされ。これはブタたちの肉質を向上させる、言わばトレーニングでございます」

「な……にをッ! そんな詭弁が通用する訳……ッ」


 サクラが残ぎゃく行為の非道徳を叫ぶ前で、ニンゲンたちは渾身の力で白ブタを蹴り飛ばし、殴りつける。

 転がり蹲るブタに駆け寄るサクラだが、ブタたちのあの「笑顔」を見て、言葉を失ってしまう。


 言葉が通じる分だけ、余計に彼ら彼女らの姿は、不気味なモノに見えた。


(シワだらけの豚頭の癖に、脳みそはツルツルなのかしら? ブタたちの立場でモノを考えられるニンゲンはいないの!?)


 2日、3日と滞在は続く。

 だがサクラが望むようには物事は進まない。

 どころか、一歩も進むことはなく、ただただ泥沼の上でもがくだけ。


「本日はどちらにご案内いたしましょうか? サクラ様のお望みの場所にお連れしますっ!」

「ありがとうミミ……」


 マイノ・タウロ星で唯一、ミミだけがサクラの拠り所となった。

 細やかな気遣いに元気な声、何よりもふわふわとした愛らしい立ち振る舞いがサクラの心を癒してくれた。


「ミミは……どうして食べられたいの?」

「え……? なん、ででしょうか……」


 一度、改めてミミに尋ねてもみた。

 分かってはいたが、ミミの答えは変わらなかった。


「ミミのお仕事で誰かがニコニコするの、とっても心があったかくなるんです」


 初々しい恋の思い出を語るように、ミミは微笑んだ。


「ミミは、ただ死んじゃうだけなんて嫌です。ミミで……ミミの死でも誰かにニコニコしてほしいです❤︎」


 無邪気で愛らしいその笑顔が、次第にドロりと溶けていく。

 まるで、口に含んだブタの霜降り肉のように、甘い肉汁を解き放つ。

 ミミは笑顔だ。

 熱く己の胸に秘めた願いを語っている。


「えへっ❤︎ ミミのお肉を誰かが美味しく食べてくれたらっ❤︎ ミミ、きっとすっごくぽかぽかな気持ちになれますっ❤︎ お腹の奥がじゅくぅ〜❤︎ ってあったかくなって❤︎ えへへっ❤︎」


 強がっているなんて、疑う必要はなかった。

 ミミが心の底から思ったことを口にしているのは、誰が見ても明らかだった。


「特別に美味しいブタは永久に名前を残していただけるんですっ! 黒ブタには不可能だって言われていますけど……それでもっ❤︎ 少しでも、ミミの肉が美味しくなって、誰かを楽しませられたらいいなって思いますっ❤︎」


 初恋を語るかのように、胸のときめきを露わにするかのように、ミミはサクラに、己の肉としての価値を語ってみせた。


「それで……も、もし、叶うなら……っ❤︎ サクラ様にも、ミミを食べていただきたい、ですっ❤︎」


 愛の告白にも等しい言葉。

 だが、サクラはそれに相応しい返事を用意できなかった。


◆


(おかしい……この星全部、理解できないっ! なんで皆、私がおかしいみたいな顔をするの? なんで当たり前のように食べられようとするの? なんであの子たち……嬉しそうに食べられようと、するのッ!)


 サクラは全てに納得がいかなかった。

 傲慢なニンゲンたちにも、従順すぎるブタたちにも、この星に広がる異質な倫理観にも。


じゅぅ゛ぅ゛ぅ゛〜〜〜ッ


「は……ふ、ッむ゛ゥ゛ッ❤︎ ンふッ❤︎ ン゛ッッッくゥ〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


プショッ❤︎ ぷッぢぃいッ❤︎


 自分の倫理観とは正反対の行動をする、己の肉体にも。


「B4評価ブタのロースステーキとなります……十分なおもてなしができず、申し訳ございません。初日にご提供させていただいたようなA5クラスとなりますと、年に10頭出るか出ないかの希少性となりますので」

「……ッ❤︎ ど、どうか、お気遣いなく……ッ❤︎」


(B4……? この旨みと、肉厚さでも、B4ッ❤︎)


 グノスソスとの二度目の夕食。

 ブタ肉を食うこと自体で言えば、既に五度目。

 変わらずブタ肉は旨みに溢れ、決してしつこさは感じない。

 むしろ回を重ねる毎に食欲が増す。

 「もっと食べたい」と唸る胃袋から、サクラは目を逸らすことはできなかった。


「本日は財務大臣と会食をなさったと聞いております。いかがでしたか? マイノ・タウロ政府では現在最高齢ですが……今でも政府指折りの大食漢でしてね」

「はあ……た、確かに……私と話している最中にも、一頭丸ごと平らげていました」


 毎晩、食卓にはブタの肉が並ぶ。

 その度に理性が本能に屈し、身体の火照りに任せて食べてしまう。

 直後は自戒し再び決意を固めるが、次の食事が始まる頃には再び本能が膨れ上がるのだ。

 胃と子宮の疼きが収まらず、結局ナイフとフォークを握ることになる。

 そして、理性による抵抗は、回を重ねるごとに弱くなっていた。


「一頭ですか。ぶふぅ゛る゛る゛ッ! いや、失礼……それでもかなり抑えている方でしょう。多い時は一食で三頭を要求される方ですから」

「三……この、量を……」


 テーブルに広がる様々な肉料理を見回して、サクラは喉を鳴らす。

 今夜はグノスソスと同席とあって、全ての「部位」が並んでいた。

 歓喜の笑顔のままに動かなくなった美しい白ブタの首が、脳を開かれた状態で器と共に並べられていた。

 その傍には、じっくりと煮込まれたプルプルのコブクロが添えられる。

 そのブタ生で経験した幾千万もの絶頂で仕上がった、極上の香りが立ち上っていた。


「ここだけの話、あの方のせいで、食事は経費から外すべきと訴えが出ているのです。あの食事量に加えてかなりのグルメなお方なもので、決まった牧場からの決まったランク以上のブタ肉でなければいけないとのこだわりが強くて……支持率にも影響が出そうで、ハラハラしております」

「……官僚の食事事情は、どこも同じなのですね」


 苦笑するグノスソスに合わせ、サクラはまた肉を頬張る。


「そのようで……実質、今まともに仕事があるのは、宇宙連盟との交渉を行う外務省だけですから……私も本来なら彼らのような悠々自適な待遇を望んでいたのですがね。期待のホープなどと持ち上げられ、気付けば仕事漬けの部署を押し付けられ……」


 ぐちをこぼすグノスソスを、サクラは静かに観察する。

 ほんの数日の交流だったが、グノスソスとも幾分か打ち解けられたと感じていた。

 最初は絶対に慣れないだろうと思っていたあの豚顔も、今ではある程度、感情の機微が読み取れるまでになっていた。

 それに合わせて、彼らニンゲンという存在への理解も深まった。

 見た目通りの蛮族ではなく、懐が深く大らかで、宇宙軍の上層部に比べればよっぽど真摯なニンゲン性の種族だ。


 深まったが……その上でこの星の常識は受け入れられなかった。


(こっそり取らせてもらったミミの血液データ……簡易解析だけど、間違いない)


 密かに宇宙船で解析したブタのゲノム解析結果を思い返す。


(ブタたちのゲノム情報はホモサピエンスと99.999%の相同性を保持していた。つまり、彼女たちを……この、肉を食べるということは……ッ❤︎)


「あむッ❤︎ くふゥ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


 共食いをしているも同然。

 いや、共食いそのものだ。


 ブタについて調べれば調べるほど、マイノ・タウロについて知れば知るほど、サクラの倫理感が真っ赤になって怒り出す。

 こんな場所にいてはいけないと叫び散らす。

 宇宙軍でセクハラ上司たちをあしらう時だって、こんなにも危機を感じることはなかった。

 こんなにも危機的環境にあって、


(おかしい……おかしいっ❤︎ 絶対にこんなのッ❤︎ 間違っているに決まってるッ❤︎ なのに、どうしてッ❤︎)


 その行動を止められないなんて。

 どころか、回を重ねる程に強く求めるようになってしまうなんて。

 今や肉を噛み締める瞬間を思い返すだけで、ハイレグスーツが淫らに湿ってしまうようになっただなんて。

 サクラは己がわからなくなりそうだった。


(共食いなんて野蛮な行為ッ❤︎ 分かって実行したら即軍裁判にかけられる特A級の犯罪行為じゃないッ❤︎ 倫理的にも健康的にもアウト❤︎ 軍にこのことがバレたら……私、だけじゃない、ヒノモト家が永遠に宇宙軍との関わりを禁じられるのは確実ッ❤︎)


 いけないこと。

 倫理に真っ向から反すること。

 それは分かっている。

 全てを理解して、サクラが想像し得る全ての可能性で「アウト」判定を叩き出して、その上で。


「あむゥッ❤︎ はふッ❤︎ くぢゅ❤︎ ン゛ッ❤︎ ぎむゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ッグ❤︎ ィグッ❤︎ ィグゥ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


(でもッ❤︎ 美味しいのッ❤︎ どうして❤︎ ダメなモノなのに美味しすぎるッ❤︎ 手が、止まらない……全部美味しいから❤︎ 味も歯応えも喉越しも余韻も……ッ❤︎ このブタが溜め込んだ旨み❤︎ もっと、もっと欲しいのぉッ❤︎)


 サクラの遺伝子に眠る原初の衝動が、全てを凌駕する。

 肉に感じる食欲。

 脂から広がる性欲。

 肉を喰むだけ胃袋が次を欲しがる。

 脂を飲み込むほど、ブタが味わってきた濃密な絶頂が神経に響いてくる。

 笑顔で絶命したブタの幸福を、サクラはその身で受け継ぐのだ。


『ミミは、ただ死んじゃうだけなんて嫌です。ミミで……ミミの死でも誰かにニコニコしてほしいです❤︎』


 ミミの満開の笑顔と、理解できない言葉。

 今ようやく、その一端に触れた気がした。


(これは……私が食べたから? 私がこのブタの肉を食べたから、肉に「美味しい」と感じたから、このブタの死には……意味があった……? 無意味な、残ぎゃくな行為では、なくなった……の?)


 触れた先に見出せるのは、また新たな疑問だった。


(意味があったとして。あなたたちはどうして……ブタたちは、どうしてそんなに幸せを感じているの? 何があなたたちをこんなにも……美味しく、幸福に導いているの……?)


 サクラが全力で否定しにかかったマイノ・タウロ星の常識。

 その中で生まれ育ち、そして死んだブタたちが、どうしてこれほどの旨味と幸福を生み出せているのか。


(知りたい……教えて欲しい❤︎ ブタの幸福はどこから来て……どこに、行くのか……❤︎)


「ストレスのせいか食事量が増えてしまって……こんな理由でブタを喰らうのも、ブタに申し訳ないですよ」


 思案するサクラに解を与えるのは……ブタを食らう人間だった。


 グノスソスが、手元にあった巨大な骨付き肉を持ち上げた。

 それはきっと、サクラが食べたブタの肉。

 足を丸々焼き上げた、豪快な一品。


「我々は人間として、ブタの全てを等しく旨く、食らい尽くしてやる責任があるというのに!」


 グノスソスは口を大きく開け、


「がふゥ゛ッ!」


 太ももの肉に、鋭い牙を突き立てた。


「〜〜〜〜〜〜ッッッ❤︎❤︎❤︎」


きゅゥ゛〜〜〜〜〜〜んッ❤︎❤︎❤︎


(嘘っ❤︎ あんなにワイルドに……っ❤︎ せっかく命を賭して捧げた肉をっ❤︎)


 それはもしかしたら。

 サクラが異性にときめきを感じた、初めての瞬間だったかもしれない。

 肉汁滴る肉塊に牙が食い込み、獣のように喰い裂き、千切る。


みぎッ! ぎぢゅぢ……ぢぎぃ゛ぃ゛ぃ゛〜〜〜ッ!


(あっ❤︎ あっ❤︎ 力強い噛み跡❤︎ あんなに太い肉を、一口でっ❤︎)


「がゥぁ゛ッ!」

「はェ❤︎ ぅ……ッぁ❤︎ ぁ❤︎ ぁ゛……〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


ぷしょッ❤︎ ピュ❤︎ ビューーーッ❤︎


 グノスソスの、テーブルマナーのカケラもない喰いっぷり。

 サクラが最も嫌い見下すタイプの食事方法。

 宇宙軍でこんな食事を見せられようものなら、嫌悪を隠そうともせず、黙って席から立ち去っていたことだろう。


(なんて……なんてっ❤︎ 美味しそうに食べるの……❤︎ 女性の肉を、女性を殺して、調理してるのに❤︎ 野蛮な獣も同然のクズなはず、なのにっ❤︎ あんなに、勇ましくて❤︎ 雄々しくてッ❤︎ か……カッコいぃ……ッ❤︎)


 けれどここはマイノ・タウロ星。

 食うのは自らそれを望んだブタの肉。

 笑顔で絶命したこのブタはきっと、


「これでB評価とは……Aでも問題なさそうですね。最近は全体的に肉のレベルが向上していて、大変良い傾向なのですが……評価軸の調整が間に合っていないのです」


 グノスソスに評されて、喜んでいるはずだ。

 グノスソスに食らわれることを夢見て育ち、夢見心地のままに絶命し……命を燃やし尽くした後も、その肉を役立てている。

 その上でこの評価……生きて耳にしていたら、どれほどの幸福を感じていただろうか。

 今なら、それがわかる。

 共感できてしまう。


「最近は宇宙連盟にならい、紳士ぶってあんな食事をすることが増えましたが……私個人としては、ニンゲンがブタを食うのならば「こう」するべきだと思うのです。マナーだの礼儀だのを弁えるより、まずはブタの肉を味わうことを第一に、ね」


 醜いとすら思っていたグノスソスが見せた、僅かなちゃめっけ。


「……ッ❤︎」


きゅぅンッ❤︎ じゅくッ❤︎ ぷじゅぅぅぅンッ❤︎


 サクラは頷く代わりに子宮を激しく震わせた。


(そりゃぁ……「そうでしょう」ッ❤︎ 真っ直ぐに自分と向き合って……全力で食べて貰える方が嬉しいに決まってる❤︎ 自分の全てを正面から味わってもらった方が、絶対に嬉しいに決まってるッ❤︎)


 ブタが何故、あんなにも笑顔で死んでいくのか。

 死後に残る価値に意味を見出し、幸福を感じられるのか。

 サクラの疑問の解が、グノスソスだった。


 今ならば理解できる。

 到底受け入れられないマイノ・タウロの倫理観。

 サクラの理性は受け入れてはくれなかった。

 が、サクラの肉は、神経、血、骨、臓腑……本能は。

 ブタたちに共感し始めていた。


 毎日歩き回り、あちこちでしゃべり語り尽くし、ブタの権利について論じたその口で、


「は……あむ、ぅッ❤ ふッ❤︎ んぐしゅッ❤︎ ンふゥッ❤︎︎」


 ブタの肉を噛み締める。

 グノスソスが行ったように、邪魔な思考を捨てて肉に向き合う。

 柔らかく育った肉の食感で、その生涯に想いを馳せる。


(名前も知らない、白ブタのあなた)


「ちゅる……ンッ❤︎ ふ❤︎ ふぅッ❤︎ ふぅッ❤︎ する……ッッッ❤︎ ぷぁッ❤︎ は、ふァッ❤︎」


 コブクロのスープを口に含む。

 絶頂を溶かし出したかのような、甘いくトロつく肉汁で、ブタの絶頂を妄想する。


(あなたは……ブタ生を全うしたのね❤︎ 美味しく、食べられるという願いを叶えて❤︎)


 アクメ潮の甘露水で、口に残った脂を洗い流す。

 テーブルに添えられた笑顔の白ブタの幸福を、全身で受け止める。


「素晴らしい食べっぷりですな少佐殿……! 私も、負けてはいられないッ!」


 一心不乱に顎を動かすサクラを見て、グノスソスはまたもも肉を持ち上げた。

 サクラの目はその豊満な肉に引っ張られ、再びグノスソスへと向けられる。


「がぁッはぐぅうッ!」


みぎぢッ! ぐぢぃぃぃッ!


「ひぁッ❤︎ あ……ッ❤︎」


 頬に、あの時のアクメ潮のように、熱い肉汁が降りかかる。

 しかし、サクラはそれを拭わなかった。

 そこに少しだけ、サクラの疑問に対する答えが見えたのだ。


 グノスソスとブタ肉の「まぐわい」という解に、見惚れてしまっていた。


「がふ、ぐぁう゛ぅ~ッ!」


めりみ゛り! ぐ、ぢぅぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!


「あ……❤︎ あぁッ❤︎ すご❤︎ い、一度に、そんなにっ❤︎ 汁もいっぱい、零れて……ッ❤︎」


 太い肉塊がみるみる内に食い千切られて、グノスソスの腹に収まっていく。

 決して美しくはないはずなのに、やはり目が離せない。

 飛び散る肉汁、時折挟まるグノスソスの太い声、むき出しの牙に切り裂かれる軟肉……全てがピタリと一つの形に収まっていた。

 その光景に、何一つとしての過不足は存在しなかった。


(なんて……美味しそうに食べるんだろう❤︎ 女性に雄が触れるだなんて、汚らわしいだけとばかり思っていたけれど……ッ❤︎ こんなに情熱的で、楽しそうで……ッ❤︎ ニンゲンとブタが、一つになるみたいな……こんなのまるで……ま、まる、で……❤︎)


 すんでのところで思考を止めたのは、きっとサクラの理性が持つ最後の踏ん張りだったのだろう。

 「こんなのもう、セックスをしているようなもの」だなんて、一瞬でも思おうものなら。


(わた、しが……もし……だったら……❤︎)


 雄々しいグノスソスが他の雌と熱く重なりあっている姿を、ただただ見せつけられているだけなんて発想に至ってしまったら。

 美しく整えられた雄と雌の調和から、サクラは一人弾き出されている事実に思い当ってしまったら。


 一匹の雌として、サクラはきっと、憤怒に我を忘れてしまうだろうから。


◆ ◆ ◆


「……ど、どう言うことですか! そんな急に……なんでミミがッ!」

「どうもこうも、ミミの努力の結果ですよ。急とはおっしゃいますが、その日の朝に決まるのが通例ですからね……新鮮さを重視した結果です」


 滞在から1週間程が経過したある日。

 サクラはグノスソスに詰め寄っていた。

 対するグノスソスは、やはりサクラに「何を大袈裟な」とニンゲンらしいとぼけた態度。


「ミミは素晴らしい黒ブタでした。従者としての役割を全うしながらも、食用ブタになるべく努力を重ねていた……先日の肉質検査では遂にB5の評価を受けました。白ブタでもないのに肉質評価が5になることは滅多にないのですよ?」

「……ッ! で、でも……ッ!」

「しかし、黒ブタの肉質は劣化が激しいのです。今、恐らくミミが取れる最高評価が出た今が……ミミを最も旨く味わえる瞬間なのですよ」


 淡々と並べられる「努力への評価」。

 アスリートがトレーニングを重ねて優秀な記録を目指すように。

 芸術家が試行錯誤の末に偉大な賞を与えられるように。

 ミミは、食べられるにはディスアドバンテージである生まれでありながら、己を磨き上げて食用肉として優秀な評価をもらったのだ。

 それがブタにとってどれ程の幸福なのか……今更、理解できないサクラではない。

 だが。


「……ミミに合わせてください」

「ええ勿論。ミミも少佐殿に会いたがっておりました」


 やはりサクラは揺らいでいた。

 この価値観への寛容


◆


「ミミ……」

「あっ! サクラ様っ! ミミ、ミミ選ばれましたっ!」


 隣の部屋で待っていたミミ。

 サクラを見るが早いか、ぱぁっといつもの笑顔を見せた。

 直後、ぼろぼろと涙を溢しながら崩れ落ちた。


「ミ……」

「やっだぁ❤︎ やりましだぁっ❤︎ うぇっ、ぐす……黒ブタじゃ、だ、ダメかと思ってたけどぉっ❤︎ え゛ぇへ❤︎ え゛へへっ❤︎ 鼻輪をいただけでっ❤︎ 食べてもらえますぅ゛ッ❤︎」


 サクラに抱き寄せられたその胸で……ミミは歓喜で咲き誇っていた。

 その屈託のない笑顔を間近で見て。

 サクラは、それだけで。

 何も言えなくなっていた。


「ミミ……あなた……」

「はいっ❤︎ 食べていただけるんですっ❤︎ ニンゲン様のお口に……ああっ❤︎ 想像しただけでミミっ❤︎ えへ❤︎ え゛へっ❤︎」


ぷじょッ❤︎ びちゃびちゃびちゃぁッ❤︎


 腕の中で泣きながら笑うミミ。

 足に降りかかる焼けるように熱いミミのアクメ汁。

 小さな身体は柔らかく、しっとりとサクラの指を受け止める。


 ゴクリ、と喉が鳴った。


 ミミにかけようとしていた言葉も、万が一の時にと用意していた小銃も、何一つミミのためにはならないとわかってしまった。

 ミミはこの日を心待ちにしていたのだと、この日のために生きてきたのだと、理解した。


「サクラ様っ❤︎」


 満開の笑顔でミミはサクラを見上げた。


「サクラ様には是非……ミミが肉になる姿を見ていただきたいんですっ❤︎」


 短い間だったが、サクラが見てきた中で最も眩しく、美しい笑顔だった。


きゅん❤︎


 その笑顔に震えたのは、胃袋ではなく。


じゅく❤︎


 子宮だった。


◆


がりゅ❤︎ ぎゴッ❤︎ ぎゴッ❤︎ ゴリゴリゴリゴリッ❤︎


「ビュぎッ❤︎ ぷぎッ❤︎ ぎ、い゛ひへェッ❤︎ じゃぐらざぁッ❤︎ ザクラざばみでま゛ずぁ゛ッ❤︎ あ゛ッ❤︎ あ゛ぎヒッ❤︎❤︎❤︎ イグッ❤︎ イグイグイグイグッ❤︎❤︎❤︎ ミミじあわぜぇえ゛え゛え゛ッ❤︎❤︎❤︎」


ビヂャッ❤︎ ブチュブチュブチュッ❤︎ ぷッぢゃァーーーッ❤︎❤︎❤︎


 鼻輪を下賜されたミミは、即座に解体所へと連れて行かれた。

 幾つもの洗浄工程を経た褐色肌の少女は、ウキウキとした足取りで解体台へと横たわり、


ごりゅごりゅごりゅごりゅごぐぢゅッ❤︎ ぢゅぎぢゅぎぢゅぎぎぢィッ❤︎


「ぎあ゛❤︎ あ゛ッ❤︎ あ゛、あ゛、あ゛ッ❤︎ なぐなッぢゃゥッ❤︎ やった❤︎ 本当に足なぐだッぢゃう゛❤︎ あ゛❤︎ あ゛ひッ❤︎ ぎッ❤︎ う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーーーーイグイグイ゛ッッッぎお゛お゛お゛お゛お゛お゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ビュッ❤︎ どばっビューーーッ❤︎❤︎❤︎


 声を張り上げ、汁を撒き散らし、史上の幸福に包まれ、絶頂していた。


「あ゛ッ❤︎ あ゛ひ❤︎ か、身体軽いッ❤︎ イ゛ひ❤︎ くッ❤︎ いぎヒッ❤︎ あげられたッ❤︎ ミミの大事なモノッ❤︎ ちゃんと差し上げられたんだッ❤︎ あ゛❤︎ あ゛はッ❤︎ じあわぢぇ゛ッ❤︎ ぎゅヒ❤︎ ぶヒッ❤︎ プぎゅヒィいッ❤︎❤︎❤︎」


にゅぢ❤︎ にぢゅぐ❤︎ ぢゅぷッ❤︎ ぢゅぷッ❤︎ ぬぢょぬぢょぬぢょぬぢょぐぢぢぢょぉッ❤︎❤︎❤︎


 片手は早々に大鉈で切り落とされた。

 むっちりとした太ももは、歯の荒いノコギリで、時間をかけて切除された。

 麻酔は勿論ない。

 ブタに苦痛なんて概念はないし……麻酔が混じると、肉が不味くなるからだ。

 ミミは四肢が一つ一つ欠けていく感覚に狂乱の声をあげていた。

 歓喜に狂い、必死に残った手で、股間を掻き回していた。

 乳房を振り乱し、汁を垂れ流し、最期の瞬間を瑞々しく彩っていた。


「み、ミミッ❤︎ ミミ❤︎ 凄い顔ッ❤︎ 鼻輪、すっごくエッチで似合ってるゥッ❤︎ ぐちゃぐちゃトロトロで❤︎ とっても可愛いッ❤︎ き、気持ちイイの……ッ? ソレッ❤︎ そんなに潮吹きして❤︎ き、気持ちイイのねミミッ❤︎」


ぢゅく❤︎ にぢゅぐッ❤︎ ぢゅち❤︎ ぢゅちぢゅちぐぢゅッぢぃッ❤︎


(ああ❤︎ ああっ❤︎ 無くなっちゃう❤︎ ミミがどんどん小さくなっていく❤︎ どんどんミミが……肉になっちゃうっ❤︎)


 ミミのアクメ潮噴きを顔面に浴びながら、サクラは少女のイき様を見ていた。

 びちゃびちゃと絶え間なく吹き散る雌汁が、暴風雨のようにサクラの顔に降りかかり続ける。

 しかしサクラは瞬きもしない。

 そんな暇はない。


「あ❤︎ ミミ❤︎ 嬉しそう❤︎ あんなに激しいオナニーしてッ❤︎ ぷにぷにのおまんこ❤︎ 必死にぐちゃつかせてる❤︎ 私と話している時だって、あんなに可愛くてエッチな顔してなかったのにッ❤︎ そんなになの……? ミミ❤︎ ブタってそんなに幸せなのっ!?」


くぢゅッ❤︎ ぐごぢゅ❤︎ ぢゅっぷぢゅっぷ❤︎ ぬぢゅぶ❤︎ にぢゅにぢゅにぢゅぐッ❤︎❤︎❤︎


 ミミが必死に生を謳歌しているのだ。

 その解体の様を見ると約束したのだ。

 ミミが……精一杯眩しくイきているのだ。

 一瞬だって目を離すことはできない。

 こんなにも美しい光景を瞼で遮るくらいなら、今すぐ瞼を切り落としてしまったっていい。


(切られて嬉しいんだ❤︎ 無くして幸せなんだ❤︎ 肉に慣れて……気持ちイイんだッ❤︎ お、女の子って❤︎ あんな顔して喜べるんだ❤︎ 雄のために、あんなに❤︎ 綺麗でエッチで❤︎ 可愛くなれるんだ……ッ❤︎)


 片手と両足を失ったミミは、最後の手でオナニーに狂う。

 ブタ生の最終段階。

 これまでミミが生きてきた道がもうすぐ終わる。

 終わり、ニンゲンたちに捧げられる。


「ふきィ゛ィ゛ィ゛〜〜〜〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎ に゛ヒッ❤︎ にッげんしゃばッ❤︎ あい゛がどぉ゛ござィ゛あずッ❤︎ ミミに幸せくれでぇッ❤︎ いぎゅッ❤︎ くヒぉ゛ぉ゛ぉ゛❤︎❤︎❤︎ おマンズリとまんない゛でじゅっ❤︎ 頭パーっでなっえ゛❤︎ も゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛嬉しぃ゛ぃ゛ぃ゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


にぐぢゅ❤︎ ぐぢぢッ❤︎ ぢゅごぢゅッご❤︎ ずりゅずりゅずりゅゥッ❤︎❤︎❤︎


「はァッ❤︎ お゛❤︎ ミミっ❤︎ ミミきもちよさそぉ……ッ❤︎ はォ❤︎ よ、よかったねミミっ❤︎ 幸せでっ❤︎ ミミぃっ❤︎❤︎❤︎」


ぷぢょッ❤︎ ぬぢゅぐ❤︎ ぢぷッ❤︎ ぢゅぢビュッ❤︎ ぬぢゅぬぢゅぬぢゅッ❤︎❤︎❤︎


 粘っこいオナニー音は一つではない。

 ミミに合わせるように、サクラも。

 足元に水溜りを作るほどにサカりあげる。


(どのくらいッ❤︎ どのくらいでミミになれるのッ❤︎ 私が食べたブタたちの笑顔は……幸福はッ❤︎ どれくらい……ッ❤︎ どんな刺激で……私はミミの幸せを感じられるのっ❤︎❤︎❤︎)


「ふゥ゛ーーーッ❤︎ ンッ❤︎ ふぐ❤︎ ぉ゛お゛お゛っ❤︎ おゥ゛ふっ❤︎ ぐ❤︎ ンぐふ❤︎ ふッ❤︎ ぐゥ゛う゛お゛ッ❤︎ ほォ゛❤︎ ンッ❤︎ う゛う゛う゛〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


 頭が熱く燃え上がる。

 全身が、かつてない程に引き締まる。

 無様に痙攣し、唸り声をあげ、今絶頂に届き……


ぐち❤︎ ぶぢぶぢぎゅぶぢッ❤︎ ゴリゴリゴリゴリゴリィ゛ッ❤︎


「ブギイ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」

「ヒッ❤︎」


 届きかけたところで、ミミの腕切断アクメ声に全てがリセットされた。


「あ゛ぎぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛イググイグイグイグイグッ❤︎❤︎❤︎ 肉になっぢゃう゛ッ❤︎ 全部ブタ肉にだりゅッ❤︎❤︎❤︎ うぎぎぎぎぎぎッ❤︎❤︎❤︎ ぐギュぅ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ❤︎ ぎおぢッ❤︎ めずぶだアクメずごい゛ッ❤︎ いぎゅッ❤︎❤︎❤︎ イぎゅぁ゛ぁ゛お゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ごりゅごりゅごりゅ❤︎ ぎぢゅぎぢゅ❤︎ づぐりゅッ❤︎


ぶどびゅッ❤︎❤︎❤︎ びゅばッ❤︎ ぶッびゅぁーーーッ❤︎❤︎❤︎


「あぇ……ッ❤︎ あ❤︎ あ……ッ❤︎」


 顔面に降り注ぐ、ミミ最大の甘露水。

 ピリピリと脳に伝わる、ミミの絶頂。

 サクラの、自らの手でまさぐったオナニー「如き」、簡単に塗りつぶしてしまう程の衝撃。


(イキ潮、降りかかっただけ、でッ❤︎ 私のオナイキ、止めちゃう❤︎ そんなっ❤︎ そんな絶頂って……ッ❤︎ ブタはみんな……そんなアクメを感じて、し、死ねるって、こと?)


 サクラの手は止まっていた。

 これ以上、サクラがどれだけ必死に股間をかき混ぜようと、決して満足できないと分かってしまった。


ぱちゃ❤︎ ぴちゃッ❤︎ ぷしゃぁぁぁぁッ❤︎❤︎❤︎


「あッ❤︎ れぁッ❤︎ はむ❤︎ ふちゅるッ❤︎ れる……ンじゅれゥッ❤︎❤︎❤︎」


 顔にかかったミミの汁を舐め取る方が、よっぽどマシだ。

 そこに詰め込まれた中毒的な快感は、サクラだけの力では何年頑張っても到達できない。


(これが❤︎ ブタの幸福ッ❤︎ ニンゲンに飼われて❤︎ 喰われてッ❤︎ でも……私じゃ絶対に届かない快感を得ながら死んでいける……ッ❤︎)


「はッ❤︎ はッ❤︎ はッ❤︎ はきヒッ❤︎ はひ❤︎ はひ❤︎ はひ❤︎ ひッ❤︎ ひッ❤︎ ひ❤︎ ひ❤︎ イひッ❤︎ きギュひッ❤︎ き……ッひ❤︎ ひ❤︎ ひ❤︎」


 四肢を失い、達磨状態のミミ。

 仰向けになったまま、己の乳房に束縛されて転がることすらできていない。

 しかし笑顔が途切れることはない。

 今、ミミは絶頂の真っただ中にいるのだ。

 小刻みに震える小さな身体は絶え間なくアクメを繰り返す。

 ぴゅッぴゅッ❤︎ と可愛らしく汁気を噴く陰唇は赤く火照り、残った旨味を子宮に集約させている。


(こんなに、幸せに……生きられて、死んでいける……なんて……もしかして……)


 ミミの命の炎を眺め、サクラの中にとある疑問が浮かぶ。


(この星の文化の方が、私はもっと幸せに……)


 答えが導き出される直前、


「ぐッ❤︎ ぐのずぞぅ❤︎ ざぁッ❤︎ ざくら……ざぁッ❤︎」

「ッ!」


 ミミの口がグノスソスと……サクラを呼んだ。


「どぉぞッ❤︎ お❤︎ おめしあがりッ❤︎ ぐぁざィッ❤︎❤︎❤︎」


だかンッ❤︎❤︎❤︎


 瞬間、鉈が振り下ろされた。


「ぎゃ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ばぶぢゅッ❤︎❤︎❤︎


「あ❤︎」


 サクラの顔に、今宵最高にして最期の水しぶきが飛んだ。

 ミミの全てが伝わった。


◆


「……佐殿……ヒノモト少佐殿!」

「ッ! は❤︎ はッ❤︎ はッ❤︎ は……ぁ……」


 作業員に肩を揺らされ、サクラは我に返った。

 解体所は静寂に包まれていた。

 作業台や壁、床などの清掃が始まっており、サクラも座っていた場所からどくようにと指示される。


(ミミは……!)


 見れば、壁際にミミだった肉の「残り」が並んでいた。

 ミミの肉は既に調理場へと運ばれ、大部分は今日の料理にされるはず。

 少女が望んだとおり、その肉は多くのニンゲンたちを喜ばせるだろう。

 少女が残した肉が、次の世代のニンゲンたちを育てるのだろう。


(ミミ。それでも、私は貴女ともっと……)


 話したかった。

 一緒に居て欲しかった。

 笑顔を見て、声を聞いて、近くにいて欲しかった。


(ミミもそうだったでしょう? でも、その願いよりも、「もっと」だったのでしょう?)


 もう、どこに行ってもミミはいない。

 あの心を癒す少女は、この世界のどこを探しても、見つけることはできないのだ。

 ブタとして役目を全うし、幸福の中に死んでいったミミ。


 それでもサクラは、人間として、彼女の生を望んでいた。


「ヒノモト少佐殿」


 と、作業員の一人が駆け寄って来る。

 手には大きな花束のような包み。


「こちら、グノスソス大臣殿からお渡しするようにと仰せつかっておりました」


 こんな時に何を、とは思ったが。

 サクラは黙って荷物を受け取る。

 ずっしりと、見た目以上に重たいソレは……


◆


「ミミッ❤︎ ミミ❤︎ ミミィッ❤︎ ふぐしゅッ❤︎ ンふぢゅぅッ❤︎ 悪い子……ほんッと悪い子ッ❤︎ ふぅぅぅッ❤︎ ンッふすぅぅぅッ❤︎ 悪い子の癖にッ❤︎ なんてイイ匂いぃッ❤︎❤︎❤︎」


クチュクチュッ❤︎ ずりゅ❤︎ ぬぢゅッ❤︎ ぬぢゅッ❤︎ ぬぢゅッぬぢゅッ❤︎❤︎❤︎


 その日の夜。

 サクラは一睡もできなかった。

 ベッドに裸で寝転がり、グノスソスからの贈り物を抱きしめて、必死に悦びを貪っていた。


「ンふッ❤︎ ふゥ❤︎ は❤︎ は❤︎ はぁッ❤︎ ミミッ❤︎ れぢゅッ❤︎ ふれゥッ❤︎ れりゅ❤︎ ンふりゅッ❤︎ ミミぃッ❤︎ おっきぃっ❤︎ わ、私よりっ❤︎ 太かったんだぁっ❤︎❤︎❤︎」


ぬ゛り❤︎ ぬ゛り❤︎ ぬ゛り゛ゅぃッ❤︎ ちゅず❤︎ ちゅず❤︎ ぐぢゅずッ❤︎❤︎❤︎


 全身で「ミミ」にしがみつき、濡れ蜜壺を懸命に擦り付けていた。

 グノスソスが「ニンゲン同士友好の証」にと贈られた……ミミの太ももの塊肉。

 大きく、太く、厚く、柔らかい。

 ミミが遺した生きた証。

 ミミが努力の末に得た結果。


「れふりゅ❤︎ ンッちゅ❤︎ あ、甘ぁ~いッ❤︎ こんなに甘くなるなんてッ❤︎ それにすべすべ❤︎ 毛の一本もないっ❤︎ なんでよッ❤︎ 私なんか毎日何時間かけてケアしてると思ってるのッ❤︎ ふゥッ❤︎ ふゥッ❤︎ ミミぃっ❤︎ ナニしたらこんなにエッチな太ももになれるのォッ❤︎❤︎❤︎」


 サクラはそれにしがみつき、すべすべの肌に頬ずりする。

 焼いてもいないのに芳しい香気を放つミミの空気を肺いっぱいに吸い込む。

 肉汁が解けて染み出す断面に舌を這わせ、口に広がるミミの甘みに脳を焼く。


「はぇァッ❤︎ ミミ❤︎ もうッ❤︎ もう放さないッ❤︎ ンふッ❤︎ く……ふゥ❤︎ ふゥ゛ぉ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅッ❤︎❤︎❤︎


 肉から感じるミミの気配で思い出を何度もループさせ、蜜壺をこねくり回すのだ。


「ミミッ❤︎」


 細くて小さな足を舐める。

 愛らしいミミの笑顔が思い浮かぶ。


「ミミどうしてぇッ❤︎」


 どこまでも沈んでいきそうな太ももを唇で食む。

 ぴっとりと、妹のようにくっついてくるミミの感触が思い出される。


「はッ❤︎ はァッ❤︎ なんでッ❤︎ なんで❤︎ なん……でぇッ❤︎❤︎❤︎」


 断面から香り立つミミの気配をまた吸い込む。

 そして、それらよりもくっきりと脳裏に焼き付き離れない、ミミ最期の数時間の光景が駆け巡る。


「なんでッ❤︎ なんでなんでッ❤︎ ミミ……「ばっかり」ッ❤︎ 私だってっ❤︎ 私だって幸せなのにッ❤︎ なんでミミばっかり幸せなのぉッ❤︎❤︎❤︎」


 ぽろりと零れた嫉妬の感情。

 嘘偽りのない、サクラという雌が、ミミという雌に感じた、嫉妬。

 ミミという雌がたどり着いた幸福への、嫉妬。


「王家に生れてっ❤︎ 宇宙軍に入って❤︎ 少佐にまでなってぇッ❤︎ 部下もいっぱいできてっ❤︎ 素敵な恋人だっているっ❤︎ あと2年もすればっ❤︎ あの薄汚い豚共を追い出して私が幹部になれるっ❤︎ 幸せっ❤︎ 全部持ってて……幸せ❤︎ なの、にぃッ❤︎」


くちくちくちくちぐぢゅぢッ❤︎❤︎❤︎


「くふゥ゛ゥ゛ゥ゛~~~~~~ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 激しいマンズリ。

 ぴんと肉を震わせるサクラ。

 だが、求める快楽は得られない。


「何が違うのぉッ❤︎ ブタに生れて❤︎ 食べられるために生きてっ❤︎ ニンゲンに食べられたあなたの方が……なんでこんなにエッチで可愛くてッ❤︎ 幸せなのぉッ❤︎ なんでッ❤︎ 美味しくて気持ちイイのぉッ❤︎ ふゥ゛❤︎ ふゥ゛ッ❤︎ わかんないッ❤︎ ミミ❤︎ おしえてぇッ❤︎ 私も幸せになりたいのぉぉぉッ❤︎❤︎❤︎」


 塊肉はしっとりとサクラの股間を受け止めるだけ。

 腰をいくら叩きつけても、肉を食んでも、舐めても吸っても、サクラが得られるのはミミの幸福の残り香ばかり。

 答えは帰ってこない。


「ねぇミミッ❤︎ 教えてよミミぃっ❤︎ ブタって幸せなんでしょ❤︎ 笑顔で、気持ちよくてっ❤︎ 胸がどきどきしてあんなにエッチな顔ができるんでしょ❤︎ ニンゲンと何が違うのっ❤︎ 私は……なんでミミみたいに気持ちよくなれないのぉッ❤︎ ふゥ❤︎ ふゥッ❤︎ なんでッ❤︎ なんでッ❤︎ わかんないのぉぉぉッ❤︎❤︎❤︎」


 静かな夜が明け、窓の向こうが明るくなってくる。

 シーツはバケツをひっくり返したように濡れ、その中央で絡み合うサクラも塊肉も、余すところなくサクラ汁に塗れていた。

 それでも、サクラは腰を止められない。

 答えのない問いかけを止められない。


「なんでっ❤︎ 私を置いて行っちゃったのっ❤︎ 私も一緒に……い、っしょにっ❤︎」


 だが。


「い、っしょ……?」


 一晩寝ずに問い続け、サクラは。


「そうだ……」


 答えに続くかもしれない道を、見出した。


◆ ◆ ◆


「ブタの文化体験、ですか……ふぅむ成程」

「皆様のおかげで、マイノ・タウロの文化の特徴に興味が出てきました。より……より深く、ブタという存在に触れたいと、思います」


 サクラの客間に現れたグノスソス。

 新たな世話係のブタを連れてきた彼に、サクラは一つの提案を申し出た。


「私をブタとして、他のブタと同じ生活環境を提供していただけませんか?」


どッ❤︎ どッ❤︎ どッ❤︎ ど……ッ❤︎


(言ったっ❤︎ 言ってしまった……っ❤︎ でも❤︎ でも……これが正解、かもしれないの❤︎ 私がミミのような幸福を手に入れる方法は……これしかっ❤︎)


 寝ずに悩んで出した結論。

 それは、サクラがニンゲン側でいる限り答えは出ないと言うこと。

 太ももを抱き、舐め、触れ合うように……ブタという概念をその身で感じなければ理解には至らない。

 ブタの幸せは、ブタにならなければ得られない。


「よろしいのですかな? ブタとなればこれまで通りの……」

「ヒノモト・サクラ・ヴィクトリアの名に懸けて、今の要求一言一句に誤解や言い間違いがなかったことを保証致します」

「ふむ……」


 あくまでグノスソスは紳士的だった。

 サクラに繰り返し撤回の機会を与える。

 だが、サクラには後戻りなんて選択肢はない。


(知りたいっ❤︎ 知りたい知りたい知りたいッ❤︎ ブタの幸せっ❤︎ 私が人間のままじゃ届かない幸せっ❤︎ どんなモノなのか……知りたいッ❤︎❤︎❤︎)


 一端に触れてしまっただけで、身が砕けるような快感だった。

 ブタになれば、その本流に飛び込めるかもしれない。

 後ろを振り返っている暇などなかった。


「正直な話、貴女のような美しい女性、真剣な交際を申し込みたいと思っていたのですが……ブタになってしまわれれば、叶いませんね」


 サクラの固い決意を前に、グノスソスは遂に肩を落とした。

 そして、「承知いたしました」と呟くのだった。


◆


ぢ、ぢぢぢぢ……がぢゃッ!


「っし、これで、取れませんぞ!」

「ッ❤︎」


 飛び散る熱い火花が止まる。

 ずっしりと、冷たく重たい感覚が首元に落ちる。

 ブタがブタであることを証明する、溶接された鉄の首輪。

 それすなわち人権を喪失した証。


(この重み……❤︎ わ、私が失うことになる……人権の、重み❤︎)


くぢゅ❤︎


 鏡に映る裸の自分。

 既にサクラの衣類は剥ぎ取られ、一糸まとわぬ黒髪の美少女が在るだけだ。


 ミミとは比べることすらおこがましい88センチの「貧乳」。

 これまでは大きい方だと思っていたが、マイノ・タウロでは100センチを下回るバストなど存在し無いも同然だと思い知らされた。

 細くくびれた54センチの腰回り。

 細さで言えば他のブタよりもよっぽどスリム……だが、余りに無駄を削ぎ落し過ぎて思わず「美味しくなさそう」と思ってしまう。

 そして、何より自慢だった100センチのヒップから、柔らかくラインを描く太もも。

 軍服を改造までして見せつけていたその肉も、こうして見ればまだまだ「硬い」と感じてしまう。


 そんな……貧相なブタが首輪をつけられ、鏡の前に立っている。

 服を失い、今立場を失おうとしている自分が、蕩けそうな笑顔でこちらを見ている。

 それを理解するだけで、蜜壺が狂ったように熱くなる。


「この先、ブタ小屋となります。ヒノモト少佐殿はこれより、貴重な黄ブタとして登録され、肥育を受けることとなります……体験とは言っても、他の白ブタと全く同じ対応をさせていただきます」


 肥育所の職員たちと並び、グノスソスが最後の確認に口を開いた。

 職員が古びた金属の戸を開ける。

 思わずむせかえりそうな雌の臭いが立ち込めた。

 扉の向こうは薄暗く、その先にナニがあるのか、まるで見通せない。

 ニンゲンの世界とは隔絶された、ブタの世界だ。


「今ならば、宇宙連盟からいらっしゃった大切な客人として、お部屋にお戻りになられることも可能です」


 最終警告。

 これが、本当に、最後の機会。

 だが、

 サクラは、首の重みを感じながら、ブタ小屋へ向かって足を踏み出した。


ぺた、ぺた、ぺた


(私は……し、幸せになりたいっ❤︎ 私の知らない、私が持っていないブタの幸せを知りたいッ❤︎ 例え……)


ぺた……ぎ、ぃ……ッ


(例え、それ以外の全てを失っても……)


 湿った板が足裏を受け止める。

 あのむせかえる雌臭が柔肌を包み込む。

 雌の臭い……だけじゃない。


ぞわ❤︎ ゾクゾクゾクッ❤︎


 肥溜めに頭から突っ込んだかのような。

 汗も、雌汁も、糞尿も……血や肉の臭いまでもが、空間全体に何重にも塗り重ねられていた。

 もっとも、一番濃く香るのは肉を揺さぶるようなメスブタのフェロモンだったが。


「~~~ッ❤︎」


 ふと、サクラの理性が赤信号を灯した。

 子宮の震えが背骨を伝い、燻る脳に到達する。


(あ……ここッ❤︎ 来ちゃダメな所……❤︎)


「あの、やっぱり……」


 振り返れば、背後にはいつの間にかグノスソスが立っていた。


「え」


ヒュンッ!


 何かが空を切る音。

 グノスソスの太い腕が、一瞬視界から消える。


だぱァンッ❤︎❤︎❤︎


「ぎッ❤︎❤︎❤︎」


 衝撃。

 サクラの身体が宙に浮き、


「ぶぎゃァッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 あっという間に数メートル先へと転がった。

 雌臭い煙が立ち上り、少し遅れて、尻肉にじくじく❤︎ と熱い痺れが染み込んでくる。


「ふぎッ❤︎ ぷッぎぉ゛ぉ゛ぉ゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


ぷしょ❤︎ ブショッ❤︎ びゅぶばッ❤︎ ぶじゃーーーッ❤︎❤︎❤︎


 何が起きたのか、まったく理解できなかった。

 分かることは、尻肉に今まで感じたことのない感覚があること。

 それが途方もなく気持ち良くて、焼け焦げた脳がまた火花を散らして、


「あォ゛❤︎ ブギョッ❤︎ お゛❤︎ イグッ❤︎ イ゛ッぎゅ❤︎ ンぎゅぁ゛ぉ゛ーーーッ❤︎❤︎❤︎」


ジョバ❤︎ ぶじゃッ❤︎ ばぢゃばぢゃばぢゃッ❤︎❤︎❤︎


 サクラはイくことしかできなくなっていること。

 じんじんと尻に響く衝撃一つ一つが、これまでのサクラを破壊する程の快感を産んでいること。


(えっ❤︎ すご❤︎ すっっっご❤︎ 何これッ❤︎ まだブタになって1分も経ってないっ❤︎ なのに凄いッ❤︎ ブタすごッ❤︎ イクッ❤︎ ブタ自覚してイぐゥゥゥッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎)


 床に転がり蹲り、サクラは雌汁をすぷりんくらーのように噴き散らす。

 だがこれで終わりではない。


「クソブタが……いつまでニンゲン様と同じ目線でいるつもりだ、ぁ?」

「ッ❤︎」


ぞわ❤︎


 背後から声。

 鼓膜に張りを突きさすような、ドスの聞いた雄々しい声。

 殺意の籠った、雄の声。

 さっきまで絶頂に狂っていたのに、声を聞くだけで、サクラの意識は雄へと向かう。


「チンタラ潮吹いてンじゃねえぞゴミブタァッ! とっとと小屋に入れやボケッ!」


 初めて聞く、グノスソスの罵声。

 サクラの身体を叩きつけ、押し潰さんと圧迫して来る。


どふッ❤︎


「ぎヒャッ❤︎」


 再びの衝撃。

 グノスソスの蹄がサクラの乳房にめり込み、波打たせる。


「肥料にしかならねえよぉなガリガリの骨ブタがよォ!」


 ごぢゅンッ❤︎


「ぎヒュッ❤︎ お゛ッ❤︎ お゛ッ❤︎ お゛ッ❤︎ ぎゅぉ゛ぉ゛ぉ゛~~~~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


 再び尻に深い衝撃。

 肉を易々食いちぎれるグノスソスのパワーが、サクラの血肉に響き渡る。


「ちょッ❤︎ 待っ……そんなに一気に……❤︎」

「ブタがニンゲン様の言葉ァ喋ってんじゃねェッ!」

「ひィッ❤︎」


びゅッ❤︎ ブチャ❤︎ ビチャビチャビチャぁッ❤︎❤︎❤︎


 罵声を浴びせられただけで、快感が肉の底まで浸透する。

 ぶるぶると、自分の身体がブタであることに喜んでいる。


「とっとと歩けヒョロガリぃッ! でなきゃ今すぐ磨り潰して畑にブチ込むぞォッ!」


バチッ❤︎ ベヂィんッ❤︎❤︎❤︎


「あ゛ひッ❤︎ ごッ❤︎ ごめんな……ぁッ❤︎ ブヒッ❤︎ ブヒュブヒュッ❤︎ ぷぎィ~ッ❤︎」


 降り注ぐ声、叩きつけられる平手、それらが語る。

 グノスソスが嘘を言っていないと伝わってくる。

 このままサクラが蹲っていたら、本当にミンチになって、畑の肥料にされてしまう。


(そ……んなの嫌ッ❤︎)


「ひゃぎッ❤︎ は❤︎ はひッ❤︎ はひィッ❤︎❤︎❤ ブゴッ❤︎ ぶきょォッ❤︎ ンぎゅぉッ❤︎︎」


 よたよたもたもたと起き上がり、アクメしたがる肉を震わせ、サクラは四つん這いで歩き出す。

 命じられたわけではない。

 ただ、腰が抜けて立てないだけ。

 だが、


(あれ……この視界……なんだろう……すっごく……合うっ❤︎ わ、私、この低い視界がすごく❤︎ ハマるっ❤︎)


 どこか安心できる。

 両足で立ち、ヒールで身長を補強し、舐められまいと胸を張り、男たちを見下していたあの頃よりも。


「オラもっと急げや」

「はひッ❤︎ はヒュひッ❤︎ ぶひ❤︎ ぶひッ❤︎ ぶきひぃッ❤︎❤︎❤︎」


(あッ❤︎ すご❤︎ 命令すっごい脳に響くッ❤︎ これ従っちゃう❤︎ なんでッ❤︎ ブタだから? わ、私がメスブタだからこうなのッ!? 力で従わされるのすっごい気持ちイイッ❤︎)


 乳房をだぽだぽと弾ませ、青あざが浮かぶ尻肉をふり、サクラはブタ小屋の奥へと向かう今の方が。

 サクラは何か、自分の中でカチっと収まりの良い気持ちになっていた。


(こ……ここからっ❤︎ 始まるんだ❤︎ わたしのブタたいけ)


「おッせェんだよトロクソッ!」


ばぢィィィんッ❤︎❤︎❤︎


「ンぎゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ォ゛ッ❤︎ イグッ❤︎ イグ❤︎ イグゥ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 サクラのブタ生活は、こうして尻肉を引っ叩かれながらの潮噴射から始まった。


◆ ◆ ◆


「ん……ふ、ぁ……ッ❤︎」


 窓から差し込む冷えた空気。

 遠くから聞こえる小鳥のさえずり。

 サクラはそれらに引かれるように、瞼を空けた。

 外はまだ暗く、空には星が見えていた。

 周囲からはスゥスゥと、穏やかな寝息が聞こえてくる。


「ン……ふァ……ぁ、ぁ、ぁ……ッ❤︎」


 サクラは左右から迫る柔らかな感触を楽しみながら、ゆったりと伸びをして、


がらッ!


「オラァいつまで寝転がってやがるクソブタ共ォッ!」


ばぢぃぃぃンッ❤︎❤︎❤︎


「はぎゃァッ❤︎❤︎❤︎ お゛ッ❤︎ イぐッ❤︎ イ゛ッぎゅゥゥゥーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 牧場主に尻を叩かれ、朝一番のアクメに喉を震わせた。


「あ゛❤︎ あ゛ひッ❤︎ お゛❤︎ お゛ッ❤︎ イクッイクッイクッイクゥ゛ゥ゛ゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


ぷぢょ❤︎ ぶッしゃァーーーッ❤︎❤︎❤︎


(あ゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎ 朝からッ❤︎ 朝から本気イキッ❤︎ のぉみそッ❤︎ 溶けるぅ゛ぅ゛ぅ゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎ きッもぢィィィ~~~ッ❤︎❤︎❤︎)


 じんじんと、引っ叩かれた尻を震わせ、メスブタサクラは覚醒する。


ばぢんッ❤︎


「はぎょェッ❤︎」


ベヂンッ❤︎


「ふギャォッ❤︎」

「いい加減狸寝入りしてねぇで自分で起きろやボケ共ッ❤︎ 叩かれたがって雌汁垂れてんのバレてっからなァッ!」


ばぢぃぃぃンッ❤︎❤︎❤︎


「ぶぎゃぁぁぁッ❤︎❤︎❤︎」


 すし詰め状態で眠っていたブタたちが、一匹一匹叩き起こされ、絶叫と絶頂が広がっていく。


(ああ……みんな❤︎ 幸せそぉ~ッ❤︎)


 サクラはそんな、喉が引き攣れるような声を聞きながら、


「ふゥ゛ーッ❤︎ ふゥ゛ーッ❤︎ お゛❤︎ また乾いちゃったッ❤︎ おまんこッ❤︎ ずっと濡らしたいのにィ゛ッ❤︎ ふ❤︎ ふゥ゛ッ❤︎ ぐ❤︎ ふぎょゥ゛❤︎ ンぎょッ❤︎ お゛❤︎ お゛❤︎ お゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


 己の股間を……おまんこ肉をかき回す。

 気絶直前に吹き散らした雌汁は、とっくに乾いてしまっていた。

 それではいけないと、起き抜け潮吹きで濡れたおまんこに指を突っ込み、ジョップジョップ❤︎ とオナり倒す。


「テメェらみたいなオナってイくだけのゴミブタでもなァッ! くたばりゃ旨い肉になれるんだッ! ニンゲン様に感謝しながらオナりやがれェッ!」

「「「はぁ~~~いッ❤︎」」」


 甘くドロつく雌たちの返事。

 サクラがかつては唾棄する程に嫌っていた、雄に媚びつく娼婦の声色。

 だが今、サクラの声も、メスブタたちと一緒に口から飛び出していた。


(ブタッ❤︎ ブタだものッ❤︎ 私はブタ❤︎ ニンゲン様に……い、いつかッ❤︎)


ぐっちょぐっちょぐっちょぐっちょ❤︎❤︎❤︎


「ぶぎょォ゛ッ❤︎ これしゅッご❤︎ もぉそォオナニーぎも゛ぢぃぃぃッ❤︎ ブギョッ❤︎ ブヒョォッ❤︎ イグ❤︎ 失くす妄想でイグッ❤︎ おまんこキュンキュンきもッぢぃ~~~ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ぷじょ❤︎ どばびゅッ❤︎ ぶぢゃぶぢゃぶッッッぢゃぁ~~~ッ❤︎❤︎❤︎


 四方八方から、メスブタの嬌声が飛んでくる。

 誰のかもわからない、焼けるように甘いイキ汁が降りかかる。

 前後左右から、分厚いメスブタの肉が迫って来る。

 そしてサクラも、それらに負けじと声を上げ、汁を噴き、肉を震わせる。

 こうしてメスブタの一日は、騒がしく始まるのだ。


◆


 サクラすら見惚れる美しくも柔らかいブタの肉は、メスホルモンの過剰な分泌によって作られる。

 ホルモンが出れば出るだけ、肉は美味な霜降りへと変化し、芳しい芳香を獲得する。

 メスブタたちには、いかにして「出荷」の日までに強いホルモン分泌を維持するかが求められるのだ。


「ぶヒュひッ❤︎ ンゴ❤︎ ぷごォッ❤︎ ぶぎょォ~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


(あ❤︎ このお尻すご❤︎ ほっぺがどんどん沈んでいくっ❤︎ 欲しい❤︎ こぉんなエロケツッ❤︎ 私もッ❤︎)


 顔に押し当てられる、白く柔らかな誰かの尻肉。


ばちゃばちゃばちゃッ❤︎


「ふぎィッ❤︎❤︎❤︎」


(あっつ❤︎ 誰っ❤︎ 今そんなにエッチな潮吹きしたブタッ❤︎❤︎❤︎ 朝っぱらからどんだけニンゲン様に食われたがってんの❤︎ ムカつくッ❤︎ わ、私の方がもっとエッチに潮吹きできるしぃッ❤︎❤︎❤︎)


 顔面に降り注ぐ、どこかの誰かのアクメ汁。


ぐちぐちぐちぐちッ❤︎ ぶぢゅぐ❤︎ ぬ゛ぢょぐッ❤︎ ぐぢょぐぢょぐぢょッ❤︎❤︎❤︎


「あ゛ぇお゛ッ❤︎ お゛❤︎ お゛ほッ❤︎ ほォ゛ォ゛ォ゛~~~イグイグイグイグッ❤︎❤︎❤︎ ンぎゅゥ゛ゥ゛ゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


(ほらッ❤︎ ほら聞け❤︎ 私のブタ声聞いて発情しろブタ共ッ❤︎ 声までメスホルモンで旨味たっぷりな肉ブタのぶっさいくなオホ声おすそ分けしてやるぅッ❤︎❤︎❤︎)


 サクラは負けじと、両手を使って応戦する。

 乳首を千切らんばかりに引っ張って、溢れる雌汁をかき分けて、おまんこを奥まで虐め潰す。


 ぎゅうぎゅうに詰め込まれた状態で飼育されることで、ブタたちは互いのホルモンに影響を与え合う。

 日がな一日、ニンゲン様を想う気持ちをエネルギーにオナニーする。

 互いのエロさに嫉妬し合い、より強く激しい絶頂を求め続ける。

 そうして快楽中枢を刺激して、メスホルモンが垂れ流される状態を維持するのだ。


「あ゛ォ゛ッ❤︎ イクッ❤︎ イクッ❤︎ イクイクイクッ❤︎❤︎❤︎ でちゃうッ❤︎ いっぱい雌汁出してイ……ッ❤︎❤︎❤︎」

「やる気あんのかブタ共ォッ!」


ドゴォッ!


「ごェぁッ❤︎❤︎❤︎」


 仰け反りアクメに達しようとしたその瞬間。

 一周回って来た牧場主が、サクラの腹に拳をめり込ませた。


「ギョぁお゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ヒ❤︎ お゛ヒッ❤︎ ほぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 逆くの字からくの字へと、サクラの胴体が一気に180度折れ曲がる。

 そのまま軽く吹き飛ばされて、他のブタたちの柔らかな脂肪に突っ込んだ。


「ぶォ゛❤︎ ごッ❤︎ びゅごォ゛ォ゛ォ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ビューーーッ❤︎❤︎❤︎ ぼぢょばッ❤︎ ぶぢょッ❤︎ ぶぢょッ❤︎ ぶッしゃァァァーーーッ❤︎❤︎❤︎


 子宮がぐちゃり❤︎ と握りつぶされるような「快感」で。

 サクラはそのまま肉噴水と化す。


「まだ寝ぼけてンのかァ!? 甘っちょろい声出しで良い肉になれると思うなよボケ共ッ! もっと腹からニンゲン様に媚びろやァッ!」


 牧場主は声を張り上げ、側にいたブタの頬を引っ叩く。

 続いて足元のブタを蹴り上げ、手近な尻に平手を振り下ろす。

 ギャクタイではない。

 物理的に叩くことで、筋繊維がほぐれ、脂肪が均一に広がっていく。


「はぎょォ゛ォ゛ォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ほッ❤︎ ぶッぎゅォッ❤︎ ンご❤︎ ブフッ❤︎ ぐぎゅふゥッ❤︎❤︎❤︎」


 毎日全身が真っ赤になるほどビンタされ殴打され、ブタたちは甘く蕩ける肉質を獲得するのだ。


じゅわ❤︎❤︎❤︎


(あ……❤︎ あァッ❤︎ きた❤︎ きたきたきたきたッ❤︎ でてキたッ❤︎ 気持ちイイの出たぁッ❤︎❤︎❤︎)


 やがて、中枢神経が本格的に決壊を始める。

 ありとあらゆる刺激が完全に絶頂とリンクして、ニンゲンから与えられる「全て」が絶頂へと導くトリガーになる。


「こッ❤︎ こォヒュ❤︎ くヒュ❤︎ おぎッ❤︎ く❤︎ くコヒュ❤︎ ヒュ❤︎ ヒュ……ッ❤︎ ぎぅ゛ぅ゛ぅ゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


(い、息詰まっ❤︎ イきすぎてッ❤︎ 息でぎな゛ッ❤︎ し、し、しにそッ❤︎ しにそォなの気もぢッ❤︎ 殴られたトコすっごい熱くてッ❤︎ またイぐぅぅぅッ❤︎❤︎❤︎)


 腹への殴打とブタたちの肉による圧迫で、サクラの口には酸素がほとんど入らない。

 だがそれが「イイ」になる。

 ニンゲンを起点とした刺激は全て絶頂に繋がる。

 すなわち、このブタ小屋で起こる全てが絶頂なのだ。


「ぐヒョ❤︎ お゛ッ❤︎ ふ❤︎ ふぎッ❤︎ んぎぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」

「ブヒブヒうるせえッ!」


ばぢんッ❤︎❤︎❤︎


「フギャンッ❤︎❤︎❤︎ イグッ❤︎ ブタッ❤︎ イグーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 朝から晩までオナニーし、叩かれ怒鳴られ、心身両面から肉を柔らかく解される。

 頭の中までメスホルモンでいっぱいにし、己の肉が食べられる瞬間を妄想しながらイき狂う。

 就寝時間などは存在しない。

 意識がある限り、ブタたちはオナニーを繰り返し、その身をアクメとメスホルモンで満たし続ける。

 手首がくたびれ、過度な刺激に脳がショートし、意識を保てなくなったところで一日が終わる。

 そして、アクメする夢を見ながら朝を待つのだ。


 この星に来た直後は、食事の瞬間にしか感じられなかったあの感覚。

 ブタの肉を食した時にだけ伝わって来た幸福感。

 今、サクラはそれに包まれ続けていた。

 周囲から伝わってくる幸福に自らも溶け込む。


 ブタになって早一か月。

 サクラはブタの幸福を少しずつ手に入れつつあった。

 サクラは止まることなく、肉へと向かって突っ走っていた。

 その道すがら、数々のモノを手放しながら。


「おい」

「ひぎァッ❤︎ は、はひ❤︎ はひぃ……!?」


 繰り返される日々の中。

 サクラは髪を力いっぱい引っ張られ、牧場主に呼び出された。


「お客様がお見えだ」

「おきゃ……?」


◆


「元気そうじゃないか「サクラ」。1ヶ月で大分育ったんじゃないか?」

「ええ、珍種と聞いて身構えておりましたが……これが中々従順で。早々に乳が100センチを超えましたし、尻も110センチを記録しております」


 牧場主に引かれて向かった先は、懐かしき柔らかなカーペットが広がる客間だった。

 「ご苦労」と、お客様は牧場主に金を渡し、下がらせる。

 広く静かな空間に、彼とサクラが向かい合う。


「……ッ❤︎ は❤︎ はへッ❤︎ ブヒ❤︎ ブヒィッ❤︎」

「今は言葉を喋っても良いぞ」

「ッはいっ❤︎ お、おひさしぶりですッ❤︎ グノスソス様ァッ❤︎」


 二人、いや一人と一頭は、1ヶ月ぶりの再会を果たした。


◆


「以前は鋭く尖った傲慢な女だったが……ぐゥ゛ふッ! 随分とブタらしく磨かれたじゃないか」

「あァッ❤︎ あ、あの頃はッ❤︎ 大変失礼いたしましたッ❤︎ メスブタの分際で自分をニンゲン様と同格だなんて思い込んでェッ❤︎ ぐ、グノスソス様に何度もォ❤︎ 醜態を晒してしまいましたァっ❤︎」


 カーペットに押し倒されたサクラの身体を、グノスソスの手が這いずる。

 この1ヶ月で柔らかく育った乳房は、太ももは、尻は、雄の手に触れられ握られ、幸福感で弾け飛びそうだ。


(あ……ッ❤︎ 手おっきい❤︎ こんな手で殴られたらッ❤︎ 私なんか軽く吹っ飛んじゃうッ❤︎ こ、この手で締められたらァっ❤︎ 抵抗できない❤︎ 死んじゃうっ❤︎ 無様な声あげてイき死んじゃうぅうッ❤︎❤︎❤︎)


 たった1ヶ月。

 しかし濃密な1ヶ月だった。

 サクラは既に、その精神性をメスブタに相応しいモノへと置換されつつあった。

 ブタとしての振る舞い、在り方を徹底的に心身に叩き込まれた。

 そして、それすらも悦びとして吸収した。

 その結果、グノスソスという雄に抱きしめられて、あまりの幸福に全身から汁を噴きあげ盛っていた。


「少し早いと思ったが……味見には丁度良い塩梅じゃないか」

「え❤︎」


どゥンッ❤︎


「あ……あェッ❤︎ おちッ❤︎ お゛ぢぃ゛ッ❤︎❤︎❤︎ お゛ぉ゛ぉ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


プショッ❤︎ ビュ❤︎ ぷぢゃァッ❤︎


 サクラはチンポを見せつけられただけで、


(おッ❤︎ おっき❤︎ これがおチンポッ❤︎ ニンゲン様のッ❤︎ おッ❤︎ おッ❤︎ 太❤︎ デカッ❤︎ びくびく❤︎ 震えて……ッ❤︎❤︎❤︎)


じょぱッ❤︎ ぶっビューーーッ❤︎❤︎❤︎


「か……ッこィィ〜〜〜〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


 犬のように腹を見せ、カーペットにメス汁をぶちまける。


「はははっ! 短期間でコレとはな。所詮、白だろうが黄だろうが、同じブタの遺伝子か……」


 グノスソスのそれは、おおよそ30センチ。

 デカくはあるが、ホモサピエンスと比べても「結構大きい」くらいのモノ。

 未知のサイズ、不気味な造形のチンポに、サクラが屈服しているのではない。


(お❤︎ おチンポッ❤︎ おチンポぉッ❤︎ 「みんな」が言ってたッ❤︎ チンポ、気持ちイイって❤︎ ニンゲン様のチンポで❤︎ ブタはもっと美味しく可愛くなれるッてぇっ❤︎❤︎❤︎)


 サクラの脳が、認識が、雄に服従する悦びに満ちていた。

 あれだけ雄を嫌い、女性を好んでいたサクラ。

 女性を恋人とし、使用人にすら恋心を抱くレズッ気のあったサクラ。

 そんな彼女でさえ、


「へはッ❤︎ あハ❤︎ えへはッ❤︎ くらさィッ❤︎ 男らしいイケメン過ぎチンポくださぃッ❤︎ サクラのおまんこッ❤︎ お味見くださいィッ❤︎」


 この一か月という日々が、典型的なマゾメスブタ思考へと変えてしまった。


 それこそが、この肥育方法の真骨頂。

 前提など関係ない。

 ブタ小屋に詰め込まれれば、神だろうが悪魔だろうが、雌である限りブタになるしか道はない。

 ブタ小屋で与えられる刺激は全て、ブタの幸福とニンゲンへの崇拝に繋がっている。

 ここで過ごせば過ごしただけ、思考は塗り替わり、肉体はブタへと近付いていく。

 ありとあらゆる刺激からマゾブタの快感を流し込み、服従こをそ悦びとする食肉ブタへと変え果てるのだ。


◆


どヅブンッ❤︎❤︎❤︎


「ギャォほッ❤︎❤︎❤︎」


ブジャァァァッ❤︎❤︎❤︎ びゅばッ❤︎ びぢゃぢゃぢゃぢゃッ❤︎❤︎❤︎


 通常、食用のブタたちは生涯をあの小屋で過ごし、食されるその日に初めて連れ出される。

 だが、サクラが過ごすあの牧場はグノスソスの持ち物。

 マイノ・タウロでも珍しい「獣姦」趣味を持つ動物愛護者であるグノスソスの所有。

 ニッチな趣味ではあるが……それがブタたちの肥育促進につながっている側面もある。


だばンッ❤︎


「あ゛ッ❤︎」


ばぢゅ❤︎ ばぢゅ❤︎ ばぢゅンッ❤︎❤︎❤︎


「あ゛ォお゛ッ❤︎ お゛❤︎ ほッごおォ゛❤︎ ンぎょ❤︎ ふぎぉお゛お゛お゛ッ❤︎❤︎❤︎」


(イッ❤︎ いッ❤︎ きなり゛ッ❤︎ 奥❤︎ おまんこ奥ッ❤︎ 子宮どつかれてる゛ッ❤︎❤︎❤︎ ち、チンポふとッ❤︎ 長ッ❤︎ 私のおまんこッ❤︎ 秒で堕ちちゃったぁッ❤︎❤︎❤︎)


 四つん這いで、背後から犯されるサクラ。

 処女だった。

 ブタたちの意思を通してでしか、子宮を揺らしたことはなかった。

 それだけでも、毎度意識をトばしかける程の快感だった。

 が、


「これは中々ッ! 処女ブタにしては生意気な締りじゃないかッ! 偉ぶっていたが、さては生粋のマゾブタだな?」


ごぢゅ❤︎ ぢゅだばッ❤︎ だばッ❤︎ ぶだぼンッ❤︎


「ひぎゃぁ゛ッ❤︎ あぎゃッ❤︎ お゛❤︎ お゛ッ❤︎ お゛ッ❤︎ おギョォ゛ッ❤︎ イぎゅ❤︎ イぐッ❤︎ イグイグイグイグイグウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


びゅッ❤︎ びゅーーーッ❤︎ ばびゅ❤︎ ぶびゃッ❤︎ ぷじゃぁぁぁッ❤︎❤︎❤︎


 所詮は想像と雑魚オナニーで感じるだけのウブな子宮。

 焼きごてのような熱いチンポで全力殴打されようものなら、これまでの快感なんて一瞬で無に帰する。


ばぢゃンッ❤︎❤︎❤︎


びき❤︎


「きびィ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


(あれ)


 その衝撃は、子宮だけでは到底受け止めきれない。


ドヂッ❤︎ グチンッ❤︎


ぱキョ❤︎


「あ゛ォ゛ほッ❤︎❤︎❤︎」


(イッ❤︎ いま、何か……弾け……?)


 手綱のように髪を引かれ、腹にボコ❤︎ とチンポを浮かせ、サクラは激しいピストンをその身に受ける。


ドチ❤︎ ドヂ❤︎ ごぢゅ❤︎ グヂンッ❤︎❤︎❤︎


パキャ❤︎ ピキきッ❤︎ プチ❤︎ ピッギャ❤︎


「がヒッ❤︎ ぎッ❤︎ ウ゛ぎゅァ❤︎ きァ゛ぁあッ❤︎❤︎❤︎」


(なんかパチパチッ❤︎ 何❤︎ 頭のなかッ❤︎ 火花トんで……?)


 小刻みに響く脳内の衝撃に、微かな疑問と莫大な絶頂を感じながら。

 少しずつ、壊れていく。


じゅく……じく❤︎ じく❤︎ じゅぐ……ッ❤︎


 爆発的な快感は、サクラの脳にとっては爆発そのものだった。

 神経が耐えきれずに焼き切れる。

 替えの利かない大事な脳細胞が、ピストンごとにぷちゅん❤︎ ぱちゅん❤︎ と弾けトぶ。

 大事な記憶が、その都度少しずつ、削れていく。


パンッ❤︎ パンッ❤︎ パンッ❤︎ パンッ❤︎


「あぢゅッ❤︎ ん゛ぁお゛ッ❤︎ イグッ❤︎ イ゛ッ❤︎ ぎゅひィ゛ッ❤︎ い、イってもとまンなッ❤︎ あ

゛ぁ゛あ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 仕事のこと、軍のこと、家族のこと、国のこと、自分のこと、宇宙船の操縦方法、銃の使い方、ページのめくり方、フォークの持ち方、歩き方、言葉の選び方、時計の読み方、挨拶の意味、1+1の答え……。

 消えていく。

 忘れるのではなく、消えていく。

 その情報を保存した脳細胞ごと、サクラの脳から消えていく。

 その代わり、


「は❤︎ はぎヒッ❤︎ ひ❤︎ ひァ❤︎ あ゛❤︎ あ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


(しゅご……ッ❤︎ どんどん……お❤︎ おッきくなる❤︎ どんどんッ❤︎ しあわぜッ❤︎ いっぱィイ゛ッ❤︎❤︎❤︎)


びゅば❤︎ ぶッじゃァーーーッ❤︎❤︎❤︎


 濃縮されていく。

 小さく貧弱に萎んでいくサクラの脳に残された……ブタの幸せが、ニンゲンへの狂信的な崇拝が、濃く強くなっていく。

 ブタがどうして幸せなのか。

 ブタがどうしてニンゲンに狂気的に屈服しているのか。

 答えは簡単。

 「それ以外の全てがないから」。


「まッ、締りはイイが……肉付きはまだまだ、だなッ!」


バチンッ❤︎❤︎❤︎


「あ゛ァッ❤︎❤︎❤︎」


 グノスソスの手が、軟尻に振り下ろされる。


ごりゅンッ❤︎ ずパンッ❤︎ べぢィイッ❤︎❤︎❤︎


「お゛ェッ❤︎❤︎❤︎ ぎゅほァ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ひぎァア゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 平手で、時に拳で、渾身の力で肉を殴打し、芯まで柔らかく上質な肥育を促進させる。

 子宮を嬲り、メスホルモンの分泌を促し、肉体を嬲り、メスホルモンの吸収成長を促す。

 効率的な肥育手順だ。


(きッ❤︎ きびょぢッ❤︎ おぢりイぐッ❤︎ イぎゅ❤︎ イ゛ッ❤︎ イ゛ッ❤︎ イぐ❤︎ イぐッ❤︎ いぎゅーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎)


 サクラはもう、殴打されて絶頂する己の身体に、なんの疑問も持たない。

 持つことがないのだ。

 「ない」のだから。


ごりゅ❤︎


「ぎゅふァ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 チンポで子宮をプレスされ、脳細胞がまたぷちぷちと潰れる。


ごりゅゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎


「はぎゃァンッ❤︎❤︎❤︎」


 太ももに拳をめり込まされ、思わずイキ汁を噴射する。

 何も不思議ではない。

 何もおかしなところはない。


「お前「は」時間に余裕があるが……早いに越したことはないだろう」


 グノスソスが尻を撫でる。

 真っ赤に腫れて感度が上がったサクラの肌は、撫でられるだけでも愛撫のような刺激を感じる。


「とっとと育って……旨いブタになれよォッ!」


ドビュッ!


「あッ❤︎❤︎❤︎」


 子宮に子種を注がれようモノならば。


ビュルビュルビュルッ! ドビュルルルルルルッ!


「あ゛ひッ❤︎ ぎ❤︎ うきぁッ❤︎ あ゛❤︎ お゛ァ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ぷちぷちぷちぢゅッ❤︎ ぱちゅ❤︎ ぷちキッ❤︎ パチュン❤︎ ぱちぱちッ❤︎ びぢッ❤︎


「アぎゃホッ❤︎ う゛❤︎ ぐゥキャォ゛❤︎ こボペッ❤︎ へぎ❤︎ い゛❤︎ い゛❤︎ いぎィ゛ィ゛ィ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 脳は立ちどころに溶け崩れ、最小限のブタを残して死滅する。

ばぢゃ❤︎ びぢゃびぢゃびぢゃ❤︎ ぷッぢゃァーーーッ❤︎❤︎❤︎


(じ❤︎ あわぜッ❤︎ ブタ❤︎ きぉぢぃぃぃッ❤︎ ニンゲン様ッ❤︎ しゅご❤︎ 神ッ❤︎ かみしゃばッ❤︎)


 縮んだ脳は、残った思考をぐるぐると繰り返す。

 繰り返し繰り返し、小さな脳でも決して忘れないように、焼き印のように刻み付ける。


(ニンゲン様しゅぎッ❤︎ 食べられりゅ❤︎ おいしぐッ❤︎ お肉ささげりゅ゛ッ❤︎❤︎❤︎)


 焼け焦げ、意識をトばすその瞬間まで、サクラの思考はそれ一色だった。


どぢゃッ❤︎


「あ゛ヒッ❤︎ ぉ゛❤︎ ォ゛ぎょ❤︎ ッぐ❤︎ ィぎゅッ❤︎ イ゛ッ❤︎ ィッ❤︎ ィ゛ゥ゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎」

「ふぅぅぅ~~~ッ! これは、期待十分だな」


 コキ捨てられ、カーペットに転がるサクラ。

 その顔には、いつかサクラが憧れた、満開の笑顔が浮かんでいた。


「そろそろ……「ご報告」できそうだな」


 白目を向いたサクラへと、小さくそんな言葉が零れ落ちた。

 勿論、今のサクラの脳みそなんかでは、理解することはできなかったが。


◆


「おい餌だぞォ! ぐちゃぐちゃオナってないでとっとと集まれやブタ共ォッ!」


 気付けば、サクラは再びブタ小屋に投げ込まれていた。

 朦朧とした意識の中でオナニーをして、目を覚ましてはチンポの記憶でオナニーをした。

 そうして絶頂に塗れ、疲弊してきたところ。

 給餌が始まった。


どちゃどぢゃどぢゃァッ!


 エサ台となるエリアの天井が開き、何かが大量に降って来る。

 床に散らばるモノは、かつてのサクラから見れば、到底食糧とはみなせないものばかり。

 粗末な穀物の粉に、解体されたブタの残骸や肉骨粉、ニンゲンたちの残飯や……糞尿が混ざった餌。


「あへッ❤︎ はへェ❤︎ れぢゅ❤︎ ぐちゅッ❤︎ はむぢゅ❤︎」

「ぢゅる❤︎ はぐ❤︎ ふぁぐッ❤︎ はぐッふむぅッ❤︎」


 だが、ブタにとってはご馳走だ。

 栄養満点、腹にも溜まり、食用に「なれた」レベルのブタたちが分泌したメスホルモンがたっぷり詰まっている。

 ニンゲンたちの排泄物も「そう」だ。

 むしろブタにとってはご馳走扱い。

 メスホルモンが濃縮されたニンゲンの糞はブタの本能が「食え」と叫ぶほど。


ぼたッ❤︎ ぼとぼと……❤︎


「プギィィィッ❤︎」

「ぐひゅぉ❤︎ フゴッ❤︎ ぶぐほぉおッ❤︎」

「おい喧嘩すんな! 怪我すっぞバカ共ッ!」


 餌の後に時折落ちてくるのは……ほかほかの糞。

 餌場の上はニンゲンたちのトイレになっている。

 彼らの排泄物は、そのまま餌としてブタに提供されるのだ。

 他の餌と混ざっていない糞便は、ブタからすれば濃厚なドラッグにも等しい。

 普段は温厚で喧嘩などしないブタすらも、互いを押しのけてまでかぶりつきたいモノとなる。


 1日6回。

 繰り返し繰り返しこれらを貪り、オナニーの糧とするのだ。

 勿論、サクラも他のブタと肩をすり寄せ、床に散らばる餌を犬食いする。


ぷちゅ❤︎ ぷちぱちィッ❤︎


「イぎ❤︎ ぴッきォ゛❤︎ お゛……?」


(ありぇ❤︎ 今❤︎ またぱちぱち?)


 共食いにより、その脳は更に委縮する。

 大切な知能を削ぎ落し、マゾ快楽が本能として据え代わり、バカで従順な家畜脳となる。


(ま❤︎ いっか❤︎ ぱちぱち気持ちイイし❤︎)


 己の頭蓋で起こる異常事態を軽く流し、サクラは再び餌山に顔を埋めた。

 口に入るモノは全てかみ砕き、飲み込んでいく。


(おいしい❤︎ 美味しいっ❤︎ ブタの肉美味しいっ❤︎ 食べちゃダメなのに美味し……い……?)


 食べる口を止め、サクラはまた思案する。

 縮んだ脳に残った欠片をじっと見る。


(あれ、なんでダメなんだっけ? だってこんなに美味しいのに❤︎ 美味しく食べられたら嬉しいし❤︎ 美味しくなくなっちゃったら意味ないし❤︎ ニンゲン様だって喜んでくださるしっ❤︎ いいことばっかり❤︎ なんで肉にしたらダメって思ったんだろう……変なの❤︎)


 が、欠片如きでは何も生まれない。


「はぐぢゅ❤︎ あむ❤︎ ぐまぅッ❤︎ はぐむぅッ❤︎」


 時間を無駄にするまいと、サクラは再び咀嚼を始めた。

 その在り方から、生き物としての根柢から、常識が覆されているのだが、それを理解する脳はもうないのだ。


「おい」

「ひぎぁッ❤︎」


 再び牧場主が髪を引く。


「お前の餌はこっちだ」


 この1か月で初めて、サクラは別室へと連れて行かれる。

 そこはサクラ以外にブタのいない、狭く小さな部屋だった。

 天井には餌場同様の穴が開いていて、そこから灯りが漏れていた。


 訳も分からず立ち尽くすサクラの目の前に、


どちゃッ


「え」


 巨大な塊が降って来た。

 大きな大きな、固まり。

 黒ずんでいて、丸っこく、独特の芳しい香りが空間に満ちる。


「あッ❤︎」


 それは巨大な大便だった。

 上でニンゲンがだしたばかりの巨大な便塊が、サクラの目の前に降って来たのだ。


(流石にうんこを直接なんて)


 それは、この1か月を経ても尚、サクラに残された生き物としての防衛反応だった。

 既に「餌と混ざっていれば大丈夫」というラインは踏み越えているのだが……ともかく、未だに食便を経験したことはなかった。

 なかった、のだが。


「え……❤︎ 何これ……❤︎ しっとり、じゅわって❤︎ なんでじゅるッ❤︎ こんなに濃い臭い❤︎」


 ソレは違った。

 ソレは、サクラの乏しくなった知識の棚では表現しようのないモノだった。

 しっとり濡れたソレは熟成濃縮されたブタ肉の塊だ。

 ニンゲンの体内で旨味とホルモンを何頭分も凝縮させた、まるで空想上の天界の食物。


 ほんの数秒前まで顔をしかめていたのに、


「すゥ……ふッ❤︎ ぎひァッ❤︎❤︎❤︎」


 サクラはソレに鼻を近づけ、濃厚な香りを吸い込んでいた。


ぱぢゅ❤︎ ぶちぢゅ❤︎ ぱぢ❤︎ パチチチッ❤︎


「お゛❤︎ ぎゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ぎゅッ❤︎ ォ゛ォ゛ォ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 電気ショックを浴びたかのように。

 サクラはその場で硬直アクメ。

 地面を潮吹きで軽くえぐり、大便に向かって土下座するかのように蹲る。


(これッ❤︎ これしゅご❤︎ 濃いッ❤︎ 美味しいのすごく濃いッ❤︎ イくッ❤︎ 臭いだけでイくッ❤︎ イくッ❤︎ またイッ❤︎ イ……ッ❤︎)


 視界がチラつく。

 急速に脳細胞が死滅して、意識をまともに保てなくなる。


「へァ❤︎ あ……❤︎」


 朦朧としたサクラを引っ張るのは、マゾメスブタの本能だ。

 便の臭いに引っ張られ、よだれを垂らして顔を上げる。

 見開いたサクラの目には、地面に優雅に横たわる、瑞々しい果実が映っていた。


「はぐぢゅッ❤︎ がふ❤︎ ふがふぅッ❤︎ あぐ❤︎ あぐぉッ❤︎ むがッ❤︎ がふッ❤︎ がふッ❤︎ ふッ❤︎ う゛う゛う゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎」


ぴぢゃぴぢゃぴぢゃッ❤︎ ぶぢゃ❤︎ びッしゃァーーーッ❤︎❤︎❤︎


 思考なんてない。

 ただ「美味しそう」だから「美味しく食べた」、それだけ。

 それだけで、サクラは顔を突っ込んだ。


 麻薬のように快楽物質が濃縮された未知なる果実を、サクラはわき目もふらずに貪り食う。

 あまりの旨味に唾液腺が弾ける。

 脳や鼻の血管が千切れ、トロリと鮮血が垂れてくる。

 縮んだ脳の隙間へと、ドロドロと快楽が流れ込み、残った脳を更に淫らに汚染する。


「はぎゅぐ❤︎ んがぅッ❤︎ はぐ❤︎ はふぐ❤︎ んぐ❤︎ あがぅ❤︎ れぢゅッ❤︎ ぢゅるるッ❤︎ がふッ❤︎ がふッ❤︎ ふがふぅッ❤︎❤︎❤︎」


ぷぢょッ❤︎ びぢょばぢゃぢゃぢゃッ❤︎ びゅばッ❤︎ だびゅぉぉぉッ❤︎❤︎❤︎


 狂ったように潮吹きを繰り返し、サクラはそれでも口を止めない。

 目を見開き、四つん這いの犬食いで、巨大な塊をみるみる喉に流し込む。

 

 3キロを優に超える塊を、床まで舐めて食べきるまで。

 サクラが口とアクメを途切れさせることはなかった。


◆


「ぴちゃ❤︎ れぢゃぁッ❤︎ んりゅれ❤︎ ふりゅぇ❤︎ んれぅぅぅッ❤︎」


 3度目の食事が終わった後、簡単なバイタルチェックと作業手伝いが課せられる。


「いつまで舐めてんだノロマァッ! オラてめェから入れ!」


 シックスナインの体勢で、サクラと身体を舐め合っていたメスブタが、髪を引っ張られて検査室へと連れていかれる。

 すると、するりと他のブタが現れ、サクラのおまんこを舐め始める。


「ん❤︎ ふぢゅ❤︎ んりゅろぉッ❤︎」


 サクラもそれに答えるように、相手の身体を舐め回す。

 餌や糞尿に塗れたままで過ごすのが当たり前のブタたちだが、この瞬間ばかりはニンゲン様の前にでるため「おめかし」をするのだ。


「れぁ❤︎ ちゅぶりゅ❤︎ ん゛❤︎ ふぢゅッ❤︎ くォ゛❤︎ イクッ❤︎ イクゥゥゥッ❤︎❤︎❤︎」


ぷッしゃぁぁぁッ❤︎❤︎❤︎


 汚れを舐め取り、潮吹きをかけあい、できる限り美しく「美味しそう」な姿でバイタルチェックに臨むのだ。

 何故ならば……「選ばれる」かもしれないから。


「よくきけオナニー狂いのクズブタ共ッ! ニンゲン様からの大事な大事なお達しだぞ!」


 全てのブタがチェックされた後、牧場主から「通達」が入る。


「そこのお前! 今夜の「鼻輪付き」だ!」

「……ッ❤︎」


 その日の夕食に「選ばれた」のは、サクラの隣にいたブタだった。

 入った時から隣同士で、毎日並んで餌を貪り、シックスナインで互いの臭いが染み込む程にまさぐり合ったメスブタだった。


「は……はぎゃひッ❤︎ ひ❤︎ いヒッ❤︎ あいがどォ゛ございあずッ❤︎ こッ❤︎ こぉえッ❤︎ えへ❤︎ えへへッ❤︎ やた❤︎ やったぁッ❤︎」


ぷじゃッ❤︎ びちゃびちゃびちゃぁッ❤︎


 彼女は指を指された瞬間、興奮のあまり潮吹き絶頂をキめた。

 周囲のブタたちも、嫉妬と羨望が入り混じった笑顔でオナりだし、ぶちゃぶちゃと彼女に祝福の潮吹きをぶっかける。


「はヒッ❤︎ あ❤︎ しゅごッ❤︎ いいなぁッ❤︎ た、食べッ❤︎ 食べてもらえるんだッ❤︎」


くぢゅくぢゅくぢゅッ❤︎ びゅぶぢゃッ❤︎ ぷッじょぉーーーッ❤︎❤︎❤︎


 勿論、サクラも潮をかけるブタの一頭だった。

 彼女の肉質は隣にいたサクラがよく知っている。

 きめ細やかで柔らかく、しかし確かな弾力を持った旨そうな肉。

 彼女なら、必ずやA5評価を得られるだろうと確信していた。


「はぁッ❤︎ はぁあッ❤︎ おめでとッ❤︎ おめでとぉッ❤︎ わ、わたしもッ❤︎ わたしもいつか……ッ❤︎ イグッ❤︎ わたしも肉になってッ❤︎ イグゥッ❤︎❤︎❤︎」


 だからこそ嬉しかったし、悔しかった。

 自分がまだ、食われるに値しないクズブタでしかない事実に。

 自分の手でまんこをかき回すしか慰める手段がないことに。


◆


ぎごッ❤︎ ぎッ❤︎ ぎご❤︎ ぎご❤︎ ぎごッ❤︎


「いぎ❤︎ ひッ❤︎ くひぃいッ❤︎ イぐッ❤︎ あ゛あ゛あ゛イグッ❤︎ イグ❤︎ イ゛ッぐぅぅぅぅぅぅッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ぷッしゃぁぁぁぁぁぁッ❤︎❤︎❤︎


「……ッ❤︎」


びゅ❤︎ ぷびゅッ❤︎ ばちゃ❤︎ びちゃびちゃッ❤︎


 解体所には一つの嬌声と二つの汁音が鳴り響く。

 一つはどちらも、解体されるメスブタ歓喜のアクメが産む音。

 残った汁音は、


(凄い脂ッ❤︎ こんなに綺麗に霜降りができてる……ッ❤︎ こ、こんなの絶対美味しいッ❤︎ 匂い嗅ぐだけでイきそぉッ❤︎❤︎❤︎)


 のこぎりを動かすサクラのものだ。

 ブタ体験の一環として、サクラはブタの解体にも駆り出された。

 今朝まですぐ隣で寝て起きて、ついさっきまで身体をまさぐり合ったメスブタの足を、


ゴリゴリゴリゴリッ❤︎❤︎❤︎ ぶぢゅぢッ❤︎


「ンぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛イグッ❤︎ イグイグイグッ❤︎❤︎❤︎ ンイ゛ッぎゅゥ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 サクラの手で切り落とす。

 輝くような霜降りの断面に見惚れつつ、全身に響くブタ声に愛撫され、サクラの股間はまた濡れる。


(声すごッ❤︎ 声だけでッ❤︎ おまんこ感じちゃうッ❤︎ 幸せ、伝わってくる……この子のブタ生ッ❤︎ 幸福ばっかりだって伝わってくるッ❤︎)


 エヘエヘ❤︎ と絶命の際でもイき続けるメスブタを間近で観察するサクラ。

 その脳が考えるのは、


(やっぱり……間違っていなかったっ❤︎ ニンゲン様は、メスブタの趣向を理解して「こう」してくださっているんだ❤︎)


 このシステムの頂点に座す、豚頭のニンゲンへの、崇拝だった。


(こんなに綺麗な顔で死ねて、身体はニンゲン様に美味しく食べていただけるなんて……メスブタとして至上の幸福じゃない❤︎ こんなシステムを作り上げてくださったニンゲン様ってどれだけ偉大なの❤︎ オナ狂いのメスブタにたっくさん幸せを与えてくださるニンゲン様ッ❤︎ この宇宙で誰よりもメスの事を考えてくださっている存在❤︎❤︎❤︎)


「えへ❤︎ えへへッ❤︎」


がりゅごりゅ❤︎ みぢぎ❤︎ ぐりょ❤︎ ごりごりごりゅりッ❤︎


 メスブタの笑顔に共鳴するように、サクラもまた笑い出す。

 己がそうした「素晴らしいシステム」の中に組み込まれていることに甘い汁を垂れ流し、必死にブタの腕を切り落とす。


「やはり、頃合だな」


 そんなサクラを静かに観察する、グノスソス。

 「あとは任せる」と牧場主に一言残し、静かに部屋を後にする。

  牧場を出て、屋敷と帰る道すがら、懐から取り出したのは小さな携帯端末。


「あ……ご無沙汰しております中将殿」


◆ ◆ ◆


「んふーッ❤︎ ふぢゅ❤︎ ンふぅぅぅッ❤︎ るじゅぞぼ❤︎ んぼりゅ❤︎ ぢゅれぉッ❤︎ はぐぉ❤︎ んごッ❤︎ ほぐ❤︎ ほぐ❤︎ お゛ごぼぶッ❤︎❤︎❤︎」

「コイツを入れてから、何ヶ月だったかな?」

「ええと……もうすぐ半年になりますかな。半年! いやはや、たった半年でコレとは……」


 グノスソスと牧場主が他愛無い会話に花を咲かせている。

 二人が言うように、サクラは半年もの間、メスブタとしてその身を費やしてきた。

 肉と精神の両面を、徹底的ななぶり殺しのような肥育調教で見事なメスブタへと再形成した。

 今やサクラはデカ乳デカ尻、全身霜降り肉の完璧な家畜だ。


「はぐぢゅ❤︎ むぢゅるるるッ❤︎ ぢゅほ❤︎ ふぢゅろッ❤︎ れりゅ❤︎ ぶぢゅりゅッ❤︎」

「スリーサイズは……おお、141センチ、69センチ、131センチか! 乳の方が大分小さいものだから心配していたが、コレは黄ブタの特性なのか?」

「どうでしょう……「前の」もなかなかの肥育速度でしたからな。天然モノの特性かもしれません」


 昨日取ったバイタルデータを眺め、グフグフと笑い合うニンゲンたち。

 サクラはその後ろで、


「ぷはァッ❤︎ グノスソス様ッ❤︎ 肉便器のお食事、大変美味しゅうございましたぁッ❤︎ ほ、本日はお食事中に75回アクメしてッ❤︎ 69回潮吹きしましたッ❤︎❤︎❤︎」


 グノスソスの尻から顔をあげ、笑顔で「食事」の報告を叫んだ。


「これよりお掃除をさせてイただきますッ❤︎ んぢゅれッ❤︎ れりゅぅぅぅ〜〜〜ッ❤︎ ぢゅろ❤︎ ンぢゅッ❤︎ むふぢゅッ❤︎ ンれあぁぉ〜〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


 そう言って再びアナルに口を押し付けて、舌で肛門を舐め回す。

 グノスソスの最近の趣味だった。

 他のブタのように排泄した便を食わせるどころか、直接便を与え、ダイレクトに貪らせる文字通りの肉便器。


「それか……大臣殿のおかげでしょうかな」

「んろぉ〜ッ❤︎ ぢゅれぉッ❤︎ ちゅぶ❤︎ ンぢゅッふ❤︎ れるッ❤︎ れるッ❤︎ ぢゅれぅッ❤︎❤︎❤︎」


 牧場主が呆れる中、サクラは一心不乱にアナルを綺麗に舐め続けた。


 初めてその命令をされた時のサクラは……もはや説明など不要だろう。

 あまりの感激で潮吹き絶頂を晒し、上からは涎と涙、下からはアクメ汁の大洪水。

 まるで祈りを捧げるかのように、正座し、両手を胸の前で組み、聖水でも賜るかのように涙を流して糞を貪った。

 その様子を気に入られ、この数ヶ月は延々と肉便器仕事に従事していた。


 栄養と中毒性たっぷりの肉糞を腹一杯に食べ、毎日気絶するまでオナニーし、叩かれ、嬲られ、イきまくり……サクラは見事に完成していた。


「ぢゅふあッ❤︎ グノスソス様❤︎ アナルのお掃除、させていただきましたっ❤︎ 本日も、ご馳走さまでしたぁっ❤︎」


 尻穴を舐め取り、感謝を口にする。

 そこには何の躊躇いもない。

 そう言うのが当然だし、言わないなんて選択肢はないとばかり。

 正座のまま、グノスソスの尻穴へと深々土下座をする。

 ぶにゅり❤︎ と140センチを超えた乳房が潰れ、甘い痺れにサクラはまたイった。


「顔を上げろ……「サクラ」」

「ひギュィ゛ッ❤︎❤︎❤︎ ふッぎィ゛ィ゛ィ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


プシッ❤︎ じょ❤︎ ぷぢょォーッ❤︎


 グノスソスに名前を呼ばれ、サクラはまたイった。

 顔を上げてグノスソスを正面から見つめ、


(わッ❤︎ ニンゲン様ちッかぁ~~~いッ❤︎❤︎❤︎)


 アイドルにウインクを貰ったファンのように、また即座に昇天した。


「今夜、惑星外からお客様がいらっしゃる」


 ぶしゃぶしゃと潮吹きを繰り返すサクラに、グノスソスは淡々と言い聞かせる。


「大変特別な御方だ……最上のおもてなしが必要なのだ」

「はいっ❤︎ はいっ❤︎」


 頭をぶんぶんと振るサクラ。

 だが、耳では聞こえていても頭では理解できていないだろう。

 縮まりきった脳みそでは、この程度の処理すら不可能だ。

 サクラが聞き取れることと言えばせいぜいが自分の名前と……


「その会食で、お前を「出す」ことにした」

「はいッ❤︎ かしこまりま……はェッ!?」


 肉の話題くらいだろう。


「お前に鼻輪を与える」

「はな……えっ❤︎」

「今夜だ」

「えっ❤︎」


 ニンゲンの客人として1週間、体験ブタとして半年、長らくマイノ・タウロに滞在していたサクラだ。

 この言葉の意味を、今更間違えるはずがない。


「は……えっ❤︎ え……ッ❤︎」


 ぽろりと、目じりから雫が零れ落ちた。


パチ❤︎ ヂヂパヂィッ❤︎


「ふ……ン゛ギャッ❤︎❤︎❤︎」


 脳が、一瞬にして圧縮された。


ガクッ❤︎ ガクガクガクガクゥッ❤︎


ブッシャァァァァァァーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎


 噴き出す快楽物質が、完成されたブタ肉ボディを震わせた。


ぶシッ❤︎


「あ……ッ❤︎ あひギャッ❤︎ ありがとうございますッ❤︎ こッ❤︎ こッ❤︎ 光栄でございまヒュゥ゛ッ❤︎❤︎❤︎」


 サクラは弾けるように鼻血を噴き、また崩れるように土下座した。


「こッ❤︎ こんな❤︎ 中途半端なメスブタ如きにッ❤︎ はッ❤︎ 鼻輪をご下賜くださるなんてェッ❤︎ か、感激ですゥッ❤︎ ッかはッ❤︎ は❤︎ はッ❤︎ はひッ❤︎ えぐッ❤︎ ふじゅすッ❤︎ う、嬉じぃッ❤︎ ですぅぅッ❤︎❤︎❤︎」


 涙を溢し、鼻血をすすり、サクラは額をカーペットに擦り付ける。


「異論はないか?」

「そんなッ❤︎」


 サクラの「そんな」は、「そんなのあるわけない」ではなく。

 「なんでそんな意味のない質問をするの」の方だ。

 メスブタたるもの、目標は須らく肉になり、食べていただくこと。

 体験中だろうが関係ない。

 黒だろうが白だろうが黄だろうが関係ない。


(む❤︎ むしろッ❤︎ 半端なブタの私を❤︎ 白ブタでない私をッ❤︎ 食べていただけるなんてぇッ❤︎ やっぱりグノスソス様は神のような御方ッ❤︎ こんなに懐の広い御方に飼っていただけたことが……幸せぇっ❤︎)


「こ、このッ❤︎ 黄ブタのサクラッ❤︎ 永遠の人間脱却をお誓い致しますッ❤︎」


 ずりずりと額を擦り付け、サクラは叫ぶ。


「今世のように❤︎ 半端なブタではなくッ❤︎ 来世、再来世、その先も永劫ッ❤︎ ブタとして生まれ、グノスソス様にお仕えしたく存じますッ❤︎」


 ニンゲンは来世もニンゲンとして生まれるというのがマイノ・タウロの思想だ。

 ならば。


「わたくしをッ❤︎ 真のブタにしてくださいませッ❤︎ どうか……このブタ肉ッ❤︎ 捧げさせてくださいませぇッ❤︎❤︎❤︎」


 サクラは、全てを捨て去ることに何のためらいもなかった。


◆ ◆ ◆


バチンッ❤︎


「ひぎゃァンッ❤︎」


 脳天に突き刺さるような衝撃。

 ガチンと、前歯に重たい金属が当たる。

 澄ましたサクラの鼻の穴に、巨大な鼻輪がぶら下がる。

 鉄の首輪を外されたサクラには、全メスブタ憧れの、食肉としての証が付けられた。


 鏡を見れば、そこには笑顔のブタがいた。


「あヘッ❤︎ はへェッ❤︎ すごッ❤︎ 鼻輪ッ本当に貰っちゃったぁッ❤︎」


 四つ足で這えば地面に擦れる豊満な乳肉。

 自慢だった太ももは更にデカく柔らかく、みっちりと肉を蓄えていた。

 そしてその耳には、


「えへ❤︎ えへへへッ❤︎」


 「A5+」と書かれたタグ。

 最高評価のA5を超える肉質であると太鼓判を押されたも同然。

 アスリートなら金メダル、ミスコンテストなら優勝トロフィー、メスブタならばA5評価だ。

 どんな皿にのっても恥ずかしくない、立派なメスブタ。

 鼻輪というエンゲージリングを付け、タグという婚姻届けを携え、


「いくぞ」

「はぁいッ❤︎」


 サクラは式場へと向かった。


◆


「ふギョッ❤︎ プゴッ❤︎ プゴッ❤︎ ブモォォォォォォ~~~~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


 部屋に入った直後、サクラは腹から唸り声を上げる。

 元気で健康で、美味しく育ったブタであることを、心の底からアピールする。


 そこは、あの日にサクラが客人として通された食卓だった。

 今度はサクラが食材として、客人へとふるまわれるのだ。


「このたびはッ❤︎ 卑きメスブタに鼻輪を御下賜くださりっ❤︎ 光栄でございますゥッ❤︎❤︎❤︎」


 鼻輪を揺らし、タグを見せつけるように顔をあげ、笑顔で叫ぶ。

 蹲踞の姿勢で客人とグノスソスに己の身体を見せつける。

 肥大化した乳、蹲踞しているのに床に降れそうなデカ尻、その先の尻穴には消化器官の洗浄完了を示す豚尾のアナルプラグが揺れている。

 この数か月乾いたことのないおまんこは、マンズリのし過ぎでつるつるのパイパンと化していた。

 ぐちょり❤︎ と濡れを輝かせ、出せる限りのメスフェロモンを放出させている。


「この身、この肉ッ❤︎ ニンゲン様の胃袋にて結ばれてッ❤︎ 星の糧と成る栄誉ッ❤︎ フーッ❤︎ ウォッ❤︎ イグッ❤︎ つッ、謹んでェ❤︎ お受けいたしますゥッ❤︎」


 サクラがあの日、困惑の中で聞いた言葉。

 アレは神にその身を捧げる誓いの言葉だった。

 ブタにとっては神にも等しい、ニンゲン様へ。

 文字通りにその身全てを捧げることを宣言する。


ぷしッ❤︎ じょ❤︎ ぷぢょォ~~~ッ❤︎❤︎❤︎


 あの日、白ブタがオナニーしたのも理解できる。

 こんなにも爽やかで熱い瞬間があっただろうか。

 己の肉の価値が示される瞬間だ。

 絶頂せずにはいられない。


「くくく……素晴らしいじゃないか」


 サクラを見て、客人は静かに拍手をくれた。

 またおまんこがきゅぅ❤︎ と痺れる。


「はいっ❤︎ ありがと……う……?」


 サクラは笑い、そして。

 初めて客人と目を合わせた。


「いやはや……長らく行方不明と聞いていたが……いつの間に転職していたのかね? ヒノモト少佐」


 でっぷりと太った醜い男。

 細めた瞼の奥から、金と女の輝きだけを探している下劣な目つき。

 ごてごてとこれみよがしに勲章をぶら下げ、はちきれそうな軍服を覆い尽くしている


 グラッドン・メリゲィン中将。

 サクラの宇宙軍の上司。

 サクラがこの星に来る直前に言い合いをしていた、贈収賄に塗れたエロジジイだ。


「くくく、話は聞いていたけれどね。まさか……ぐはッ! まさかこんなにも無様に落ちぶれていたとはッ! は! はははッ! メスブタか……よく、似合っているよッ! うっとおしい軍服よりよっぽど君に合っている!」


 頬肉を震わせ、手を叩いて笑うグラッドン中将。


 サクラはもはや懐かしさすら覚えるクソ上司を見て、次に愛しのご主人様であるグノスソスを見た。


「中将殿直々のご依頼だ。マイノ・タウロを訪れる偉ぶったメスブタたちに己の立場を教えて欲しいとな」


 サクラはグラッドン中将を見た。

 グラッドン中将はゲラゲラ笑っている。


 サクラは小さな脳みそでやっと、全てを理解して、


「……ッ❤︎ わ、私のような下劣なブタを食べるために……ッ❤︎ そ、そんなにも❤︎ ニンゲン様がお手間をとってくださったのですかッ❤︎❤︎❤︎」


じょッ❤︎ ぷッぢょばァーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎


 感涙し、蛇口をひねったかのように潮吹きを晒した。


「え❤︎ そんなッ❤︎ メスブタ如きのために……あッ❤︎ そっか❤︎ 私がニンゲンぶってご迷惑をおかけしていたからッ❤︎ ニンゲンだと勘違いしていたばっかりに❤︎ ここまでのことをしてくださった……ッ❤︎」


ぷしょッ❤︎ じょぼ❤︎ ばぢゃばぢゃばぢゃッ❤︎❤︎❤︎


「ありがとうございますッ❤︎❤︎❤︎ 無意味に生きて死ぬだけだったメスブタにブタとしての役目をくださってぇッ❤︎ ニンゲンぶった傲慢な私を見捨てずにッ❤︎ ブタとしてイきる道を与えてくださってぇッ❤︎❤︎❤︎ ありがとうございますぅぅぅッ❤︎❤︎❤︎」


 それは、魂までもが完璧なブタと成り果てた何よりの証だった。

 全ての大前提が「ブタは全てをニンゲンのために」であり、サクラの自認は完全にブタの位置にあった。

 故に、


「そ、その上ッ❤︎ まさか私を食べてくださるんですかッ❤︎ そんな❤︎ し、信じられませんッ❤︎ 自分の役目を自覚できていなかったゴミブタにそんな栄誉……ッ❤︎ なんて……なんて心の広い御方ッ❤︎」


 ニンゲンから与えられた全てが幸福。

 ブタとして今から死ぬ自分が幸福。

 なんの文句もない。

 ニンゲンに文句を感じることすらあり得ない。


「くくく、素直でいいじゃないか。褒美だ……ぺッ!」


 目の前にグラッドン中将が唾を吐き捨てた。


「あッ❤︎ ありがとうございますッ❤︎ じゅれろッ❤︎ んりゅぇ❤︎ おいひッ❤︎ れるッ❤︎ れるッ❤︎ ンれぁぁぁ~~~ッ❤︎❤︎❤︎」


 サクラはまるでペースト餌をもらった猫のように唾へととびついた。

 あっという間に啜り取り、床がテカるまで舐め回す。


「くははっ! 中々見ているだけでも面白い……ほれ、ぺッ!」

「あッ❤︎ ありがとうございまひゅずッ❤︎ じゅるるッ❤︎ れるぉ~~~ッ❤︎」


 グラッドン中将はまた一滴、また一滴と唾を吐き出し、それを追いかけるサクラを見て笑う。

 勿論サクラは全力で汁をすすり上げる。

 雄の臭いが濃い唾は、ただでさえ熱く滾った調理前ボディに更なる薪をくべてくれるのだから。


「じゅるるる……ぅ?」


 ふと。

 何度目かの唾を舐めあげた時だ。

 小さく萎んだ脳みその奥。

 微かにのこっていた、何かのカケラがチカチカと煌めいた。

 口に広がるグラッドンの唾と、そのカケラが触れ合って、


「るいー、ず……?」


 沸き上がったその言葉を、口にした。


「なんだ、名前以外は全部忘れたと思っていたぞ……くくくッ」


 グラッドン中将は、また楽しそうに笑った。

 そして、隣に座るグノスソスを見る。


「グノスソス大臣、足下の本名はまだ伝えておられないのですかな?」

「ええ……適切なタイミングを待っておりました」


 二人は笑い合い、


「ヒノモト・サクラ・ヴィクトリア元少佐殿」


 グノスソスがサクラを見た。


「改めまして私、マイノ・タウロ星の外務大臣を務めております、プロブナ・ドゥルド・グロドリウス・マイノ・タウロ……」


 初めてであった時に言っていた、グノスソスのフルネーム。


「マタドリーダ・ダカルヴィード・バクシャ・バルファロ・ゲゥ・ブローホール・ゴルドメデウ=ダッガザオーム・グノスソス・ボロア……」


 所々に覚えがある。

 街の名前や、宗教、血族に関する言葉の記憶が断片的に聞こえてくる。


「ロイズ・ネクァ・フィーレ・シンシン……」


 グノスソスは次第に単語の読み上げ速度を落とし、


「……ルイーズ、と申します」

「ッ!」


 サクラのかつての相棒の名を末尾に添えた。



 ルイーズは、既に来世の牧場へと旅立っていた。


 行方不明になったのも、マイノ・タウロから連絡がつかなくなったのも、全てはグラッドン中将の策略だった。

 グラッドン中将はサクラだけでなく、ルイーズもまたメスブタに教育しようと企んでいたのだ。


「あやつは貴様以上にしつこくてな。この星で企画していたメスブタ輸出ルートの計画に気付きおった」


 「忌々しい」とグラッドン中将が吐き捨てる。


 ルイーズは、グラッドン中将とマイノ・タウロ星との間で行われていた裏取引を調査するため、単身でこの星にやって来ていたのだ。


「え……じゃあ、そのルイーズ……は?」


 サクラの素直な疑問。

 答えを出したのはグノスソス。


 黒ブタメイドが台を押し、何かをサクラの前へと運んでくる。


「……ッ❤︎」


 それは首だった。

 綺麗に防腐処理が施され、至上の笑顔のまま、誇らしげに鼻輪を輝かせている、ルイーズの首を軸にしたトロフィーだった。


「彼女は素晴らしいブタだった……トロフィーにするに相応しい。全てが、全てが本当に、衝撃的なメスブタだった……!」


 グノスソスは何かを思い出し、熱く拳を握った。


 ルイーズもまた、サクラ同様にブタになることを望んだ。

 それも、初めてブタ料理を食べた次の日には、もうグノスソスに全裸土下座をしてブタ堕ちを懇願したのだと言う。


「料理を頬張りながら必死にオナニーをする姿を見て驚いたものですよ。ブタと似ているとは言え、星外のニンゲンでこれほどブタらしさを発揮することがあるのかとね……だって、何千年もかけて改良した我々のブタと同じ性質が、天然モノとして存在していたのですから!」


 20歳が近かったルイーズは、通常の肥育では出荷が間に合わない計算だった。

 順当にいけば肉骨粉用のミンチ肉ルートだったところ、本人のオナニー狂いな気性を発揮し、史上最速の3週間で肥育を完了させた。

 勿論肉質はA5評価。

 無事、グノスソスとグラッドンの胃と「結ばれる」こととなった。


「トロフィーになれるブタはそういない」


 アヘ顔のまま永遠となったルイーズのトロフィーを眺め、グノスソスは語る。


「偉大な記録や結果を残したブタだけだ。ルイーズは、短期間で肥育を完了させた精神と、初の天然ブタとして食用ブタになったことを認め、こうしてトロフィーになる栄光に輝いたのだ」


 グノスソスは己の腹に手を置いた。


「そして、名前を永遠のものとするため、トロフィーとしたブタの名は、我が名前の末尾に添えられた。トロフィーとなったブタは須らく、ニンゲンたちの名に加えられることとなるのだ」

「……ッ❤︎」


 サクラは胸が詰まりそうだった。

 相棒が成し遂げた偉業に、自分も誇らしさを感じてしまったから。


「因みにな」


 グラッドン中将が笑った。


「貴様にも食わせているのだよ……くくく、俺の腹を通った後で、だがね」

「ッ❤︎」


 カチリと何かがかみ合った。

 口に残るグラッドン中将の唾、口を突いて出たルイーズの名前。

 そうだ、同じなのだ。


 あの日無我夢中で貪った巨大な大便。

 アレは……あの糞の元となった、肉は……ッ!


「ルイーズ❤︎ わ、私ッ❤︎ 私もルイーズを……食べて❤︎」


 サクラはぼろぼろと涙を溢す。

 相方を探している自分に、いつの間にか糞へと変わり果てたその相方を食らわせて、無様な自分を笑っていたという事実に。


 自分をブタとしてここまで育てるため、徹底的にニンゲンごっこをしていた愚かな自分を貶めてくださったグラッドン中将に。

 それを忠実に遂行した、神の如き手業をもつグノスソスに。

 胸と子宮が熱くて熱くて、溜まらない。


(そっか……ルイーズも❤︎ もう、私と一緒にいたんだ……ッ❤︎)


ぐちゅ❤︎ ぢゅくぢゅくぢゅくッ❤︎


 自らの血肉の中にルイーズがいる。

 それだけで、全く悲しくなかった。

 サクラは知らず知らずのうちに、ルイーズの幸福をも取り込んでいた。

 それだけで、サクラはルイーズが側にいると感じられた。


(……!)


 そして、サクラは遂にたどり着く。


「ぐ、グノスソス様ッ❤︎ グラッドン様ッ❤︎ どうか……どうかッ❤︎ このメスブタめを……お二人に召しあがっていただきたく存じますッ❤︎」


 姿勢を正し、深く土下座をする。


「おや? いいのかね? くく……助かりたければ、わしが買い取ってやっても良かったのだが?」


 グラッドンの意地悪な助け舟も、サクラは「私の願いは一つです」と拒絶する。


「どうか❤︎ どうかッ❤︎ このメスブタの肉はお二人で❤︎ 最後の、脳みその一口はグラッドン様にっ❤︎ わたくしのブタ生のトドメは……わたくしをブタにする道を与えてくださったグラッドン様にッ❤︎ ら、来世でも……ルイーズ共々ッ❤︎ 皆さまのお口を楽しませる無様なブタ家畜としてお仕えできるように……どうかッ❤︎ お願いいたしますゥッ❤︎❤︎❤︎」


 男たちが感心したようにうなずいた。

 サクラもまた、今の自分が誇らしかった。


(そうだ……みんな、みんなずっと一緒なんだ……❤︎ 寂しくなんかなかったっ❤︎)


 ルイーズ、ミミ、ブタ小屋で共に過ごしたメスブタたち。

 思い浮かんだブタたちは、既に全員が誰かの腹に収まっている。

 ならばサクラはどうすればよかったのか。

 簡単だ。


 喰われればよかった。

 同じ胃袋に収まり、ニンゲンの雄という雄大な形の中に入れていただく。

 そこには、同じく食われたみんながいる。

 生まれ変われば、また同じブタ小屋にみんながいる。

 そして、またみんなと一緒に、ニンゲンの為に肥育してもらい、食べてもらえる。


(やっとわかった❤︎ ブタのみんながあんなに幸せそうな意味ッ❤︎ ずっとだからだ❤︎ ずっと……ずぅ~~~っと❤︎ 幸福と快楽が、続くんだ❤︎ 私がメスブタでいる限り……永遠にッ❤︎)


◆


ゴリゴリゴリゴリッ❤︎


「オ゛ォ゛ォ゛~~~ッ❤︎❤︎❤︎ イグッ❤︎ ブタイグッ❤︎ やべッ❤︎ これやべッ❤︎ イグイグイグイグッ❤︎❤︎❤︎ ぐイ゛ぎぅ゛ぅ゛ぅ゛ォ゛ォ゛ォ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ぶぎぢッ❤︎


「ぎヒョ❤︎❤︎❤︎」


じゅぅぅぅぅぅぅッ❤︎❤︎❤︎


「ブゴオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


ブッジャーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎ ぶじゃばッ❤︎ ジョボボボボッ❤︎❤︎❤︎


 サクラの調理は、伝統的な吊るし切りとなった。

 全てのメスブタが憧れる、最もニンゲンが喜ぶ解体方法。


 首を吊った状態で、こうして両足をゆっくりと切り落としていく。


ず❤︎ りぃ゛うッ❤︎ ずりぃ゛ぃ゛ぃ゛ッ❤︎❤︎❤︎


「プギッ❤︎ い゛❤︎ ぎひッ❤︎ あ゛ッ❤︎ あ゛ッ❤︎ なくなる゛ッ❤︎ 足なくだッぢゃぅッ❤︎❤︎❤︎」


ごぎりゅ❤︎ がりゅ❤︎ ゴリッ❤︎ ゴリッ❤︎ ゴリゴリゴリゴリゴリィッ❤︎❤︎❤︎


「オギャァッ❤︎❤︎❤︎ あ゛ッ❤︎ あぉ゛ぉ゛ぉ゛イグイグイグまんこイぎゅッ❤︎❤︎❤︎ ブタイぎばずッ❤︎ 足落とされでイ゛ッグゥゥゥゥゥゥッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 骨から響く絶頂が、小さな脳をじゅうじゅうと焼いていく。

 身体中の穴という穴から甘露水を噴き上げて、サクラは今、


ごどんッ❤︎❤︎❤︎


「オ゛ッ❤︎ げァお゛ッ❤︎ ごヒュ❤︎ ごヒュッ❤︎ ぐォ❤︎ げッお゛……❤︎❤︎❤︎」


じゅぅぅぅぅぅぅぅッ❤︎❤︎❤︎


「ぶぎィ゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎ ごれやべッ❤︎ お゛お゛お゛ぎぉぢィ゛ィ゛ィ゛ッ❤︎❤︎❤︎ イギュ❤︎ いぎゅォ゛ッ❤︎❤︎❤︎ どばンだぃぃぃぃぃぃッ❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」


 両足を完全に失った。

 ニンゲンぶっていた頃からの自慢だった太い足が全て落ち、早々に鉄板の上で焼き上げられていく。

 軽くなった身体は首吊りをしても命を落とすには至らない。

 サクラは狭まるだけの気道を必死に膨らませ、アクメ絶叫を上げ続ける。


 両手はフリーだ。

 ともすれば、首を絞める縄を外して逃げることも、一応は可能だ。

 可能なだけで、メスブタの脳みそでは選択肢としてすら上がらないのだが。


「ほぉ……見事な霜降りだ。ルイーズのよりもきめ細やかで……脂が蕩ける」

「黄ブタの肉は私も初めて食べますが……ふぅむ、これは素晴らしい。輸出だけではなく、輸入についても是非ご相談を進めたいところですな」

「え゛へッ❤︎ あ゛えへッ❤︎ はへ❤︎ あ゛はへッ❤︎」


 サクラの両手は、144センチの爆乳を支えるために使わなければいけなかった。

 サクラとて、手が空いていれば……おまんこがめくれるまでかき回したい。


 目の前でニンゲン様がサクラの肉を食べて「くださって」いるのだ。

 おまんこが疼いて疼いて仕方がない。

 ブタとして生きてきて確信した。

 これは、セックスだ。

 ニンゲン様とメスブタの一度限りの婚姻にして、濃厚な雄雌のまぐわいだ。


「がぶりゅッ!」

「あッ❤︎」

「がふッ、がふゥッ!」

「あへッ❤︎ すご❤︎ すっごぉぉッ❤︎❤︎❤︎」


ぷじゃッ❤︎ じょ❤︎ ぷッぢょォーーーッ❤︎❤︎❤︎


 チンポとおまんこで致すのと同義、いやむしろこちらの方が。

 メスブタが肉の全てを捧げ、ニンゲンが五感で味わい、歯で噛み締め、胃に収め、血肉へ吸収する。

 コレがセックスではなくて何だと言うのか。


うず❤︎ うずうずうずうずッ❤︎❤︎❤︎


「はひッ❤︎ くぁッ❤︎ は❤︎ は❤︎ はひッ❤︎ あひぃぃぃッ❤︎❤︎❤︎」


 おまんこがときめかなくてどうするというのか。


 だが、両手を乳肉から離すことはできない。

 ニンゲン様が楽しめないから。

 せっかく育てていただいた乳肉を、汚れたブタの血で濡らすことは許されない。

 解体を行う黒ブタを乳肉で邪魔するなどご法度だ。


「は❤︎ はぁッ❤︎ ありがとうございますッ❤︎ 美味しく食べてくださってッ❤︎ ありがとうございますぅぅぅッ❤︎❤︎❤︎」


 サクラにできることは、必死に腰をヘコらせて、感謝の潮吹きを繰り返すだけ。

 そうして噴き出たアクメ潮は、勿論水差しに受け止められ、ニンゲン様ののどを潤すために提供されていく。


「くくく、いやあ思い出すよ……貴様の昇進を打診する案を一つ一つ潰していった記憶をなぁ」


 もも肉のレアステーキを頬張りながら、グラッドン中将はご機嫌だ。

 次々に、サクラに行っていた軍内部での嫌がらせがこぼれだす。


「貴様の功績一つ一つに難癖をつけてな、くくくッ! 片っ端から評定を落としたものさ」

「あ❤︎ ありがとうございますッ❤︎ ニンゲンぶったクソブタが他のニンゲン様にご迷惑をおかけするのを阻止してくださったんですねッ❤︎❤︎❤︎」


プシャッ❤︎❤︎❤︎


「貴様がお気に入りのトイレを見つけて、カメラを仕掛けたこともあった。1年経っても気付かないのだからどれだけ間抜けなのかと笑ってしまったよ」

「ありがとうございますッ❤︎ すごいッ❤︎ 全然気付いてませんでしたッ❤︎ そんなに早くから私がメスブタに相応しいと見抜いていたんですねッ❤︎❤︎❤︎」


プヂャァッ❤︎❤︎❤︎


「限定発注の特選ミルクを好んでいたなぁ……週に一回は特濃精液をミックスしていたのに、やはり気付かずごくごく飲み干していた! やはり血筋だけのガキには繊細な味などわかるまいよ!」

「え❤︎ そんなぁッ❤︎ 分かっていたらもっと味わって飲んでいたのにッ❤︎ もっと❤︎ もっと早くグラッドン様のメスブタになれていたかもしれなかったなんてぇッ❤︎ ごめんなさいッ❤︎ 察しの悪いバカメスブタでごめんなさいッ❤︎」


びゅ❤︎ ばびゅッ❤︎ びゅじゅぅーーーッ❤︎❤︎❤︎


(そんなそんなそんなっ❤︎ 宇宙に無限に転がっているメスブタの一匹でしかない私を❤︎ そんなに昔からグラッドン様は気にかけてくださっていたなんて……❤︎ か、神にも等しいニンゲン様に❤︎ 何年も❤︎ 寵愛を賜って……ッ❤︎ そ、そんなのッ❤︎ 婚約❤︎ 結婚ッ……ッ❤︎❤︎❤︎)


「メスブタには過ぎた光栄ですぅぅぅッ❤︎❤︎❤︎」


ゴリゴリがりゅごリィッ❤︎❤︎❤︎


「ぎヒゥ゛ッ❤︎ お゛❤︎ ぎッ❤︎ あ゛お゛お゛お゛ーーーーーーッ❤︎❤︎❤︎」


 減っていく肉。

 軽くなる身体。

 対して、サクラの心に燃えるニンゲン様への愛と感謝は膨れるばかり。

 メスブタとしてもっと早くに全権利を捧げられなかった己の情けなさと、それでも見捨てず食べ尽くしてくださるニンゲン様への感謝の気持ちで、


ごとんッ❤︎


「ふぎぃぃぃッ❤︎ しゅぎッ❤︎ グラッドンざまだいしゅぎッ❤︎ たべでぐらざいッ❤︎ メスブタの肉ッ❤︎ 全部❤︎ じぇんびゅぅう゛ッ❤︎❤︎❤︎」


ごぢゅぐ❤︎ ずぢゅッ❤︎ ずぢゅッ❤︎ にぢゅぐぢゅがぢゅがぢゅがぢゅッ❤︎❤︎❤︎


 サクラは最後に残った手で、遂におまんこをかき回し出した。

 乳肉を振り回し、デカいふともも断面を懸命に揺らし、噴き出す汁を水差しへと注ぎ込む。


(あ❤︎ ああ……私ッ❤︎ 私今幸せ……愚かなメスブタでしかなかった私でも……こんなに幸せが……!)


 幸福に身体を揺らし、サクラは思い至った。

 この世界の秘密に。


(そっか❤︎ そっかぁッ❤︎ この世界の方が間違ってたんだ❤︎ 女の子は一匹残らず、メスブタになるべきだったんだ❤︎)


 隠されていた幸福の公式に。


(メスは全員、若くて柔らかい食べ頃で肉になった方が、みんな幸せなんじゃないッ❤︎ 私みたいなバカメスだってこんなに幸せになれたんだから……世界中のメスは、肉を貢いでニンゲン様の舌を喜ばせるのがいっちばん幸せなんじゃないッ❤︎❤︎❤︎)


 小さな脳がぱっと弾けて広がった。

 辺り一面に広がる星空の景色。


(みんなメスブタを知らないだけ❤︎ 知れば……絶対メスブタしかないって分かるもの❤︎ 宇宙がマイノ・タウロみたいになれば❤︎ メスブタもニンゲン様も❤︎ もぉ~~~っと幸せになるに決まってるっ❤︎❤︎❤︎)


 サクラが目指した幸福で完璧な世界。

 ニンゲンぶっていた頃は、宇宙軍で達成するのがせいぜいだったちっぽけな夢。

 だが、こうしてメスブタの公式に気付けた今。

 世界の誰よりも、最先端の価値観にたどり着いた今。

 サクラの夢は宇宙全てに拡大した。


◆


「は❤︎ は❤︎ は❤︎ はヒッ❤︎ かぁヒッ❤︎ ぉ゛❤︎ ぉ゛ァッ❤︎ ほォ゛ォ゛ォ゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


 数時間かけて、サクラの調理は最終段階に至っていた。

 手足は完全に切除され、全てニンゲンたちの胃袋に収まっていた。

 肋骨は開かれ、むき出しの肺と心臓が懸命に震えているのが見える。

 外に残るのは脊髄と、メスホルモンを最後まで蓄積させる子宮膣だけ。

 生存を最低限維持するだけの不気味なオブジェに成り果てた。

 それでも血は一滴も零れない。

 完璧な止血解体により、サクラから垂れ流されるのは愛液と本気汁ばかりだ。

 助かる可能性は皆無。

 どうやって死ぬかを選ぶことだけだ。


「くくく、成程ねぇ……白黒黄か。確かに、種族差がありますからな。味の違いを研究する意義はある」

「加えて、養殖モノと天然モノの差別化を行うべきでしょう。天然モノは数は少ないですが、高品質になりやすい可能性があります。ブタの味を知った方々への更なる販売ルートとして……」

「はヒッ❤︎ ひ❤︎ ひ❤︎ く……ッお゛ひぃッ❤︎ んぎォ゛……ッ❤︎❤︎❤︎」


 そんな状態で、サクラは1時間ほど放置されていた。

 ニンゲンたちは役目の終った黒ブタたちを手慰みにしつつ、サクラを忘れてこれからの悪事を相談している。


(す……ッごい❤︎ すごいッ❤︎ ニンゲン様って❤︎ こんなにも……大きな器を持っているんだ……ッ❤︎)


 サクラはそんな二人を眺め、改めてメスブタとの違いに打ち震える。

 必死に将来の事を考えて動き回っていたかつての自分が、いかにメスブタだったのかを思い知らされる。

 あれけ執着していたサクラの事すら、彼らはもうどうでも良くなっている。

 きっと、数日も経てばこの食事の内容すらも忘れているに違いない。

 サクラもかつてはそうだった。

 1週間前の献立なんか、一々覚えてなんかいられない。

 それと同じ。

 グラッドン中将にとって、グノスソス大臣にとって、メスブタとはその程度。

 サクラの命とは、その程度。


(か……ッこィイィッ❤︎ 宇宙よりも広い器❤︎ これが❤︎ ニンゲン様ッ❤︎ それに比べて❤︎ 私のなんて矮小だったことッ❤︎ ああもうっ❤︎ 比べることすらおこがましいっ❤︎ なんで私、自分の事をニンゲンだなんて間抜けな勘違いしてたのかしらっ❤︎❤︎❤︎)


 薄れかけた意識の中、毎秒のようにアクメを続けながら、サクラは涙を溢した。

 これからも、サクラのような幸せなメスブタが毎日幸福に消費される。

 ニンゲンたちはメスブタを味わい、その宇宙のような器で世界を統治する。

 またどこかでメスブタとして生まれたサクラは、またどこかで偉大なニンゲン様に消費していただけるのだ。


「っと、もうこんな時間……うぉッ! すまんすまん忘れていた!」

「しまった私としたことが……」


 視界が霞む中、ニンゲンたちがようやくサクラを思い出す。


「酒も飲みたくなったことだし、さっさとメインディッシュとするか」

「そちらではコブクロを調理させましょう。数十万回のアクメを経たこのコブクロは、きっと極上のツマミになりますぞ」


 グラッドン中将がサクラへと手を伸ばし、


が、ぱぁ……❤︎


「ッきァ……❤︎」


 あらかじめ開いてあった蓋を外す。

 頭部を空けて、幾分縮んだメスブタの脳を開け放つ。


「……そぉら、最期の記念だ。貴様の好きな顔をするがいい」


 グラッドン中将が、サクラの前に鏡を置いた。


(……ああ❤︎ 最期まで慈悲深い御方……でも、もう満足❤︎)


 そこにあるのは、何もかもを失って尚、全てを手に入れた笑顔を浮かべる少女の姿。

 白ブタたちが、ミミが、ルイーズが、サクラに見せてくれたあの笑顔。

 快楽に漬かりきり、絶頂の中の絶頂を味わえた幸福に蕩けきった、メスブタに相応しいアクメ顔。


「ぐ……ぁッど、ざあ……」


 肺を必死に膨らませ、サクラは呟く。


「わ❤︎ だじぉ❤︎ ぜッ❤︎ ざいざ……ぐぁっど❤︎ ざま、に……ッ❤︎」


 メスブタのサクラには叶えられない最期の閃き。

 だが、グラッドン中将ならばできるだろう。


「ずえ、で……の❤︎ めず、ぶだに……❤︎ こぉふぐッ❤︎ お゛❤︎」

「……くくく! いいだろう」

「私も当然、ご協力いたします」


 グラッドン中将が強くうなずく。

 グノスソスも、鼻を鳴らして応えた。


 そして、


ぐちゅ❤︎


「か゜きァ❤︎」

「はむ……ふむ」


すく……ちゅぐ❤︎


「ぎッ❤︎ い゛❤︎ ァ゛……❤︎」

「ほぉ……コレは中々」


じゅ❤︎ ぷちちゅ❤︎


「きょホッ❤︎」


ぐ、ぢゅぽ❤︎


「き゜は❤︎ ひ❤︎ ァきッ❤︎」


ぬぢぃ……ぢゅく❤︎


「はッ❤︎ はッ❤︎ はッ❤︎ はッ❤︎」


すくぅ、にゅぷ❤︎


「ぁ……❤︎ りッ❤︎ がぉ……ござ……あ……ッ❤︎」


 サクラは、うっとりと最期の食事を眺めながら、


「わ、だじ……め、ブタに……じぇ、く……で……❤︎」


ぢゅく❤︎


「き゜ョ❤︎❤︎❤︎」


◆ ◆ ◆


 マイノ・タウロにあるグノスソス大臣邸宅。

 そこには二つ、ニンゲンたちの誰もが羨む美しいトロフィーが二つ、展示されている。

 史上初の天然白ブタのトロフィーと、至上初の黄ブタにして天然メスブタで初のA5+という最高峰の評価に至ったことを記念したトロフィー。

 食肉用に改良された白ブタと、奉仕を好む黒ブタに加え、新たな選択肢を示すものでもあった。

 これまでマイノ・タウロでは家畜化されてこなかった黄ブタにも非常に高い食肉価値があることを、このトロフィーは証明したのだ。

 この二つのトロフィーを合わせることで、マイノ・タウロには大きな革新がもたらされる。


 家畜化の有無、種族の違いに囚われず、あらゆるメスにはブタとしての利用価値が秘められている可能性。


 マイノ・タウロの、ひいてはこの宇宙全体の、価値観を一変させる歴史のターニングポイントだ。


 どちらのトロフィーも、当然ながら脳まで丹念に食べ尽くされている。

 脳を食べ尽くされる最中まで、トロフィーのモデルたちは生きていたそうだ。


 性器からの快感が脊髄を伝って脳に届いてアクメするよりも、脳を直接抉り取り、アクメをその場で発生させる方が、距離も快感も大きく増大するらしい。

 その伝達速度や伝達刺激量は、並みのセックスの何億倍というレベルに達するようだが……当然確実に脳死を迎えるため、体験者の意見を聞くことは叶わない。


 が。

 それがそこで終わっても構わないような幸福に満ちた時間であることは間違いない。

 仲良く並んだデスアクメトロフィーの表情が物語っている。

 美しい花畑のようにも、ドロっと蕩けたはちみつのようにも、また脳の奥で弾ける絶頂の輝きのようにも見える、メスブタたちの笑顔。

 その笑顔こそが、歴史を大きく塗り替える最後のキーだった。


 その笑顔こそが、全宇宙でマゾを秘めたメスブタたちの心を力強く揺さぶったのだ。


◆ ◆ ◆



「うわ……これで文明レベルCとか、マジで言ってんの?」

「口調を正しなさい。サクラ様とルイーズ様がいらっしゃる土地ですよ?」


 マイノ・タウロ星に、宇宙軍の船が一隻降り立った。

 船から顔をだしたのは、見目麗しいハイレグ軍服を纏った二人組。

 腕には士官学校卒業直後を示す腕章が付けられていた。


「お二人が失踪してからもうすぐ1年……! やっぱり、軍の要請で密輸船の調査をしてたんだ!」

「しかし、軍の広告塔も務められている方々を隠密任務に……? どんな采配をしているのでしょうか」


 少女たちは、サクラが組織した女将校だけの小隊に入隊予定だった見習い将校。

 憧れのエリート将校であり、忽然と姿を消したサクラとルイーズを追いかけて、この星までやって来た。


「どう?」

「ええ……ルイーズ様のPCから回収された情報、ビンゴですね」


 二人はこの星のニンゲンを名乗る豚頭におののきつつも、客人として屋敷に迎え入れられる。

 その最中、密かに周辺のカメラデータをハッキングする。


「惑星間交易は許可されていない星なのに……密航船の数が……100、200……いや、もっと……!」

「はぁ? そんなにってありえないでしょ。薬でも運んでるの?」

「いえ……これは……少女、ですね。これも、これも……若い少女ばかり……」

「ホントだ……って、すご! 全員激美人じゃん」


 密航船は宇宙全体で見れば珍しくもなんともない。

 若い少女を売り買いするというのも良くある話。

 だが、


「……この子たち、出てってなくない?」

「ええ。ここを中継としてどこかに売られていくのかと思っていましたが……? おかしいですね。出航する船には誰も乗っていない」


 どこからともなく集まって来る美しい少女たち。

 彼女らは一人として、この星から出て行ってはいなかった。

 既に数十万もの美少女が、ド辺境の惑星に居ついていることになる。


「もしかしてあのみっともないおっぱいしたメイド?」

「かもしれないですが……黒人種が特別多く連れてこられている訳でもなさそうです」


 少女たちは首をかしげる。

 が、答えは見つからない。


「ようこそ、マイノ・タウロ星の外務大臣を務めております、グノスソス・ボロアと申します」


 二人の行方も、少女たちの行方も分からないまま、惑星の代表に歓迎される。


「少々立て込んでおります所以、こちらの展示部屋をご覧になってお待ちください」


 煌びやかな屋敷の中、少女たちは、


「うわ」

「最悪の趣味ですね……」


 ずらりと並んだ醜悪なコレクションを見させられる。

 それは無数の頭を模したトロフィーだった。

 どれも美しい女性の形。

 どれも輝く鼻輪が付けられている。

 どれも……狂気的な笑顔を浮かべ、幸福の頂点にたどり着いたかのような顔をしている。


「あーだめだめ最悪サイアク。あたしはパス」


 少女の一人は入口でギブアップした。


「……」


 だがもう一人は、気付いた。

 コツコツとヒールを鳴らし、トロフィーの端にある真新しい二つに歩み寄る。


「……」


 そこに刻まれているのは、トロフィーの獲得者の名前。

 ずらずらと長いが、その中にグノスソス・ボロアの文字列がある。

 この屋敷に迎え入れたあのニンゲンの名前だ。

 名前をずっと……なぞっていく。


「るい……ッ! さ、く、ら……」


 少女は改めて、その二つのトロフィーを見た。

 他のトロフィーと同じように、至福の笑顔で保存された、美女の頭部のトロフィーは……


「ッ❤︎」


どッ❤︎ どッ❤︎ どッ……❤︎


 じわりと、少女のむきだしの太ももに、熱い汗粒が浮かびあがった。

 士官学校を卒業した、聡明な頭脳が目まぐるしくピースを一つにまとめていく。


「お二人とも、大変お待たせしてしまい、申し訳ございません」

「ッ!」


 全てがハマるその直前、グノスソスが少女たちに声をかけた。

 にっこりと笑顔……のような表情を浮かべ、グノスソスは広間を指し示す。


「お話の前に、長旅でお疲れでしょうから……まずはお食事などいかがでしょうか? 当惑星が誇る極上の食材をご用意しておりますので」

「はぁ? こんな田舎の食材になんか……?」


 不快なトロフィーを見せられて、不機嫌前回の相棒を、少女は手で制した。


「……ご提案、ありがとう、ございます」


 淡々と、しかしその内に何か熱い感情を湛えて、少女は豚頭の男に応えた。


「喜んで、御一緒させていただきます……ッ❤︎」


 はぁ❤︎ と。

 少女の口から零れた熱っぽい吐息を、グノスソスは確かに感じ取っていた。






Comments

ハンマー

前半の食レポでト◯コを思い出して笑ってしまいました…

さざんか

その発想、正解です…! 本作を書くにあたって、ト◯コと食◯のソーマは多いに参考にしました故…!