※非エロ⁄陰キャ男子がTSして根暗爆乳彼女にこんなことされる話 第1話 (Pixiv Fanbox)
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春を迎えたある街の夜道で、ひとりの少年が帰宅の途に付いていた。
名前は「蛇九音 灯舞(だくね とうま)」。この街の高校で学ぶために一週間前に引っ越してきたのだ。今日はその始業式であったが、新しく住む街に興味津々で、帰宅途中に趣味のゲーセンやパソコンショップ等をあちこち見て回る内にすっかり日が暮れてしまったのである。
親も心配する時間帯なので急ぎ足で帰路についていたのだが、ふと背中に視線があたる感覚が背筋を襲った。
背後に意識を向けると、…かすかに人の気配がするようだった。
気付いた途端に冷や汗が出始める。
しかし怖いもの見たさの気持ちに負け、ゆっくり振り向くと、
…雪のように白い肌の女の霊らしきものが、電柱に隠れてこちらの様子を伺っているようである…
いつから後ろについていた?
…暗くなってからずっと追ってきていたのか?
嫌な予想が浮かんだ瞬間、灯舞は全速力で走り始めた。
後ろを振り返ると、女の霊も違わない速度で追いかけて、ぴったり背後についてきている!
「ついてくんな!俺がお前に何したってんだよっ!」
この街にやって来たのはつい一週間前であり、特に祟られることに思い当たりがない。引っ越した家が曰く付きだった?今日何か壊したり傷付けたりしたか?実は前の家からついてきたのか?
などと思い返している内に足がもつれて地べたへ転び伏せてしまった。
女が電柱灯に照らされながらこちらへゆっくりと近付いてくる。
「ゆ、ゆるして!まだ高校生活を満喫しないまま死ぬのはごめんだ!!」
…女の霊は動揺しているようだった。その場で視線を下げてまごついている。
姿をよく見ると、なんと灯舞が入学した高校の制服を着ているようであった。幽霊に見えたのは、その肌が雪のように白く、また身長が高めなせいだったようだ。
女の子は服の中から、灯舞に見覚えがあるストラップを取り出して彼の目の前に差し出してきた。
「…え?それ、なんで持ってんだ…?もしかして拾ってくれたのか…?」
それは彼のお気に入りのストラップであり、少し前にチェーンが切れて失くなっていることに気付いて落ち込んでいたものだった。灯舞は恐る恐るソレを受け取った。
「…これを渡すために…?……ごめん…てっきりその…ありがとう」
女の子はぎこちなく頭を下げている。
ふと彼女の鞄をよく見ると灯舞のストラップと同じシリーズのものが大量に付けられている。
「…君もこれ、好きなんだ」
女の子が少し笑った気がしたが、すぐに回れ右をして夜道へ走り去ってしまった。
「ま待って!名前聞かせて!」
「…泉佳……西森泉佳(にしもり いずか)っ!」
女の子は容姿にやや不釣り合いな小気味良い足取りで闇の中へと消えていった。
…こうして二人は共通の趣味を知り、翌日からぎこちなくともお互いに声をかけ、日に日に交わす言葉を増やし、弁当の時間を共有するようになってゆくが…
続く。