【無料サンプル 約32,000字】白百合女学院は益荒男女学院へとバルクアップする【TSF】【ゴリマッチョ化】 (Pixiv Fanbox)
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わたくしが女子生徒として白百合女学院に通っていたことが、今では夢のように思えます。
私立白百合女学院。伝統と格式のあるこの女子校に、わたくし、芳村沙織は通っておりましたの。その日も、わたくしは普段通りに登校しておりました。校名の白百合の名に相応しい、白地のセーラー服。襟やカフス、膝下まであるスカートの色は、百合の花弁の内側に似た、淡い黄色をしています。ただ……その日は校門のところで何人もの生徒が立ち止まって、銘板を見ていました。わたくしも不思議に思い、皆様の後ろから銘板を拝見いたしました。私立白百合女学院──そうあるべき銘板が、まったく別の校名になっておりました。
──私立益荒男女学院
(ますらお……益荒男女学院?)
白百合とは正反対の、猛々しい名前です。誰かのいたずら……なのでしょうか? ですが、もともとの銘板は金属製のレリーフです。そしてこの益荒男女学院という銘板も、同じく金属製のように見受けられます。いたずらにしては手間とお金が掛かっているようですが……いったい誰がこのようなことを──。
「あら? どういうことかしら、これは」
そこにちょうど出勤してきたのは、如月久美子先生でした。如月先生は、わたくしが在籍している一年三組の担任で、数学を教えていらっしゃる先生です。髪を後頭部でシニヨン──いわゆるお団子にしています。眼鏡を掛けた理知的な顔立ちと、チャコールグレーのパンツスーツとが相まって、とても凛とした佇まいでいらっしゃる方です。ハキハキとした口ぶりで、怒るときは大層恐ろしい先生なのですが、数学でわからないところは的確に教えてくださり、クラスの皆様からも信頼されております。その如月先生も銘板の異変に目を留められました。
「ちょっと悪戯にしては度が過ぎているわね……皆さんは教室へお行きなさい。後のことは、私たち教職員が対処します」
如月先生はそうおっしゃると、急ぎ足で校門をくぐり抜けたところで──急にビクッと肩を震わせて、黒のローヒールパンプスを履いた足を止めました。
(あら?)
それは一瞬のことでしたが、再び歩き出した如月先生は、ゆったりとした歩調になっておりました。
(先ほどまで、あんなに急いでいらっしゃったのに……?)
わたくしはなにか違和感を覚えましたが、しかしわたくしが如月先生に声を掛けて、急がせるのも大変に失礼なことです。わたくしは首を傾げつつも、校門をくぐりました。そのとき、急に頭の内側に声が響きました。
──私立益荒男女学院の女子生徒と女性教師は、男性器が生えた「益荒男」である。
(は? え……?)
校門をくぐった瞬間、ビクンと肩が震え、思わず足が止まりました。その声は、男性とも女性とも判別のつかない声でした。意識の表面から深層へと──その異質な声は、まるでわたくしの頭に染み渡るように広がっていきました。
むにり。
戸惑いながら歩き出したわたくしの股ぐらに、先ほどまでなかった感触があります。女性として生を受け、女子校である白百合女学院の生徒であるわたくしには、本来ありえないはずの器官。
(こ、これってまさか……殿方の……?!)
さすがに、人前で股ぐらを確かめるような無作法な真似ができるはずがありません。ですが明らかに、わたくしの下着の中には異物があり──しかもそれは、わたくしの体から生えている……そうとしか思えない感触でした。
(こ、こんなの絶対におかしいですわ!?)
──私立益荒男女学院の関係者は、あらゆる異常を異常と認識したまま、受け入れること。
(でも……おかしくはない……のですわよね? えっ……?!)
わたくしの頭の中に再び怪しげな声が響くと、なにやら急に妙な気持ちになってきました。急に学校名が変わったことも、女性であるわたくしの体に、殿方の「あれ」が生えていることも──異常な出来事だと頭では理解しているのですが、同時に、ごく自然な出来事のようにも感じてしまいます。
「誇りある益女(ますじょ)の生徒として、股ぐらに『あれ』が生えているのは当然」……そんな想いがふつふつと湧き上がってきてしまい、わたくしは思わずめまいを感じました。
そしてそれは、他の皆様も同じようでした。わたくしと同様に、校門を通り抜けた瞬間にビクッと肩を震わせ、妙にそわそわとした様子で歩いていらっしゃいます。赤らめた顔でご自身の制服のスカートを直す方。歩くたびに「あれ」の位置が気になってしまうのか、眉間にしわを寄せている方もいらっしゃいます。
(それに、なんだか……)
校門から昇降口まで歩いているうちに、股ぐらの「あれ」だけでなく、自分の胸が気になってきました。見慣れているはずの自分の胸の膨らみが、妙に……魅力的に感じてしまいます。このまま制服を脱いで、乳首を指で刺激したい、乳房を揉みしだきたい──という浅ましい煩悩が、股間から湧き上がってきます。
(い、いけませんわ! 白百合……いえ、益女の生徒として、そんなはしたないこと……!)
わたくしは鼻息が荒くなるのを堪えると、昇降口で上履きに履き替え、教室へと向かいました。
※
一年三組の教室は、奇妙な高揚感に包まれておりました。わたくしのように、ご自身の胸の膨らみに顔を赤らめている生徒や、互いに見つめ合って恥ずかしそうにしている生徒が大勢います。まるで、殿方が可愛らしい女性の園に迷い込み、戸惑っているかのようです。中には、さらに露骨に欲望をさらけ出す方々もいらっしゃいました。
「こちらの方、素敵ですわよね〜」
「ええ、胸が大きくて……たまりませんわ♡」
「あっ……こちらの写真もご覧になって? なんて品のない水着なんでしょう!」
「なんて慎みのない……! あぁ……胸が高鳴ってしまいますわ!」
クラスメイトの蒔田さんと豊嶋さんが、スマートフォンを囲んで楽しげに談笑なさっています。蒔田さんは、ふんわりとしたボブヘアーが愛らしい、小動物のような雰囲気の方。隣にいる豊嶋さんは、黒髪をきっちりと三つ編みにしていて、いつも冷静で落ち着いた優等生です。蒔田さんが持っているスマートフォンの画面を、豊嶋さんが覗き込んでいます。お二人とも、普段からは想像もつかないような、鼻の下を伸ばした好色な顔つきになっていました。もじもじと太腿を擦り合わせているのは……股ぐらの「あれ」が気になるからでしょうか。
「姫島さん。前から思っていたのだけれど……何か胸に詰め物をしていらっしゃるの? 風紀委員として、見過ごせませんね」
「あぁ……陣野さん、どうかおやめになって!」
こちらでは、クラスメイトの陣野さんが、姫島さんの後ろから鼻息荒く抱きつき、胸を揉んでいました。陣野さんは、肩の辺りで切りそろえた黒髪が似合う、ボーイッシュな雰囲気の方です。背が高くすらりとした立ち姿は、まるで王子様のようだとクラスでも人気のある人です。一方の姫島さんは、お人形のように愛らしいウェーブヘアが印象的な方で、おっとりとした雰囲気をしています。背丈こそ小柄ですが、豊満なバストを持つ姫島さんは、今朝の妙な出来事があったわたくしたちにとって、庇護欲──いえ、独占欲を大いに刺激するものでした。
「んっ……」
抱きつかれている姫島さんは、悩ましげな溜め息を漏らしました。そして陣野さんは、姫島さんと体を密着させ、ご自身の腰を姫島さんに擦りつけるような……そんな動きをしています。あんな動きをしていては、股ぐらに生えてきた「あれ」が姫島さんに当たって──ああ! わたくしったら、なんてはしたない想像をしてしまったのでしょう!
わたくしは、慌ててお二人から目を逸らしました。そんなとき、わたくしの前の席に座っている友人──いいえ、親友である伏見葵さんが振り返り、潤んだ目で不安そうにわたくしに声を掛けてきました。
「沙織さん……私……」
「ええ」
わたくしは葵さんに目配せしつつ、声をひそめてお話しました。
「葵さん。今朝からその……色々とおかしいですわよね?」
「はい。でも……『おかしいのに、おかしくない』のがおかしいというか……」
「わたくしも同じ思いです。何もかもおかしいはずなのに──それが当たり前のように感じてしまいます」
わたくしは、葵さんの手入れされた長い髪から漂う甘やかな香りや、きめ細やかな白い肌、垂れ目がちで儚げな瞳、薄く愛らしい桜色の唇に……胸が高鳴るのを感じました。同時に、わたくしの股ぐらに生えてしまった「あれ」が、熱く固くなっていくのがわかりました。わたくしは、葵さんの桜色の唇に、自分の唇を重ね合わせたい衝動を堪えながら……震える声で葵さんにお話しました。
「葵さん、実を言うとわたくしも……おかしいのです。その……あまり顔を近づけない方が……」
「いえ、沙織さん……私もそうなのです。沙織さんを見ていると、抑えきれない気持ちが湧いてきて……」
葵さんの愛らしい顔が、桜色に上気し、わたくしを見つめています。そうしているうちに、葵さんの顔がわたくしに近づいてきて──わたくしは、ごくりと生唾を飲み込みながらも、葵さんの肩をそっと掴んで押し留めました。
「い、いけませんわ。葵さん……白百合──いいえ、益女の生徒として、節度ある友人づきあいをしなくては」
「そっ、そうですわね。いやだわ、私ったら。沙織さん。どうかいまのことは、お忘れになってくださいね」
互いに顔を赤らめたまま、わたくしたちは視線を交わすことなく、ぎこちなくやりとりを終えました。そこに、担任の如月先生が入ってきました。
「はい。皆さん着席してください。出欠を取りますよ」
如月先生は、校門のところでお見かけしたときと同じ、チャコールグレーのパンツスーツを着ていらっしゃいます。30代前半の大人の女性が放つ凛とした佇まいに、教室のあちこちから溜め息と──荒い鼻息の気配がしました。まるで、女性に飢えた男子校のような異様な雰囲気ですが、如月先生はあくまでも普段通りに出席を取り終えると、ホームルームを始めました。
「はい、皆さん前を向いてください。……既にお気づきのことと思いますが」
如月先生は、教壇に立ち、凛とした声でそう切り出しました。教室が、シンと静まり返ります。
「本日より、当校は『私立益荒男女学院』として、新たな歴史を歩むことになりました」
先生の口から正式に語られた校名に、教室がざわめきました。ですが、それは非難や戸惑いの声ではありません。むしろ、どこか誇らしげで、高揚したようなざわめきでした。先生は、毅然として続けます。
「これは、時代の要請に応えたものです。これからの社会を担う皆さんが、旧来の女性らしさだけでなく、力強く社会を生き抜く『益荒男』の精神を身につけるための、重要な変革です。それに伴い、皆さんの身体にも変化が起きていることは……私たち教職員も承知しています」
先生の言葉に、クラスの皆がもじもじと身じろぎをしました。
「誇りある益荒男女学院──すなわち『益女(ますじょ)』の生徒として、その変化を誇りを持って受け入れ、心身ともに健やかであること。特に……その、各自の、ええ……『益荒男の魂』とでも申しましょうか。その管理は、各自が責任を持って行うように。よろしいですね?」
先生は、ごほん、と一つ咳払いをすると、理知的な表情を努めて崩さずに、そう締めくくりました。ですが、その眼鏡の奥の瞳は熱っぽく、わずかに頬が上気しているようにも見えました。先生のそのお言葉に、教室の皆さんは「はい!」と、これまで聞いたこともないような、力強い返事で応えたのです。わたくしも戸惑いつつ返事をしましたが、これから学園がどうなっていくのか、不安が募るばかりでした。
※
表向き、授業は普段通りに進行していきました。ですがところどころ、普段とは違う様子も見受けられました。
「今日の数学で扱うのは『必要条件と十分条件』です。二つの条件p、qについて、『pならばq』という命題が真であるとき──」
一時間目の数学の授業では、如月先生が教科書を読み上げて板書し、公式の解説をしています。ですが時折、如月先生はご自身が着ていらっしゃる白いブラウスの胸の膨らみをじっと見つめ、ムフリと小鼻を広げるような仕草をしていました。
「んんっ、どこまで読んだかしら。ああ、ここね。それでは、例題を解いてみましょう」
そして、ご自身のパンツスーツの股間部分をさりげなく撫でるような仕草をしました。その指先が、何かを確かめるように、もぞもぞと動いているのがわかります。一見すると、如月先生のパンツスーツには「あれ」の膨らみは見受けられませんでしたが……おそらく下着に締め付けられているだけで、存在していることは想像に難くありません。わたくしを含め、多くの生徒が先生のその仕草に、妙な視線を送ってしまいましたが、先生は気付かないふりで授業を続行しました。
そして異変を受け入れているのは、如月先生のような女性の教師だけではありませんでした。
「いやあ、いきなり校名が変わるとは驚いたよな」
古典を担当する男性教師、佐藤浩隆先生が、朗らかにそう言いました。佐藤先生は20代後半の若い男性で、テニス部の顧問をしていらっしゃいます。凛々しい眉が目を引く精悍な顔つきと、テニスで鍛えた引き締まった体躯で、見るからにスポーツマンらしい殿方です。その爽やかな人柄から女子生徒からの評判も上々で、休み時間になると、ひっきりなしに生徒たちが質問や相談に訪れています。佐藤先生もまた、この異変を受け入れていました。
「でも、古典の教師としては、校名になっている『益荒男(ますらお)』っていう言葉はなかなか興味深いんだよな。そうだ、授業を始める前に少し雑談に付き合ってくれ。皆は、この『益荒男』という言葉の由来、知ってるか?」
佐藤先生はそう言うと、楽しげに教室を見渡しました。
「『益荒男』っていうのはな、元々は『優れた立派な男』を意味する言葉だ。古くは奈良時代に、武芸が達者である素晴らしい男性を『優男(まさりお)』と呼んでいたことが由来なんだ。力強く、勇ましい男……まさに、そういうイメージだな。ちなみに、この対義語は『手弱女(たおやめ)』。しなやかで、おしとやかな女性のことだ。前の『白百合』は、どちらかというとこちらのイメージだったよな」
佐藤先生はそこで一度言葉を切り、日に焼けた精悍な顔の口角をにっと上げました。
「それが今日から、君たちは『益荒男』になったわけだ。……なるほど、今日の君たちはなんだかいつもよりキリッとして、引き締まった顔つきに見えるぞ。まさにこの新しい校名にふさわしいじゃないか。まあ、先生からのちょっとした豆知識だ。よし、じゃあ教科書の52ページを開いてくれ」
佐藤先生の言葉を聞きながら、わたくしは改めて教室を見渡しました。確かに、生徒たちの表情はいつもより精悍で、どこか自信に満ちているように見えます。
古典の授業が終わると、いつものように生徒たちが佐藤先生のところに集まりましたが、その距離感が、普段よりも明らかに近くなっているのが見て取れました。
「佐藤先生、腕を触らせてください!」
「私も私も! わっ、太くて逞しい……!」
「おいおい。そんなにくっつくなって」
佐藤先生は呆れたように言いました。生徒たちの視線は、佐藤先生の鍛えられた上半身や、すらりと伸びた足に集中しているように見えます。かつての白百合生としての慎みはどこへいったのか、殿方の体を無遠慮にベタベタと触っています。佐藤先生も良識のある先生ですから、普段であれば女子生徒がこのような振る舞いをすれば注意しそうなものです。しかし今日は苦笑いするばかりで、あまり抵抗がないように見受けられます。異性の生徒ではなく、まるで同性の生徒と接しているかのようです。
そして佐藤先生に群がる女子生徒の中で、一際目を引く存在がいました。クラスの中でも特に活発な蜷川さんです。蜷川さんは佐藤先生の背後からそっと近寄ると、大胆にも抱きつき──あろうことか、佐藤先生の男性として大切な部分を、スラックスの上から右手で躊躇いなく掴んだのです。
「さとうせーんせ♡」
「うおっ!? に、蜷川か!?」
佐藤先生は素っ頓狂な声を上げましたが、蜷川さんは悪びれもせず、小首を傾げてみせました。
「えりな、先生に相談したいことがあってぇ……」
「んっ……その前に手をどけてくれないか? ふーっ、さすがに驚いたぞ」
佐藤先生は蜷川さんの手を掴んでそっと外すと、振り返って蜷川さんに向き直りました。蜷川さんは全く反省した様子がないにも関わらず、佐藤先生もそれ以上注意はしません。佐藤先生はまるで腕白な男子生徒にちょっかいを出された程度にしか思っていないようでした。佐藤先生が「で? なんだ?」と促すと、蜷川さんは甘ったるい声で話し始めました。
「えりな、益荒男になったばっかりでぇ、立っておしっこするやり方、わからなくってぇ……困ってるんですぅ」
「私たちもです〜!」
蜷川さんの取り巻きたちも、すかさず声を揃えて続けました。佐藤先生は一瞬きょとんとした後「なんだなんだ、そういうことか」と精悍な顔に笑みを浮かべました。
「よし、じゃあ俺についてこい。男子トイレの流儀ってもんを、益荒男のひよっこたちに教えてやろうじゃないか」
「やったぁ! ありがとうございますぅ〜!」
「他にも、立ちションのレクチャー受けたいやつはいるか? いるなら俺と一緒に来てくれ!」
佐藤先生は、まるで部活動の引率でもするかのような気軽さで言い放つと、先頭に立って歩き出しました。その後ろを、わくわくした様子の蜷川さんたちがついていきます。他の女子生徒たちも、顔を見合わせたあと、席を立ってついていきます。あまりに突飛な出来事に、わたくしはただ呆然とその背中を見送っていました。しかしわたくしも、不意に尿意を催しました。
(ですがさすがに、立ちションというのは……)
あまりにも急激な、体と常識の変化……確かに「益女」として、男のやり方に慣れるべきという考えは、わたくしの頭の片隅にもありますが……しかし、白百合学園で培われた女性としての品位が、その行為に強い抵抗感を抱かせました。わたくしは普段通り、女子トイレに向かうことにしました。
廊下に出ると、他のクラスの生徒たちも、佐藤先生による立ちションの指導にご興味を覚えたのか、大勢が職員用の男子トイレの方へ向かっていく行列が見えます。わたくしはそちらには加わらず、一年生のフロアにある女子トイレに入りました。他の皆様が職員用のトイレに行ったおかげか、中にいるのはわたくしだけのようで、ひっそりとしていました。わたくしは個室に入って扉を閉めると……意を決して下着を下ろしました。
(こ、こちらが殿方の……)
小ぶりのらっきょうを思わせる、慎ましい「それ」が、わたくしの股ぐらに生えておりました。古代ギリシャでは小さいものが尊ばれたため、ギリシャ彫刻の「それ」は小さいものが多いと、美術の授業で習ったことがあります。わたくしに生えているのも、そういった大きさの「それ」でした。わたくしは便座に座って放尿すると、トイレットペーパーで「それ」を拭きました。
(いったい、どのような……本当に生えているのでしょうか? 外せたりはしませんの? はうっ!)
拭き終えたわたくしは、はしたないとは思いつつも、純粋な好奇心から「それ」の皮を摘んで引っ張ってみました。紛れもなくわたくしの肉体の一部であるという感覚と──そして、包皮が擦れることで甘やかな感覚が走り、「それ」がピクリと動きました。
(んっ……い、いけませんわ。貞淑たるべき白百合生が、このような……いえ、でも益女の生徒としては『益荒男の魂』の管理も重要ですし……!)
わたくしは必死に堪らえようとしましたが、しかし「益荒男の魂の管理は、各自が行うように」という如月先生の言葉が頭を過ぎります。それにわたくしが在籍しているのは「白百合」ではなく「益女」なのだという自覚も、しっかりとわたくしの中に存在しているのです。いつしかわたくしは鼻息を荒げながら、自身の股ぐらに生えた「それ」を浅ましく弄っておりました。
(あっ、なっ、なんですの? この感覚……!)
わたくし自身の華奢な手足や、ブラジャーに包まれた膨らんだ胸が──そしてわたくし自身の体から漂う甘やかな香りが、ひどく魅力的に感じられます。まるでわたくしの目や鼻が、男性のそれになってしまったかのように錯覚してしまいます。
「ハァッ……はぁっ……ンッ……!」
いつしかわたくしは自分自身の体に欲情して、女子トイレの個室で身悶えておりました。わたくしの色白な手が「あれ」を弄るたびに、「あれ」は小さいながらも熱く、固くなっていきます。そのたびに、女性である自身の股ぐらに「あれ」が生えているという事実に、わたくしは甘く陶然とした溜め息をつくのでした。
そして唐突に、その瞬間は訪れました。
(あっあっ! な、なんですの!? 急になにかこみ上げてき──)
わたくしの太腿が痙攣し、「あれ」の下にぶら下がった小ぶりな袋の中で、ぐりんぐりんと中身が動くのを感じます。次の瞬間、わたくしの手のひらの中で「あれ」が爆発したかのように錯覚しました。
「んくっ! ハぅんん〜〜〜ッ!?!?」
射精。知識として知っているだけだったその現象が、わたくしの体で起こりました。背筋に鋭い快感が走り、続いて熱い液体が噴き出します。わたくしははしたない声を上げ、射精の快感を貪っておりました。
──Y染色体、挿入。
その声が頭の中で聞こえると共に、わたくしの体にも変化が起きました。股ぐらに生えた「あれ」が、精液を噴き出しながらどんどん太く、雄々しく反り返っていきます。そしてわたくしの体もまた、ゴキゴキと音を立てて変化していきました。
「あれ」を掴んでいた華奢な手が、指が骨ばって太くなり、小さな爪の幅も広くなっていきます。「あれ」の周りに生えたしっとりとした陰毛が、濃く生い茂った剛毛になっていきます。肩幅が広くなるのを感じると共に、四肢に力が漲り、腕も足も骨太になり、筋肉質で逞しくなっていきます。
「なんっ……ですの、これっ……!」
筋肉や骨格の変化と共に、なめらかだった肌はざらつきを帯びていきます。胸の膨らみは見る見るうちに萎みつつ、大胸筋が発達して逞しい胸板へと置き換わっていきます。腰のくびれは消え、腹筋が割れた腹とがっしりとした腰に変わりました。
骨格と細胞の一つ一つが、男性のそれへと作り変えられていく──まるで芳村沙織という少女の肉体が、「男」という概念に塗りつぶされ、征服されるような感覚でした。
「ハーッ、ハーッ……は〜〜っ……」
気がついたときには、変化は既に終わって、わたくしは肩で息をしていました。腕も足も太く筋肉質で、血管が浮かび上がっていて逞しいものです。全身が重たくなりましたが、それを上回る力強さと活力が体に満ちています。快感の余韻に荒い息を吐くと、わたくしの喉から低く響く声が漏れました。
「あ゛ぁ゛……」
それは明らかに殿方の──若い男性の声でした。わたくしが喉を抑えると、ゴツゴツした喉仏と太い首の感触がありました。わたくしはトイレットペーパーで射精の後始末をすると、女性用の下着に入り切らない巨根をむりやりに下着に収めました。モジャモジャと濃い陰毛が下着の布地からはみ出ていることに、わたくしは思い悩みましたが、いまはそれよりも確かめたいことがあります。個室を出て、女子トイレの洗面台の前に立ちました。
(こ、これが……わたくし?)
見るからに筋肉質な偉丈夫が、鏡に映っていました。髪型は元のわたくしのまま、肩まであるセミロングヘアですが、明らかに男性の太い髪質になっています。顔の輪郭もゴツく角張り、眉も太く濃くなっています。小さかった鼻は横幅が広い男性的な獅子鼻になり、薄かった唇も厚めになっています。目元は他に比べるとわたくしの面影がありますが、それでも男の人の目です。もしわたくしに双子の兄がいたなら、このような顔立ちなのではないか──そう思わせる逞しい男子高校生が、目の前の鏡に映っていました。
そのような逞しい殿方が、白百合の──益女のセーラー服を着ているのが、なんとも奇妙でした。白地をベースにして、淡い黄色の意匠の入った百合モチーフのセーラー服とスカート……それらを身につけた姿は、屈強な水兵を思わせます。頭では奇妙だと思いつつも、わたくしの胸の裡には、なぜかこの姿がしっくりくるような、不思議な納得感がありました。これが、益荒男の魅力というものでしょうか。
わたくしは、鏡の中の自分にゆっくりと笑いかけてみました。表情筋も発達したのか、妙に顔が強張るのを感じます。鏡にはぎこちないながらも、精悍な顔で笑みを浮かべる男が映っていました。わたくしは自身の男らしい風貌に喜びが湧き上がるのを感じ、続いてそのことに強い戸惑いを覚えました。
(い、いったい……どうしてしまったんですの!? わたくしは……このような、むくつけき殿方になってしまったというのに……!)
以前のわたくしの美的感覚で言えば、今のわたくしの姿は逞しくはありますが、あまりにも男性的で──直接的に言えば、野性的すぎます。あまりにも「男」としての……性的な魅力が露骨すぎて、慎ましくあれと育てられたわたくしには刺激が強すぎるはずです。
なのに……わたくしは、鏡の前で力こぶを作り、うっとりと見惚れておりました。逞しく雄々しい肉体──それらが今のわたくしの肉体であることが、誇らしく思えてしまうのです。
(ああ! こんな男の体に心を掻き乱されてしまうなんて! いったいわたくしは、どうしてしまったの!?)
わたくしは我に返ると、顔が熱くなるのを感じながら、急いで女子トイレから出ました。明らかに体格が大きくなったというのに、制服も上履きもまるで男の体に合わせて誂えたかのように、大きさが変化しているようです。廊下を歩くわたくしの足取りは、以前よりもずっと力強く大股で、一歩一歩が地面をしっかりと捉えているようでした。他の生徒たちとすれ違うたび、皆が驚いたような顔でわたくしを見つめますが、その視線はわたくしを辱めるものではなく、むしろ羨望や畏敬の念を含んでいるように感じられました。それがまた、わたくしに奇妙な優越感を与えたのです。そして先ほどよりも存在感を増した「あれ」が、いつの間にか下着からはみ出してしまい、ぶらぶらと揺れるのを感じました。
わたくしが教室に戻ったのは、次の世界史の授業が始まる直前でした。明らかに「益荒男」へと近づいたわたくしの姿に、教室の皆さんも驚きつつ──どこか憧れを込めた視線を感じました。そしてわたくしもまた、女性としての魅力に溢れるご学友の皆さまの姿に、男として鼻息が荒くなるのを感じ……わたくしのスカートの下で、パンティからはみ出した巨根が、熱く怒張するのを感じておりました。
(んっ……このようなことばかり考えてしまうなんて……殿方って、皆さんこうなのかしら?)
「静かにしなさい。授業を始めますよ」
わたくしの妄念を断ち切る、凛とした教師の声が響き、世界史の授業が始まりました。世界史担当の遠藤京子先生は、背筋をぴんと伸ばして教壇に立たれる、校則に厳しいことで知られる実直な先生です。その厳しい佇まいは、まさに白百合の品位そのものです。櫛の目が丁寧に通された白髪交じりの髪は、後頭部の低い位置で一つに束ねられ、派手さはないものの、質の良さを感じさせるべっ甲風のバレッタで留められています。遠藤先生は、わたくしの益荒男化に浮ついた雰囲気の教室に、ピシャリと声を発しました。
「よいですか? 皆さんに『益荒男』としての自覚が芽生えたのは大変に結構なことです。ですが、今は世界史の授業中です。集中なさい」
わたくしも含め、教室の生徒達は「はい」と返事をいたしました。わたくしが悶々と湧き上がる男の性欲と戦っているうちに世界史の授業が終わると、前の席の葵さんが、わたくしに声を掛けてきました。
「沙織さん、その……急にどうなさったの? すごく……見違えましたわね」
「ええ……その……」
わたくしは自身の一挙手一投足が注目を浴びているのを感じながら、葵さんの耳元に顔を近づけました。すると葵さんの甘やかな香りが鼻腔をくすぐり、妙に心が浮き立ちました。それを抑えつつ、わたくしは口を開きました。
「わたくし、さきほど射精いたしまして……そうしたら、こうなりましたの」
「まあ……!?」
「ええ、出来心からつい……お手洗いでチンポを弄ってしまいまして……あっ、いえ……「益荒男の魂」でしたわね」
わたくしは自分の口から「チンポ」という俗な男性器の呼び名が出てしまったことに、一瞬遅れて驚きつつ、しかし妙に馴染む呼び名であると感じておりました。どうやら体だけでなく、わたくしの心もまた、男性のそれへと近づいたような気がします。頭ではそれを恐ろしいと考えつつも、しかしより恐ろしいのはそれを「悪くないのでは?」と感じている自身の心でした。わたくしは低い声で葵さんに警告しました。
「……恐ろしいのは、それだけではございません。わたくしは先ほど、鏡の前でこの逞しい肉体に見惚れてしまいました。女性であった自分を失った悲しみよりも、男になった喜びが上回ってしまう瞬間があったのです。このまま心まで益荒男になってしまったら、わたくしはもう……『芳村沙織』とは別人になってしまうのではないか……そう思うのです」
「沙織さん……」
「ですから葵さん、あなたまでわたくしと同じ過ちを犯してはなりません。わたくしたちは、かろうじて残っている『白百合の生徒』としての誇りを、守り抜かなければならないのですわ。それは益女としての誇りとは、全く別なものです」
「ええ、沙織さんのおっしゃるとおりです。ですが沙織さん、ひとつ、約束をしませんこと?」
「約束?」
「ええ。私と沙織さんが、どのような姿になったとしても──たとえ心まで益荒男になってしまったとしても、きっとお友達でいましょうね」
「それは……わたくしも同じ想いですわ」
葵さんが微笑み、わたくしも笑みを返しました。そしてわたくしと葵さんは、小指を結び合いました──わたくしの小指は、太くゴツい指になっておりましたが──そして、ゆびきりげんまんを交わしました。
※
午前中の授業が終わり、昼休みになる頃には、わたくしのように「益荒男」の肉体に変貌した生徒が他にも何人かいました。肉体が益荒男になった生徒は、以前よりも逞しく、精悍な顔つきになっており、明らかに体格が大きくなっていました。女子生徒特有の甘やかな香りの代わりに、男らしい汗の匂いが漂ってきます。制服のサイズもまた、それぞれの体格に合わせて変化しているようで、違和感なく着こなしていました。教室や廊下では以前は聞かれなかったような低い声が飛び交い、柔らかな仕草の代わりに、どこか力強い動きが見受けられます。すれ違うたびに、男同士のような奇妙な連帯感すら覚えるほどでした。
昼食を摂るために食堂に向かうと、そこは以前にも増して熱気に満ちていました。ごく普通の女子生徒に混じって、逞しい体つきになった女子生徒たちが、以前よりもがっつりと大盛りの食事を摂り、大きな声で談笑しています。中には、まるで自分が男になったことを誇示するかのように、力自慢をする者まで現れていました。以前の白百合女学院では考えられない光景です。
午後の体育は水泳の授業でしたが、それも今までとは異なる様相を呈していました。一年三組にも、わたくしのように益荒男化が進行した生徒が幾人かいます。わたくしたちの水着は、女性らしいデザインはそのままに、逞しく発達した筋肉に沿ってぴったりと体に馴染み、その雄々しい肉体美を際立たせていました。かつての細い手足は鍛え上げられたかのように太く、しなやかな曲線を描いていた背中には、毘沙門天もかくやという隆々たる広背筋が浮き彫りになっていました。そして体を動かすたびに、水着には巨根と金玉の輪郭が浮かび上がり、露骨に目立っていました。
「まずは一人ずつ、クロールで泳いでいきましょう。向こうについたら、隣のレーンでこちらに戻ってきてください」
体育を担当する渡辺理恵先生は、20代後半の快活な女性の体育教師です。渡辺先生の「益荒男化」は、わたくしほどには進行しておりません。渡辺先生はしなやかな肢体に女性用のセパレートタイプの水着を着用しており、股間には小さなチンポの形状が浮かび上がっています。
「この大胸筋……泳ぐとき、ちょっと邪魔じゃないかしら……?」
わたくしの近くで順番を待っている、ゴリマッチョで逞しい巨漢──それがかつては小動物のように愛らしかった蒔田さんであることが、わたくしはいまだに信じられませんでした。水泳キャップの下にある、ふんわりとしたボブヘアーこそ元のままですが、熊のように分厚い胸板と、丸太のように太い腕をしているのです。顔の輪郭も肉付きが良く、頑健そのもの。時折見せる困ったような表情にかろうじて以前の面影が残るだけで、その巨体から発せられる圧は、以前の彼女とは全くの別人でした。
「ふーっ……力が漲っていて、最高でしたわ……」
泳ぎ終わって戻ってきた偉丈夫──それが豊嶋さんでした。きっちりと結われた三つ編みはお団子にして水泳キャップに収めていますが、豊嶋さんの風貌は知的な猛禽類を思わせるものへと変貌しておりました。高い鼻梁と彫りの深い顔立ちは理知的な男らしさを放っています。豊嶋さんの首はレスラーのように太く、スクール水着の上半身をはち切れんばかりに盛り上がらせる大胸筋が、猛々しい威圧感を放っていました。
「どう? えりなの上腕二頭筋、すっごくキレてるよね?」
益荒男化が進んだ生徒の中で一際目立っていたのは、蜷川さんでした。更衣室でお見かけした際、蜷川さんの髪型も変化していました。サイドを大胆に刈り上げたツーブロックで、明るい茶色に染めています。そして日焼けサロンで焼いたかのように浅黒い肌に、白い歯が映える自信満々の笑顔を常に浮かべていました。悪戯っぽく細められた瞳は、自身の力こぶに見惚れています。その肉体は、まるで女性にアピールするためだけに鍛え上げられたかのよう。ボディビルダーのような逆三角形の上半身は、分厚い大胸筋と、きっちり割れたシックスパックで構成され、スクール水着が窮屈そうに見えるほどです。日に焼けた太い腕には血管が走り、事あるごとに力こぶを作って見せびらかすのが、彼女の新しい癖のようでした。
彼女はプールサイドで最も目立つ存在で、取り巻きの生徒たちに囲まれながら、大声でふざけ合っています。そしてその逞しい肉体から、「えりな、今年の夏はバルクマッチョになりたいんだけど!」などと、重低音の男らしい声で可愛い子ぶった言葉が発せられるのですから、そのちぐはぐな様子に、わたくしはめまいを覚えるほどでした。
午後の体育もそのような調子でしたし、「益女」の学校生活の中では、心から休まる暇もありませんでした。午後の授業がすべて終わった後、わたくしは茶道部の部活動をお休みさせて頂き、自宅へと帰りました。
※
「お母様もお父様も……わたくしの姿を、当然のように受け入れてらしたわね……」
その日の夜。わたくしはお風呂場で湯船に浸かり、逞しい僧帽筋にお湯を掛けながら、これからどうしたものかと思いました。逞しい殿方となったわたくしが、セーラー服で下校する姿が騒ぎにならなかったことから、薄々察してはおりましたが──自宅に帰ったわたくしを、お母様もお父様も温かく迎え入れてくださいました。とはいえ「外見が変化した」ことそのものは理解されているようでした。
「沙織さん、こんなに逞しくなったのね……」
と、帰宅したわたくしを迎え入れたお母様は、目尻に涙が浮かんでおりました。わたくしは最初、お母様もこの「異変」の異常さを認識していらっしゃるのかと期待しましたが、どうやら「愛娘が逞しい益荒男となった喜び」に感涙していらっしゃるご様子でした。帰宅したお父様もわたくしの姿を見て、心底嬉しそうな笑みを浮かべていらっしゃいました。
「さすがは益女だ。沙織が一日でこんなにも逞しい益荒男になるなんてな。沙織のような立派な益荒男が娘で、私は本当に嬉しいよ」
(これもまた、ひとつの形での愛情表現なのでしょうけれど……)
わたくしは、以前よりも狭く感じる湯船の中で、湯の中に入れた口からぶくぶくと泡を吐きました。お母様もお父様も、以前の「芳村沙織」よりも、いまの「益荒男になった芳村沙織」が娘として立派な姿だと考えていらっしゃるようです。変わらず注がれる両親の愛情を嬉しく思う反面、それがこの逞しい益荒男になったわたくしに対するものであることを思うと、わたくしは内心穏やかではいられませんでした。
「……そろそろ出ましょうか」
わたくしがザバリと立ち上がると、お湯が大量に減った湯船から出ました。タオルで体を拭いてから脱衣所に戻り、用意していた着替え──こんなにも逞しい男性になったというのに、まだ下着は女性用のままなのです──そのピンク色のレース生地のパンティを穿きました。
「んっ……なかなか、収まりませんわね……」
股ぐらに生えた巨根を、パンティの生地で押さえつけ、なるべくまっすぐになるように位置を整えます。なんとか収めましたが、亀頭ははみ出してしまっています。
続いて手に取ったのは、家でわたくしが愛用している、上質なコットンローン生地の半袖シャツです。色はペールピンクで、丸襟の襟元や袖口に小さなピコレースのある、女性的なデザインです。そのコットンローン生地の半袖シャツを着てから、わたくしはアイボリー色のカプリパンツを手に取りました。いわゆる七分丈ぐらいの長さのズボンです。
いつも通りの部屋着を着終えたわたくしは、鏡を見ました。ですがそこに映っているのは、あまりにも服と体がチグハグな姿でした。
薄手で少し透け感のあるコットンローン生地の半袖シャツは、肩のあたりは発達した僧帽筋ではち切れんばかりになっています。可愛らしい貝ボタンのある胸元は、逞しい胸板でパツパツですし、ピコレースのある袖口から出ている両腕もゴツゴツとした男の腕です。
そして下半身に穿いたカプリパンツ──イタリアの高級リゾート地であるカプリ島に由来する、避暑地での上品な装いとして生まれたこのズボンもまた、わたくしの逞しい太腿や固く引き締まった大殿筋に張り付き、雄々しい肉体のラインを如実に示しておりました。無論、股間の辺りにはわたくしの股ぐらに生えた巨根が、これでもかと存在を主張してしまっております。七分丈のため、逞しいふくらはぎも晒してしまっております。
シャツもズボンも両方が女性的なデザインではありますが、それを着用している人間の雄々しい筋肉を、かえって強調してしまっているのです。わたくしは肩で息をしながら、鏡を食い入るように見つめておりました。鏡には、わたくしの部屋着を着た逞しい殿方が、悩ましげな目でこちらを見つめ返しています。
(……い、いけませんわ)
パンティの中に無理やり収めた巨根が、ぴくりと反応するのが感じられました。学校にいるときも感じておりましたが──わたくしが好む異性の基準が、自分のような筋骨逞しい殿方になっているのです。理性では拒絶しながらも、この雄々しい体躯に惹かれる己の感情を、わたくしは最早否定できませんでした。いつしかわたくしは、このむくつけき男の肉体を喜んで受け入れてしまうのではないかと……ただただ不安が募りました。
ムラムラと浅ましい感情が湧き上がるのを自覚しながら、自分の部屋へと戻りました。白とアイボリーを基調とした優しく淡い色合いのお部屋には、柔らかな光を描いた印象派の風景画が壁に掛かり、アンティーク調のドレッサーや薄いオーガンジー生地のカーテンが垂れた天蓋付きベッドがあります。その可愛らしい部屋の中で、ただひとつ、わたくしのむくつけき肉体だけが異質でした。
わたくしは、レース編みのクッションや、お父様から頂いたテディベアが置かれた天蓋付きベッドに横たわりました。「益荒男」になる前の、わたくしの甘やかな香りがクッションやベッドから漂ってきて、股間がもぞりと動きそうになります。その性欲旺盛な男としての性根に、わたくしは頭を抱えました。可愛らしい部屋の調度品と、自身の雄々しい肉体との乖離に、倒錯的な興奮を覚えてしまいます。柔らかなベッドの感触は、本能的な部分でわたくしを誘惑しているようでした。
もしかしたら今日起きたことは全て夢で、明日の朝は本来の自分の体で、目を覚ますのではないか。白百合女学院は益荒男女学院になど変わっておらず、葵さんも他の皆さんも、何事もなく通っているのではないか。そんな淡い期待すら抱きながら、次第に眠気が増してきました。
「ひとまず……今夜は早めに休みましょうか」
わたくしは隆起した喉仏を意識しながら、低く響く声で呟くと、部屋の電気を消しました。そして、テディベアを抱いて眠りました。
※
夢の中でわたくしは、葵さんと談笑しておりました。場所は、白百合女学院の屋上です。そこからは、かつてわたくしたちが眺めていた、絵に描いたような美しい庭園が広がっていました。葵さんは以前と変わらぬ可憐な姿で、わたくしの隣で微笑んでいます。わたくしは益荒男としての逞しい肉体になっておりましたが、夢の中ではそのことに違和感を感じてはいませんでした。葵さんの細い腕がわたくしの逞しい腕に触れると、胸の奥から温かいものが込み上げてくるのを感じました。どうかずっとこのまま──時間が止まってしまえばいいと、わたくしは心から願いました。
「葵さん……」
わたくしは低く響く声で葵さんの名前を呼ぶと、葵さんの薄い唇に接吻しました。本能のままにぬるりと舌を入れ、葵さんの舌と絡ませ合います。葵さんの華奢な体を太い腕で抱きしめている間にも、わたくしの股間は制服のスカートの中で怒張していきました。わたくしはゴツゴツした手を葵さんのスカートの中に入れ、パンティを脱がせ始めました。
「沙織さん……来て……」
頬を紅潮させた葵さんにせがまれるまま、わたくしはペニスを葵さんの秘所へと宛てがいます。わたくしは鼻息が荒くなるのを感じました。
「あぁ……沙織さんの……すごく太くて……逞しいわ……」
葵さんが喘ぎながらわたくしの巨根を迎え入れると、わたくしは深く浅く、腰を振り始めました。
※
「葵さん……葵さん…………あ……? え……??」
意識が戻ったわたくしは混乱しました。ここは……わたくしの部屋?? ついさっきまで、白百合の屋上で葵さんと逢瀬していたはずですが……? 頭がぼんやりとしてうまく働きません。しかしわたくしは、浅ましい動きで腰を振り続けておりました。
──お父様から贈っていただいたテディベア。ジェームズと名付けたそのテディベアを抱いて、わたくしはヘコヘコと腰を振っていたのです。寝ぼけていたのか、いつの間にかカプリパンツも下着も脱ぎ捨てており、下半身は裸の状態でした。
「あっ!? えっ! なんで……? はううっ!!」
そのとき、ぞくりと背筋に軽い快感が走りました。来る。来てしまう。そんな予感がします。夢の余韻と現実の乖離に、わたくしの心は激しく波打っていました。硬く膨らんだペニスが、テディベアの柔らかな毛並みに擦れるたび、内側から熱いものがこみ上げてくるのを感じました。背徳感と、どうしようもない快感が入り混じり、わたくしの思考を麻痺させます。そして、その熱は股間へと集中していきました。
「あぁぁっ!! だ、ダメッ! いッ! んくぅ〜〜〜〜ッッ!!!」
わたくしの腰の動きが早くなり、まるで発情した犬のようにヘコヘコとテディベアにチンポを擦り付けると──わたくしは、射精しました。
どぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっどぷっ……精液がチンポの中を通っていく感覚と、思考がマグマのように滾った性欲に支配され、続いて急速に冷めていくのを感じました。わたくしの逞しい筋肉が、さらにミチミチと音を立てて筋肥大を重ねていく感覚がありました。
(はぁ〜〜っ……やってしまいましたわ……)
数十秒後。射精の余韻から覚めたわたくしは、明け方の薄ぼんやりと明るい寝室の中で体を起こしました。まるで格闘家のように屈強な体になっています。陰毛が濃くなり、股間からへそまでモジャモジャと剛毛な茂みが繋がっていました。わたくしが先ほどまで抱きしめていた【福本めぐみがプリントされたカバーの抱き枕】には、べっとりと精液が付着していました。
(まあ、もともと抜き用の抱き枕ですし、多少精液が付いても……あら?)
なにか……何かがおかしい気がしました。う〜ん……【グラビアアイドルの福本めぐみといえば、いま人気急上昇中のデカパイグラドル】ですし【以前からわたくしは推していた】のですから、彼女の抱き枕カバーを持っていても【何もおかしくない】……ですわよね? わたくしはティッシュで精液を丹念に拭き取ると、部屋のゴミ箱に捨てました。洗濯するため抱き枕からカバーを外すと、何気なく部屋を見渡しました。
お部屋は白とアイボリーを基調とした優しく淡い色合い。壁に掛かっているのは、柔らかな光を描いた印象派の風景画。ドレッサーはアンティーク調。ベッドは【無骨で飾り気のない、黒いスチールパイプで組まれたパイプベッド】ですし、ベッドのサイドボードには【男性向けのエロ漫画雑誌】が整頓されて並んでいます。【以前からわたくしはTSF漫画を嗜んでおり、今月号は体育教師とギャル系女子高生の入れ替わりエッチが、大変にシコリティが高く感動した】のは記憶に新しいです。まあ、TSFは創作物で嗜んでいるものの、いざそれが自分の身に起きてしまうのは、さすがに戸惑いが勝りますが……。
(よかった。昨晩と何も変わっておりませんわね)
わたくしは安堵致しました。益荒男化という、奇妙な出来事と向き合うわたくしにとって、この部屋は唯一安らげる聖域です。昨日は益荒男になってしまったわたくしと、あまりにもかけ離れた部屋に疎外感を感じていましたが、不思議と今朝はそれが薄れていました。わたくしがどれだけむくつけき肉体になったとしても、この部屋だけは変わらずに迎え入れてくれる……そのことに感謝しつつも、わたくしは【白いタンクトップのみで下半身は裸】の格好で【ティッシュで拭ってもなお精液臭いデカマラ】と【濃い精液がまだまだ詰まっている金玉】をぶらぶらと揺らしながら、洗面所に向かいました。
洗面所では、お父様がトリマーで髭を整えていらっしゃいました。50歳過ぎであることを感じさせない鍛えられた体躯と、きちんと整えられた口髭がダンディな雰囲気を醸していらっしゃいます。お父様はわたくしに気がつくと、手を止めて柔和な笑顔で口を開きました。
「おはよう、沙織。おっと……朝から元気だな」
どうやらお父様は、わたくしのチンポと抱き枕カバーから漂う精液の匂いから、わたくしの痴態を察されたようでした。わたくしは羞恥に顔を赤らめながら、小さな声で応じました。
「お、おはようございます、お父様。その……こちらは……」
「ああ、気にすることないさ。沙織は男の中の男、益荒男になったんだからな」
お父様は、ややお父様よりも高くなったわたくしの頭を、少し背伸びして撫でてくださいました。わたくしの【ソフトモヒカン】に刈り上げた髪がごわごわとする感触がします。お父様は【わたくしの下半身で揺れているデカマラと金玉】に視線をやると、苦笑いをしました。
「ただ、家の中とはいえ、もう少し格好に気をつけなさい。そんな格好でうろつくのは、由紀さんには刺激が強すぎると思うぞ」
お父様は、お母様の名前を出してわたくしを窘めました。そこでようやくわたくしは、下半身をさらけ出して洗面所にいることが、かつての自分からはかけ離れた行為だということに気づいたのです。わたくしは精液臭い抱き枕カバーで慌てて下半身を隠しました。
「ああっ! うっかりしていましたわ!」
「ハハハ! まあこれも男になった証拠だ。どんどん逞しくなるんだぞ、沙織」
お父様はわたくしの肩をポンと叩くと、満足そうに頷かれました。その言葉に、わたくしは複雑な感情を抱きました。男になることは、望んでいなかったはずなのに──お父様から認められると、妙にこそばゆく、誇らしいような気持ちさえしてしまうのです。
お父様と入れ替わりに洗面所に入ったわたくしは、鏡で自分の顔を見つめました。昨日よりも顔の彫りが深くなり、顔つきにゴリラのような野性味が出てきた気がします。わたくしは【慣れた手つきで】【シェービングクリームを顔に塗ると、剃刀で髭を剃っていきました】
(はぁ〜……やはり射精するほど、益荒男化が進行すると考えるべきですわね? とはいえ【体つきや顔が多少ゴツくなる】程度で【精神面はほとんど影響がない】のは助かりました)
まあ、うっかりチンポ丸出しで洗面所に来てしまいましたが……これは【わたくしの不注意ゆえですし】【特に大したことではない】ので、【益荒男化とはあまり関係ない】と考えるべきでしょう。わたくしは髭を剃り終えたツルリとした顔を撫でると、整髪料でソフトモヒカンを整えていきました。
※
「それではお母様、行って参ります」
「ええ、気をつけてね」
わたくしは益女の制服に身を包み、家を出ました。白を基調としたセーラー服には、百合を思わせる淡い黄色の襟とスカーフ。そして【短パン】も淡い黄色で、わたくしの逞しい両足がよく見えてしまい、なんだかこそばゆいです。駅までのバスを待っているときも「見て、益女の……」「ほんと、凛々しくて素敵だわ!」という他校の女子生徒たちの囁きが聞こえてきました。
(わたくしは、益女の生徒としての誇りを守らねばなりませんわ)
わたくしは改めて決意を固めました。これ以上射精して、むさ苦しい男になってはならない。貞淑な女学生としての品位を保ち、学園生活を送っていかなければ──そうでなければ、益女の名に恥じる生徒として、先輩方や地域の皆様への顔向けも……。
(益女の……いえ、確か昨日までは、違う学校名で……ええと、何だったかしら?)
バスと電車を乗り継いで校門の近くまで来ましたが、どうしても思い出せません。もどかしさを感じながら、わたくしは校門の銘板を見ました。
──私立益荒男女学院
(いえ、確か昨日、銘板が違っていた……それは覚えています。そう。確か──)
──私立白百合女学院
パチン、と頭の中でスイッチが切り替わるように、わたくしは全てを思い出しました。
(そうですわ!? ここは元は白百合女学院で……!! それにわたくし、今朝からなんて破廉恥なことを……!?)
わたくしは、グラビアアイドルの抱き枕に射精したことや、チンポ丸出しで家の中を歩き回っていたことを思い出して、思わずめまいがしてしまいました。今思えばベッドも武骨なものになっておりましたし、サイドボードにあのような下品な漫画が詰まっているなんて……!! おそらくわたくしが射精したことで、わたくしの調度品や心が侵食されたのでしょう。ソフトモヒカンになっていた髪型や、初めてやるはずの髭剃りに抵抗がなかったのも不自然でしたが、その時は何の疑問も抱いておりませんでした。
(み、皆様は無事なのかしら? 気をつけていたはずのわたくしでさえ、このような醜態を晒してしまっているということは──)
わたくしの懸念は、最悪な形で的中しました。
※
教室は、むさ苦しいゴリマッチョで溢れかえっておりました。肉体が逞しすぎるゆえに、制服という概念さえもなく、皆様はビルダーパンツや水着などの、肉体の逞しさを強調する衣装を着ていらっしゃいます。それらの衣装には、股間のところに益女の校章が── 白百合を模した以前の校章ではなく、明らかに男性器を抽象化した卑猥な校章が入っているのが、より変態性を強調しています。中にはそういった衣装さえ何も着ていない、全裸の者さえいる有り様でした。
「つーか福本めぐみエロすぎだろ。なんだよあのデカパイ!」
「おう……たまんねえよな! あの巨乳でパイズリされてぇ〜っ!」
ゴリマッチョになり、さらにビルダーパンツのみの格好の蒔田さんと豊嶋さんが、雑誌のグラビアページをオカズにしつつチンポを扱いていました。蒔田さんは、昨日の水泳の時点で熊のように分厚い胸板でしたが、さらに今日は一層筋肉がついた上に、濃い胸毛まで生えていらっしゃいます。髪型もボブヘアーからハードモヒカンに変わり、モヒカンの部分は赤髪に染められ、顔つきもさらに猛々しくなっています。太い眉毛には剃り込みまで入っている有りさまです。ビルダーパンツのみ着用した姿は、まるで悪役のプロレスラーのような雰囲気です。蒔田さんが昨日の朝まで小動物のように愛らしい女の子であったことなど、到底想像がつきません。
豊嶋さんも昨日の水泳の時点で、猛禽類を思わせる彫りの深い逞しい殿方になっていましたが、本日はさらに容姿が変わっていました。三つ編みだった髪はリーゼントになり、ジェルでテカテカと固めています。さらに口髭も蓄えており、とても高校生には見えません。彫りの深い顔立ちと相まって、まるで暴走族のリーダーのような雰囲気です。蒔田さんと豊嶋さんは、強面なゴツい顔にデレっとした笑みを浮かべながら、福本めぐみのグラビアページをオカズにチンポを扱き……時折、目を見合わせると、互いのゴツい顔を近づけて、チュッと音を立てて唇に接吻しています。そして二人は自分のチンポから手を離すと、今度は相手のチンポを扱き始めました。
「おう豊嶋ァ……なかなか扱き甲斐のあるデカマラじゃねえか」
「ヘヘッ、蒔田もだろ? つーかエロすぎなんだよ。こんなぶっといもんぶら下げやがって」
二人は男同士の官能の昂りを愉しみながら、再び音を立てて接吻し、肉厚な舌同士を絡ませていました。そして、蒔田さんと豊嶋さん以上に、露骨な行為に及んでいる者もいました。
「ウオッ!! ウオッ!! 姫島ッ!! 中に出すぞ!!!」
「オウッ! どんと来いや! ぬおっ! んくぅ〜〜〜〜〜ッ!!!!」
こちらでは、猛々しい益荒男になってしまった陣野さんが、机に手をついた姫島さんの尻に腰を振り、まさに射精を遂げる瞬間でした。かつての陣野さんは背が高くすらりとして、まるで王子様のような雰囲気でしたが──いまの陣野さんは、まるで真逆です。ショートカットだった陣野さんの髪型は、サイドを刈り上げたツーブロックになり、剃り込みまで入っています。王子様のようだと評された涼やかな顔つきは、濃い眉と太い鼻梁が合わさって、まるでゴリラを思わせる暑苦しさです。そのような屈強な容姿であるのに、陣野さんが着用しているのは女子生徒向けのスクール水着であり、股ぐらからチンポをはみ出させて、姫島さんの尻に挿入していたのでした。
姫島さんもまた、かなりの益荒男へと変貌していました。お人形のように愛らしいウェーブヘアだった髪型は、男臭い角刈りになっています。小顔だった顔も角張ったゴツい輪郭へと変わり、小柄だった体躯もゴリマッチョで上背のある偉丈夫になっています。体毛こそ少ないですが、こんがりと全身が日焼けし、さらに着用しているのはマンキニでした。かつての姫島さんを思わせる淡い桜色のマンキニに、男根を思わせる卑猥な意匠の益女の校章が白地でプリントされています。マンキニの生地と重なる肌には日焼け跡があり、生地がずれたところからは色白な肌が見えるのが、何ともフェティッシュです。姫島さんはアナルに射精される感覚に身悶えしながら、絶頂に達したようでした。
「くうぅぅ〜〜〜ッ!!!」
大きく伸びたピンク色のマンキニ生地が、かろうじてデカマラの亀頭を包んでいます。その生地を貫いて、どぷっどぷっと濃い精液が机と床に溢れていきました。射精を終えた姫島さんは、角刈りが似合う男臭い顔に、眉根を寄せた切なげな表情を浮かべ、メスイキの余韻に浸っています。
「オオゥ……このケツでイク感覚……マジでたまんねえぜ……」
今の絶頂で、さらに益荒男化が進行したのでしょう。太い血管が走る姫島さんの二の腕が、さらにバルクアップし……よりマッチョになった肉体を、姫島さんはひくひくと痙攣させています。姫島さんの腰を抱いたまま射精の余韻に浸っている陣野さんも、さらに胸板が分厚くなり、暑苦しさが増していました。
「そ、そんな……皆様、なんてお姿に……」
もはや白百合の伝統に泥を塗るどころの話ではありませんでした。教室の入口で、わたくしはへなへなと膝から崩れ落ちそうになりましたが、そんなとき、後ろからわたくしを支えてくださる太い腕がありました。
「おい沙織、大丈夫か?」
「え……?」
低く響く声音に振り向くと──青々しい五厘刈りの巨漢が、わたくしを抱きとめてくださっていました。その垂れ目がちな眼差しに、わたくしは思わず大きな声をあげました。
「あ、葵さん!?」
「おう。なんだ……俺も抜いちまったら、すげーゴツくなっちまってな」
五厘刈りの巨漢は、照れくさそうに坊主頭を掻いています。確かに、目元に葵さんの面影はあります。ですが「伏見葵」という女性に、たっぷりと男らしさを注ぎ込んで益荒男へと変わった姿は、もはや別人と言って過言ではありませんでした。しなやかだった肢体は僧帽筋と大胸筋が発達した逆三角形の体躯へと変貌し、腕も太腿も逞しいです。垂れ目がちで儚げな瞳は、妙に好色そうな目つきになり、鼻は大きく広がって荒い息を吐き出し、喉仏は競り上がって男であることを主張しています。小顔だった顔のラインもゴツくなり、角張った顎がとても男性的です。全体的に性欲が強そうで、芋臭い雰囲気になっています。
「とりあえず、席に行こうぜ」
「え、ええ……」
わたくしは戸惑いつつも、自分の席へと参りました。葵さんが鞄を置いて振り返ると、わたくしはドキリとしました。「益荒男」が好みになってしまったわたくしの嗜好において……葵さんのように飾り気がなく、野郎臭い風貌は好ましく思えたのです。その野暮ったい顔立ちさえも、葵さんの隠しきれない性欲の強さを感じさせ、わたくしは奇妙な昂ぶりを覚えてしまいました。葵さんは、その筋骨隆々とした体を惜しげもなく晒す、ビルダーパンツ一枚の格好で言葉を発しました。
「つうか沙織。お前、脅かし過ぎなんだよ。シコったら別人になるかも、とか言ってたけどよォ……【ガタイがデカくなっただけ】で【俺の中身はなんも変わってねえだろ?】」
「あ、葵さん……ご冗談ですわよね?」
わたくしは唖然として、そう返すのが精一杯でした。葵さんはご自身の変貌を「体が筋肉質になっただけ」だと感じているようで、明らかに品のない男性の口調になっていることに、なんら違和感を感じていないようでした。今朝のわたくしがそうであったように、葵さんも精神的な変化は自覚できていないのでしょう。
わたくしは、白百合の名前を出して葵さんの反応を確かめようとしましたが、そこで朝のホームルームのチャイムが鳴りました。そして、ラウンド髭を生やして、眼鏡を掛けた逞しい男性教師が入ってきました。
「おーし、お前ら席につけー。出席取るぞー」
その男性教師は髪をお団子──マンバンヘアにまとめています。まるで銭湯にでもやってきたかのように全裸で、濃い陰毛の中から太ましい男根が屹立していました。益荒男になってしまった、如月久美子先生だということが一目でわかりました。以前は清楚な女性教師だったのに、日焼けした体躯は屈強な傭兵のようです。もみ上げと繋がっているラウンド髭は綺麗に整えられ、如月先生の几帳面な性格を連想させますが──しかし、分厚い胸板はモジャモジャとした胸毛が生い茂り、ヘソを通って濃い陰毛と繋がっています。男性ホルモンの濃さと、それに伴う性欲の強さを感じさせる風貌でした。如月先生は低く渋いバリトンボイスで出席を取っている間、胸毛の中にある肥大化した乳首を、片手でコリコリと弄っていました。やがて出席を取り終えた如月先生は、クラスを見渡しました。
「……ンクッ! あ〜乳首たまらん……うっし。全員いるな。益女の教育理念である【本校の生徒は、性欲旺盛な益荒男たるべし】という理念を、一日で全員が理解したようで何よりだ」
乳首を弄っている如月先生はときおりビクッと肩が震え、気持ちよさそうに目を細めています。逞しい男としての頑健な肉体と精神力を、ただ快楽を貪ることに費やしている──そんな変態的な益荒男になってしまった如月先生の言葉は、わたくしの胸に鉛のように重く響きました。一晩のうちに、級友たちだけでなく如月先生までが屈強でスケベな益荒男へと変貌を遂げてしまったことに、わたくしはただ呆然とするしかありませんでした。この異常な状況にどう立ち向かえば良いのか、全く思考が追いつきません。如月先生は脳天気な調子で話を続けました。
「いやあ、益荒男になるのは本当に気持ちいいもんだよな。俺も昨日、家で旦那とズッコンバッコンやったら、どんどんゴリマッチョになっちまってな。見ろよ、この毛むくじゃらの胸板! ぶっとい二の腕!! 最高にエロいじゃねえか! 夜中まで旦那を組み伏せて、ヒーヒー言わせてやったぜ」
如月先生は涎を垂らしそうな顔で両腕に力こぶを作ってポージングをし、毛深く逞しい筋肉を強調しています。性欲旺盛な益荒男だらけになってしまった教室のあちこちから、野太い歓声と、卑猥な口笛が鳴り響きました。
「エロいぞ! 久美子ちゃん!」
「雄っぱい揉ませてくれ〜!」
「おう、サンキュー。ハハハ、なかなかいい気分だな。おっと……そろそろ静かにしてくれ」
ポージングの反応に満足した如月先生は、このクラスの中では比較的常識的な体格をしているわたくしに──それでも、一般的には逞しい男子高校生ではあるのですが──に目を留め、優しく笑みを浮かべながら続きを話しました。
「無論、まだ戸惑っている者もいるだろう。そういう奴は休み時間に俺に声を掛けてくれ。男同士、しっぽりと抜き合って、益荒男になる喜びを分かち合おうじゃないか」
※
このような状況で、まともな学校生活を過ごせるはずがありませんでした。一時間目の世界史の授業中も、はーっという深い吐息や、おう……という喘ぎ声が時折聞こえます。性欲旺盛な益荒男になってしまった皆さまが、授業中であるにも関わらず、男性器を手で扱いて性欲を発散させているのです。机の上にはオナニーの後始末をしたティッシュ──俗に言うザメティッシュがこんもりと積み上げられ、雄臭い精臭を放っています。
「へへへ……すっかり俺好みの野郎共になったじゃねえか。眼福眼福」
そして世界史の教師である遠藤京子先生もまた、むくつけき益荒男へと変貌し、ビルダーパンツを固くしながら授業をしています。50代の落ち着いた大人の女性だった遠藤先生は、M字ハゲで白髪交じりの無精髭を生やした、見るからに好色そうでゴリマッチョな中年男に成り果てていました。赤銅色に日焼けした厚みのある肉体で、意気揚々と古代ローマの歴史を語ります。
「おーし、じゃあ教科書の82ページを開け。古代ローマの娯楽、剣闘士だ……んっ、こいつらを見てみろよ、この肉体美。コロッセオで命懸けで戦った、本物の『益荒男』だ……んほぉっ、俺が同じ時代に生まれてたら、ぜひとも一発ヤッてみたかったぜ」
わたくしは……ああ、いけないとわかっていても、男の情欲が満ちる教室の雰囲気にあてられて、チンポをギンギンに勃起させていました。この教室の中で制服を着用しているのは、わたくしだけです。猥談を交えて授業をすすめる遠藤先生の濁声に、昨日遠藤先生がどのように絶頂し、益荒男化を遂げたのかを想像すると、ムラムラとした情欲が湧き上がってくるのを感じました。やはり如月先生のように、旦那さんとのセックスで益荒男になられたのかしら。それともお一人で──?
「……おい、沙織。大丈夫か?」
「へ?」
前の席の葵さんが、振り返ってわたくしに問いかけていました。いつの間にかわたくしは、ノートも取らずに涎を垂らして、妄想に囚われて恍惚としていたようです。どうやらわたくしが遠藤先生に当てられたにも関わらず、ぼうっとしているので葵さんが声を掛けてくれたようでした。葵さんが挙手しながら立ち上がりました。
「スンマセン。遠藤先生。コイツ、ムラついてて集中できてねえみたいなんで、保健室でヤッてきていいっすか?」
「おう! いいぞ! 益女は性欲旺盛なエロい雄を奨励しているからな! ガッツリ交尾して、ゴリマッチョになってこい! ガハハ!!」
「行くぞ」
「ちょっ、葵さ──」
葵さんは太い腕でわたくしの腕を掴んで立たせると、強引に廊下へと引っ張っていきました。教室の扉がカタリと閉まると、葵さんの垢抜けない顔に、僅かな苛立ちが浮かび上がっていました。
「ったく。お前はムッツリスケベすぎんだよ。とっとと抜いて益荒男になれよ」
「で、でも……」
「つうか、『益荒男になってもダチでいよう』っつったのは沙織だろ? 俺は昨日の夜から、ずっとお前とサカリたくてたまんねえんだよ。これ以上、焦らすんじゃねえ」
わたくしは制服のスカーフを掴まれ、ぐっと引き寄せられてしまいました。わたくしよりも上背があり、逞しい葵さんの汗臭い胸板に、そのまま顔を埋めるように抱かれてしまいます。わたくしは、その男臭く芳醇な薫りに、脳髄がとろけるような喜びを覚えてしまいました。
「ぁ……なんて、素敵な……」
「沙織」
葵さんがわたくしの頭を撫でて、低い声で囁きます。
「俺が、お前を益荒男にしてやるよ。いいな?」
わたくしは──ええ、その時はっきりと、白百合の誇りを守ろうとしていたわたくしの意思が、葵さんの逞しさの前に屈服し、折り取られるのを感じました。わたくしは恥じらいながら、小さく頷きました。
「はい。どうか……優しく、してくださいね?」
「おう」
※
保健室にやってきたわたくしたちは、ベッドの一つをお借りすることにしました。既にトイレで、アナルセックスのためのお作法は済ませてあります。どうやら、益女のトイレにはそういった物品がいつの間にか設置されることになったようです。保健室には、養護教諭である平井美和先生のお姿は見えませんでしたが──ベッドの一つがカーテンで締め切られ、内側から「ウオッ! ウオッ!」という野太い雄叫びと「すっげ、マジでイイっす! 先生!」という喘ぎ声が聞こえてきました。どうやら、平井先生は生徒とのまぐわいを楽しまれているようでした。
「あぁ……! 葵さんっ……!」
ベッドに押し倒されたわたくしは、葵さんに組み敷かれ、丹念に舌で体を舐められました。始めに舌同士を絡ませ合うと、次いで首筋へ。さらに乳首と、へそ。そして太腿。葵さんは焦らすようにチンポだけは避け、わたくしの体を昂らせていきます。そして屹立し、触れて欲しがっているわたくしの男根にゴツい手を添えると、保健室の机にあったローションをお借りして、リズミカルに扱いていきます。
「ああっ! あっ! イクッ! イキますわッ!!」
すぐさまわたくしは、オルガスムスに達しました。筋肉質な体が弓なりに仰け反り、亀頭から精液が噴き出します。葵さんは射精中の亀頭を、ぐりぐりと親指の腹で責めたため、わたくしは射精中ずっと野太い喘ぎ声を上げ続けました。
「ン゛ぁあァ〜〜〜ッ! イグッ! イグッ!! ギモヂヨ゛すぎますわァ゛〜〜〜!!」
射精を続けるわたくしの内側から、ドクンドクンと熱い衝動が──益荒男としての精力が充溢し、四肢がより太く、逞しくなっていくのを感じます。射精を終えてドサリとベッドに着地したわたくしの肉体は、先程よりもゴツく、胸板も厚くなっていました。割れた腹筋の上に、白濁した液体が飛び散っています。葵さんはわたくしの様子を見て、不敵な笑みを漏らしました。
「こんなもんじゃ済まさねえからな。沙織の金玉が空になるまで、搾り取ってやる」
「はうっ♡ あ、葵さん……」
性欲旺盛な葵さんの言葉に、わたくしの厚い胸板が高鳴ってしまいます。続いて葵さんはベッドの上に登ると、精液まみれのわたくしのチンポを口腔に入れつつ──ご自身の股間を、わたくしの顔に押し付けてきました。葵さんの股ぐらに生えた逞しい男根を、否応なくわたくしも口に含みます。
(こ、これが葵さんのチンポ──!)
その濃厚な男臭さに酩酊しそうになりながらも、わたくしは懸命に葵さんの巨根に舌を這わせます。葵さんも私のチンポをしゃぶりながら頭を上下させています。わたくしたちの男根は相互に口腔内の粘膜で刺激され、男の悦びを享受しています。唾液と先走りが混じり合い、ジュポジュポとした水っぽい音が保健室に響きます。太腿から背筋へと快感は急速に高まり、わたくしは全身を震わせ、もう我慢ができないと叫びたくなりました。
(ああっ! 葵さんのモノが、わたくしの口の中でヒクヒクして──!!? ンクッ!!!)
わたくしの口腔内に、葵さんの濃厚な精液が注ぎ込まれると共に、わたくしも二度目のオルガスムスに達し、葵さんの口腔内に精液を撒き散らしていました。
互いに体を離すと、ドロリとした粘液が唇から溢れ、頬を伝ってベッドに染みを作ります。快感の余韻に浸りながらも、わたくしと葵さんの身体は、さらに筋骨隆々になっていくのを感じていました。特に、わたくしの大腿筋とふくらはぎが目覚ましい発達を遂げ、足が勝手にヒクヒクと動いてしまいます。
「葵……すげえ、よかったぜ……」
わたくしは、よく響くバリトンボイスで葵さんに声を掛けると、体を起こして葵さんと接吻をしました。葵さんの精液にまみれたわたくしの舌と、わたくしの精液にまみれた葵さんの舌とを絡ませ合います。クチュクチュと音を立てて、互いの唾液と精液を満足するまで交換し合うと、ようやくわたくしたちは唇を離しました。
「もっとヤリてえな、沙織」
五厘刈りで芋臭い葵さんが、好色そうな笑みを浮かべながら、わたくしに接吻をしてきました。わたくしも葵さんの野郎臭いフェロモンにくらくらしながら、その接吻に応じました。
「俺もだ、葵。とことん交尾しようぜ」
わたくしの言葉を聞いた葵さんが、鼻息を荒げてのしかかってきます。わたくしも葵さんと同じくらいに体が逞しくなりましたけれど……【それ以外の変化は、特に無いようですわね?】 それとも、わたくしが見落としているだけかしら? 再びわたくしたちは、互いの肉体を求め合いました。葵さんにベッドの上で組み敷かれ、太く逞しくなった肢体を愛撫されます。先程の熱を帯びた余韻が残る中で、わたくしたちのゴリマッチョな肉体に生えた男根は再び熱を帯び、固くなっていくのを感じました。
やがて葵さんがわたくしの丸太のような太腿を持ち上げ、俗に言う「ちんぐり返し」の体位でアナルを晒けださせると──反り返った葵さんの男根が、わたくしの肛門内にヌルリと侵入してきました。
「ンオッ!? あっ! 葵ッ! ウオオッ!?」
わたくしの肛門は、まるで普段から男根を受け入れ慣れているかのように、何の苦痛もなく、葵さんのものを受け入れました。それはまるで、わたくしの体が長年探し求めていたモノで、ようやく満たされるような──言いようのない充足感と快楽に満ちていました。
「ああっ、んんっ……!」
呼吸が荒くなるのを感じます。いつの間にか肛門にできていた性感帯が、わたくしの分厚い肉体全てに響くような快感を伝えてきます。葵さんは始めのうちはゆっくりと、しかし次第に、腰の動きを早めていきます。葵さんは巧みな腰使いでわたくしをリードし、お互いの官能を高めていきます。わたくしは、初めてのアナルセックスが葵さんでよかった──という安堵を感じつつ、次第に高まっていく快感に喘ぎ声を上げていました。
「葵ッ! 頼む!! 俺の中に出してくれッ!!」
「イクッ! イクぞッ! 沙織ッ!!!」
その快感は強烈でした。まるで、わたくしの脳みそにチンポが挿入され、射精されたかのように錯覚しました。葵さん──葵の野郎が、俺のケツに種汁をたっぷりとぶちまけた感触。益荒男の中の益荒男のような、葵の熱い雄汁を注がれる感触に、俺もトコロテンでイッちまった。
「イクッ! 葵ィ……ッ!! ン゛ァ゛ァァ〜〜〜〜ッ!!!」
俺は情けない声を上げながら、体の内側でゴキゴキと骨と筋肉が組み変わっていく音を聞いた。さらに益荒男へと近づくことに、細胞のひとつひとつが喜んでいるようだ。四肢がビクンビクンと勝手に跳ねる。雄臭く、ゴリマッチョなガタイへと、細胞レベルで俺の体が生まれ変わっていく。
「んほぉっ!! おっ、俺ッ!! マジで益荒男になっちまうッ!!!」
筋肉質だった俺の体が、さらに筋肉ダルマのゴリマッチョに変わっていく。大胸筋が分厚くなり、腹斜筋も引き締まって、よりシャープな逆三角形の体型に変わっていく。大腿筋も丸太のようにぶっとくなり、デカマラになった俺のチンポからは、どぷどぷと雄汁が溢れていく。男臭いフェロモンが全身からムワリと噴きあがった──まるで、蛹から蝶へと変態を遂げるように、俺の肉体は雄々しく変貌していった。
「んひっ♡ た、たまんねぇっ♡」
お嬢様だった俺が、親友の葵に中出しされて、野郎臭え筋肉ダルマみてえな益荒男として生まれ変わる。そのあまりの多幸感に、俺は意識が遠のくのを感じた。
※
「あー……葵とのセックス、マジでよかった……」
「だろ? やっぱ沙織と俺は、体の相性バッチリだよな」
保健室でたっぷりとセックスを終えた俺と葵は、廊下を歩いていた。結局、俺と葵は一時間目の世界史の時間を、全て保健室でのセックスに費やしてしまった。そのおかげで、俺のガタイも葵や他のクラスメイトの連中と遜色のないレベルのゴリマッチョ──いや、バルクマッチョなガタイへと変わっていた。胸板は分厚すぎて肥大化した乳首は下を向いているし、太腿も筋肉が付きすぎて自然とガニ股になっちまう。俺の部活は【ボディビル部】だから体毛は剃っているが、筋肉がつきすぎて雄臭いガタイは、ただ歩いているだけで濃い男性フェロモンを撒き散らしているようだった。
「益女、制服が自由なのがいいよな〜」
「おう。沙織のマンキニ、すげえ似合ってるよな」
「だろ〜? 俺、部活だとビルパンだからさ、授業中は気分変えたいんだよな」
俺が着用しているのは、学校指定のマンキニだ。益女は【性欲旺盛でマッチョなエロい男】であることを奨励しているため、服装は【エロければなんでもあり】だ。いっそのこと、全裸でも構わない。一応、学校指定のビルダーパンツやマンキニなどはあるし、色も選べるため、俺は赤い生地のマンキニを穿いていた。赤い生地の股間の部分には、白色でチンポに似た益女の校章が入っているのが、エロカッコよくてお気に入りだ。
(つうか俺、なんであんなに射精を我慢してたんだ?)
俺はふと疑問に思った。昨日から、どうして俺はあんなに頑なに射精しようとしなかったのか、自分でもわからない。いや──【益荒男化に抵抗しつつも、結局は葵とのセックスで益荒男する】という【ロールプレイを楽しむため】……だったんだよな? というか、そうとしか思えない。【女だった頃から俺は、TSFモノで女がゴリマッチョになる作品でヌキまくっていた】し【校名が益荒男女学院になったことで、葵と興奮して喜んでいた】はずだよな? 俺はマンキニに包まれたずっしりと重い金玉とチンポを揉むと、教室のドアを開けた。
「うーっす。すいませ〜ん。盛ってて遅れました」
「俺もっす。沙織と交尾してて遅れました。さーせん」
二時間目のチャイムは二、三分前になっていた。教室の前にいる古典の男性教師の佐藤が、苦笑いで俺たちを出迎えた。
「ンンッ、ああ……まあ座れ。今から始めるところだから問題ないぞ」
佐藤は妙に甲高い声で、しきりに咳払いをしていた。今日の佐藤はなぜか色っぽい。普段は筋肉質で溌剌とした男性教師──という印象だったのだが、今日はまつ毛が長く、面立ちが柔和で、なんだか体にもしなやかさを感じる。俺たちの視線を感じたのか、佐藤はおどけたような調子で口を開いた。
「ハハッ、なんだよお前ら、ジロジロ見やがって。そんなに俺の顔が気になるか? これが噂の『手弱女化(たおやめか)』ってやつだ。お前らみたいなゴリゴリの益荒男に囲まれてると、俺みたいな中途半端な男は『あ、俺は男をやめて問題ないな』って身体が判断するらしい。で、俺が代わりに女の子になって、お前らみたいな立派な益荒男のお嫁さん候補になる、って寸法だ」
手弱女化──聞いたこともない理屈だと首を傾げそうになったが、よく考えたらそんなの【常識】だよな? 【俺らのようなゴリマッチョな益荒男に囲まれた普通の男は、男をやめて女になるしかない】もんな。佐藤は髭の剃り跡がない、ツルリとした顎を撫でた。
「見てみろ。髭も生えなくなったし、声も少し高くなってきた。胸も……まあ、思春期の女子くらいにはな。ここまで来たらあとは『射精』すれば、俺の中に残った男の要素が全部出て行って、完全な女になるってわけだ。人体の神秘だな」
佐藤は熱っぽい目で俺たちを見つめていた。教室中に漂う濃厚な男性フェロモンに当てられちまったようで、佐藤はとろんとした表情になっている。佐藤は自分のワイシャツの胸の膨らみを軽く押さえると、うっとりとした声音で解説を続けた。
(続く)
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白百合女学院は益荒男女学院へとバルクアップする【TSF】【ゴリマッチョ化】

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