小説 【入れ替わり・歳の差】⑤ (Pixiv Fanbox)
Published:
2025-07-31 23:09:07
Imported:
2026-06
Content
-目次-
・13.誰にも気づかれない、アタシだけの秘密
・14.誰の顔で、誰と歩いてるのか
・15.おかえり、私の身体——だけど…!
13.誰にも気づかれない、アタシだけの秘密
シャワーを終えたあと、更衣室に戻った沙耶(精神は間宮)は、理沙と美優と並んで、バスタオル姿で汗を拭いていた。
「は〜、スッキリしたぁ」
「やっぱりシャワー最高だね〜」
タオル越しに髪をゴシゴシしている理沙に、沙耶(精神は間宮)はにやにやと笑いかけながら、そっと手元の着替えに目を落とした。
グレーのパーカー、ミニスカート。そして——沙耶のパンティやブラジャー♡
沙耶(精神は間宮)の頭の中で、あるいたずら心が芽生えていた。
(女の子が“普段つけてるパンティやブラジャー”をあえて外して、どうなるか——♡)
心臓がトクン、と脈打つ。
(誰にも気づかれない。でも、アタシだけが知ってるエッチな秘密♡)
「……うふっ♡」
沙耶(精神は間宮)の顔で、ほんのわずかに口角を上げる。
「沙耶、なにニヤニヤしてんの〜」
「いや、なんか今日ずっと笑ってない?」
「え、そぉ? ふつうだよ〜♡」
わざとらしく首を傾げながら、パーカーを着て、ミニスカートをすとんと穿く。
――ただし、“パンティとブラジャー”をあえて着けないまま♡
見た目には何も変わらない。
でも、当の本人だけが知っている。
(うふっ♡……風のスースーする感覚が、直接伝わってくる……♡)
通気性のいいミニスカートの布越しに感じる肌触り。
風が吹くたびに内腿に微かな意識が走る。
(これは……クセになるかも♡)
沙耶(精神は間宮)は、まるで秘密を持った女子高生のような顔で、得意げに髪をかき上げた。
一方、女子更衣室の外。
「……っ、また変な顔してた……!」
間宮(精神は沙耶)は、ドアのすき間から“自分の身体”が服を着る様子を見ていた。
パーカーを着る仕草も、スカートの裾を整える動作も——
(……なんか、やけにニヤついてるよね?……まさか、何か……してる……?)
その予感が、胸の奥でざわつく。
更衣室で着替え終えた後。
「白石さーん、今日、なんか雰囲気違うね〜」
「ちょっと大人っぽいかも」
すれ違った他の女子生徒にそう言われた沙耶(精神は間宮)は、ウィンクして返した。
「うふっ♡ありがと♡」
自分だけが知っている秘密を胸に、彼は優越感に包まれて歩いていく。
(誰にも気づかれない、でもアタシは知ってる、この身体が、今、“ノーパン・ノーブラ”の事を……♡)
その後、次の授業のある講義室へ3人で向かって、何食わぬ顔で授業を受けた…♡
同じ講義室の後ろでコソコソと話を聞く間宮(精神は沙耶)の姿もあった。
14.誰の顔で、誰と歩いてるのか
午後の最後の授業が終わると同時に、教室を出た間宮(精神は沙耶)は、あたりをきょろきょろと探した。
廊下の角を曲がったところに、すでに“自分の体”を使った沙耶(精神は間宮)がいた。
パーカーとミニスカート姿のまま、スカートの裾をふわっと揺らしながら、楽しげに友人2人と話している。
「あ、いた…!」
間宮(精神は沙耶)は声をかけた。
「……研究室に来てもらうって言ったましたよね? そろそろ、戻してくださいっ……!!」
沙耶(精神は間宮)は振り返ると、にっこり笑った。
「うん、わかってますよ〜♡ ちゃんと行きますよ♡」
「っ……!」
その笑顔の返答に、間宮(精神は沙耶)は一瞬怒りを覚えたが、それよりも気になったのは——
「ねぇ、沙耶。間宮教授と二人で研究室行くの? なに話すの?」
理沙の声だった。
隣には美優もいて、二人とも微妙に眉をひそめていた。
「うん、ちょっとだけね〜♡すぐ戻るから♡」
そう軽く返す“沙耶(精神は間宮)”の声に、理沙が少し鋭く返す。
「でもさ、なんか今日ずっと変な感じじゃない? 沙耶と間宮教授」
「うん……なんか、雰囲気違うっていうか……」
(やばい……)
間宮(精神は沙耶)の背中に冷たい汗が流れる。
(友達に“違和感”を感じられ始めてる……!)
だが、そのとき。
「じゃあ、みんなで一緒に行く?」
と、沙耶(精神は間宮)が軽く言ってのけた。
「えっ!?」
「行こう行こう! 間宮教授の研究室って、なんかすごそうだし〜」
「いいじゃん、全員で行っちゃお!
いいですよね?間宮教授?」
理沙と美優も、なんとなくノリでついてくる雰囲気になっていた。
間宮(精神は沙耶)は慌てて止めようとする。
「ま、待って、ちょっと……!」
「え〜? だめなんですか〜?♡」
沙耶(精神は間宮)は、わざとらしく首をかしげて笑っている。
(この人……!)
間宮(精神は沙耶)はぐっと拳を握りしめた。
“自分の体”が、自分の友達を巻き込んで、勝手に動いていく。
夕方の校舎、研究棟の長い廊下。
いつもは静まり返っているこの時間帯に、4人の足音が響いていた。
「へ〜、間宮教授の研究室ってこの奥なんだ」
「なんかちょっと緊張する〜!」
沙耶(精神は間宮)は、ミニスカートの裾を指先で軽くつまみながら、一歩一歩ゆっくりと歩く。
後ろでは、間宮(精神は沙耶)が焦りながら後をついてくる。
(うぅ…二人がいる前で元の体に入れ替えるの…!?…でも……このままじゃ、いつまでも……“体を元に戻せないかも”……それは絶対にいや…もうバレてもしょうがない…)
間宮の研究室のドアの前に立った“沙耶(精神は間宮)”が、くるりと振り返った。
「さぁ、じゃあ——入りましょっか♡」
15.おかえり、私の身体——だけど…!
研究室のドアが閉まると同時に、部屋の空気は静まり返った。
白い床、無機質な壁。
その中央に、あの人格入れ替え装置——が鎮座していた。
「わあ……これ何の機械? すご……」
「何これ、実験用のカプセル? 怖……」
理沙と美優がきょろきょろと辺りを見回している。
だが、彼女たちの興味をよそに、沙耶(精神は間宮)は、するりと先に歩を進めた。
「じゃあ、早速戻そっか…♡」
「えっ?」
拍子抜けするほど、沙耶(精神は間宮)はあっさりと装置のカプセルの中へ滑り込んだ。
間宮(精神は沙耶)は、その様子を見て一瞬驚き不審がったが、すぐに目を細めて、肩を落とした。
(……やっと、元の体に戻れる……)
装置のカプセルのカバーが閉まり、低い電子音が鳴り始める。
その横に立つ間宮(精神は沙耶)も装置のカプセルに入ると、沙耶(精神は間宮)のカプセルの中でスイッチが押された。
眩い光が部屋に満ちる。
——数秒後、ふたつの意識が、それぞれの肉体に戻った。
「……あっ」
沙耶は思わず、胸元に手を当てた。
当たり前の鼓動。自分の皮膚の感触。声を出さなくても、もうわかる。
「……やっと元の体に戻った……っ!」
沙耶の顔に、久々の心からの笑顔が広がる。
——が、その直後。
スカートの下から吹き抜ける、妙な“風通しの良さ”に、表情が一瞬にして凍りついた。
「………………っっっ!?!?!?」
顔面を真っ赤に染めた沙耶は、ゆっくりと横に立つ間宮を睨んだ。
「……ちょっと…間宮教授…!?」
「……ん? なぁに?♡」
「……下着、履いてないんですけど!?」
「ごめんごめん♡ なんか痴女になったみたいで、ノーパンノーブラを試してみちゃった♡……」
「さっ、最低ですっ!!」
そのやり取りをポカーンと見ていた理沙と美優。
「え……え? なに? 下着?」
「ん、どういうこと??」
2人は完全に置いてけぼりで、互いに目を見合わせるしかなかった。
「まさか……二人って、そういう関係……?」
「違うからっ!!!」
沙耶は両手を振りながら、全力で否定したが——
「え〜? もう、バレたらしょうがないな…♡」
間宮は最後までニヤニヤ顔だった。
-続く-