小説 【入れ替わり・日常2】⑦ (Pixiv Fanbox)
Published:
2025-09-07 01:53:13
Imported:
2026-06
Content
-目次-
・19.帰路
・20.母乳
・21.入浴
19.帰路
食事を終えた二人は、混み合った電車に揺られながら帰路についた。外はすでに昼下がり、電車内には買い物帰りの家族連れがちらほら見える。
千夏はベビーカーの中でしばらく大人しくしていたが、自宅の最寄り駅に近づいた頃、ふいに「ふぇぇ……」と甘え泣きを漏らし始めた。小さな手をばたつかせ、お腹がすいていることを訴えているようだった。
「……あらあら♡千夏ちゃんお腹すいたのね♡」
唯(精神は義文)は、急に女っぽい声音をつくり、わざとらしく胸元を押さえた。
「うふっ♡ママのおっぱい欲しいのかなぁ?♡」
わざと色っぽい言葉遣いで囁くその様子は、まるで「エッチなママ」を演じているかのようだった。
義文(精神は唯)は、その隣で顔をしかめる。
「やめてよ…電車の中なんだから……」
声をひそめたが、頬には赤みが差していた。
唯(精神は義文)はますます調子に乗る。おっぱいを軽く張りながら、わざと深いため息をついてみせる。
「アタシも母乳がパンパンになってきちゃった♡早く千夏におっぱい吸って欲しいわ〜ん♡」
「……っ!?」
義文(精神は唯)は、屈辱と苛立ちに奥歯を噛みしめた。自分の体を使ってそんなことを言われることが、これほどまでに不快だとは思わなかった。
「本当に…今は電車なんだからやめてよ!授乳は……必要なら、帰ってからやっていいから…」
吐き出すように言葉を放ち、目を逸らす。認めることが悔しくて仕方ない。
唯(精神は義文)は、そんな唯の葛藤を敏感に感じ取りながらも、悪びれることなく笑顔を浮かべ続けていた。
「うふふっ♡じゃあ…帰ったら、なママが頑張っちゃうわね…♡」
――こんな人に母親役を任せるなんて。
義文(精神は唯)は、胸の奥がざわつくのを抑えきれなかった。
20.母乳
自宅に戻るなり、千夏は泣き声を大きくした。ベビーベッドに寝かせると、手足をばたつかせながら「早くして」と訴えるように泣きじゃくっている。
唯(精神は義文)は、胸の奥がじんわりと張っているのを感じながら、ワンピースの裾を見下ろした。
「……これ、どうやって授乳するんだ?」
呟くと、隣で腕を組んでいた義文(精神は唯)が渋々口を開いた。
「そのワンピース……授乳口、ついてるから。横から開ければ出せるはずよ…」
その説明に、唯(精神は義文)は目を輝かせる。
「へぇ〜♡こんな仕組みになってるんだ…♡」
女口調に切り替えながら、わざと色っぽい笑みを浮かべた。指先でワンピースのサイドを探り、布地の隠しファスナーを開ける。すると、柔らかな胸のふくらみが、ためらいなく空気に触れた。
「ふふっ♡やっぱり、アタシのおっぱい大きいわね…♡千夏ちゃん、早く飲みたいねぇ♡」
蕩けるような声を出しながら、千夏を抱き上げ、自分の乳首へと導いていく。
「……っ」
義文(精神は唯)は、胸がちくりと痛むような感覚を覚えた。自分の体なのに、別の存在が「母親」として振る舞い、しかもいやらしい言葉で彩っている。その光景は、耐え難い屈辱だった。
千夏が口を含むと、すぐに小さな吸い音が部屋に満ちる。
「ん……っ♡そうそう、上手ね……♡もっと吸ってぇ……♡」
唯(精神は義文)は、わざと甘ったるい吐息を漏らし、腰をくねらせる仕草まで添えた。
「やめてよ!」
義文(精神は唯)は顔を赤らめて声を荒げる。
「授乳は普通にしてよ!変なこと言う必要ないでしょ!」
しかし、唯(精神は義文)は振り向いて、にやりと笑った。
「ふふ……だって、オレ、今は“ママ”なんだよ?♡可愛い赤ちゃんに乳首吸われて……♡男はミルク出せないんだから黙ってなさい…♡」
「……っ……最低」
義文(精神は唯)は拳を握りしめる。だが千夏の満足げな表情に反論できず、悔しさを胸に押し込めるしかなかった。
母乳を飲む娘を抱きながら、唯(精神は義文)は確かに感じていた――女であることの支配的な甘美さを。
21.入浴
夕方になり、部屋の時計が18時を回ったころ。千夏もようやく昼寝に入り、リビングに静けさが訪れた。
そのとき、唯(精神は義文)が伸びをしながら声をあげた。
「ふぅ〜……♡やっぱり汗かいたし、お風呂入りたいなぁ♡」
その言葉に、義文(精神は唯)はぴくりと眉を寄せる。
「……え?」
「お風呂だよ♡一日動き回ったんだし、ちゃんと汗流さないと♡」
あまりに当然のように言うので、義文(精神は唯)は言葉を失った。
(ちょっと待ってよ……私の体で……勝手に裸になるってことじゃない)
頭に浮かんだ光景に、顔がじんわりと熱くなる。
「や、やめてよ……!入れ替わってるからって、私の体を好き勝手にされるなんて……」
声が震えていた。怒りとも、不安ともつかない感情が入り混じる。
だが、唯(精神は義文)は余裕の笑みを浮かべた。
「だから、今のこれは俺の体なんだから♡しかも、俺たち夫婦だろ…♡」
女口調に切り替えて、わざと色っぽいトーンで続ける。
「それに、“ママ”が綺麗にしてあげないと、千夏ちゃんに嫌われちゃうでしょ?♡」
その余裕ぶった態度が、義文(精神は唯)には何よりも屈辱だった。
「……っ……もう、好きにして」
絞り出すように続ける。
唯(精神は義文)は肩をすくめた。
「じゃあ、ママお風呂入ってくるわね〜ん♡」
その「お風呂」という響きに、唯の胸の奥はさらにざわついた。
(私の体なのに……この人の手の中で、完全に“女”として扱われてる……)
悔しさに唇を噛みしめるが、もう止める術はなかった。
-続く-