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ラッシャイ。俺は鯰田。げんこつ山のたぬきだ。そしてナマモノだ。腐る。減る。死ぬ。順番は前後する。関係ない。結果は同じだ。で、ここは現実世界とかいう荒野だ。ニューメキシコだ。水はない。慈悲もない。お前は配置された。装備なし。チュートリアルなし。説明もない。


いいか、死ぬぞ。


ナマモノは放置すると死ぬ。これは比喩じゃない。腐敗だ。発酵ではない。腐敗だ。

だから食う。食わねばならぬ。義務だ。ノルマだ。サボると死ぬ。


だから俺はスーパーとかいう補給所で物資を回収し、ホットクックと銘打たれた機械の鍋に全部ぶち込む。判断はしない。全部だ。これはメシではない。エサだ。燃料だ。俺を一日延命させるための契約だ。


だが今日は俺が「メシ」を食った日の話をフォロワーであるお前へ特別に教えてやることにした。今日は何を食うか考えながら読め。




時は遡る。学生時代。

俺は貧しかった。いや、貧しいという言葉では足りない。

「ない」だ。全てがない。金がない。メシがない。明日もない。


給食。あれが生命線だ。

あれが止まると砂嵐。フェードアウト。

スタッフロールは流れない。


そんな俺に声をかける奴がいた。

「メシを作る」と。


何を言っている?と思うだろう。俺も思った。

だが腹は理解していた。神だ。いや人間だ。だが関係ない。供給源だ。


俺は飛びついた。理性?知らん。そんなものは砂に埋めた。


後日、そいつの家に行く。

一件家。すごいな。


料理はカレー。家庭科でやったやつだ。

教科書どおり。挑戦、実践。健全な生徒の手本。


だが疑問がある。

なぜ俺だ。


親に出せばいい。普通はそうする。

だがそいつは言う。親は仕事。遅い。帰らない日もある。


……空席だ。

テーブルに誰もいない。風だけが通る。塵が積もる。


だが当時の俺には関係ない。

メシがある。それがすべてだ。それ以外はノイズだ。


「ゲームでもしてて」と言われる。

いいだろう。待機する。いつでも食えるようにだ。


音がする。包丁。

遅い。重い。ぎこちない。


待機時間。


何をするか。長期戦は不可だ。RPGなんて論外。

いつ呼ばれても即応できる状態が好ましい。


だから対戦だ。短期決戦。殺すか、殺されるか。


ふと部屋を見回す。裕福だ。

あらゆる場所に選択肢が並んでいる。棚に未来が詰まっている。


視点を戻し俺はスマブラを選ぶ。理由は一つ。触ったことがある。

未知?やるな。お前はまず生き残れ。


キャラが全部いる。埋まっている。

やり込みとは時間。余裕。全てがある家だ。


対して俺はない。

だから弱い。当たり前だ。環境が違う。


CPUで慣らす。意味は薄いがゼロよりマシだ。

ゼロは死だ。覚えておけ。


だがCPUはナマ優しい。

これをやる友人共は優しくない。


地下から雷を連打する電気鼠。

持ち上げて飛び降り、自分だけ復帰する巨大猿。


狡猾だ。人間だ。牙だ。

対戦とは悪意の最適化だ。


「お、スマブラやる?今煮込みだからちょっとだけ手が空いてさ」

来たな。ボス。


だが勝てないのは知っている。

俺は逃げない。かかってこい。


あっさり負ける。笑われる。

だがこれも生存戦略だ。覚えて帰れ。


ほどなくして、匂いが来る。


香辛料。だが弱い。

甘い。甘いな。おかしい。何かいる。


腹が鳴る。裏切るなよと思うが鳴る。

身体は正直だ。クソ。


そして来た。見たことがない皿に盛られて。


給食じゃ全部の食器が銀色だった。まるで刑務所だ。

今やるとPTAとかそこらへんが黙っちゃいないヤツ。


いいかお前。

貧しさは経験値を奪う。知らないことが増える。


スプーンも形状が違う。文化だ。

だが食えるならいい。

それだけでいい。それが全てだ。


一口。


……。


甘い。

そして酸味。


違う。これは違う。


カレーじゃない。

カレーの顔をした裏切り者だ。


リンゴだ。前に出すぎている。主役面だ。

香辛料が死んでいる。埋葬された。


脳が止まる。

理解が拒否する。エラーだ。どうした。再起動しろ。


「どう?」と聞かれる。

待て。まだ判断するな。もう一口だ。


甘い。やはり甘い。

リンゴ軍が制圧している。占領完了だ。

🍎「俺だ俺だ俺だ俺だ俺だァ!!!!」


うるさい。黙れ。


原因を聞く。

バーモントカレー。つまりCMだ。

ハチミツ。さらにリンゴ"ジュース"を少々、入れた。

何故ここにきて液体なんだ。


いいかお前。

隠し味は隠れていなければならない。


前に出た瞬間、それは敵だ。


だがな。ここで笑うな。

こいつは試した。やった。手を動かした。

失敗を恐れて砂の中で震えていない勇敢な戦士だ。


結局、全部食った。

甘い。酸味。アバレ散らかすリンゴ。


それでも食った。理由は一つ。メシだからだ。

メシは正義だ。完成度じゃない。存在だ。


今でも思い出す。味じゃない。

席だ。空気だ。あの時間だ。


あれは確かに人の手による暖かな食卓だった。

荒野の中に一瞬だけ現れたオアシスだ。


で、お前はどうだ。


毎日食っているそれは何だ。

メシか?それともただの延命剤か?


選べ。


だがナマモノは腐る。これは変わらない。

俺は今日も機械の鍋に全部ぶち込む。

理由は一つ。生きるためだ。


お前も食え。

食わないやつから死ぬ。


気に入ったならフォローしろ。支援しろ。

ここは荒野だ。水はタダじゃない。

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Comments

ハコイリ

ガキ、隠し味を隠さながち。 こういう経験した訳でもないんだけど、読んでたら嬉しくてボロ泣きしそうになってしまった。

鯰田NMZ

主張が強すぎてリンゴジュースだったけど、不思議と嬉しい気持ちの方が強かった…🦝