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「お゛ッ、おぉ――っ」

 跪くように体を伏せ、ねだるように尻を突き上げる屈辱的な姿を晒しながら、ナサスはそれでも熱り立つ魔羅を扱き続けていた。

 ヒクヒクと震える肛門を指の腹で焦らすように撫で上げられるたびに、呆けた声が喉の奥から溢れ出して止まらない。

 尻の奥が熱かった。その内側に刺激が欲しくてたまらない。ざらついた舌で腸壁を責め立てられたあの夜と同じ快感を、味わいたい。

 一晩に渡り自慰を続けながら、体位を変え趣向を変えながら屈辱的な奉仕を強いられているが、未だ肛門への決定的な刺激は得られていない。

 言葉もないまま、ナサスはそれを求めて突き上げた臀部を震わせる。こうして焦らされたまま夜が明けてしまうなど、耐えられなかった。

「こうもいやらしくヒクつかせて、我が妻ときたら、処女でありながらなんと淫乱なことか……」

「……っ」

 疼いて堪らぬ尻穴へと、生温く湿った吐息を吹きかけられながらの言葉を、否定できない。

 肯定すればこの渇望を満たしてくれるのだろうかと、そう考えてしまうのに耐えるだけで、精一杯だった。

 ナサスは切なげに表情を歪めながら歯を食いしばり、肩を震わせる。

「もう夜明けも近くなって参りましたが、一晩中魔羅を扱き続けても、貴方様はついぞ満足を得られぬまま。この様子で次の夜までの一月を耐えられるのかと、夫ながら心配になるというもの」

 自分の手でそうなるように仕向けておいて、どの口が言う。胸にわだかまる憤りを感じながら、ナサスは低い唸り声を漏らし、一層激しく自らの魔羅を扱き上げた。

 男はそんな英雄の姿を見下ろしてくつくつと不快な笑い声を漏らしながら、引き締まったナサスの臀部をそっとなぞりつつ言った。

「……では、夫へと恋い焦がれ火照った体をいかように鎮めるか、どのように眠れぬ夜を過ごせばいいのか、ええ、愛らしい新妻へとこの夫めが教えて差し上げましょう」

「ぬか、せ……っ」

 自慰を中断することも出来ぬまま、ナサスは相手を一瞥して顔を顰める。そんな態度をも愛しむように目を細めながら、男はにいっと笑い、黄色い牙の間から舌を垂らして見せる。

 ああ、またその舌で肛門を愛撫されるのだろうか。ようやく求め続けてきたものを与えてくれる気になったのだろうか。顰めていた顔が、男のちょっとした所作で緩んでしまったことにも気づかぬまま、ナサスは期待に腰を震わせる。

 まるで獣同士のような交尾と言った体勢で、男が後ろから腰を密着させてくる。今や自らの魔羅から溢れた愛液に塗れ、淫靡な光沢に包まれた玉袋へと男の肉棒が押し当てられるのを感じ、尻の奥がより一層熱くなる。

「は、あぁ……ッ」

 気づけば、期待に満ちた甘い声を漏らしていた。手のひら、口腔、太ももに胸板も、今や体中がその魔羅の熱と硬さを知っている。未だ穢されていないのは、この疼いて堪らぬ肛門だけだった。

 次の夜ではなかったのか、この男が辛抱できなくなったのか、覚悟なんてまだ出来ていないのに。そんな不安を思い浮かべながらも、それを上回る期待に鼓動が高鳴る。

 話が違うと声を上げれば良いだろうに、拒絶して見せるべきだというのに、英雄は両手のひらで包み込んだ肉棒を脈打たせながら、そのときをただ待っていた。

「っ、あ……」

 男の両手で尻を鷲掴みにされ、左右の親指を穴の横へと添えられる。尻の割れ目を開かれ、今はまだ閉じたままヒクヒクと蠢くばかりの肛門を露わにされながら、恥辱と期待が混ざり合い膨れ上がってゆく。

 ナサスはまぶたをきつく閉じ、悩ましげに眉間を歪ませながら、されるがままに自らの貞操を差し出す。もはや自分がそうしなければならぬという事実に疑問すらも浮かぶことはなく、英雄は避けられぬ運命をどう受け止めるかという葛藤に終止していた。

「……っ」

 生暖かい粘液が肛門の上に垂れ落ちる。あの男の唾液だった。左右に添えられた親指でぐにぃと楕円形に歪められ、僅かに口を開けた肛門へと、じわりと染み込むように男の唾液が沈んでゆく。

 じっくりと焦らされた粘膜はその様子すらもをはっきりと感じ取り、排泄のための穴が雄を受け入れるための性器へと変じ始めていることを示していた。

 尻から男の右手が離れたかと思うと、その人差し指が濡れた穴へとあてがわれ、くちゅくちゅと卑猥な音を立てて入り口を弄ばれる。

 下腹部がじんと疼いた。尻の奥が蕩けるように熱くて、自分でさえも触れたことのない内側を他者に蹂躙されようとしている予感に、背筋に震えが走る。

「はしたなく尻を突き上げて、そんなにもこの夫に抱かれたいと……?」

「ぐ、うぅ……」

 否定のしようもなく昂ぶった体を抱えながら、しかし肯定してしまえるほどに恥を失ってもいなかった。

 逃げ出すことも逆らうことも許されぬまま、英雄は悔しげに唸り声を荒らす。

 さらなる快楽を求める卑しく滑稽な姿を晒したまま、こうして形だけの拒絶を行う自らの矛盾と愚かさに失望さえしながら、しかし今や地に落ちた矜持を守るためにできる事はそれのみ。

 きつく食いしばった牙がぎりりと音を立てる。込み上げる怒りで、脳髄がビリビリと痺れるような感覚があった。

 ……ああいっそ、この男を縊り殺してしまえばこれ以上辱められずに、これ以上堕落せずに済むのだろうか――。

(――馬鹿な)

 ナサスは自らの短絡的な考えに動揺したように、目を見開いた。未だあの男が全ての手札を晒した確証はなく、それ以前に不本意とは言え一度了承した契約を腕力で反故にするという悪逆を、行えようはずもない。

 英雄は胸に込み上げる怒りを、相手の抱く欲望の深さを軽視した自身の浅慮を、そして与えられる快楽に恭順し始めている自らの浅ましさを恥じた。

 ……耐えなければ。この恥辱は軽率な判断が招いた負債であり、自らに課した責任を全うするために支払わなければならない、代償だ。

 ――そう、決意した瞬間だった。

「――っ、はっ、あぁ……ッ!」

 ぬちゅり、と湿った音を伴って、男の人差し指が英雄の中へと挿し込まれる。熱く蕩けた腸壁を獣毛に包まれた指で掻き回される狂おしい感覚に、ナサスの腰が大きく跳ねた。

 自らの体の内側に、他者がいる。その節くれだった指の形までもがはっきりと分かるほどだった。粘液に塗れて震える腸壁を擦り上げられるたびに、強張った体がビクンと跳ねるのを止められない。

「……嗚呼、なんてはしたない。溢れそうなほどに濡れそぼっていらっしゃる。それに加えてこの締付け、この名器が私のような男の魔羅のためにあるなどと、恐れ多いくらいです」

「お゛ッ、ふ、う、うぅ……っ」

 声を抑える事が出来なかった。押し出されるように低い喘ぎ声が喉の奥から溢れて止まらない。

「まるで魔羅の付け根を内側から押されているかのようで、根本からじぃんと痺れて、たまらぬでしょう……?」

「ハッ、あぁぁ……っ、あ……ッ」

 尻の奥をぐりぐりと押し潰すように責め立てられながら、英雄はまさに男の言葉通りの感覚に腰を震わせ、掠れた悶え声を漏らす。

 両手のひらで包み込んだままの魔羅からとろりと先走りが滴って止まらず、闇雲に扱き上げるのとも違う未知の快楽に腰が抜けてしまいそうだった。

「分かりますか? ほれ、ここですよ。どこを押されるのが気持ち良いか、きちんと覚えていただかねば」

「あっ、あぁ……ッ、や、め、――っ!」

 ナサスの体がひときわ大きく跳ねるのと同時に、透明の液体がぷしゃあと鈴口から溢れ出して、魔羅を覆う指の隙間から滴る。

 射精のそれとも違う奇妙な絶頂感に悶えながら、ナサスはその巨体をビクビクと痙攣させる。

 ぐいぐいと内側を指圧されるのに合わせて肉棒が大きく震えて、英雄は甘い声を上げて潮を噴いていた。

「手が止まってらっしゃいますよ?」

「おぉ……ッ、お……!」

 ジャッカルの顔を情けなく弛緩させながら、ナサスは恐る恐ると再び腕に力を込める。

 射精の直前の、魔羅の根本から熱い何かが込み上げてくる感覚が、もっと深い場所に生まれていた。

 男の指で尻の奥をぐりぐりと抉られながら、ぱっくりと開いた肛門が蜜を垂らして収縮し、蕩け果てた丹田の底で何かが膨らんでゆく。

 命じられるまでもなく、ナサスは相手の指の動きに合わせて自らの魔羅を扱き上げ、内に芽生えた炎をより大きく燃え盛らせていった。

 気持ちいい。排泄のためにあるはずの穴が、快楽を貪るための性器に成り果てている。そして英雄は今や、それを愉しんでいた。

「ハッ、ハッ、おごっ、あ……っ」

 上ずった息遣いを繰り返しながら、卑猥な水音を鳴り響かせて肉棒を扱き続ける。

 相手の動きに合わせて肛門に力を込め、敏感になった腸壁でゆるゆると指を締め付けると、腰が抜けるほどの快感に背筋がゾクゾクと震える。

 どこまでも深く堕ちてゆく恐怖を感じながら、脳髄に刻みつけられた快楽の記憶によって蝕まれた魂は、否定しようもなくその堕落こそを欲していた。

 尻の奥が、蕩けるように熱い。初めて味わうこの感覚が、どこまでも大きく膨れ上がってゆく。この先にどれほどの快楽が、どれほどの絶頂が待っているのか、知りたい。想像すらつかない快感を、味わってみたい。

「ぐる、ぉお、おおお……っ!」

 ただ快楽のみに思考を支配されながら、淫らに堕ちた英雄は獣のように吠えた。

 より強く奥を指圧してもらおうと、いっそう高く尻を突き上げてしまう。両手のひらで包み込んだ亀頭からは白濁液が溢れ出す。

「――ッ、――ッ」

 いっぱいに開いた口から漏れ出るのは、意味もなさぬ獣の息遣い。

 雷に打たれたかのような快感に貫かれて、自分が射精している事にすら気づくことができなかった。

 ほんの一息をつく暇すらもなく、快楽の波が繰り返し押し寄せては強烈な絶頂感を生み出し、されるがままに身悶え続ける事しか出来ない。

 絶頂の後に訪れるはずの虚脱感と自己嫌悪はその気配すらも見せず、絶頂を繰り返すほどに心身が高揚してゆく。

 尻の奥で男の指がいやらしく動かされながら、肛門はそれに応えるように収縮を繰り返していた。

 何も考えられない。ただ、気持ちいい。どこまでも昇ってゆく。ああ、もっと、もっと高く――。

「――はっ、ふ、うぅ……っ」

 どれほどの時間そうしていたのか、気づいたときには英雄は地に伏して、未だ火照りの冷めやらぬ熱い吐息を漏らしていた。

 未だに尻の奥にはじんとした熱が燻っており、耐え難い疼きを発している。

「は、あぁ……ッ」

 振り絞るように湿った息を吐きながら、英雄は絶頂の余韻に包まれた体に力を込め、身を起こそうとする。

 それだけで、今は何も挿れられていないはずの直腸に甘い電撃が走った。男の指で執拗に愛撫されたその場所を意識するだけで、丹田の熱が膨れ上がってゆく。

 ――ああ、まだ足りない。

「……!」

 何よりもまず、さらなる快楽への渇望を思い浮かべた自身に、英雄は息を呑む。

 先程の強烈な快感が脳髄に刻みつけられて、頭から離れない。あれほどに絶頂を重ねながら、精根尽き果てるどころか肉体はより昂ぶっているかのようだった。

 ……どれだけ果てたところで、半神たる超越の肉体が有する精力に底は無いのやも知れない。

 もしそうならば、この冷めることのない火照りを、尽きることのない衝動を、どうすれば良いのか。

 戦場での高揚、血への渇望、多くの超越者たちの精神を苛んできた衝動はナサスにとって無縁のものであったが、人の魂で神の肉体を有するという、超越者が持つ歪みの宿命とも言うべき代償は、より滑稽かつ浅ましい形で、英雄へと躙り寄っていた。

(我は、このままでは……)

 背筋に走る寒気すら、身を苛む火照りの中に溶けて消えてゆく。膝立ちのまま動きを止めていた英雄は、今や獣のように発情した体を鎮めようと自制に努めるが、傍らからその痴態を見つめる相手は、それを許さなかった。

「さあ、次は貴方様自身の手で……」

「よ、よせ、これ以上、は……っ」

 赤黒く使い込まれた魔羅を見せつけるように熱り立たせながら、男が囁きかけてくる。

 肩を、腰を、胸を、柔らかな手付きで愛撫される。右拳へと手のひらを重ねられ、硬く握り込んだ指を解かれてゆく。すでに傷もふさがり僅かに爪の生え始めた右手の人差指を、労るように撫でられ、恋人のように指を絡められる。

 かつて嫌悪しか抱かなかったはずの感触が、心地よくてたまらない。さらなる快楽の予感に尻の奥が狂おしく疼く。

「まずは腰を下ろして股を開くか、もしくはそう、厠に立つときのようにしゃがみ込んでくだされ……」

「ぬ、うぅ……」

 男の言葉に抗えないのは、己の交わした契約のせいか、従うことで得らるだろう快楽に目がくらんでいるせいなのか。前者であると断言できる自信はもうなかった。

 ナサスは言われるがままに、厠で排泄を行うときと同じ姿勢をとっていた。

 背中を曲げ体を前方へと傾けながら、左手を床について体幹を支える。男の手を重ねられた右手は、今も勃起し続ける英雄自身を通り過ぎて、腸液で濡れそぼった肛門へと辿り着いた。

「どこが気持ちよかったか、覚えてらっしゃいますか……?」

「あぁ、あっ」

 男の手で導かれ、ナサスは自身の人差し指を緩んだ肛門へと差し入れる。背筋を震わせて喘ぎ声を漏らしながら、コクコクと首を縦に動かした。

 忘れられるはずもない。今もそこが、さらなる刺激を求めて熱く痺れているのだから。

 指先からは、自身の内側の感触が伝わってきていた。男のそれよりも体温が高く、肛門は己の意思とは関係なく収縮を繰り返して指を締め付けてくる。

 紛れもなく、それは性器だった。物欲しげにヒクついて、浅ましく魔羅をねだる雄膣。人差し指を深く挿入してゆくほどに、はっきりとそれを自覚させられる。

「ふっ、ぐ、うぅ……ッ」

 あの場所を探し潤滑に満ちた直腸の中で指を動かすと、腸壁に獣毛が擦り付けられる刺激に声を上げてしまう。

 下卑た遊びに付き合って自分を貶める必要など無いはずなのに、今やナサスは命じられるまでもなくより感じる場所を探して指を動かし、ぐちゅぐちゅと水音を立てていた。

 そしてその人差し指は、ついに直腸の奥にある柔らかな膨らみを見つける。

「お゛ッ、お゛お゛――ッ!?」

 ……ここだ。

 ナサスは無様に声を上げながら、熱り立った男根から潮を噴く。

 前屈した体をよろよろと起こしながら、震えながら汁を垂れ流す自らの魔羅へと左手を伸ばし、自ら前立腺を指圧するのに合わせて扱き上げる。

 湧き上がる衝動に任せて闇雲に指を動かして肛門を酷使する拙い行為からは、先程のような強烈な快感は得られないが、そのもどかしさが英雄を突き動かし、肛門自慰へとのめり込ませてゆく。

「夫の前で一人遊びに精を出して、私めの妻とくればなんと淫らなことか」

「う、んんっ、む……っ」

 その浅ましい姿を揶揄しながら、男がすっくと立ち上がり、蕩けきった英雄の顔へと手を伸ばす。

 親指で口元をなぞられ、歯列をこじ開けられる。いつかと同じように、熱り立つ魔羅へと向けて鼻面を引き寄せられ、先走りを垂らす鈴口を鼻先へと押し付けられる。

 かつて耐え難い辱めとして記憶されていたその匂いを、狂おしい快楽と共に記憶へと刻まれてゆく。

 じっくりと、覚え込ませるようにその匂いを堪能させてから、男はその両手でナサスの頭を鷲掴みにして、赤黒い魔羅をジャッカルの顎に咥えさせる。

「一月後の夜が、私達が真に夫婦の契りを結ぶ日となりましょう。……それまで、この夫を想い、夫の魔羅で処女を失う日を夢見て、自分を慰めてくだされ。ええ、そうしてこそ、生涯忘れ得ぬ最高の初夜となりましょうや」

「んんっ、じゅっ、ふぅ……ッ」

 口腔の粘膜で感じる熱と硬さ。男の言葉に言い知れぬ不安を覚えながら、しかし体の火照りは否応なく高まってゆく。

 ……一月後。その日を待ちきれぬと、胸の奥にそんな思いが浮かんだ気がして、ナサスは男の狂気に染められ堕ちてゆく恐怖に身震いをするが、その薄ら寒さすらも、身を苛む熱の中にやがては溶けていった。

続く

Comments

にゃんそん

尻への刺激がほしすぎて、まだ処女なのにすっかりケツマンコの気持ちが出来上がってるところが可愛いですね…… ちんちんしゃぶりながら教えてもらったばかりのアナニーに耽るナサスくん、いやらしくて最高です!!! 勝手に妄想してしまって申し訳ないんですが、「次の新月まで自分で尻をぐちょくちょにしながら待つのかな?」とか想像するとすごく興奮します…… 初夜回、とても楽しみです!!!