Home Creators Posts Import Register Favorites Logout

Content

 大葉 薫は自宅のシャワー室で自らの身体を改めて眺めていた。  薫の外見の印象は、一言で表すのならば「しっかりとしている、ドッシリとしている」だった。  存在感のあるHカップの乳房は個人的には好ましい部分だ。  そこから繋がる腹はややだらしない。  尻は乳房に負けない存在感を持った安産型。  太腿もやや太めで、柔らかさを感じさせる。  太っていると言う程では無いが、肩幅を含め全体的に頑丈そうな、しっかりとしている、ドッシリとしているという印象に収束する。  そんな体型の中、おそらく最も貧弱なのは、薫の股間にぶら下がっている小さな肉棒だ。  生まれつきのフタナリである薫にとっては、この肉棒がとにかくコンプレックスだった。  フタナリ自体がコンプレックスという訳ではない。  フタナリは世間的には少数派ながら一定数いるし、何ならプールや公衆浴場に行かなければフタナリによる不利益を被る事は殆ど無い。  薫が何よりも気に入らないのは、自分の陰茎が小さい……小さすぎる事が気に入らないのだ。  どうせなら、巨根と言える程であれば……いや、それでもコンプレックスになりそうだが。  せめて、人並みであれば良かったのに。  掌に乗せた肉棒は情けない存在だ。自分の手の小指よりも短い。いや、小指の半分程度の大きさしか無い。しかも、皮に覆われ、それがますます情けない姿に思われた。  しかし、この陰茎とも今日でおさらばだ。  薫は、鏡の中の自分に頷く。  とある機関ではフタナリを女性にする研究がされており、薫は以前からのその検体に志願していたのだ。今日、とうとう順番が回ってくる。  あれこれと調べられるらしいが、ともかく自分の肉体からこの情けない陰茎が無くなると思うと清々する。  薫は意気揚々と自宅を後にし、研究機関に向かった。  その研究機関では、最初に体調やらなんやらを記入させられ、何枚もの同意書に署名をさせられた。  はい、これで問題ありません。では、施術を開始します。  ようやくその言葉に案内され、簡素な施術着に着替え、寝台に横たわると全身麻酔をする。  これで目が覚めた時には女の身体か。  薫は楽しみにしながら目を閉じた。  そして、肩をポンポンと叩かれ目を開く。  終わりましたよ。ゆっくり起きて下さい。  もうか、と薫は思った。全身麻酔をしたのが数分前のようにすら感じられる。医学は凄いなと適当な事を考えながら身体を起こすと……隣の寝台でも丁度誰かが起きる所だった。  ……いや、誰だ。  隣を見た薫は硬直してしまった。  そこには薫がいたのだ。 薫「「へ、……は?」」  余りに驚愕している薫を見て、看護師が恐る恐る聞く。  ちゃんと同意書は読まれたのですよね?  難しい文章をあれほど沢山読めるわけがない、という文句が喉元までせり上がるがグッと堪えた。  自分が悪い事という予感があったのだ。  改めて説明されると、どうやら何らかの安全措置とかバックアップとかで受験者は複製される。  何れか片方が女性化処置を受け、もう片方は女性化した自分の為に必要な生体パーツを養成、または提供する……。  とんでもない話だ。  自分が一人死ぬ可能性すらあるのか。  今更ながら狼狽するが、それにしても 薫「「コピーは大変ねぇ。ま、私の為に頑張って……は?」」  薫の顔色がさっと変わる。  この時になって、二人の薫は思い知った。  自分が本物、原本だと思っている。  もしかして、この複製品もそのように「勘違い」しているのでは無いか?  実態は良く分からない。  自分が偽物かもしれないという状況は受け入れられない。自分が本物だという既成事実を作らないと、何かで自分が偽物だと判定されはしないか?  死んでたまるか!  薫の単純な頭脳は、そのように考え、そして行動を開始した。 薫「コ、コイツが偽物よ!」 薫「はぁ?! アンタが偽物でしょうが! 私が本物だから」  とにかく、自分が本物だと強弁しきれば勝ちだとでも考えたのかもしれない。  しかし、そんなに簡単に引き下がる相手なら、そもそもこんな事になっていない。 薫「偽物のくせに本物ぶらないでよ!」 薫「ふざけんな! 私が本物よっ!」 薫「アンタ、いい加減にしないとキレるわよ?」 薫「そっちこそいい加減にしなさいよ、本物は私よ!」 薫「いいや、私よ!」 薫「私よ!」  その争いは極めて低レベル。  ただ主張をし合うだけの時間の無駄とも言えるものだった。  そんな言い合いをしていても、結局何も変わらない。  とうとう我慢できなくなった薫と薫は互いに飛びかかった。  ガシャァンと派手な音を立てて、ベッドから転げ落ち、互いを捕まえてゴロゴロと転がる。  元の体格がしっかりしているため、喧嘩も勢いがあった。  施術着の襟元を掴んで互いを放り投げようとすると、簡素なそれはあっさりと裂け、脱げてしまう。  二人は全裸で転げ回る羽目になってしまった。  しかしそれでも、いや、だからこそ戦いを止められなくなっていた。  全裸にさせられたという強い怒りと、ここまでされて引き下がれないという意地が混ざり合い、薫の闘志の炎に燃料を噴き込んでいた。  施術着が脱げてしまうと捕まえる場所も限られてくる。  互いの手を捕まえ合い、力で押し下げようとする。 薫「「ふっぐぅうううううううっ!!」」  しかし、どんなに力を込めようと、相手は全く下がらない。  むしろ気を抜けば自分が押し下げられてしまいそうになる程の力でこちらを押してくる。  手四つとなった二人の薫は必死に床を踏んで互いに力を込める。 薫「なんで、こいつ……!」 薫「全く動かないぃ……!」  他の誰かであればここまで力比べが拮抗する事は無いだろう。  しかし、他の誰でも無い、自分が相手なのだ。  両者の身体は全く動かず、しかし薫の身体と言わず、額と言わず汗が浮き始めていた。  実力の伯仲した力士が組み合って全く動かない状況に似ていた。 薫「いい加減下がりなさいよ!」 薫「そっちが下がれば良いでしょ! ああもう、凄い手汗。キモ!!」 薫「そっちの方が手汗凄いんですけど。人のせいにしないでよムカツクわね!!」 薫「ムカついてんのは、こっちよ!! 汗、臭ぁっ!! 臭いから離れてくれない?!」 薫「そっちでしょ、汗臭いのは。マジ、吐きそう……!」 薫「こっちの方が気持ち悪いのに、被害者ぶんな!!」  薫は元々、発汗量が多めであり、そのため夏場は臭いがキツくなる事もあった。  制汗剤や香水でそれらを覆い隠してきた。  薫の数あるコンプレックスの一つでもあった。  しかし、この相手はその最も触れて欲しくない部分をあげつらってくる。  怒りは膨れ上がり、ある点を突破してしまった。  怒りにまかせ、間近にある薫の額に向けて頭突きをしたのだ。  不意を突けばそれなりに効果的だったろう。  しかしこの時、相手の薫もまた頭突きをしてきたが故に、薫達の額は予想を超えた勢いで激突し合った。 薫「「……ぅぐぉあぁ……」」  脳しんとうを起こし、掴み合っていた手も離して額を抑えて後ずさる。  この相手を前に悶絶はしなかったが、殆ど反射的に額を両手で擦る。 薫「「ぁあああっ!! 痛い痛い痛い痛い!!!! この、クソ女ぁあああっ!!」」  元より自分を騙る偽物、生存競争をする敵である相手に何のためらいが要るだろうか。  怒りと痛みが相まって、この時薫の中のタガが外れた。  相手の最も身体的に弱い場所……相手の股間、肉棒をグッと掴む。掴み合う。 薫「ぅぐっ、ぎ! 何、してくれんのよ……!」 薫「ぅぁ゛、ん! そっちこそ、何する気よ!」  何をするか? そんな事は決まっている。  薫は、相手の肉棒をギリギリと握り締め始めた。 薫「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! 馬鹿、離せっ!!!!」」  急所をそのように乱暴にされ、悶絶する薫。  あまりの痛みに力が抜け、一瞬は痛みが和らぐ。  この時、急激に血液が陰茎に戻り、血液が回復する感覚に一息つく薫であるが、すぐさま肉棒を握る攻撃を再開してしまう。 薫「おっぎぃいいっ!! お、前ぇえっ!!」 薫「放せっ! この、放せぇえっ!!」  余りに低レベルな喧嘩。  しかし、その当事者はあくまで本気だ。  何度か互いの陰茎を握っては痛みのために解放を繰り返す内に、どういうわけか両者の陰茎は大きくなり始めていた。  一度大きくなると、元来の情けない大きさを思い出せない程急激に大きくなっていき……それでも、常人のそれと同じくらいには大きくなる。  それでもそれなりの大きさになった相手の陰茎は薫にとって忌々しいものだった。 薫「偽物のくせに、一丁前に感じるなっ!」 薫「んっぐうっ!」  薫は自分の腰を回転させると、自らの陰茎、その竿部分で相手の亀頭を横殴りにした。  肉棒同士の衝突ではそれ程のダメージを与えられないと思えたが、さすがに硬い竿部分で敏感な亀頭部分を殴れば、それなりの効果があるようだ。  薫は陰茎同士のぶつけ合いで相手が怯んだ事に気を良くした。  このまま、何度でも殴ってやろうとした時。 薫「こ、んのぉっ!」 薫「っ、ぎひいいっ!!」  自分より劣勢と思った陰茎に逆に殴られ……やはり竿で亀頭を殴られ、その刺激に悲鳴を上げ、腰が引けてしまう。  勃起した陰茎を打ち合って押し巻ける事も屈辱なら、自分の偽物に怯んだ事も屈辱だ。  そして、その屈辱感は二人の薫に平等にある感情だった。  薫達は猛然と腰を振り、陰茎で陰茎を殴り合い始めた。  しかし二人とも一歩を踏み込む度胸が無く、結果的には頑丈な竿を右に左にと打ち付け合うだけだった。 薫「「うぐっ! ぁっぐぅ! ぃぐっ!」」  同時に陰茎と陰茎をぶつけ合い、その痛みを重ねる。  そんなダラダラとした打ち合いをしていたが、たまたま狙いが逸れ、亀頭と亀頭が衝突した。 薫「「んぎひいいいいいいいいいいいっ!!!!」」  びゅるるるるるっ!!  その痛いだけであるはずの刺激に、勝手に精液を噴き出した陰茎を、信じられないように見下ろす。  その陰茎と言わず下腹部といわず、互いの精液でベッタリと汚れていた。  最近射精していなかったためか、濃厚で生臭い精液の臭いが鼻をつく。 薫「臭ぁっ! なによこの臭い。さすが偽物ね」 薫「はぁ?! 臭いのはそっちでしょ。身体も臭ければ、精液も臭いみたいね」 薫「そっちの精液の方が臭いわよ! それに、汗臭さだってそっちが上ね」 薫「良く言うわよ。さっきから、吐きそうなほど汗臭くて辛いんですけど!」  二人で相争ってからは汗もかき、酸っぱいような臭いがしている。お世辞にも「臭くない」とは言えない。  そこに精液の臭いも加わり、何とも言えない濃厚な臭いになっていた。  しかし、そんな事は絶対に認められない。  薫はひたすらに相手が臭いと言い合う。  より相手に言葉を叩き付けるようにと身体は接近し、肉棒で肉棒を擦り、巨乳で巨乳を押し合い、その鼻先が触れ合うような距離にまでなっても怒鳴り合い続けている。 薫「うわ、口まで臭いんですけれど!」 薫「そっちの方が臭いわよ。一体、どんな物食べればそんなに臭くなるのよ!!」  至近距離で睨み合い、怒鳴り合う。  この距離であるから、互いの吐息を吸い合い、飛ばしてしまう唾は互いの口に入ってしまう。  しかし、ここで顔を背ければ自分が負けたような気分になってしまう。  それは、嫌だ。  薫と薫は、地上で最も憎く感じる存在と身体を密着させ、顔を密着させた状態でありながら、逃げるという合理的な選択もできず、愚かにもいがみ合う事しかできない。  この体勢では自然と互いの陰茎が密着、押し潰し合うだけで無く、互いの精液で汚れた陰毛も押し付け合い、陰嚢まで重ね合わせる状態になっている。 薫「ちょっと、その汚いおちんちん、どかしてよ! それにちん毛が気持ち悪いんだけど!」 薫「偽物こそ下がれば良いでしょ! 人のおちんちんで気持ち良くならないでくれる?! それにそっちのちん毛の方が邪魔なのよ。もじゃもじゃでだらしない!」 薫「偽物の方こそもじゃもじゃじゃないの! 少しは手入れしなさいよ。そんなだから、おちんちんが臭いのよ!」 薫「臭いおちんちんしておきながら、良く言えたわね!!」  確かに薫の陰毛は多めだ。  その陰毛に大量の精液がまぶされ、そして擦り合わされジョリジョリと絡めるように押しつけ合わされる。  陰毛が多い事と汗かきなこともあって、下腹部は強い臭いを蓄えつつあった。  その臭いすらも混ぜ合わせるように下腹部重ねると、陰嚢、金玉もコツコツとぶつかる。  不快でたまらない。  背筋を虫唾が走る。  この偽物、偽物、偽物!  コイツをぶちのめさないと何も始まらない!!  とうとう限界を突き抜けたか、薫は互いの頬を張り合った。  パァン!  何をした、この女……。  薫の頭が一瞬真っ白になり、そして怒りによって一色に染め上げられる。  その首を絞めてやろうかと飛びかかろうとした瞬間だった。  バチンと強い音が響き、薫は倒れた。     いけません。規定に反した行為でしたので、動きを止めさせて頂きました。  薫の身体は全身が痺れている。  どうやったのかは分からないが、電撃のようなもので打ち抜かれたらしい。     このままお二人で役割を決めていただこうかと考えていましたが、これ以上お任せできません。こちらの指示に従っていただきます。  天井から降ってくる言葉に薫は苛つき、矛先を向ける。 薫「何よ、勝手に! こんな偽物を作るからややこしくなっているだけじゃ無い!」     それは一理ありますが、こちらは契約書以上の事は一切していません。自分が確認を怠ったのでしょう? 転嫁されるいわれはありません。  実際にこんな事まで契約書に記載されていただろうか? とも思ったが、真偽が判明しない。  明確に否定できるほどの材料も記憶も持ち合わせていない。  薫は自分の浅はかさに歯がみする以上の事はできなかった。     先ずは、互いの陰茎を愛撫してください。仲直りですね。 薫「こ、こ、コイツのおちんちんを気持ち良くしろって言うの?!」 薫「何で、偽物に奉仕しなくちゃいけないのよっ! 絶対に……」  嫌だ。  そう思ったが、さっきの電撃をまた喰らうのはごめんだ。  完全に暴力に屈した格好の薫達は、互いを憎々しく睨み合いながら身体を寄せ合ってその股間に手を伸ばした。  熱く、ピクピクと震える相手の陰茎を握る。  その手応えも、握られる感触も……残念ながら、自分が普段オナニーする感触と全く同じだった。  偽物なのだから、何かが違うに決まっている。  そう思っていたのだが、実際の感触は、気味が悪いほど自分の肉棒と同じだった。  そう言う意味では触り慣れている物のはずなのだが、手淫を始めると嫌悪感がゾゾゾッと身体を駆け抜ける。  この偽物のせいでこんなにも不快な思いをしなくてはいけないのか。  その怒りはダイレクトに握力の強さとなり、少し乱暴な手淫になってしまう。  当然のように相手も報復して力の強い手淫を仕返してくる。  それは抑止力として働いた。  全力で握ろうものなら、相手も報復してくるに決まっている。  ここは、素直に相手のおちんちんに奉仕して、いっそ何度も何度も無様に果てさせれば面白いかも知れない。  歪な笑みを顔に張り付かせながら、薫達の手は速度を上げて上下に動く。  扱き、扱かれる感触は悪くない。  それが腹立たしいのだが、悪くない。  いつしか嫌悪感に震えていた背筋は、快楽に震え始めている。  更なる快楽を押しつける方法は無いか……。  どうせ、この偽物はあと少しで絶頂だ。何か、一押し……  その時、さっきの戦いがフラッシュバックした。  亀頭で亀頭を攻撃すれば、それなりの快感を与えられる。  薫は、相手の陰茎を扱きながら、その亀頭を自分の方に向ける。  相手の手淫で揺れる自らの亀頭に相手の亀頭を擦らせる。 薫「「ふぅ、んぁ……っ!!」」  当然、自分の亀頭も刺激され気持ち良い。  しかし、そうだとしても適当な方法が思いつかない。  もう一人の薫の手もその刺激の与え合いを最初から分かっていたのかのように息を合わせ、二人の薫は揃って濃厚な兜合わせを演じるハメになってしまった。  ハリがある肉厚な亀頭同士を押し付け合い、押し潰し合う。  力を受けて少し開いた鈴口同士を重ね、その内壁すら擦り合わせる。既に数度の射精をし、未だにカウパーを漏らす鈴口同士を擦り合うと、ネチョネチョ、クチュクチュといやらしい音を立てる。  その状況が薫に異常なほどの興奮をもたらした。  この女と、等しく刺激し合い、等しく高まっている。  このまま、相手だけを絶頂させ、その無様な陰茎をなおも扱き、何度も何度も負け亀頭に自分の亀頭を叩き付けたら……その時勝利は確実なものになり、フタナリ解消もできるに違いない。  薫と薫は、それを夢見て必死に陰茎同士を擦り合わせる。  余りに強い力に亀頭は赤く腫れ掛かっている。  それ故に敏感になった亀頭は更に多くの快感を薫に提供する。 薫「も、だめ……!」 薫「偽物と、同時になっちゃう……!」 薫「嫌……私が勝つ」 薫「勝つのは私ぃっ」 薫「「……っ!? あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」」  そして、とうとう大きな絶頂。  ドッブドッブと双方の陰茎から精液が放出され、それらが互いをますます汚し合う。  大量の精液を浴びた下半身、それを接近させる。 薫「「はぁ……っ、はぁ……っ、はぁっ、はぁっ」」  もはや、単純に快楽に溺れる無様な生き物になった薫達は濃厚な精液で濡れた濃い陰毛同士を再び押し重ね、擦り付け合う。  その異様なプレイに、陰毛同士が少しずつ絡み合い、二人はその絡み合った陰毛を綱引きの様に引っ張り合い引き抜き、引きちぎり合う。  その本数が少ないとはいえ、余りに特殊な楽しみ方だ。  薫自身も、この遊び方はおかしいと思っている。  しかし、濃厚な精液と愛液の混ざった臭いと、微妙な痛みとが異様な快楽をもたらしてくる。  薫達は互いの肩を掴み、互いを睨み付け合いながら腰をうねらせその異様な快楽に耽り始めた。 薫「こんな事に興奮するなんて、おかしいんじゃない……?」 薫「そっちこそ……。それに、手慣れてるんじゃない?」 薫「こんなこと、やるわけ無いでしょ?」 薫「どうだか……」  実際、このような遊び方は普段しない。  陰毛の絡め合いだって、相手が必要であるし……薫はこの陰茎へのコンプレックスからこのような遊びはしてこなかった。自慰でもこのような事はしない。  しかし、不思議とのこの相手と陰毛を引き合う事には妙な興奮を覚えていた。     では、次は互いにオナニーを見て貰いましょう。 薫「な、なんでっ!?」 薫「そんな必要ないでしょう?! 私が本物って分かるの、そんなことで……」     自己開示によって、更に互いに親密になっていただきます。 薫「それこそ、必要ない!」 薫「こんなやつ、バックアップなんだから!」  口々に文句を言う薫。  しかし次の瞬間にはバチンという音が鳴り、二人は弾かれるように地に伏した。  電撃が二人を貫いたのだ。  文句を言うと電撃を喰らう……その恐怖心は二人の「抵抗の意思」をこそぎ落としていく。  薫達は、身体に痺れが残ったまま何とか這うように離れると、互いの股間を見せ合うように座った。  M字に開脚した状態。  そして、互いにオナニーを見られるという屈辱の中、手をおずおずと伸ばし、右手で膣を掻き回し、左手で陰茎を扱き始めた。  オナニーの方法は、二人で完全に一緒だった。  そんな事も腹立たしい。  しかし、心のどこかで自分と同じ方法でオナニーしている相手に安心する部分もあった。  自分でも自分の気持ちが分からなくなりつつも、薫の手は徐々に早くなっていく。  何度も絶頂し、性器は濡れている。  自分の陰唇を潤すために溢れる愛液、竿に絡む精液……よく考えればその体液が自分の物か相手の物かも分からない。いや、きっと混合している。  そんな混合体液で自分はオナニーしている。  その事実は、二人の薫にふわふわとした快楽と、幸福感を与えるようになっていた。  目の前の相手をオカズにオナニーする自分。  これもまた性的嗜好が歪みそうな行為だな。  そう思いながらも、薫はますます興奮する変態になっていた。  自分の性癖が歪むかも知れないが、同じだけ相手の性癖も歪んでいるに違いない。  そう思うと、奇妙な一体感のような、繋がっているような感覚が二人に共有される。  コイツのせいで、自分はおかしくなってしまった。  その怒りという感情に任せ、何かを振り切るように少し荒く自分の性器を慰める。 薫「……っく、逝け、逝っちゃえ……!」 薫「……偽物が先に逝きなさいよっ……!」 薫「偽物より先には逝かないわ……!」 薫「本当に苛つくわね……!」  電撃におびえて始まったオナニーの見せ合い。  しかし、今では熱い息を吐きながら、互いの痴態を共有し合っている。  こんな事に何の意味があるのかも理解できないまま、強制的に自分の女性器と男性器をいじる。  手を抜いて、少しブレーキをかけようかとも思ったが、それが露見すればまた電撃を喰らうのだろうか。  快楽で思考が回らない薫は、徐々にただ自分の身体が命じるまま、ただ快楽に溺れるように指を動かしていく。 薫「あ、……っぁ、あ!」 薫「ぁあぁ……っぁあ!」 薫「「ぁあああああああああああああっ!!!!」」  一際大きな快感の波。  思わず下腹部を突き出すように背を反り、陰唇からドブッと愛液を吐き出す。  そして、そんな薫の陰唇、下腹部にビチャビチャと互いの精液が降り注いだ。  自分の精液で相手を穢すという、オス的な快感が更に加わった二人は、もう一度射精し、今度は穢されたというメス的な屈辱の中気を失っていった。  自慰だから、自分の最も敏感な部分を的確に刺激できたのだろうか、これまでで一番気持ちの良い絶頂を極めた二人の視界は暗転し、沈んでいった。  ガバッと薫は起きた。  さっきまで全裸だったと思うのだが、今は施術着を着ている。  もう一人の自分と、本物か偽物かを決めるために……その、かなりいやらしい戦いを、さっきまでしていたはずだ。  しかし、自分の身体にその痕跡は感じられず、汚れている場所も、濡れている場所も無い。 薫「夢、だったのかしら……?」  それでも良いと思えた。  自分と生存競争をするなんてまっぴらだ。  決着がつくわけが無い、不毛な戦いになるに決まっている。  そういえば、フタナリを撤去するための施術を受けたはずだ。  自分の身体はどうなったのか。  薫は、そっと施術着の前を開いていく。  その時、妙に陰毛が減っている様な気がした。  すっきりとしているというよりかは、スカスカと情けない。  抜けたのか、ちぎれたのか。  と言う事は、あれは夢では無かったのか?  薫は更に施術着を開く。  かつて情けない陰茎があった場所は……。

Comments

No comments found for this post.