【全年齢】『VS・AI』 第2話「この愛に勝る敵はない!!」② (Pixiv Fanbox)
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小説・イラスト:ひがみ(日上)
前回(第1話):https://uhigami.fanbox.cc/posts/1335187
最初(第0話):https://uhigami.fanbox.cc/posts/1204457
「じゃあ、ウチは先に帰るから希々ちゃは東ちゃと久しぶりの再会を楽しんでや~」
「ありがとう、瑠琉!じゃあ、また明日ね」
「おぅ!またな~」
雲一つない気持ちの良い夕方、終礼が終わりそれぞれの学生が帰宅したり部活や補習のために学校に残ったりしている。
希々は瑠琉と学校の正門で別れ、東と再会のために事前にメールで指定された待ち合わせ場所に向かっていた。
【5時半に駅の改札口で待ち合わせしよっ!あー!早く会いたいよぉー!(´;ω;`)💦 東】
「私もだよ、あず…」
希々はスマートフォンの画面に映る大好きな友達のメールを少し愛おしい目で見ていた。
指定された待ち合わせの場所は希々の自宅から一番近い最寄り駅の改札口ではある。
夕方の5時を過ぎているので、すでに学生や会社員と思わしき人たちが改札を出入りしている。
「えーと、ここの駅の改札口でいいんだっけ?」
駅の改札前に着いたものの、指定された駅が間違っていないかメールの内容を何度も確認していた。
その時だった。
『アノ…?』
「あっ、あず……?」
希々に声を掛ける、女の子の声に気付きすぐさま振り返る。
しかし彼女に声を掛けたのは、東ではないとすぐに気付いた。
『…東山希々サマデ間違イアリマセンネ?』
希々に声を掛けた少女は、黒髪のおかっぱ頭で死人のように白い素肌、マンガやアニメに出てきそうな学校制服のようなコスチューム…。
何より間違えなく人間の声では発せられない機械的な電子音声が、この少女が東ではないと確信に至らせた。
「じゃないか…?ってうわぁぁっ!?」
この子が腰に沿えていたものを取り出したモノに気付いて思わず悲鳴をあげてしまった。
それは銀色に美しくもどこか不気味にギラッと輝く、間違いなく本物の日本刀だった。
希々だけじゃなく周辺にいる人たちも声を上げ、中にはその場から走って逃げだす人も彼女の目に映った。
『ハジメマシテ希々サマ、我ノ名ハ”イチゴウ”、早速デモウシワケアリマセンガ一緒二来テ下サイ』
イチゴウと名乗る少女は、単刀直入にそう言った。
そして、希々は気づいてしまった、この少女はもしかして…。
「もしかしてあんたは機械人形!?なんで私の名前を知ってるのよ!?」
そう、《機械人形》。
死人のように白い素肌、マンガやアニメに出てきそうな学校制服のようなコスチューム、人間の声では発せられない機械的な電子音声の疑問が全て繋がった。
しかし、まだひとつだけ疑問が残っている。
『心配イリマセン、我ガアナタヲ殺シタリ傷ツケルコトハイタシマセン。タダ”アル方”ノ下二来テ欲シイダケデスカラ』
「そ、そう言われて、誰が素直について行くと思う…?」
今まで機械人形とは一切無縁な人生を送ってきた希々が、どうして突然機械人形に狙わることになったのか。
その質問を聴こうとしようとしたが、間髪入れずにイチゴウは希々の腕をぐっと掴んだ。
『無理デシタラ、傷ツケナイ程度二力ヅクデナントカイタシマス』
希々は引き離そうとするも、イチゴウの腕力にはまったく敵わずどうしようもできなかった。
そして彼女は初めて実感した。
"これが機械人形の恐ろしさなんだと…"
「え…ちょっと、やめてぇっ!!」
誰かが助けてくれるというわずかな可能性に期待して、助けを求めるかのように叫んだ。
しかし、周りにいるのは対AIや機械人形の訓練を受けているような《先技校生》がいるわけでもなく、他の一般人たちにはどうすることもできなかった。
『ソレデハ行キマショウ』
「やだ…!離して!!」
最後の悪あがきのつもりで必死に暴れる希々に、流石のイチゴウもしびれを切らした。
『暴レテモラッテハ困リマスネ…少シノ間眠ッテ貰イマショウカ?』
「…っ!!」
一瞬、掴んだ希々の腕を話すと、サッと目に見えぬ速さで先ほどの日本刀を抜き、峰打ちをしかけようとする。
"終わった…"
希々の脳裏にその言葉が浮かんだその時だった。
「やめなさい!!そこの機械人形」
イチゴウの日本刀の峰が、希々の背中にあと数センチというところでピタリと止まった。
彼女の助けを呼ぶ声が功を奏したのか、一人の少女がイチゴウを呼び止める。
希々もイチゴウも同時にその声がした方を向く。
『?』
「え!?…あなたは?」
「私は先技校の者です!たまたま通りがかっただけなのですがあなたを今すぐ助けます!」
その方向にいたのは、体のシルエットが少し浮かんでいる赤と白を基調とした特殊なスーツを着た少女だった。
間違いない、この人は《先技校生》だ!と希々は確信した。
『ナッ…!?』
その《先技校生》は、イチゴウに対抗するような刀のような銀色の特殊武器を構え、あっという間にそのまま距離を詰め、希々とイチゴウの引き離す。
「大丈夫ですか?」
「あ…はい、なんとか」
「敵は私が引き付けます!あなたは早く逃げてください!」
とにかく助かった。もうこれ以上怖い思いをしないで済む。
希々は日本にも先技校があって本当に良かったと心から思った。
彼女の助けを無駄にするわけにはいかないと思い、とにかく何も考えずにその場から急いで逃げようとした時だった。
「おい!あの子もしかして、LA校の人じゃないか?!」
「うそー!?」
「やっぱ日本に来てたのかー!」
《LA校》
機械人形と先技校生の騒ぎに集まってきた野次馬たちが、そう言った。
希々はその単語が引っ掛かり、足をピタッと止めてしまった。
「え!?LA校…」
脳裏には、今朝の学校での瑠琉との会話の場面がセピア色ながら甦った。
(なんで、LA校の人がこんな所に?!…もしかして、朝の噂話は本当だったのかな?)
希々は、イチゴウがすぐには来れないような場所までは後退し、彼女たちの戦いの行く末を見守ることにした。
『ソウハサセマセンデスヨ!』
イチゴウは、自身の刀を構え直し、彼女との対決姿勢を見せた。
「チームAのメンバーの1人として、絶対にあなたの思い通りにはさせません!」
一般人の希々では、どうすることもできなかったイチゴウを圧倒する彼女。
ギシッ、ギシッと軽めの金属が打ち合う音が響く中、機械人形のパワーと剣術を上回る力で彼女は優勢を取っている。
(でも何だろうこの人の声、どこかで聞いたようなすごく安らぐ)
希々は"もしかして!?"と思い、はっと彼女の顔を見た。
《つづく》
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