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人気のない工業地帯の一角。

そこに建つ古びた倉庫にはドラム缶が設置されており、その中で彼女は眠っていた。

「……ん?」

暫くして彼女は眠りから覚める。

だが、身動きを取ろうとしたとき、彼女は自分の体が思うように動かないことに気づいた。

「……なにこれ?」

彼女は、自分が鉄製の壁に囲まれた狭い場所にいることに困惑した。

加えて両手は縄で強力に拘束されており、体勢を変えるのも難しい。

「解けない……」

手首を動かすも、縄はギチギチと音を立てるだけだった。

仕方なく拘束を解くのを諦めた彼女は、あたりを見渡して状況を確認した。

見たところドラム缶の中のようだが、見上げてみるとそれには鉄製の上蓋がなく、彼女視界には倉庫の天井らしき構造物が入った。

だが、それでも自分がどこにいるのか把握するには、情報が不足していた。

そこで彼女は、眠る前の記憶を辿ると、ある光景が脳裏に浮かんだ。

「……そうだ! 私、あの時」

彼女が思い出したのは、研究所で実験をしていた時のことだった。

いつものように準備をしていると、突如何者かに後ろから襲われ、口元に何か薬品のようなものを含んだ布を押し当てられたのだ。

そして、その後急激に眠気に襲われ、気づけばここにいた。

どうやら自分は、何者かに攫われた、それが彼女の出した答えだった。

「まずは助けを呼ばないと……」

なぜ自分が攫われたのかは不明だが、とりあえず彼女は助けを呼ぶ術を考えることにした。

しかしその時、彼女はドラム缶の外から何か騒々しい音がするのを耳にした。

「……何この音?」

突然周囲に鳴り響く異様な音におびえていると、彼女は先ほどまで倉庫の天井しか見えていなかった上の景色が変わったことに気づいた。

「これは……?」

よく見るとドラム缶の淵近くから金属製の筒のようなものが伸びていた。

その開口部は何やら土のようなもので汚れており、何かが中を流れたことを示していた。

彼女が謎の筒を観察していると、また外から奇妙な音が鳴った。

そして次の瞬間、筒から何かが彼女目がけて流れ落ちてきた。

ドボドボドボ…!

「きゃ!?」

彼女は思わず目をつぶった。

飛び出してきた何かの滴は、彼女の髪や顔に付着し、ひんやりとした感触を彼女に与えた。

しばらく彼女は目が開けられなかったが、自分のお尻あたりに何か湿った感覚を覚えたため、状況を把握するためにゆっくりと目を開けた。

「これって……セメント……?」

筒から飛び出してきたのは、水分を含んだドロドロのセメントだった。

セメントは筒の口から飛び出すと、そのまま彼女がいるドラム缶の中に落ち、床面に広がった。

そしてドラム缶の底を完全に覆うと、次に彼女の服やブーツを汚しながらじわじわと泥面を上昇させていた。

「いや……! 誰か、助けて!」

迫りくるセメントに彼女は思わず恐怖して助けを呼んだ。

しかし彼女の悲痛な叫びも、ドボドボとセメントが注がれる音にかき消されてしまう。

彼女はこのまま、この灰色の液体に包まれてしまうのか……?


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というわけで、今月2作目は前回に引き続き研究員ちゃんに来てもらいました。

シチュエーションは、ドラマとかで見かける「セメント責め」です。

海外だとマフィアとかヤバい組織に目を付けられた人が口封じにってな感じで、セメントに沈められる描写がありますが、今回それを研究員ちゃんに体験してもらいました。

誘拐されてセメントで固められそうになるって、研究員ちゃんは一体何を研究しているんでしょうね?(他人事)


さて、今月の投稿も明日でラスト。

引き続きよろしくお願いいたします。

ではまた明日。

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