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 このページでは「アマゾネス達から逃げたその先で STAGE・2 アイシャ・ベルカ編」の全内容を常に公開しています。


 このページの公開日から一週間後、pixivにおける同作品は一部分を削って試し読み版にする予定となっております。


 今回の二次創作の題材は、ライトノベル「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」に出てくるイシュタル・ファミリアです。2期に出てきたファミリアですね。


 ベル・クラネルが体験したような「捕まれば犯されるアマゾネス達との鬼ごっこ」を読者の方々に追体験してもらうのがコンセプトです。


 今回はイシュタル・ファミリアの事実上の司令塔、アイシャ・ベルカがメイン。

 姉御肌的な妖艶美女で、pixivの絵的にはこんな感じです。


 それでは、ごゆるりと。






 前回の続きからです。

 今回のIFルートはこの長編における唯一のグッドエンドになる予定。








 ドサッ、ゴロゴロゴロゴロッ!!


「~~~~~~~~っ!!」




 床に転がって落下の勢いを無理やり発散させる。


 回転する視界、こみ上げる吐き気、綱渡りをした恐怖の後味……目まぐるしく乱れる意識を無理やり押し留める。


 やがて回転していた僕の体から勢いがある程度失われたタイミングで、僕は二足を床に叩きつけ、無理やり立ち上がった。




 慣性で少し前にたたらを踏む。


 ややよろけたものの、なんとか僕は立ち止まるのに成功する。


 ようやく僕は落下の勢いを殺し切ることができた。




「ふぅ……助かったぁ」


 


 過剰回転していた思考が時間経過で冷却されていくのにつれて、僕は綱渡りをやりきった実感が込み上げた。


 脱力して、床にへたり込む。


 少し休みたい。無茶をしすぎた。


 緊張から回復するためのゆとりが今は欲しい。




 僕を追ってきたアマゾネスの集団は明らかに一人ひとりが僕より格上だった。そんな高レベル集団から、僕は逃げおおせることに成功した。




 その成功の立役者の一つが、僕の【スキル】だ。


 判断補助スキル、名前は【操りたい運命の糸(ONE IN TWO)】。


 危機的状況において、ほんの一厘でも生還の可能性があるなら、僕は二者択一の選択肢を思い描くことができる。




 片方はハズレで、もう片方は生還。


 極論、当てずっぽうでも生還の可能性を二者択一まで高められる【スキル】だ。


 これのお陰で今まで僕は生き延びてきた。さっきのように冒険の中で格上と対峙したときも、最低限、逃げ延びることができた。




 ……正直、自分の生き死にをスキルに依存するやり方は、僕は好まない。


 意識が腐るというか、成長できないというか。漠然とした嫌な予感がある。




 そうは言いつつも、スキル無しじゃままならない事態は多く、結局この“運命の糸”に縋るしかないあたり、僕はまだ弱いという事だ。




 必勝の戦いだけで生きていけるほど、冒険者稼業は甘くない。




「自分の未熟さが嫌になるなぁ……」


「いい心がけだね。慢心しない男は私も好きだよ」


「っ!!」




 咄嗟に後ろに飛び退く。




 僕の独り言を拾ったその声の主は、廊下の角から悠然と姿を見せ、双眸を僕に向けた。




「――ぁ」


 一瞬、見惚れて呆ける。


 今日すれ違ってきたアマゾネスたちの中でも、段違いに美麗な顔立ちをしていた。


 長身の体躯に、臀部まで伸びる漆黒の髪。踊り子のような露出の激しい衣装の下には、女性的な柔い凹凸に富む褐色の肢体があった。


 短衣に覆われた胸は張りがありとても豊満で、かといって下に目を移しても、薄い生地から覗く長い美脚が目を逃さない。柔らかそうな肢体の曲線はどこを見ても悩ましく、これでもかと僕に色香を訴えてくる。




 濃艶……だけじゃない。なぜだろう、ある種の気高さのようなものも感じさせる。


 自信に溢れる彼女の瞳がそう思わせるのだろうか。




「なに呆けてるんだい。構えな。目の前に追っ手が現れたんだよ? なら、お前のやることは一つだろう」


「……あ! はい」




 腰を低くして、隙を窺う。


 見惚れてる場合じゃなかった。まさか敵側の娼婦から指摘されるとは。




 これがもし彼女のように『親切』な相手じゃなかったら……と、考えが及んだところで。


 あれ? と、今まで指針の候補外だったアイデアが僕の頭に浮かぶ。




「あの……見逃して、もらえないでしょうか」


 これ、説得いけるんじゃ?


 と、僕が思い切って口にしてみたその懇願は、




「ダメだね」


「うっ」


「ちなみに先に言っておくけど、どんな交換条件も受け入れないよ」


「ぼっ」


「私が『優しい』なんて甘いこと考えているなら、今すぐその考えは捨てな」


「あぁ~~……」




 念入りに却下された。うぼあー。


 こちらの弱腰を咎めてくる戦闘娼婦のシビアな言葉に、僕は気を引き締め直すことを余儀なくされる。




 ……後から振り返ってみると、これは事前の警告だったのだろう。


 本人は否定したが、僕の油断を是正してくれるあたり、やはり彼女は『優しい』。




 だが、確かに目の前のアマゾネスは良識的な方ではあるが、あくまでイシュタル・ファミリアという狭い界隈の中でマシなのであって。


 彼女の『優しくない』という自称も、また嘘ではなかった。




「さっきのあんたの空中での身のこなし、見せてもらったよ。レナ達から逃げ切るなんて、なかなかやるじゃないか……?」


「――いっ」




 背筋を舐め取る悪寒。


 獰猛に細められた瞳が僕を睥睨する。


 姉御肌的に僕の心構えを矯正していたのが一転、女は蛇のように眼光をギラつかせた。




 前までのアマゾネス達と――いや、前よりもっと格段に濃い色香が、圧力を伴って僕の全身をわななかせる。




「うぶな顔も私好みだ……最初はレナたちに譲るつもりだったけど、気が変わったよ。あんたは私の獲物だ」




 その宣言と共に唇を舌で舐め、じりじりと迫ってくる褐色の女体。


 一歩ごとに豊かな胸が揺れて、衣擦れの音と共になだらかな臀部が欲情を煽る。




「うぅっ……!」


 直感する。彼女は今まで遭ったどの戦闘娼婦たちより手強い。


 強さでも、度胸でも、色香でも。




 そんな彼女に捕まったら最後。


 肉付きに富む美脚で、引き締まった臀部で、手で覆いきれないほど豊かな胸で、美と豪胆さが同居する褐色の美貌で。


 冒険者として前に進む原動力の全てを、彼女一色に染め上げられてしまう。




 忘れてはいけない。


 多少、人格者に見えても、優しく見えても。


 彼女もまたアマゾネス――豪胆で本能に忠実な、肉食の獣だ!




「さあ、そろそろ始めようか!」




 高らかに開戦が叫ばれると共に、黒の長髪がなびいた。




 同時に、脳裏によぎる二種の選択肢。




①一撃入れてから逃げる


②一撃入れる……ふりをして逃げる




 * * *




 今回の選択肢は、どちらにも『最初から逃げる』ことが含まれていない。




 それだけ僕と、目の前のアマゾネスの実力に隔たりがあるという事だろう。単純な逃走劇で振り切れるほど甘い相手じゃないという事か。


 あるいは最初から逃げ腰になると、戦いを好むアマゾネスの不興を買って、イシュタル・ファミリアの他の仲間達を呼ばれるとか……? 我ながら嫌な想像だ。




 どちらにせよ、前提として。


 僕は目の前のアマゾネスを相手に、ある程度、抗戦しなければならないわけだが。






 ……いや、キッツイわこれ!!






「ははははははははははは!! いいねぇ、動けるねぇ!!」


「~~~~~~~~~~っ!!!」




 怒涛のように迫りくる腕、長いリーチから繰り出される足。


 殺到するそれらの猛攻を僕は全力でかいくぐる。


 褐色の美脚が産毛を撫でるごとに僕は肝を冷やした。集団で襲われたときより圧力が凄まじいってどういうことだ!




 黒の長髪がなびくと同時、僕を押し倒さんと殺到する腕の連撃。褐色の指先が、隙あらば僕を押し倒さんといやらしく動く。


 かといって上にばかり意識を向けると、突如として目の前のアマゾネスは上体を沈めて足払いで転ばせにかかってくる……そら来たっ!




「おおっ、よく避けたねぇ」


「二度目なので、ぜぇぜぇ……!」


「ふふ。未熟な餓鬼かと思っていたら、なかなかどうして雄の顔をしている……!」




 早くも息切れする僕とは対照的に、ぺろりと舌舐めずりする戦闘娼婦。


 威勢のいい気風を宿すアマゾネスの瞳に、戦闘での高揚『以外』のなにかに浮かされた熱が宿ってきている。




 ここで力尽きてしまえば、どんな目に遭わされるか――ゾッと背筋を舐める悪寒から、僕は怖気づいて想像を放棄した。




 このままではジリ貧だ。


 打開策を実行しないと、捕まるのは時間の問題だ。




 幸い、目の前のアマゾネスは僕を本気で捕らえようとしていない。


 間違いなく彼女は僕より強いのに、無駄に手間取っているのがその根拠だ。




 目の前のアマゾネスは、あえて僕が対処できるギリギリのラインで体術を仕掛けてきていた。まるで試すように、あるいは楽しむように。




 ……その『遊び』のお陰で急場を凌げている僕が言えた義理ではないが、体術にかこつけて僕の服を破くのはやめてほしい。


 もう殆どパンツしか残ってないじゃないか……って、あっ!


 いま、笑ったな! さては狙って服を破いてやがったな!?




「ははは、さぁどうする!? 全部脱げてしまったら、いよいよ後が無くなるよぉ!?」




 高らかに、かつ愉しげに響き渡るアマゾネスの歓呼。


 恐らくは、衣服が完全に失われたら『遊び』は終わりになる、という最後通告。




 だけど僕も、ただ手をこまねいて服を破かれていたわけではない。


 こちらを掴み倒さんとする腕を躱し、衣服の繊維にひっかかる指を外し、足払いを避ける激しい防戦の中、僕は好機を待っていた。


 そして、その我慢が報われる時がようやく来た。




 気分が高揚しすぎたアマゾネスの、普段より大ぶりになった掌底。長い黒髪をなびかせながら右腕を突き出す所作に、かすかに見える気の緩み。




 カウンターチャンス。


 今なら彼女の掌底に被せるように、無防備な腹に反撃の一撃を入れられる!




「っ……!!」




 僕は迫り来る掌底を、首をかしげて紙一重で躱し、『前もって決めた通り』拳をアマゾネスのお腹めがけて、


①一撃入れてから逃げる


②一撃入れる……ふりをして逃げる




 * * *






①一撃入れてから逃げる




 開戦より少し前に時は遡る。


 頭に湧いて出た二者択一の選択肢から、僕はその一つを選び取った。




(……一撃入れてから、逃げよう)




 今回の二つの選択肢で、最初から逃げることはどちらにも含まれていない。


 つまり、戦いを避けた上で逃げるような楽な手段は、目の前の美麗なアマゾネス相手には通用しないということだ。




 だったらもう、腹をくくって戦うしかない。


 一撃入れて、弱らせるなり驚かせるなりして、逃げる。


 もはや逃走経路は自力でこじ開けるしかない。相手の隙を窺うのではなく、相手から隙を奪い取るのだ。




「さあ、そろそろ始めようか!」


「ッ……!」




 立ちはだかる難題。試される地力。


 開戦を告げるアマゾネスに相対し、僕は黙って拳を構えた――






 ――そして現在。




 格上の相手に一矢報いる一撃を、僕はアマゾネスの腹に叩き込もうとしている。




「うおおおおりゃああああああああああっ!!!」




 全身のばねを躍動させ、体重を移動させ、速力を威力に上乗せさせ。


 理想的な体勢で、渾身の力を込めた右拳を振り抜く!






 ズドォン!!!


「かはっ……!!?」






 アマゾネスの女戦士の腹を、弱者の矮小な拳が穿つ。


 肺から押し出される空気。咳のような吐息の音。




 奇しくもその一撃は、僕の冒険者人生で最高といっていいほどの完璧な出来栄えだった。




 拳から伝わってくる、目の前のアマゾネスが地面に膝をつく予兆。


 すぐに僕は腕を引き、彼女を横切る。


 間違いなく、彼女を弱らせることができた!




「よし……よし……!」




 ドサリ、と後ろで彼女が膝をついた音を聞いて、僕は高揚感で心が熱く滾るのを感じる。




 走る足取りは、心なしかいつもより軽やかだ。


 できすぎだ。ここまで上手くいくとは思わなかった。




 あとは、もう逃げるだけ。


 あの格上のアマゾネスを相手に、僕が逃げるだけの隙を無理やりこじ開けるという難題は、今の交戦で完璧にこなせた。






 ――後から振り返ってみると、完璧にこなしすぎた。






 アマゾネスには、『強い男』を好む習性があるという。


 武力を誇る己を負かした男に、多くのアマゾネスは心を奪われる。


 となると、武力をもって挑んできたアマゾネスを、まかり間違って真っ向勝負で打ち倒してしまうと、一体なにが起こるか――?




 その危険性を、このときの僕は警戒していなかった。






「――わっ!?」




 グイッ! と背後から肩を掴まれ、体が後ろに引き戻される。


 まさか、もう回復した!?


 と、僕が驚愕する間もなく、先程まで僕と戦っていたアマゾネスは、僕の肩を掴みながら腕を力任せに振り抜いて――




「――シッ!」


「うわあああああぁぁぁぐへっ!?」






 僕は投げ飛ばされ、壁に叩きつけられてしまった。


 けほっ、と軽くむせる。衝撃で背中が痺れる。


 そして、僕の体勢回復より早く、アマゾネスは黒い長髪をなびかせて急迫し、身体を翻して、臀部を僕の下腹部に叩きつける!




「これで、終わりっ!」


 ヒップアタック。


「――あぐっ!?」




 ドシン! と張りのある臀部に下半身を激突され、壁と挟まれる。


 僕の身体は、壁とアマゾネスの尻に圧迫されるような体勢になってしまう。


 彼女の下半身は大木が根を張るかのごとき強靭さで、僕の身体を浮かせるように臀部で持ち上げてしまった。




 足が地面につかない。


 腕を使おうにも、この尻と壁に挟まれた体勢からだと、威力のある攻撃ができない。






「ま、負けた……!」


 詰んでいると理解し、僕は歯がゆさを噛みしめる。






 あと、もう少しだった。


 途中までは善戦できていた。イシュタル・ファミリアの格上アマゾネスを相手に、レベル2程度の僕で防戦を維持できただけでも及第点だろう。




 なにより、この美麗なアマゾネスを相手に、一矢報いるあの完璧な一撃。


 もう一度やれと言われても二度と出来ないような、心技体の全てが噛み合った最高の一撃だったが。




 それを持ってしても――


「届かなかった、かぁ……」


「いやいや、あんたは良くやったよ。大したもんさ」


「えっ」




 予想外の称賛に、僕の喉から驚きがこぼれる。


 僕の体を尻と壁で挟みこむ眼前のアマゾネス。その麗しい横顔は意外にも、好意的な笑みを覗かせていた。




「私が油断してたことは言い訳にならない。仮にも【麗傑】(アンティアネイラ)なんて二つ名を頂戴した手前、私はあんたを圧倒していなければならなかった。あんたがこうして私に捕まっているのは、身も蓋もないレベルの差に過ぎない。実力差的に、私は無傷であんたを拘束できていなければならなかったんだ」


「?」




 整った褐色の美貌に見惚れつつも、僕は脳内を疑問符で満たす。


 なにやら、話の方向性が……変だ。




「効いたよ、あの一撃。……あれを受けて膝をついた時点で、私は負けた。レベルの差を除いて、技と駆け引きで完全に上を行かれたよ」


「え……ど、どうも?」




 照れくさくなりながらも、奇妙な雰囲気に僕は緊張していた。


 相手が真摯に僕を称賛してくれているのは伝わってくるし、素直に嬉しい。




 嬉しいのだが……なんだろう。言い表し難い『違和感』を感じる。


 密着する柔肌の感触に、あまりいい予感のしない胸騒ぎがこみ上げる。




「そういえば、名乗ってなかったね。私はアイシャ。アイシャ・ベルカ。あんたは?」


「――――」




 嘘を言うのは憚られて、僕は素直に自分の名前を告げた。




「そうか、――――……」


 記憶に刻むように、アイシャは僕の名前を呟く。




 そして、ここからだった。


 予兆から一転、この場の空気が明確に変わったのは。






「あんたは、私のモノにする♡♡♡♡♡」


 今日最大の色香が、アイシャの眼差しから放たれる。




 ギョッと目を見張って赤面する僕の前で、肉感的な柔肌がいやらしく揺れた。




 * * *




 互いに名前を教えあったせいだろうか。


 今までより遥かに濃く意識させられる、褐色の女体の悩ましさ。




 背中からも丸みが見えるほど豊満な双丘がぶるんと揺れる。柔肌から漂う麝香の香りは僕の煩悩をふんだんに掻き立てる。しなやかな腰つきに反して臀部は大きく実っており、アイシャはそんな肉付きのいい下半身を僕の下半身に押し付けていて――




「や、やわらか……はうっ!?♡♡♡♡♡」




 柔らかい温かさに、敏感な部分を左右から締め付けられる感触。


 脚衣を破かれて素肌を晒している僕の肉棒を、アイシャの自慢の太ももがむっちりと包み込んだのだ。


 きめ細やかな柔肌が甘美な弾力をともなって僕の肉棒全体を締め付ける。同時に柔い臀部が、むにゅっと、潰れて形を変えるほどに押し当てられる。




 これだけでもうっとりするほどの感触なのだが――




「あ、あううっ♡♡♡♡♡」


「ほら、おっぱいも思う存分揉んでいいんだよ。私に勝ったご褒美さ♡」


「ぞ、ぞんぶん!? ……はうっ!♡♡♡♡♡」




 アイシャは手持ち無沙汰になった僕の腕を掴むと、大胆にも彼女の胸元に導いてきた。




 両手いっぱいに、彼女の胸の揉み心地を体感させられる。五指で味わう瑞々しい胸肉は信じられないほど大きかった。柔らかくて、重くて、むにゅっと指が沈み込んで、それでいて弾力たっぷりで、いつまでも揉んでいたくなる。


 というか、これ生乳だ! 服越しじゃない!


 下を見たら、アイシャが胸に巻いていたサラシが床に落ちていた。いつの間に脱いだんだろう。




 通りで、背中からの抱き心地が良いと思った……、っ!






「ふふふっ、気持ちいいかい?♡♡♡♡♡」


「あ、あ、あ……!?♡♡♡♡♡」






 意識しないままに、僕はなかばアイシャに背後から抱きつくような体勢になっていた。




 彼女の豊満な胸に掴まりながら褐色の背中に密着し、下腹部を臀部に押し当てながら、太ももの間に肉棒を挟まれる。


 もう殆ど、僕から豊満な肉体に溺れているも同然な格好だ。




 背後に壁があって挟まれていて、足が地面につかなくて、抱きつきでもしないと地面に落ちてしまうという言い訳が今はまだある。


 まだ彼女の虜になってはいない。理性と性欲の均衡は保たれている。




 だが、あとちょっとでも僕が欲に溺れたら、そんな脆い天秤、すぐに崩れてしまう――!






「もし私を気遣っているのなら、そんな心配は無用さ。傲慢に、荒々しく、私にその熱をぶつけて良いんだよ♡♡♡♡♡」


「あ、あううっ♡♡♡♡♡」






 艶めかしい誘惑の言葉。豊満な柔肌を貪って良いという許可。


 崖っぷちにいる僕の理性に、アイシャの秋波が絡みついて――






「……あんっ♡♡♡♡♡」


 もみゅ、とひと揉み。


 僕はアイシャの豊満な胸を揉んだ。




 もみゅ、もみゅっ♡♡♡♡♡


「ひゃあんっ♡♡♡♡♡ ……ふふ」




 揉みしだくのと共に、アイシャから漏れる嬌声と薄笑い。


 一度溺れたが最後、もう一度、もっと、と欲望に歯止めがかからない。






 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ♡♡♡♡♡


「す、しゅごいっ♡♡♡♡♡ 手で覆いきれないっ♡♡♡♡♡」


 気の迷いで済む次元を僕は大きく飛び越える。


 両手いっぱいにアイシャの豊満なおっぱいを何度も揉みしだく。




 彼女の背中に縋りついて麝香の香りに鼻腔を満たしながら、赤子の頭よりも大きい双丘を鷲掴みにして揉みまくる。


 もはや言い訳の余地は無い。


 ついに僕は、自分の意志で、アイシャの柔肌に溺れてしまっていた。






 もみゅもみゅもみゅもみゅ♡♡♡♡♡


 ……ずりゅんっ♡♡♡♡♡


「はうあっ!?♡♡♡♡♡」




 胸を揉みしだく両手が止まる。


 下腹部に、ペニスに走り抜けた快楽に驚いて手が止まった。




 アイシャが腰を動かし始めたのだ。






 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ♡♡♡♡♡


「あ、うっ♡♡♡♡♡ 太ももが……!♡♡♡♡♡」






 腰を動かされるのに伴い、尻と壁に挟まれて浮いていた僕の足が着地する。


 地に足をついた状態で、柔い肉を堪能する。


 肌と髪の色以外なにも見えない。僕は両手を交差させてアイシャの胸にしがみつき、自分からも腰を振り始めた。




 みっちり閉じた股下に抽挿し、太ももを味わう――






 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ♡♡♡♡♡


「おっぱいっ♡♡♡♡♡ 太ももっ♡♡♡♡♡ きもちいいいぃぃぃぃ!!♡♡♡♡♡」


「あぁんっ♡♡♡♡♡ ふふんっ♡♡♡♡♡ ははははっ!!♡♡♡♡♡」






 腰を激しく振り乱しながら、大きすぎる胸を揉みしだく。


 嬌声まじりの、アイシャの高らかな笑い声が響き渡る。


 いつからかアイシャの太ももは交差していて、ますます窮屈になった腿肉の狭間に僕は何度もペニスを打ち付けた。


 狭い隙間を肉棒で往復するごとに柔肉がむちっと締め付けてきて、それを溢れるような胸の揉み心地と同時に味わえるのが最高すぎる。




 褐色の美女が提供する、その美貌に違わぬ快楽の極みに僕は沈溺していた。


 もう二度と彼女と離れたくない。






 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


「でりゅっ♡♡♡♡♡♡♡ だしたいっ♡♡♡♡♡♡♡」


「いいよっ♡♡♡♡♡♡♡ 思うがままに、傲慢に……イキなっ!♡♡♡♡♡♡♡」






 土壇場で絶頂の許可を貰えたのは、本当に幸いだった。


 今の僕では、たとえアイシャが嫌がったとしても自分がイクのに手段を選ばなかったかもしれないから。




 めちゃくちゃにアイシャの豊満な胸元を揉み回し、柔らかくて重い果実に自分の指を溺れさせる。


 快楽の極みに逝くことで頭をいっぱいにしながら、彼女の甘美な太ももの中を肉棒でめちゃくちゃに突きまくる。




 踊る黒髪、飛び散る汗、臀部を打ち付ける肉の快音。


 鼻腔を満たす女のフェロモン、触覚を満たす柔肌の触り心地。




 際限の無い快楽信号に思考を真っ白に染め上げながら、僕は腰振りと乳揉みに没頭し、そして――






 ぱんぱんぱんぱんぱんぱん、ぱぁんっ!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ、もぎゅ~っ!!♡♡♡♡♡♡♡


 むぎゅ~~~~っ!!!♡♡♡♡♡♡♡


「い、ぐ……!!!♡♡♡♡♡♡♡」




 限界まで柔肌に密着した状態で、達する。






 びゅぶぶっ!!!


 どびゅびゅっ!! ごぽっ! びくびくんっ!!


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!


(しあわせ~~~~~~~っ!!!♡♡♡♡♡♡♡)






 狂おしい多幸感に、肉棒が太ももの中でのたうち回る。


 甘美に締め上げられた肉棒が、アイシャの股下から白濁を噴出する。


 僕は身体を海老反りにしながら快楽の極みを噛み締め、持ち上げるようにアイシャの胸を鷲掴みにしてしまう。




 太ももに搾られる法悦が狂おしいほど心地いい。


 アイシャの柔肌の甘露が、僕の記憶領域に刻まれる。




 彼女の褐色の柔肌に溺れたらどれほど気持ちよくなれるかを、僕は実体験で覚え込まされてしまった。






「戦士としては負けたけど、女としては私の勝ちだね……♡♡♡♡♡」


「もっと♡♡♡♡♡ もっとっ♡♡♡♡♡」


「おや、このイキ方が気に入ったのかい?♡♡♡♡♡」






 それほど絶頂から時間が経たないうちから、僕は震える肉棒をアイシャの腿内に擦りつけていた。


 再燃する欲情に急かされ、おねだりを口にしながら、へこへこ腰を振って。


 傍目から見ればとんでもなくみっともない格好だ。




 そんな僕を、アイシャは慈愛すら伴う目で受け入れてくれる。


 まぐれだろうが油断だろうが、僕が戦闘で一本取っていなければアイシャは豊満な肉体を僕に貸してはくれなかっただろう。




 本来、逆立ちしても得られなかった筈の、身の丈に合わない褒賞。


 その甘露を存分に堪能できる幸福に僕は溺れ狂う。


 暴走する煩悩から理性という枷を外し、背後からたわわな胸を揉みしだき、太ももに腰を何度も打ち付ける。






 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ♡♡♡♡♡


「きもちいいっ♡♡♡♡♡ きもちいいっ♡♡♡♡♡」


「戦闘では肝が据わっていたのに、快楽には激弱だね。そこは童貞ってわけかい♡」






 悩ましい褐色の柔肌に溺れる僕を、アイシャは冷静に分析する。


 豊満な胸を鷲掴みにして腰を振りながら、僕はかぁっと頬を熱くする。


 淫らな行為に没頭している所を客観的な目で見られて、途方もない恥ずかしさで耳まで赤面していくのがわかる。


 それでも乳揉みと太ももへの抽挿をやめられないあたり、僕は愚かで、アイシャの豊満な身体は気持ち良すぎた。






 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


「でるっ♡♡♡♡♡♡♡ でりゅうっ♡♡♡♡♡♡♡」


「はははっ♡♡♡♡♡♡♡ 骨の髄まで溺れてしまえっ♡♡♡♡♡♡♡」






 またもやこみ上げる、下半身からの放出の欲求。


 太ももの中で前後に往復する肉棒が震えだす。


 腿内の締め付けとぬめり、豊満な胸を鷲掴みにする喜び、乱れる長い黒髪の匂い、飛び散る汗に漂うフェロモン。


 アイシャの褐色の柔肌を背後から限界まで抱きしめながら、僕は腰を思いっきり前に突きこみ、褐色の臀部に下腹部をめり込ませた。


 二度目の腿内射精、待ったなし。






 ぱんぱんぱんぱんぱん、ぱぁんっ!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅ、もぎゅ~っ!!♡♡♡♡♡♡♡


(きもちいいいいぃぃ~~~っ!!!♡♡♡♡♡♡♡)




 ごぶびゅっ!!!


 びゅっびゅっ!! ぶびゅるるるっ! どびゅっ!!


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!






 むっちりした感触の中で肉棒が喜悦に悶え狂う。


 アイシャの股下、太ももの間から二度目の白濁が放たれる。


 多量に溢れて床に落ちた濃密な屈服の粘液は、僕がどれほどアイシャの体の虜になったかを示す証左でもある。




 溢れんばかりの爆乳に食い込ませた両手を、僕は持ち替える。


 左手を右胸に、右手を左胸に。


 腕を交差させるようにして、アイシャとの密着をより強くしながら、僕は乳房を鷲掴みにし続ける。




 ぼたぼたと床に白い粘液を落としながら、「まだ貪り足りない」と腰振りで示す。






「もっと……♡♡♡♡♡ もっと、イキたいっ♡♡♡♡♡」


「贅沢だねぇ。そんなに私のおっぱいと太ももが気に入ったのかい♡♡♡♡♡」






 束の間の息継ぎを経て、また臀部に下腹部をめり込ませる。


 ムチムチの太ももへの抽挿と、交差した両手での鷲掴み乳揉み。




 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ♡♡♡♡♡


「止まらないっ♡♡♡♡♡ たまらないっ♡♡♡♡♡」


「ここまで夢中になってくれるなんて、女冥利につきるよっ……♡♡♡♡♡」




 もはや今の僕は射精狂いと呼ばれても反論できない。


 名誉のために言い訳させてもらうと、性行為初心者の僕にとって、アイシャ・ベルカという女体は刺激が強すぎたのだ。




 おっぱいは赤子の頭を超えるほどに大きく、揉みしだき心地は極上。


 肉棒を挟む引き締まった太もものムチムチ感には、何度でも腰を振りたくなる。


 今までの射精で太ももの肌の滑りが良くなっているのも嬉しいし、腰を臀部に押し当てるごとに柔い弾力が跳ね返ってくれるのも喜ばしい。




 そんな身に余る極上の女体が、いざ自分の好き放題にできる据え膳として差し出されてしまっては…………。






 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


「んぎもちいいっ♡♡♡♡♡♡♡ あたま、おかしくなるっ♡♡♡♡♡♡♡」


「いいよっ♡♡♡♡♡♡♡ こうなったら、とことんまで付き合ってやるっ♡♡♡♡♡♡♡」




 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!




 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


「きもちよすぎるっ♡♡♡♡♡♡♡ やめられないっ♡♡♡♡♡♡♡」


「はははっ♡♡♡♡♡♡♡ いっそ、何回までイケるか試してみるかい!?♡♡♡♡♡♡♡」




 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!




 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


「アイシャさんっ♡♡♡♡♡♡♡ さい、こうっ……♡♡♡♡♡♡♡」


「ふふ♡♡♡♡♡♡♡ 私の身体がそんなに気に入ったか……!♡♡♡♡♡♡♡」




 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!






 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!






 ……いや、アイシャの女体を僕が大いに気に入ったのは本当だけど、好きなのは身体だけではないというか。




 ああでも、頭にピンクの靄がかかる。


 気持ちよくて、意識が融解する。




 筋道を立てて物事を考えられない。




 おっぱいもみもみ。


 太ももズボズボ。


 腰振りヘコヘコ。




 きもちいい。きもちいい。きもちいい。




 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!♡♡♡♡♡♡♡


 もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!






 ――――――――


 ――――


 ――






 今の事態に至るまで、何度射精したか僕は覚えていない。


 快楽でふやけた思考では、回数の記憶を保持できなかった。




 確かなのは、何度かはわからないけれどとにかく僕はアイシャの太ももの中にこってり出しまくって、その何度目かで僕は腰が抜けて立てなくなったのと。


 尻もちをついた僕の上にアイシャが待ってましたとばかりに跨がって、肉棒の真上に濡れた膣口をあてがっていること。




 とどのつまり、僕は。


 今までアイシャの豊満な身体を好き放題に貪った分の、代償を徴収されようとしている。


 ……子種の搾り取り、という形で。




「ふふふ、私の方もそろそろ楽しませてもらうよ♡♡♡♡♡」


「う、あああ……♡♡♡♡♡」




 肩を掴まれ、壁際に押し倒され、床に座る下腹部に馬乗りされて。


 あとは腰を振り落とされるだけで、真上にあるアイシャの膣内に肉棒を咥えられる。


 対面座位の体勢で、アイシャはその褐色の豊満な女体をもって、僕の貞操に王手をかけていた。




「観念しな……たっぷりと搾り取ってやるよ……♡♡♡♡♡」


「う、あ、あ……!♡♡♡♡♡」




 見下ろすアイシャのギラつく視線に比して、僕はなんと弱々しいことか。


 身の丈に合わぬ極上の女体に溺れて体力を浪費した僕と、ただただ身を任せて僕の自滅を待つだけで良かった格上の戦闘娼婦。


 プルプル震える肉棒と、どこか誇らしげに臀部を揺らす女の下半身。


 もはや、両者の力関係は一目瞭然だ。






 蛇のように舌なめずりして唇を湿らせながら、アイシャは浮かせている腰の、膣の入り口を僕の肉棒に合わせる。


 先端部分が、ついばまれるように濡れた陰唇に触れた。


 アイシャに控える最後の工程は、一気に腰を落とすことのみ。




「帰れるのは、明日か、明後日か……どちらにせよ、私は満足するまであんたを開放する気は無いよ♡♡♡♡♡」




 蠱惑的に上気する褐色の頬、男を食らう欲望が色濃く輝く双眼。


 豊満な胸が悩ましく揺れて、この場を包む色香を濃密にする。


 そして――




「いくらでも、泣き叫んで構わないよ♡♡♡♡♡ 助けを呼んでも、ここには誰も来やしないが――」


「あ、助けを呼ぶ気は無いです」


「――――あ?」




 その色香が、唐突に途切れた。




 快楽の余韻に酩酊していた筈だった僕は、脳内でなんらかのツボを押されたかのように、意識が明瞭になる。


 片眉を怪訝そうに上げるアイシャの前で、僕は衝動的な使命感に突き動かされて喉を震わせた。


 その使命感いわく――『これだけは、彼女に伝えておかなければならない』。




「だってアイシャさん――いい人ですから」


「――――」




 僕に跨っていたアマゾネスの動きが固まる。




「戦闘の前にわざわざ構えるよう忠告してくれるあたり面倒見が良いし、振る舞い方に気高さのようなものがあって憧れるし……僕の勝ちを認めて褒めてくれた潔さも好感が持てます。初対面ですけど、僕、アイシャさんのことがすごく好きになってます」




 まぁ、色気にあっさり絆された僕がこんな事を言うのもあれですが……。




 と、最後のあたりは尻すぼみになってしまったが、僕は言いたいことをアイシャに伝えきった。




 繰り返すが、アイシャが女性として見目麗しいのは確かで、その豊満な女体が魅惑的であることに疑問の余地は無い。


 だから断言まではできない。できないが……アイシャの身体のみならず心まで魅力的じゃなかったら、ここまで僕は彼女に溺れなかったと思う。




 彼女の内面が、人として誇り高く、尊敬に足るものだったからこそ。


 アイシャ・ベルカの誘惑に、僕は体のみならず心も許した。




 彼女の気高さや潔さ、面倒見の良さ、付き合いの良さを僕は好ましく思っていて、ゆえに抱かれることに嫌悪感が無い。


 むしろ受け入れることもやぶさかではない――と、僕がその意思を表明した直後の、アイシャの表情はというと。






「……なんてこと言ってくれるんだい」


 褐色の顔をほんのり赤らめながら、頬を引きつらせていた。


 あれ、これもしかして照れて――






「よくもまぁ、こっちの欲情を煽る言葉をシラフで恥ずかしげもなくペラペラ言えたもんだね! もう犯してほしいと言ったも同然じゃないか!!」


「ええええぇぇっ!?」




 怒ってるんだか照れてるんだかわからない複雑怪奇な表情で、アイシャは僕に喚き立ててきた。額に青筋が立っている。


 もしやこれ、照れ隠――




「こうなったら徹底的にヤるよ! 気を遣うのが馬鹿らしくなってきた! あんたとしてもこの展開は願ったり叶ったりなんだろう!?」


「て、徹底的!?」




 背筋を駆け上る、地雷を踏んでしまった、という怖気。


 アイシャの中で、なにやらとんでもない衝動が爆発しようとしている!


 その危機感に急かされて、薄々もう手遅れだと思いながらも、このまま流れに身を任せたらマズイと僕は声を張り上げる。




「ま、待ってください! アイシャさん、一体なにをする気で――」


「私とするのは嫌なのかい?」


「え? 嫌じゃないですけど」


「やっぱり犯してほしいんじゃないか!!」


「はっ! つい反射的に!」




 なんなんだ、このおかしな雰囲気!


 と、なかばやけっぱちな心境に陥っていた僕は、忘れていた。


 アイシャに跨がられている自分が、性交一歩手前であることを。




「ああもう、こんなヘンテコな雰囲気の中でするつもりは無かったのに~っ!!」


 盛大に勢いをつけて、アイシャは腰を落とした!






「え、ちょ――」


 ずにゅうんっ♡♡♡♡♡


「ふあああああああああっ!!?♡♡♡♡♡」






 股間が蕩けるような甘美な快楽に、僕の喉から悲鳴が上がる。


 アイシャが腰を落としたことで肉棒が彼女の腟内に呑み込まれてしまったのだ。僕の肉棒は艶めかしい感触にすっぽり覆われ、結合部から見えない。


 剣を包む鞘よろしく僕の肉棒を女体の神秘に呑み込んだ女戦士を前に、僕は狼狽して目を泳がせる。




 なにせ、性交成立直前のやりとりが問題すぎる。




「む、ムードもへったくれもない……!」


「誰のせいだと思ってるんだい!!」




 もはや子供の喧嘩と呼んでも差し支えないような雰囲気の中、それでも途中でやめるのは嫌なのか、アイシャは腰をくねらせる。


 だがここまで空気が変になっては、愛欲もへったくれも――






 じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ♡♡♡♡♡


 ぱんぱんぱんぱんぱんぱん♡♡♡♡♡


「っ!!?♡♡♡♡♡ ちょ、激しい♡♡♡♡♡ 激しいっ♡♡♡♡♡」


 前言撤回、やっぱり気持ちいいものは気持ちいい!






 幾重もの生温かい感触に肉棒を揉み洗われる極上の快楽。


 徹底的にヤる、という事前の言葉に違わずアイシャはその肉感的な臀部を振り乱す。時折、腰をひねり回したり、杭打ちのように臀部を叩きつけたりと、膣内の艶めかしさに変化を加えつつ責め立てる。


 当然、そんな真似をされてアイシャの腟内にある逸物が無事で済む筈もなく、股間をまるごと呑み尽くすような多幸感に僕は脳を焼かれた。






 じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ♡♡♡♡♡


「待って♡♡♡♡♡ せめて、もう少し優しくしてぇ♡♡♡♡♡」


「お断りだよ!!」


 ぱんぱんぱんぱんぱんぱん♡♡♡♡♡


 バンバンバンバンバンバン!!♡♡♡♡♡


「うわああああああ!!♡♡♡♡♡♡♡」






 褐色の腰が、分身するかのごとく勢いを速めだした!


 肉棒を襲う甘美な揉み洗いに、僕の頭が真っ白になる。


 断言する、間違いなくアイシャは今、自身の冒険者としてのステイタスを性行為に転用しちゃっている!




 顔を赤らめて長い黒髪を荒ぶらせながら、馬乗りで腰を振るアマゾネス。


 涙をこらえているような、傍目からでも内面の感情が暴走しているのわかるアイシャの美貌が、眼前に迫ってくる。


 僕の顔が両手で固定され、唇が近づいて――






 んっちゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡


「っ!!? んん~~~~~~!!?♡♡♡♡♡」


 唇同士が重なり合う。




 バンバンバンバンバンバン!!♡♡♡♡♡


 んちゅっ♡♡♡ むちゅっ♡♡♡ んん~っ♡♡♡♡♡


「んん~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」


「んーっ!?♡♡♡♡♡ んーっ!?♡♡♡♡♡」






 口づけと同時進行で行われる猛烈ピストン。




 まさしく捕食を体現するように、アイシャは僕にのしかかって唇を重ね合わせながら僕を貪ってくる。絶え間ない腰のグラインドにより肉棒は膣内の柔肉で揉み洗われ、激しすぎる快楽に僕の腰も跳ね上がって腰同士が密着する。


 視界はアイシャの美貌でいっぱいだ。眉を歪ませながら目を閉じて顔を赤らめた、どこか意地っ張りで切ない彼女のキス顔がいじらしい。




 僕の胸元で潰れる豊満な乳房、全身への密着感、肉棒への甘美な法悦。


 やばい……これ、幸福感がすごすぎる。


 僕の方こそ我慢できなくて、衝動的に僕は、猛攻まっただ中なアイシャの背中に腕を回して抱きしめ返してしまう!






 むぎゅぎゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 バンバンバンバンバンバン!!♡♡♡♡♡♡♡


 ぶちゅっ♡♡♡ れる、はむっ♡♡♡ んちゅ~っ♡♡♡♡♡♡♡


「「んん~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡」」




 きもちいい! きもちいい! きもちいい!! きもちいい!!


 しあわせ! しあわせ! しあわせ!! しあわせ!!




 もう……ダメええぇぇぇぇぇぇぇ!!!






 ぶびゅばあっ!!!


 ごびゅっ!! どびゅるるるっ! ぶびゅっ!!


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!






 ひときわ大きく、ビクンっ、と僕の腰が跳ね上がったのを皮切りに。


 アイシャの膣内に、僕の生温かいものが巡っていくのが、わかった。




 筆舌に尽くしがたい恍惚が僕の思考を真っ白にする。でたらめなまでに心地いい。彼方に持っていかれそうになる正気を押し留めるように、僕はアイシャの豊満な女体を抱きしめて柔らかさを噛みしめる。


 腟内で肉棒は蕩けそうな刺激を味わいながらしきりに締め付けられて、快楽の極みにいる僕を更に甘やかしてくる。根こそぎ搾り取られるような多幸感を味わう間も、アイシャは僕への口づけと全身密着を継続する。




 互いの身体が二つから一つに溶け合ったかのような恍惚。


 途方もない快楽の余韻に頭がクラクラするのとともに、この上ない満足感が僕の中で鋳造される。




 アイシャの背中に回して抱きつく自分の両手を、疲れているという意味でも、抱擁をやめたくないという意味でも……離したくなかった。






「ん~~~~っ♡♡♡♡♡ ……ぷはあっ♡♡♡♡♡」


「ぷはっ♡♡♡♡♡ はぁ、はぁ♡♡♡♡♡」






 ようやく唇が離され、唾液がいやらしい透明な糸をひく。


 改めてアイシャの美貌を間近で見て、しばらく見惚れてしまう。






「……あ。ご、ごめんなさいアイシャさん、思わず抱きついてしまって――」


「まだだよ」


「え」






 一瞬、その言葉の意味がわからなかった。




 骨の髄まで蕩けるような激しい快楽で昇天し、全身が疲労で弛緩した僕にとって、その言葉は想定外だった。


 ただ、僕とアイシャの体力差を冷静に鑑みてみたら、この事態は必然だったのかもしれない。






「まだ、私は満足しちゃいないっ……!」


「ひっ」


 アイシャが貪欲に、性行為の継続を求めるなんて。






 僕は勝手に終わった気になっていたが……アイシャが腟内で精を受けた回数は、まだこの一回のみ。


 前半でアイシャが僕の太ももへの性的嗜好に付き合ってくれた分の負債を、まだ僕は返しきれていなかったのだ!!






「もっと♡♡♡♡♡ もっとヤるよっ!♡♡♡♡♡」


「ちょ、せめて心の準備を整える時間を――」


「待てないねっ!!♡♡♡♡♡」




 目をギラギラ輝かせながら、アイシャはまた腰を振り乱してきた!






 じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ♡♡♡♡♡


 ぱんぱんぱんぱんぱんぱん♡♡♡♡♡


「あひっ♡♡♡♡♡ ひゃあああああ!!♡♡♡♡♡」


「はははははははははっ!!♡♡♡♡♡」






 水音混じりに肉と肉がぶつかりあう音。重なり合う悲鳴と笑声。


 暴れ馬よろしく僕の股間にアイシャが体重ごと臀部を叩きつけ、その度に濡れそぼった陰唇が肉棒を咥えこんでしゃぶりつく。中で子宮がへしゃげるような勢いで肉棒が艶めかしく締め上げられ、それが何度も繰り返されて頭がどうにかなりそうになる。


 あまりにも気持ち良すぎて、いてもたってもいられなくて。


 アイシャが上体を下げたタイミングで、僕は衝動的に彼女の身体に手を回して抱きついた!




 むぎゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡


「~~~~~ッ♡♡♡♡♡」


「はははっ! なんだかんだ言って抱き返すあたり、やっぱりあんたもノリノリじゃないか♡♡♡♡♡」


「アイシャさんの身体が気持ちよすぎるんですよぉ♡♡♡♡♡」


「感心しないねぇ。さっきは私の性格が好きみたいな風に言っておいて」


「性格が好きだから、身体が余計に気持ちいいんですよぉ♡♡♡♡♡」




 じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ!!♡♡♡♡♡♡♡


 バンバンバンバンバンバン!!♡♡♡♡♡♡♡


「あひいぃぃぃぃぃっ!!?♡♡♡♡♡♡♡」


「ま~た、この男は性懲りもなく!!」






 僕に騎乗するアマゾネスの猛烈ピストン攻撃。


 恐ろしく速いリズムで肉の打突音が反復され、膣壁が泡立たんばかりの勢いで肉棒が揉み洗われる。


 その間も僕は上から覆いかぶさるアイシャと互いに身体を抱き合っていて、幸せすぎる密着感に目眩がする。


 あ、綺麗な顔がまた近づいて――






 ぶっちゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 ぎゅぎゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 バンバンバンバンバンバン!!♡♡♡♡♡♡♡


「「んん~~~~~~~~~~!!♡♡♡♡♡♡♡」」






 キスして抱き合いながら、膣内射精。






 ごばあんっ!!!


 ぼびゅぶっ!! ぶびゅるるるっ! びくんびくんっ!!


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!






 心地よすぎる多幸感に腰が激しく打ち震える。


 頭が真っ白になり、思わずアイシャの腰に両脚をきつく巻きつける。


 絶頂の衝撃に悶絶する肉棒はアイシャの膣壁に絡みつかれ、隙間なく締め付けられ、子種の一滴も残らず吸い上げられていく。


 潰れる爆乳の柔らかさ、膣内の温もり、濃密な女の匂い。アイシャを抱くことでもたらされる幸福の全てを独占する。




 とんでもなく気持ちよかった。


 精力が根こそぎ吸い取られたかのような疲労感で全身が弛緩する僕に、アイシャは唇を離して――




「まだだ! 全然、まったく足りないよ!」


「え、えええええっ」


 バンバンバンバンバンバン!!♡♡♡♡♡


「ひゃあああああっ♡♡♡♡♡」




 達した直後の僕の肉棒に、また猛烈ピストンを叩き込んできた!




 敏感になっている肉棒を揉み洗う柔肉の法悦。


 視界が白むほどの快楽に、それも前の絶頂から殆どクールタイムを設けないで叩き込まれる艶めかしさに圧倒されながらも、僕はアイシャに問う。




「ど、どうしてこんな激し、うあっ♡♡♡♡♡」


「あんたの生意気な言葉のせいで、加減が自分でもわからくなったんだよ!! どうしてくれるんだいっ、んちゅうっ♡♡♡♡♡」


「「んん~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」」




 アイシャの艶めかしい熱が、口付けを通してこちらにも伝わってくる。


 熱が伝染するように、僕も彼女を求める欲求が再燃する。


 のしかかる彼女の豊満な女体に両手両足で巻き付いて、全身全霊で抱きしめ返し、柔い肉感を暴食する。




 今の僕に言葉を発する余力は、もう無い。使い切った。


 柔らかくて温かいこのしあわせに、後先考えず身を委ねる。


 目の前の麗しい女戦士に捕らわれての密着交尾に、ただただ没頭するのみ。






 んちゅ♡♡♡ ちゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 むぎゅぎゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 バンバンバンバンバンバン!!♡♡♡♡♡♡♡




 きもちいい……でるっ。




 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!




「ぷはあっ♡♡♡♡♡ 熱が収まらない……ちっとも消えやしないっ……ぢゅっ♡♡♡♡♡」




 んむちゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 ぎゅぎゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 バンバンバンバンバンバン!!♡♡♡♡♡♡♡


「「んんん~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡」」


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!




 快楽に起因する甘すぎる熱に目眩を起こす。


 けど、やめたいとは微塵も思わない。アイシャとの深い口付けを拒否できない。


 彼女の女体は抱きしめると指が柔肌に沈み込んで心地よく、密着する乳房が僕の胸元で量感たっぷりにひしゃげる感触も極上だった。




 僕の股間を叩きつける臀部の弾力と、肉棒を執拗にしゃぶり抜く結合部の法悦は、もはや筆舌に尽くしがたく。




 あ……また出ちゃうっ。




 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!


「「んんん~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡」」


 ぎゅぎゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 ばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


 れるっ♡♡♡ んちゅっ♡♡♡ んむちゅ~っ♡♡♡♡♡♡♡






 快楽の極みに達した衝撃で僕は両脚をピンッと伸ばす。


 その間も、アイシャは責めをやめない。ノンストップの快楽に僕の全身が痙攣する。


 過剰な快楽に全身が過敏に反応し、目の焦点が合わなくなっていくのがわかる。




 全身を覆う褐色の柔肌の気持ちよさが常軌を逸していて、もう片時たりとも彼女を手放したくない。




 そんな欲望が作用したのか、褐色の女体を抱く腕に力が入る。


 何度も何度も果てて、だいぶ疲れている筈なのに、不思議だ。




 んちゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 ぎゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 ばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


「「んんん~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡」」


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!




 もう回数なんて、思考の外に放り出されている。


 頭の中は「きもちいい」と「もっとしたい」で一杯だ。


 意識が続く限り、目の前のアマゾネスの豊満な女体に溺れ続ける。


 何度でも、何度でも、なんどでもなんどでもなんどでも――






 ――――――――


 ――――


 ――






 窓から見える空が、黒から青に色を変えつつある。


 夜の闇に少しずつ光がもたらされ、太陽の温かみが浸透を始めている頃。




 屋敷の中を思わせるイシュタル・ファミリアのホーム。


 その通路の一角で、僕は未だに壁際で、アイシャに騎乗位で跨がられていた。






「ぜえ……ぜえ……ぜえ……ぜえ……」


「はあ……へえ……へえ……へえ……」






 抱きしめ合いながら、僕もアイシャも荒い呼吸をくり返す。


 さすがに、早朝に入りつつあるこの時間帯まで激しい性交を持続する体力までは、お互いに残っていなかった。


 艶めかしく実ったアイシャの臀部は、呼吸に伴う身じろぎを見せるのみ。


 僕も指一本動かせない。激しい運動を続ける気力なんて無い。




 僕がアイシャを抱きしめているのは、もう離れたくないという欲求と、単純に動くのが疲れたという惰性からだ。実際、抱きしめる腕に力なんて入ってない。


 アイシャも似たようなものだろう。腟内に肉棒を挿れたままでこそいるが、あれだけ乱舞していた褐色の腰が今は動きもしない。僕の首に回った抱擁の腕も弱々しい。




 互いに汗まみれで、疲労困憊を露呈する。


 ごぽっ、と膣内から白い液体が漏れる音が生々しい。跨がるアイシャの腰の周辺で、互いの体液がえげつないほどに撒き散らされている。


 疲れていないほうがおかしかった。




「ぜえ……ぜえ……生きてるかい……?」


「はあ……はあ……かろうじて……」




 息絶え絶えになりながらも僕はアイシャに応答する。


 男としての欲望が満たされきった満足感と、全てを出し切った完全燃焼感。


 温かい褐色の柔肌の重みを受け止めながら、僕は感慨に浸っていた。ここまで淫らな充足感を得ることは、多分、もう一生ないに違いない。




 ふと、アイシャの表情が目に入る。


 一瞬、なんだか申し訳無さそうに柳眉を落としている表情が視野を掠めた。このあたり、善良な性根が垣間見えて微笑ましい。


 本人は否定するだろうけど……やっぱりアイシャはいい人だ。




「……いま、私が実践したみたいに」


「?」


 彼女の囁きが僕の耳に流れ着く。




「迂闊なことを言おうものなら、使い潰すように犯したがる連中が、うちのファミリアには……イシュタル・ファミリアにはゴロゴロいるんだ」


 一拍置いて、続ける。


「だからもう二度と……さっきみたいに生意気な口を利くんじゃないよ。私以外には特にだ。……いいかい?」




 返答を求める言葉でアイシャは締めくくった。




 彼女の口ぶりを信じるなら、淫らに蹂躙しながらも、相手側の尊厳を尊重してくれるアマゾネスは、イシュタル・ファミリアでは珍しいらしい。


 アイシャのように、剛胆で本能に忠実な女戦士の気風と、姉御肌で面倒見のいい善性を両立している者は、本当に稀少なのだろう。


 その言葉には説得力があった。アイシャに会う前のアマゾネスたちは、確かに男を攫う側面を全開にした、典型的なアマゾネスらしさを爆発させていた。


 彼女らにもし犯されていたら……アイシャと交わった今のような、ある種の安心感すら伴う満足感は得られなかっただろう。




 僕は、アイシャとまぐわって、満足していた。


 本当に満たされていた。


 彼女が美人で、それだけではなく、その人間性も善良で好ましい女性だったから。




 そして今、その甘い一時は終焉を迎えようとしているのだ。




 終わりを感じて名残惜しいと思う気持ちを押し殺しながら、僕はアイシャの最後の忠告に、無難な返答を口にする。




「独占欲ですか? ……あっ」






 ……無難?






「……………………(顔に影)」


「……………………(頬に冷や汗)」






 なぜ、なぜ、なぜ。


 なぜっ!!


 なぜ僕は、大人しく「はい」と言わなかった!?!?!?!?




 まさか上回ったというのか?


 好奇心といたずらごころが、保身と安定を!




 いや、だって!


 最後にちょろっとアイシャが漏らした、「私以外には特にだ」の部分が琴線に触れて、アイシャも僕のことが好きだって感じが嬉しくて、つい――!






「ふふ。ふふふ、ふふふふふふふ……!!」


 やぶをつついて蛇を出す。口は災いのもと。


 アイシャの狂気的な笑いを前に、僕はそれらの教訓を心に刻んだのだった。






「あんたって男は、まあぁぁぁぁぁだ、懲りてないようだねぇ!!」


「ひええええええええええええええええええ!!!♡♡♡♡♡」






 復活したアイシャの気が済むまで、途中で休憩も挟みつつ、三日三晩に渡って犯され続けました……♡♡♡♡♡






 んちゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 ぎゅ~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡


 ばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅ!!♡♡♡♡♡♡♡


「「んん~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡」」


 どびゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッ!!!




 * * *




 その後の顛末の話をしよう。




 アイシャさんと体を重ねた数日間の後、僕は定期的にイシュタル・ファミリアのホームに通うようになった。


 アイシャ・ベルカに弟子入りして戦闘技術を教わるようになり、折を見て淫らに交わる、鍛錬と快楽の日々。




 アイシャさんは、初めて僕が彼女に一矢報いたときの完璧な一撃にこだわりを見せていて、あれをいつでも繰り出せるようにしろと口酸っぱく言っていた。


 鍛錬は厳しかったがその分得るものも多く、アイシャさんの豪胆な言葉の節々に見え隠れする善性に僕はどんどん惹かれていった。




 そして厳しい鍛錬の後に待っているのは、甘い快楽の時間だ。


 アイシャさん曰く「体を動かした後は熱がこもる」とのことで、彼女は色欲の赴くままに僕を貪ってくる。その豊満で艶めかしい肢体に絡みつかれてはたまらなく、僕も理性を失って交わりが激しくなるのは日常茶飯事だ。






 やがて何度か通う内に、レナ・タリーやサミラさん、春姫さん等、アイシャさん以外のイシュタル・ファミリアの何人かとも知り合いになった。


 アイシャのお気に入りということで、みんな友好的に接してくれている。


 ただ、イシュタル・ファミリアがなんらかの後ろ暗い面があるという噂は正しいらしく、彼女らには「会わない方がいい人もいる」と釘を刺された。




 そのあたりアイシャさんも気遣ってくれて、僕と会うときはよく周囲に警戒を払っている。


 特に主神のイシュタルや団長のフリュネには絶対に会ってはいけないらしい。万が一彼女らに会ったら即逃げろと、アイシャさんをはじめ周囲には念押しされた。


 その忠告を重く受け止め、僕はもし彼女らに不慮の事故で会ったときに逃げ切れるよう、アイシャさんとの鍛錬により深く励んだ。




 おかげで僕は比較的短い期間でレベル3にランクアップできた。


 ついでに昇格祝いと称して狂喜するアイシャさんに犯された。






 そんな日々がしばらく続いて、これからも続くと心のどこかで思っていた僕は。


 唐突に、そんな日々が終わるなんて夢にも思っていなかった。






 ある、ダンジョン帰りの日。




 数十日ぶりにアイシャさんのもとを訪れた僕は、かつてないほど荒廃したイシュタル・ファミリアのホームを目の当たりにした。


 あたかも戦争直後のような瓦礫の山に愕然とする僕は、ちょうどそこを訪れたアイシャさんに出会い、彼女の無事にひとまずホッとするも。


 そのアイシャさんに突然の別れを告げられ、なおのこと狼狽することとなる。




 取り乱す僕の前で、アイシャさんは瞳にかつてないほどの危機感を滲ませていた。




 なんでも主神のイシュタルが天界へ送還されて、ファミリアが崩壊したらしい。


 それだけでも一大事だが事態はそれにとどまらず、主神のイシュタルは闇派閥に関与した経歴があり、それがなにやらまずい方向に働いているらしい。


 アイシャさんが僕に説明したのはそれだけで、嫌な予感がするからと、彼女は僕に無期限の面会謝絶を突きつけた。




 最後に「もう来るんじゃないよ!」と彼女が叫んだ時の、気丈に振る舞うまなざしと、悲しそうに感情を押し殺す唇が記憶に刻まれたのを最後に。


 アイシャ・ベルカと僕の、ストイックさと淫らさが入り交じる日々は、こうして突然の終わりを余儀なくされたのだった。




 実際アイシャさんの危惧は当たっていて、後日、イシュタル・ファミリアに籍を置いていたアマゾネス達の大量暗殺事件が起こることとなる。






 さらに時は経過する。


 僕は冒険者として日々を過ごし、レベル4昇格間近という所まで来ていた。


 アイシャさんとの鍛錬の成果を実践と自己鍛錬で磨き上げ、ダンジョンの到達階層を地道に積み重ねていった。




 以前までの、それこそ初めてイシュタル・ファミリアに攫われたときの頃とは比べようもなく、僕は強くなった。


 ただ僕が成長する間、向こう側が座して怠けていると考えるのは楽観を通り越して失礼だと思うから、僕がアイシャさんに追いついたとは微塵も思わない。


 思わないが……それでも、そろそろだと思った。


 今から僕が起こす行動の、その頃合いは。






「――――本当にいいのかい?」


 飄々とした印象の男神が、帽子の下から橙黄色の前髪を揺らす。


 応接室、面談の席。


 机の上にある用紙は他派閥への改宗願いで、僕が出したものだ。


「はい、お願いします」


「レベル3にして、ランクアップ間近……実力的には申し分ないし、こちらとしては願ったり叶ったりだけど……。オレたちのファミリアの等級はF、言っちゃなんだけど中の下も良いところだよ?」


「あの……さすがにそれは白々しいかと。【万能者(ペルセウス)】が率いている時点でヘルメス・ファミリアの実態が上級派閥クラスというのはわかっています」


 バレたか、と言いたげにニヒルに笑う男神とは対照的に、僕は緊張で表情が固まっているのを自覚する。


 ヘルメス・ファミリアへの移籍。


 団長のアスフィさんには話を通せて、今の僕は主神との面談に至っている段階だ。


「むしろ僕のほうが、今にも断られるんじゃないかと不安になっています」


「ん~……それは君の改宗の理由次第だね」


「やっぱり話さないとダメですよね」


「調べることもできなくはないけど、オレとしては君本人の口からぜひ聞きたい」


 しれっと情報網の深さを匂わせながら、男神は笑みを浮かべて僕を観察する。


 その見透かすような視線に少し怖気づきながらも、僕はまっすぐ見返した。嘘を見抜ける超越存在(デウスデア)を前に隠し事は困難だ。


 さいわい、僕はそもそも隠すつもりなどない。


「……誰にも内緒ですよ?」


「安心したまえ、オレは口は堅い方だ」


 好意的に親指を上げる男神に、僕は心の内を開示した。




「想い人が、最近このファミリアに移籍したと聞いたからです」


「恋か! 最近移籍した、ということは」


「はい。僕は……アイシャ・ベルカのことが――」


◆BEST END:悍婦の弟子




 * * *




②一撃入れる……ふりをして逃げる




 目の前の美麗なアマゾネス相手に、戦いを避けた上で逃げるような楽な手段は、通用しないと思ったほうがいい。




 ならば、腹をくくって戦うしかない。


 一撃入れて、弱らせるなり驚かせるなりして、逃げる。


 相手の隙を窺うのではなく、相手から隙を奪い取る。




 ――その方針を開戦と同時に固めてから、そして現在。




 激しい防戦の間隙を縫い、一瞬無防備になったアマゾネスの腹に、僕は一矢報いる拳の一撃を打ち込もうとしていて。




「うおおおおりゃあああああああああ――」


 実際、僕は会心の一撃を放つ気満々で裂帛の気勢をあげていて。


 女戦士の褐色の腹部に、己の拳を――






「――っ!!!」


 叩き込む寸前で止め、僕は逃走した。






「っ、な、な!!?」


 動転するアマゾネスを後方に置き去りにする。


 柔肌から距離が離れたことで、煩悩を煽っていた麝香の匂いが鼻から失せる。




 本来、アマゾネスの腹に叩き込むはずだった渾身の力の全てを脚力に配分し、全力で床を駆け抜ける。


 相手が追いかけてくるかどうかなんて考えない。余計な邪念を抱いて振り切れるような相手じゃない。


 全集中して床を蹴りまくり、風を割いて趨走する!




「うおおおおおおおっ!!」


「……! ……っちには今、イシュ……!!」




 後ろでなにか叫んでいるが、距離が遠くて内容はわからない。


 曲がり角を何度か曲がったところで、僕は逃げ切れつつあると好感触を得る。




 寸前でアマゾネスの腹から拳を引っ込めた僕の判断は、ほとんど直感だ。


 八割ほど、体が勝手に動いていた。




 残りの二割は、僕のスキル:【操りたい運命の糸(ONE IN TWO)】が、なぜか寸止めを二者択一の選択肢に含めているのが気になった。


 極論、当てずっぽうでも生還の可能性を二者択一にしてのける僕のスキル。


 確率だけで言うなら五割だ。この数値は軽視できるものではない。





 一撃入れる……ふりをして逃げる。


 この咄嗟の判断は、結果として上手くいった。




 本能に忠実で戦いを好むアマゾネスからしてみれば、武力ではなく、武を争う空気がいきなり途切れることが、最も不意をつく要因なのかもしれない。


 ……後からならなんとでも言える、と切り捨ててしまえばそれまでだが。




「とにかく……はぁ、はぁ。これで逃げ切れた、のか?」




 周囲に目を向けて、あの長い黒髪のアマゾネスの気配が無いことを察する。


 安堵するとともに、しかし僕は、別の困った事態に直面させられた。




 ここがどこだかわからない。


 無我夢中になって走って、ものの見事に道に迷った。


 どこに向かえば出口なのか判然としない。




 今、僕の前方には大広間への入り口があり、そこからあふれる眩い光が僕の足先を照らしている。


 あと二・三歩も通路を前に歩けば、そのまま僕は大広間に出る。


 後ろに戻れば、方向感覚のわからない迷路に戻るだけだ。




「……嫌な予感がする」




 頬を汗がつたうのを感じながら、それとなく僕は呟いた。


 胸騒ぎが、僕にこれ以上前に進むなと警告する。




 それでも、僕は前進する。足を止めない。


 そもそもイシュタル・ファミリアという格上の敵陣の中で、危険を冒さずに脱出できるなんてのは虫が良すぎる話だ。


 後ろに戻ったところで、またアマゾネスたちに見つかる危険性だってある。


 どの道を選ぼうが危険が伴うことに変わりない。




 幸い、なぜかこの周囲の通路はアマゾネスたちの気配が無い。ここより先なら敵側の人数が少ないのかもしれない。


 僕より後方に人員が配置されていた分、前方の方角の監視は薄いと見た。


 その可能性に賭けて、僕は前進を選んだ。






 もし、僕の聴力がもう少し良かったら。


 あの長い黒髪の麗しいアマゾネスを振り切ったとき、彼女の叫んだ『警告』が聞こえていたら。


 目の前の大広間という、『猛獣注意の立ち入り禁止区域』に入らずに済んだのかもしれない。




 ――「ちょ、待ちな! そっちには今、イシュタル様がいるんだよっ……!!」


◆To Be Continued

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