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『裏・卒業アルバム』を楽しんでいただき、ありがとうございます!

あとがきということで、ここでは各キャラに対する私の思いや考えを書いていきます。

※毎週水曜日に行っているライブ配信で話した内容と基本的には同じです。

『若さ』だけで生きてきたことの代償

 『若さ』というのは、人間にとって他を圧倒する価値を持ちます。ですが、ほとんどの若者はそれに気づいていません。なぜなら、若者にとって『若さ』とは前提であり、たとえるなら生まれた瞬間に与えられた初期装備だからです。普段呼吸をしているときに酸素に感謝しないように、私たちは当たり前に存在するものを貴重に感じることが難しいのです。若さは美しさ、活力、将来性と密接に関係しており、若さはあらゆる欠点を覆い隠してくれます。若者が生意気でも、アホでも、見通しが甘くても、サボっていても許されるのは、「若いから」です。もし若くない人が同じことをしたら、たちまち周りから総スカンを食らうでしょう。若さは圧倒的な輝きによってその人の弱点を見えなくします。そして、若さを失ってはじめて、その人の真の人間的価値が暴かれることになるわけです。

 井上さんは『若さ』を惜しみなく使ってきた女の子です。はっきり言って、彼女は欠点だらけの人です。怠惰で、短絡的で、自分のその場の感情で物事を判断し、いかなるときも自分本位です。忍耐や努力を知らず、他人を尊重することも知らない。決して悪人ではないけれど、幼い子どものような自己中心性を残したまま◯校生になってしまった人です。そんな井上さんが、なぜ学校ではスクールカーストの上位に君臨して、少なからず友達や仲間がいて、いじめられもせず、むしろ「イケてる女子」扱いされていたのか。それは若かったからです。若さが井上さんの長所をブーストし、短所を埋めていたからです。

 確かに、井上さんは人並み以上のルックスの持ち主です。しかし、ルックスというものは若さに強く支えられているものです。いくら顔の造作が良くても、『老い』には勝てません。ルックスと若さだけで何もかもを切り抜けてきた井上さんは、いわば◯校時代が人生の全盛期であり、それ以降は下がるしかないという状況にいます。若い頃は、自分勝手なことをしても「仕方ないな」と許されてきた。成績が悪くても「可愛いからイイじゃん」なんて言い訳ができた。学校という、まだ誰も社会で何かを成し遂げたことのない子どもたちだけで構成される狭い世界では、生まれ持ったルックスですべてをねじ伏せることができた。でも、社会に出たら?年老いてルックスが崩れてきたら?井上さんは、年齢を重ねるごとに「自分は若いからチヤホヤされていただけの人間だ」ということを思い知らされる運命にいます。

 学校を卒業後の井上さんは当然のように苦境にいます。井上さんは、世間が急に冷たくなったように感じています。学校にいた頃は勝手に仲間や男が集まってきて、仲良くしてくれたのに。ちょっとイラついたら手近なところに頃合いのサンドバッグがいたのに。学校という鳥籠を出て、社会に放り出されると、お金も、仕事も、地位も、友達も、何もかも自力で探して、維持する努力をしなければならない。若さを最大の武器にしていたにもかかわらず、それを自覚していなかった井上さんは、卒業後の苦しい現状を未だにあまり理解できていないのです。

ロリコンどもに珍重された超貧相ボディw

 作中の品評もそうですが、おそらくこのイラストをご覧になった皆様も、井上さんの身体を極めて貧相なものだと判断したはずです。特に第二次性徴をスキップしてしまったかのような貧乳、あるいは『無乳』はなかなかにひどい。もちろん、井上さん自身も自分の身体はお世辞にもグラマーではないことはわかっているのですが、意外なことに、彼女はこの身体に対して大きな劣等感は抱いていません。イラストからもわかる通り、堂々と無乳を晒しています。その変な自己肯定感の高さは、2つの勘違いに起因しています。

 1つ目の勘違いは、井上さんは◯校を卒業するまで常にスクールカースト上位に君臨し続けていたため、友人やクラスメイトの誰も表立って彼女の体型を貶すことがなかったので、「自分の裸はそんなに悪いものではない」と思い込んでいることです。本心では、周囲の女子たちは井上さんの幼児体型を憐れんだり、嘲笑ったりしていたのですが、そんなことを面と向かって言うと、どんな目に合うかわからなかったので、誰も言えなかったのです。良くも悪くも素直で純真な井上さんはそこらへんの機微がわからず、誰からも貶められたことがなかったので、自分の裸への自己評価が高くなってしまったわけです。いわば、井上さんは『裸の王様』状態なのです。

 2つ目の勘違いは、今まで付き合ってきた男たちの趣味が歪んでいることに気づいていないことです。井上さんの好みは「頼り甲斐のある年上の男性」です。もっとありていに言うと、「金持ちの男」が好きなのです。◯校時代の井上さんは“私大の”大学生を狙っていました。単なる大学生ではなく、私大に通えるくらいの実家の太いボンボンをターゲットにしていたわけです。何人かの大学生たちを付き合って、当然肉体関係にもあったのですが、そこでも、歴代彼氏は井上さんの裸を貶すことはなく、むしろしっかり欲情していました。なので、井上さんは「こんな幼児体型でも男を興奮させられるんだ」と認識してしまったのです。しかし、ここに落とし穴があります。井上さんは歴代彼氏を“男性代表”のように捉えていますが、実は偏りがあったのです。大学生と◯校生は年齢にして数歳しか離れていないと言えばその通りなのですが、しかし、いくら女性側から言い寄られたとしても、◯校生に手を出すような男はおしなべて“ロリコン”気味です(私の偏見です)。つまり、井上さんが“金持ちの年上男”が好きなのと同じように、井上さんの歴代彼氏も“顔だけ良くてアホそうな年下女”が好きだったという、なかなかに香ばしいマッチングが出来上がっていたのです。井上さんの裸はロリコン男相手だからウケていただけで、ノーマル男にはあまり刺さらないという事実に彼女は気づいていなかったわけです。

 幸か不幸か、この2つの勘違いのおかげで、井上さんは自分の身体に深刻なコンプレックスを抱くことなく、健全な精神状態で◯校生活を過ごすことができました。いやぁ、めでたいですね。

因果応報。しかし全裸写真のダメージを最小に留められたか?

 まだまだ若いとはいえ、井上さんの卒業後の苦境は、若さを振りかざして自己満足だけを追求してきたツケを払っている因果応報の状態。まさに『ざまぁw』なわけですが、その一方で、現在の生活レベルが低いがゆえに、もし全裸写真が流出したとしてもさほどダメージがない、というのは不幸中の幸いです。立派な仕事に就いていたり、有名だったりすると全裸写真流出はまさに死活問題ですが、井上さんは自活できているかも怪しいフリーター風情ですから、全裸写真が拡散して社会的信用が失われても屁でもないわけです。そもそも失うような社会的信用がないんですね、悲しいことに……。

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