男の娘のための性別矯正下着:1 (Pixiv Fanbox)
Content
SNS広告が導いた、禁断の一歩
姉ちゃんの制服を着ようと思った理由なんて大したものじゃなかった。
2つ上の3年生だった姉ちゃんは、当然、俺のクラスの女子たちと同じ制服を着ていた。
その制服に、当時好きだったクラスの彩音ちゃんを重ねて見ていた。
たったそれだけの理由。
だけど、そのときに経験した、全身の血液が高ぶるような感覚。その感覚が忘れられなくて、それから何度か姉ちゃんの制服に袖を通した。
それは姉ちゃんが高校に進学してからも変わらなかった。
深い緑のブレザーと、濃いめのグレーに赤のラインが入ったスカート。
胸には女子の象徴であるかのように主張する、真っ赤なリボン。
中学のセーラー服とは違う、大人っぽい制服に俺の心も踊った。
それでもこっそり着るには限界があった。
姉ちゃんにも、もちろん家族にもバレるわけにはいかない。
だけど、家に俺ひとりで家族が誰もいないタイミングなんてのは、そうそうあるものじゃない。
それに姉ちゃんの部屋に忍び込んで、バレないようにこっそり着用し、また元に戻すにはリスクが高すぎた。
結局、自分で女装用の服を買うことにした。
初めて通販で買ったワンピース。中高生向けのリボンとフリルがたっぷりあしらわれた、ピンクの可愛らしいデザイン。
生地は安っぽいものではあったが、そんなことは俺には関係なかった。
自分のために、自分用の女の子の服を買う。
この行動が、より刺激的なスパイスとなって興奮を高めていった。
高校生活はバイトをして、お金が貯まったら、こっそりと女子の服を買う。この繰り返しだった。
少し大人っぽい黒のドレスや、クラシカルなメイド服みたいなコスプレの衣装にも手を出した。
サイズが分からず適当に買った初めての下着は、ブラのサイズが合わず、ぶかぶかだった。
誰にもバレてはいけない、秘密の趣味を俺は細々と続けていた。
◆
そんなある日、俺にとんでもないことが起きる。
きっかけはSNSだった。
週末、だらだらと過ごし夜は深まっていく。
突然、タイムラインに上がってきたのは『性別矯正下着』とかいう怪しい商品の広告だった。
着用すると、たちまち性別が矯正されてしまうらしい。
男が着用すると、体が女になるという代物。
バカバカしいと思いつつ、夜のテンションと少しの興味本位で、怪しげな通販サイトのリンクから半信半疑で購入ボタンをクリックした。
――数日後、家族が受け取らないように、営業所止めで購入した商品が届いた。
箱を開けると透明なパッケージに包まれた青色のブラジャーとショーツ。
同封されたカードには「あなたの奥底にある、自然な女性らしさを引き出します。ご自身でその効果を実感してください。」とだけ書いてあった。
見た目はどこにでも買えるような下着。
……だけど、どこか怪しげな魅力を放っている気がする。
いや、カモられたと思いたくない俺の心が、そう見せているだけだろうか……。
装着した初日。
……何も変わらない。
ただ締めつけられる胸と股間の感覚。
それ以上でもそれ以下でもない、ごく普通の下着だ。
ほら、言わんこっちゃない。小さくため息をつく。
それでも諦めたくない俺は、数日着用してみることにした。
2日目、3日目と経つにつれ、体に若干の異変が訪れた。
まさか、そんなことは……最初は錯覚だと思った。
最初に気づいたのは、朝、洗面台の前。
顔を洗うときの感触がいつものごわごわした肌から変化していた。
明らかにきめ細かくなっていて、もちもちすべすべとした肌触りに、どこか興奮すら覚えた。
毛穴も確実に目立たなくなっていた。なんとなくスキンケアはしていたが、それでも俺と女子との間には、越えられないラインがあった。
なのに――。
次に気づいたのはその日の夜。
お風呂場で体を洗っているとき、俺の平らだった胸はほんの少しの膨らみとなり、確実に柔らかな曲線を描き始めていた。
股間にはかすかな締めつけを感じる。だけどその大きさは、異常なほど頼りなく縮こまっている。
いや……ちょっと待って……。
俺は女装を楽しんでいたし、『本当の女の子になりたい』と思ったことはあった。でもそれは、ただの妄想であり、それ以上でも以下でもない……。
現に本気で女の子になりたい人はホルモンなりなんなりを摂取しているはずだ。
この下着を買った理由も『もしかしたら女の子になっちゃうかも……』という妄想を楽しむだけのものだったのに。
【2章へつづく…】
——————