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こんばんは、スタジオ真榊です。今回はごく短く、こちらの二次創作AIまんがのメイキングを書き留めておきます。もともと記事にするつもりがなかったのですが、望外にたくさん拡散していただいて、いろいろご質問もいただいたので、多少雑な振り返りになってしまうかもしれませんが、取り急ぎ記事にまとめることにしました。

目次

はじめに

1.ネーム

  ネーム段階の反省点

2.文字配置

  コマ割りについて

  CLIPSTUDIO PAINT EXについて

3.LoRA追加学習

4.ゲーム画面生成

5.原稿作業

  ミニキャラ

  ゲーム画面

  ニカさんゲスト登場

  もうウィリーさ

  書き文字

  制作に使用した主なアセットツール

  背景切り抜きはマジックワンド

  背景を雑に描く

6.仕上げ

終わりに


はじめに

この漫画は、5月の大型連休のときに旅先でノートに書いた4ページのネームを6ページに膨らませたものです。御覧の通り、AnimagineXL3.1やNovelAIには学習されていないオジェロとヌーノというサブキャラクターが狂言回しを務めるため、モデル由来のtext2imageでは出すことができず、しばらく死蔵されていたネームでした。


従来の追加学習のやり方でキャラクターLoRAを作るには、そのキャラクターをさまざまな角度からとらえた数枚から数十枚程度のイラストが必要で、追加学習の知識もないとなかなか良質なLoRAは作れませんでした。6pのためにわざわざLoRAを自作するのも大仰だし…と思っていたところに、とりにくさんの「CoppyLoRA webUI」が登場。1枚絵からオジェロとヌーノの簡易再現LoRAを作ることができるようになりました。


もちろん、再現LoRAといってもバストアップの1枚絵だけで15分程度で学習させるものですから、大した再現度にはなりません。実際に漫画制作に使用したLoRAで普通にtext2imageしてもこの程度です。バストアップ以外の部位は崩壊してしまいますし、顔面の再現度もいまいちですね。(目や仕草が女性っぽくなるのはCoppyLoRAの仕組み由来かと思われます)


CoppyLoRAで作れるのはあくまで簡易版ですので、あとはできるだけそのキャラクターに似るようプロンプトを練りつつ、ポーズは自分で下絵を描いて読み込ませることで、足りない部分のクォリティを補ってあげる必要があります。とはいえ、6ページの中でオジェロとヌーノが登場するシーンは数枚程度ですから、簡易LoRAによる再現と下絵による指示、加筆による「寄せ」の3点が揃えば、そこそこ本人に見せることはできると分かりました。


これは雑な下絵をCoppuLoRAに線画化してもらったところ。こうやって少しずつ寄せていけば、高性能なLoRAがなくてもそれなりにオジェロに見えるキャラクターを描くことができます。


土曜日の昼に6ページ仕上げることを思い立って、完成したのがだいたい翌朝午前4時ごろ。その間ずっと机に向かっていたわけではないので、実働は10時間から12時間くらいではないかと思います。その間に、2人分の簡易LoRA学習、画像生成、ネーム通りの写植、AIイラストの配置、加筆といったネーム以外の全工程を行いました。


前置きが長くなりましたが、いつも通りネーム作りからセリフの写植、文字入れから完成まで考えていたことをできるだけ書き起こしながら、作業の様子を振り返りたいと思います。「異世界転生アウラちゃん」シリーズについてはこちらの記事にまとめたので、併せて御覧いただけると良いかと思います(あちらはLoRA未使用)


1.ネーム

まずはネームについて。アウラちゃんのときと同様、ノートを上下左右に四分割して、ざかざかと入れました。話は既に決まっていたので、だいたい30分くらいで描けたはずです(記憶があいまい)。ネタを思いつくのはだいたい電車内やサウナに入っているときで、スマホのメモ帳に書き留めておくことが多いです。セリフはメモ帳の方に書いているので、ネームには簡易的にしか描き込んでいません。



こちらは追加で当日書き足した分の追加ネーム。上半分はボツになってしまいましたが、ゲーム画面にどんなことを書くと面白いかを検討した形跡がありますね。下半分が最終ページの「おまけ」です。

本来はミオリネさんに見つかって怒られておしまい、というシンプルオチだったのですが、作っているうちに、ミオリネさん本人がプレイして「何よこの失礼な女は!」と怒るというネタがどうしてもやりたくなり、さらに発展して、ゲームでの反省から、ちょっとだけ普段のツンデレが緩和する…みたいなほんわかオチを思いつきました。


ネーム段階で考えていたのは、いつも通り「描きたいコマから逆算してストーリーを作る」ことです。この4pの面白いキモは


①基本原作と同じセリフしか言わないゲームのミオリネさんが、美少女ゲームの文脈で微妙にズレた感じでしゃべるところ

②それをスレッタちゃんだけが攻略できるところ


だと思うので、何よりゲーム画面がぱっと見て面白くなるように、たくさん小ネタを込めて工夫しようと思っていました。


<ネーム段階の反省点>

オチがワンパターン。印象的な一枚絵にテロップ芸で終わらせるのは、異世界転生アウラちゃん1話、2話と全く同じ終わり方です。オチの引き出しが一つしかないので、これはもっと増やさなければいけないんだなと分かったのは収穫でした。

もう一つは、セリフをネームにすべて盛り込まなかったため、ネームとしての完成度が低かったこと。ナレーションやセリフはスマホのメモ帳に、コマ割りとおおまかな絵の配置はノートにそれぞれ描き込んで、二つが揃って初めてネームになるやり方で私は作っているわけですが、このやり方だとフキダシの配置が苦しいことに気づきにくく、ネームとしては不完全であることがわかりました。やはり、面倒でもネームには全部のセリフを配置してバランスを見たほうが、直すべき部分が分かりやすいようです。(※これについては次の項目で詳しく振り返ります)


2.文字配置

まずは4ページをそのまま再現しようと思い、CLIPSTUDIO PAINT EXを開いてコマ割りをし、セリフなどの文字を配置していきました。ところが、コマの大きさを設定して、用意したセリフを並べてみると、全然自然におさまらない!この時点で4ページではうまくオチない(特にラストが弱い)ことが分かり、足したり引いたりしているうちに6ページになった、というお恥ずかしい経緯です。

さきほど「面倒でもネームには全部のセリフを配置してみたほうが、直すべき部分が分かりやすい」と書きましたが、本来ネーム段階で終わらせておかなければいけない作業が、この写植段階に「染み出してしまっている」ような現象が起こっているのだと思います。もとのネームと見比べていただくと分かるのですが、大きな原稿用紙に手描きではない写植文字が配置されると、初めて読者に伝わりづらいところやもっと面白くできるところに気づけるのですね。この段階で、最初に用意した4pネームから大幅な改変が行われてしまいましたので、ネームがネームとしてきちんと機能していないというのは問題点だと思います。


ただ、私にはネーム段階で最終原稿に近い完成度に仕上げる力がまだないため、むしろこのような行き当たりばったりの作り方をしたほうが最終的なクォリティは上がるのかもしれず、このやり方を改めるべきかどうかは悩ましいところです。最終的にAIイラストを並べたときに、初めて文字数が多すぎるとか、フキダシからフキダシへ、コマからコマへの視線誘導や、お話の伝達がうまくいかないといった問題に気づいて修正することも多々あるので、ここはそれぞれやりやすい方法を模索したほうがよい部分かもしれません。(きっと手描きの漫画家さん方も皆さん異なる方法で作られている気がします)


とはいえ、用意していたセリフを適宜並べるだけで、それなりに問題点には気づけますし、どういう順でフキダシを読むかの視線誘導もだいたい想像ができますので、AI絵を並べてからセリフを入れるよりも写植を先にした方がずっとやりやすいと感じました。フキダシ位置が決まるとどういう絵が必要かも分かりやすくなるので、生成もしやすくなります。

<コマ割りについて>

CLIPSTUDIOの操作については前回のメイキング記事に詳しく解説しているので、ここでは触れません(基本同じです)。今回はアクションのない顔漫画なので、ほとんどタチキリ(ページのふちまで描かれるコマ)を使わず、さらっと読みやすい内容になることを重視しました。


タチキリになったのは最終ページの中段のここだけです。もともと左側のコマはない予定で、「伝わるわけないじゃん!」のすぐあとに「あっあのさ…」と続く予定だったのですが、ちゃんとここで自分の悪いところに気づくシーンを入れないと伝わらないなと感じ、むりやり2コマ目を右に寄せて3コマ目を挿入しました。あまり褒められたやり方ではないですね…


あとは冒頭の1コマ目、これは教科書的にはダメなコマ割りだと思います。本来なら、右上に縦長のタチキリで地球寮の外観と空を描いて、舞台説明から入るのが正調のまんがの導入部のはず。


よそさまのツイート引用で恐縮ですが、この1枚目のような外観を、本来は右肩に小さく入れて、「おーすお疲れ~」は2コマ目にすべきということですね。

ただ、アニメの地球寮の外観を無断i2iするわけにはいきませんし、Controlnetで線画部分を引き写すのもトレパクみたいで倫理上好ましくないため、地球寮を1コマ目に描くには私が模写するしかないというところに問題がありました。ここに大変時間がかかってしまうのは避けたかったので、「地球寮」のテロップ一つに任せてちょっと無理やりな導入になっているのは反省点だと思います。


ほかのところでもそうなのですが、改善案が思い当っても作画時間と"よくなる度"を勘案したときに「釣り合わない」と思ったら見送っています。あくまで趣味なので、楽しくできることを優先したと言えば聞こえがいいのですが、要するに手を抜けるところは抜いているということですね。


<CLIPSTUIDIO PAINT EXについて>

アウラちゃんは最初、CLIPSTUDIO PAINT PROで制作しており、2話から「EX」に切り替えたのですが、これまで私がEXの追加機能を十全に使い倒せているかというと微妙かもしれません。


ページ管理機能やLT変換、一括処理機能といった便利機能が備わっているので、もちろんどれも便利に活用しているのですが、「PRO」では漫画制作が無理かというとそんなことはないかなと思います。ただ、それは私が制作しているのが4~8P程度のSNS向け短編だからで、20ページ以上の読み切り漫画や同人誌を作られる方は、間違いなく「EX」の方が取り回しがよいでしょう。


3.LoRA追加学習

アウラちゃんの作画の際は、コマ割りと写植が済んだらすぐに画像生成に入っていたのですが、今回は狂言回しがオジェロとヌーノなので、普通に画像生成しても本人は出てきません。NovelAIでもAnimagineXL3.1でも同じですが、例えばこれが「ojelo gabel」で…


こっちが「nuno kargan」です。なんとなく「緑の軍服を着た…水星の魔女の…登場人物…?」という程度しか容姿を学習していませんね。


これを解決するため、とりにくさんのFANBOX限定ツール「CoppyLoRA webUI」で2人の簡易キャラLoRAを作成しました。(詳しい使い方はこちらの記事を参照のこと)


簡単にCoppuLoRAの使い方をおさらいしておきます。起動するとこのようにマスピ顔の女の子(ベース1girlちゃん)がデフォルトで用意されていますので、このキャラクターを自分らしく描き直した画像を読み込ませると、自分の画風を学習した簡易LoRAが作れるーというのが基本。かいつまんで言えば、「上下2枚の画像の特徴量の差を抽出して追加学習する」動作をしますので、この女の子ではないオジェロやヌーノのバストアップ画像を学習させても、効果は低いですが多少は容姿を学習してもらうことができます。

つまり、上の画像のようにベース1girlちゃんを白黒にしただけの画像を読み込ませると、「モノクロ化LoRA」が得られるというわけですね。


できるだけこの女の子と同じ画角で無表情にしないと、余計な効果まで学習されてしまうため、目の位置などを調整してこのような画像を学習用に作りました。アスティカシアの学生服自体は専用タグで学習されているので、重要なのは顔から上になります。(※残っていた画像がこれだけなのですが、最終的にはちゃんとカメラ目線に目の位置を加筆して学習しています。そうしないと、オジェロLoRAでなく"目逸らしオジェロLoRA"になってしまうからです)


オジェロはだいぶ失敗を繰り返しました。というのは、アフロの髪の毛が見切れてしまっている部分がどうなっているかAIは想像できないらしく、頭頂部が無限にボンバーヘッドになってしまうLoRAばかりができてしまったんですね。また、オジェロが描かれているウェブ上のイラストはたいていチュチュが一緒に描かれている群像イラストですので、「ojero gabel」「afro」タグを使うとこのようにチュチュ成分(ピンクの毛玉)が混じってしまうことにも苦労しました。


結局、髪の毛が見切れずに全てキャンバス内におさまる画像を作って学習させ、「ojelo gabel」タグをあえて使わないことで、かなり本人に似たイラストを作れるようになるまで数時間かかりました。また、学習時に選ぶこちらのモードも、「Color」より「Color noline」を選んだ方が品質のよいキャラLoRAになることもわかりました。おそらく、線画要素を強調しないことで画風要素の学習が弱まり、キャラクターの容姿の特徴量がより抽出しやすくなるためではないかと想像します(未検証ですので仮説です)


これが最終的にできたLoRAでポン出ししたtext2image画像。プロンプトは以下の通りです。LoRAの重みは0.8程度がちょうどよい感じでした。


PP:<lora:ojero2:0.8>1boy,solo,from side,looking down,walking,expressionless,short eyebrows,[[[[afro]]]],dark skinned male,(open mouth:1.3),black hair,asticassia school uniform ,black eyes,green jacket,red necktie,masterpiece, best quality, very aesthetic, absurdres,sketch,hatching (texture),messy lines,graphite \(medium\),, (white background,simple background:1.3)

afroを弱めているのは、タグ由来の効果で頭が異様に大きくなってしまうのを防ぐため。「suletta mercury」や「white jacket」をネガティブに入れることで、ホルダー制服になってしまうのを防いでいます(スレッタちゃんが来ている白黒金の特別デザインの制服のことです)


このLoRAをAI-Assistant v4で読み込むことで、このように雑に書いた落書きを線画にしてもらえました。


上の画像は袖丈が短くなってしまっているのですが、そういう場合は簡単にクリスタで描き直して、線画がダブってしまっているところも消しゴムを掛ければ綺麗に整います。これで、オジェロの生成はなんとかなることが見えてきました。


ヌーノも同様に1枚絵を用意して、これくらいまで似せられるLoRAを作りました。ニットキャップのマークが制服のマークと混同されたのか、おかしくなってしまっていますが、これもあとで描き直せばいいので、おおむね顔や衣装が似せられれば十分です。


4.ゲーム画面生成

さて、最大の難関だったLoRA学習がなんとかなったので、あとはゲーム画面の生成について。ミオリネさんの生成は1年以上のキャリアがありますので、これはもうお手のものです。pixelart系のタグで大量にt2iして、イメージ通りのものを拾っていく手法を取ることにしました。


ただ、ある程度表情のバリエーションが求められますので、DynamicPromptによるランダムプロンプトを使って効率化しています。


プロンプトは以下の通り。{}と|を使って表情プロンプトを区切ることで、このように毎回その中のいずれかが選択されるようにして、「無表情・怒り・睨み・恥ずかしそう・笑顔」といったバリエーションを出しています。


PP:1girl,miorine rembran,open mouth, pixelated,asticassia school uniform,green jacket,red necktie,upper body,{bad mood|angry|glaring|angry,badmood|expressionless|blush,embarrassed|smile,blush|light smile|},looking at viewer,outdoor,


やや失敗してしまったのは、背景のプロンプトが「outdoor」指定だけで横着してしまったので、RPG風の背景が出がちになってしまったこと。ピクセルアート系の学習データ画像は中世っぽい背景のイラストが多かったためと思われ、生成できた画像の大半がボツでした。


大量生成をするときはできるだけプロンプトを絞り込んだ方がよいのですが、あまりプロンプトに凝っているとそこに時間が取られてしまうので、ある程度は「エイヤ」でやってしまったほうが時短になることもあります。私は生成しながらお昼を食べにいきましたが、ある程度AI任せにして横着したほうが時間的余裕ができて、結果的にクォリティも上がるかもしれません。


5.原稿作業

ハンバーガーとビールでお昼休み終了。あとは一つ一つの画像を原稿に並べて、フキダシをつけたり背景を描いたりしていきます。とにかく一番時間がかかったのは、この最初の一コマ目。AI-Assistantで作った線画画像をさらにForgeで読み込み、Anytest v4を使って着色するという手法で作っています。

ここのオジェロのポーズは、構図上絶対に「右から左にゆっくりと歩いていて、やや左手前を眺めて口を開けており、何気ない無表情」でなければならず、t2iで偶然うまくいくのを祈るよりもこのようにオーダーメードで作った方が早いですし、品質もよくなります。


・ミニキャラ

作っていくといろいろなことを思いつくもので、いろいろ細かい工夫をしています。ここの左のフキダシには誰の発言か分かるよう、ミニキャラを入れる必要が生じました。


ここはヌーノLoRAと「expression chart」タグを使って、このようにt2i生成したものから一番よさそうなものを切り出し、加筆して作っています。(右下を採用、帽子のマークや口を加筆)

不思議なことですが、text2imageではほとんどうまくいかないクォリティの簡易LoRAでも、chibiタグを使うと結構本人に見える画像になることがあります。このあとで出てくる別のちびオジェロも、下絵なしの一発t2iで作ることができました。たぶん、デフォルメされることで細かなキャラクターデザインの違いが気にならなくなるからかと思います。


・ゲーム画面

LoRA以外で一番悩んだのはやはりゲーム画面。最初は「ときメモ」風の画面にすることを考えていて、ガンパレードマーチオマージュをすることは思いついていませんでした。ただ、初代ときメモ風にしてもあまりオマージュとして面白くなさそうだったので、分かる人が多そうで加工も簡単なドラクエ風にすることにし、この案でいったん作り始めていました。


これはたまたま、フォロワーさんとDMでお話していて「水星の魔女のギャル乙女BL百合ゲー欲しいよね」という話になり、「あーそれいいですね、ガンパレードマーチみたいなAI搭載学園+戦争ゲーにしてほしい」と返した瞬間思いついたアイデア。「あっそれだ!」となり、ガンパレオマージュで作り直すことに決定しました。結構行き当たりばったりですね…。


PSゲーム「高機動幻想ガンパレードマーチ」(GPM)は高校時代一番ハマったゲームといっても過言ではないかもしれません。部活で最初に私がハマって、合宿にも持っていってみんなでワイワイやった(そして原さんに刺されて大爆笑)思い出があります。パロディをやって分かってもらえるかな?とちょっと思いましたが、「学園生活+戦争+ロボバトル」という骨子はとても水星の魔女と相性がよく、思いついてよかった。


いろんな方が懐かしネタをリプライしてくれて嬉しかったので、こんなパロディ絵も作りました。ガンパレはこういうゲームです。




・ニカさんゲスト登場

イマジナリーナナウラさんは1コマだけの登場。ヌーノたちと違って、AnimagineXL3.1でt2i生成できたのでほっとしました。ただ、感想をいただいた中で「ここで初めてAIと分かった」というご意見もいくつかあり、やっぱりAI絵そのままでは違和感が出てしまうなというのは反省点の一つです。

実は、最後の「何よこの失礼な女は!」のコマに誰かのツッコミを入れたくて、ニカさんにまた登場してもらおうかといろいろ検討したんですが、結局断念しました。入れるとしたら天使コスのイマジナリーナナウラさんに「ミオリネ、そういうところだよ~」と天から降りてきてもらうやつかな…と思ったんですけども、面白くするには私の実力と時間が足りませんでした…。


・ちびキャラオジェロ

ちびキャラオジェロは、ネタでもあるのですが、あまりリアル調が続くとそれはそれでテンポが悪いなと思っていて、ところどころにこうした「抜き」のコマがあったほうがさらっと読めると思ったので採用しました。ちなみに、このミニキャラ顔は「0_0」タグで出すことができます。




・もうウイリーさ

唐突な水曜どうでしょうネタは、ネームにもない完全な思い付きです。アウラちゃん2話を作っているときに得られた「わかりやすさ、読みやすさを阻害しないのであれば、できるだけ細かいネタをコマに詰め込んだ方が良い」という教訓から投入したものでした。もちろん漫画はさらっと違和感なく読めることが大事なのですが、基本はギャグですので、分かる人はくすっと笑えて、分からない人はスルーできる程度の小さいネタを積んでいくとくすぐりになるかなあと。

ただし「元ネタが分からないとシーンの意味自体が分からない」ネタには絶対ならないように、どんな人が読んでも違和感がないよう気を付けて作っています。もちろんガンパレードマーチネタが分からなくても普通に読めることを心掛けました。


ちなみにネームだとこのシーンはこう。水曜どうでしょうネタの影も形もなく、「有識者」としか書かれていませんでした。


・視線が右下で髪いじってたらDです!

見せ場のべらべらマーキュリー。コナンくんか?というほどの長尺セリフは普通NGなのですが、ここは最終コマにもつながる大事な「フリ」なので、口元にフキダシしっぽを伸ばしたり、「ペラペラペラペラ」を回りに配置したりすることで、「そういうギャグなんだよ、長いけど笑ってね」とできるだけ説明することを心掛けました。

最初は「視線が右下で~」というセリフを活かすことはあまり考えていなかったのですが、最終コマでミオリネさんがどぎまぎしながら一生懸命感謝を伝えるシーンで、そういうスレッタさんが見抜いているクセが出たらかわいいな、と思っていろいろ詰め込みました。たぶん、ネーム段階では思いつかなかったこういうアレコレが作品を面白くしてくれると思うので、こういうアドリブは(もちろん作品を台無しにしない範囲であることを前提に)たくさん盛り込むとよいのだな、ということを学びました。


・ムード〇

唐突なパワプロネタ。ほとんどの人が反応してくれませんでしたが…笑 ウマ娘でも似たようなパラメータアップダウン告知はあるので、ちょっと笑ってくれたらいいなと思って入れました。最初は「評価が0.8上がった」でしたが、7に修正しています。

「1日3回メールして」は原作では非常に重要な節目のシーンで発せられるセリフなので、「チョコのやりとりが上手に意思疎通できたくらいでちょろすぎでは!?」「ミオリネさんはほほを絶対赤らめたりしないのでは!?」とかなり悩みました。前のコマから「ほらね!」までに結構プレイした結果と読んでくれるかな…と期待して読者にゆだねることにしましたが、プロはきっと、こういう小さい違和感を全部消して原稿の完成度を高めているのだろうなと考えながら作ったコマでもあります。


ここのくだりを違和感なく説明しようとすると、どうしても大きくコマ割りを変更しないとならないし、作業も過大になります。かといって、そこを修正したところで各段に面白くなるわけでもなく、ちょっとした違和感が避けられるだけだと判断し、「評価が7上がった」というメッセージに「その程度の好感度アップである」という意図を込めて、変更はしないことにしました。理想を言えばきりがないのですが、作業量と面白くなる度を勘案して、変えるべきところは変え、断念するところは断念しています。


・私服

最終コマ。制服姿でも良かったのですが、スレッタさんが私服(勉強中にむりくり呼び出されてきたことの演出)だし、このあとのシーンとの整合性も考えて、部屋着っぽい感じのイラストを採用しました。もちろん、ミオリネさんの黒パーカー+素足姿が見たかっただけというのもあります。せっかく二次創作ですしね…。

よく考えてみれば、オジェロとヌーノも別に制服じゃなくてもよかったんですよね。ゲームで遊んでいるシーンなのだから、Tシャツとハーフパンツにしておけば制服の修正もしないで済んだわけです。ここまで作ってからそういうことを思いつきましたが、これも「ネームを雑に作っているから思いつけない」ということでもあるのかと思います。


・書き文字

ミオリネさん登場シーンに書いたジョジョ風の「ドドドド」。上手に描けてとても良かったです。前にアウラちゃんを作ったときは描き文字が全然上手にできなくて残念だったので。


でもこれ、単にクリスタのアセットでたくさん文字ペンをDLしてきてこのように試しただけなので、別に私自身の技能がアップしたとかではないのですよね。アセットはあさればあさるほど表現の幅が各段に広がるし、作画で詰まったときに助けてももらえるので、本当にクリスタさまさまです。



・制作に使用した主なアセットツール

描き文字についての話が出たので少し振り返りますが、今回もいろいろなCLIPSTUIDIOアセットツールに助けてもらっています。正直、漫画を作る上で一番クオリティが上がる作業はアセットツール漁りだと思います…。


特に、こちらの「文字ペンいろいろセット」は本当にありがたい存在で、今回いろんなところで助けてもらいました。文字ペンは文字ペンだけでワークスペースにまとめておくと、非常に使い勝手がよろしいです。


メインのペンは「かしペン」。「sketch」タグを使って出した手描き風のAI絵の修正に、よく線が似ていて馴染みました。「しげペン」「シュッと描けるコミックペン」「Gペン(デフォルト、ただし手ブレ補正MAX)」などもいろいろ書くのに使います。


塗り部分の微妙な加筆修正は「これだけで塗る筆」を使うことが多いです。色が薄く塗り重ねること前提のブラシなので、AI絵の上に素人が塗り重ねるときには失敗がしにくい。消しゴム的に一色でパキッと塗りつぶしたいときは、デフォルトの「投げ縄塗りツール」か「べた塗りペン」で塗りつぶすのが早いと思います。

塗り直し部分に素人っぽい筆跡が残ってしまった場合は、指先ツールやぼかしツール、透明水彩ブラシでなじませるとそれっぽくなります。


・背景切り抜きはマジックワンド

基本的に、漫画用のAI絵は1024pxサイズで「white background,simple background」指定して生成し、白背景部分をマジックワンドで選択削除して切り抜いています。マジックワンドの設定をきちんとすればこれが最も作業的には早いのですが、フリンジ(境界線にまとわりつく消し残し)が残ってしまったり、削りすぎて線画が欠けてしまったりすることもあるので、今後の課題かなと思っています。


この点、「エッジに沿って消去」ツールは本当に神!きれいなイラスト(一枚絵)を作るときには最高に役立つのですが、きちんとした線画が参照できないとうまく切り抜けないので、スピードが求められる漫画制作ではなかなか活躍の機会がありませんでした。

これは、線画を何らかの方法で抽出▶ぴったり重ねる▶「輝度を透明度に変換」で透過処理▶参照レイヤーに変更▶「エッジに沿って消去」という工程に時間がかかりすぎるためです。漫画は1コマあたりが小さいので、雑に背景削除してもさほど気にならないし、線画が欠けてもささっとかしペンで補えばいいので、スピード優先になってしまうのですよね。


例えばこれはマジックワンドで雑に背景部分を選択して削除したものですが…


拡大してみると、フリンジもほとんどなく、わりときれいに削除できているんですよね。設定は色の誤差「2」の領域拡縮「0」です。髪の毛の中など、白背景が残っているところも一つ一つ消す必要はありますが、スピード優先ならマジックワンドで十分かと思います。


・背景を雑に描く

今回はなんと地球寮の背景を自分で描いております!というと笑われてしまうと思いますが、ちょっと前まで全く絵が描けなかった自分にとっては、これでも大変な快挙であります…。

自分に背景を描くことは無理だと思っていたんですが、水星の魔女本編の地球寮のシーンを見ながら、なんとなくそれっぽい線とスプレーと物陰を描いてみたら意外にそれっぽく見えたので驚きました。


御覧の通り雑な背景でして、「薄いグレー一色で塗りつぶし+グラデーションツールもしくは柔らかいスプレーツールで濃いめのグレーを上から塗る+かしペンを使ってShiftキーで直線を引く+ちょっと寂しいのでなんかそれらしい影を塗る」だけでできています。物陰は輪投げ塗りツールで横着しましたが、シェイプツールで角の丸い四角形かなんかで塗ればもっとそれっぽくなったはず。専用のブラシとかテクスチャとかでコンクリートっぽい質感を足してもよかったかもしれません。


もちろん、ちゃんとした背景が美術として必要なコマもあるんですが、最低限の情報として「なんか未来っぽい壁」というのが分かれば十分なんだなと。全部AI背景だと、それはそれで不要な情報なんだなということが分かりました。


・小物を雑に生成

ゲーム画面が映っているモニタを作りたかったので、適当にDALL-E3にお願いしました。「こんなクソ厚ベゼルのモニタ、アド・ステラ時代にあるわけねーだろ!!」とは思いますが、まんがにおいては細かいことよりも「モニタなんだな」と分かってもらうことが重要なので…

画面下中央のappleっぽい謎ホームボタンも気になる。もうちょいガチャすればまともなモニタも出してもらえたと思うのですが…。そもそもアド・ステラになぜドット絵!?ということがスルーされている時点で、クソ厚ベゼルのことなど誰も気にしまい、ということでこうしましたが、さすがにちょっと横着しすぎたなと反省しております。



6.仕上げ

6ページ全部が埋まったのがだいたい午前2時半くらい。4時くらいまで修正作業して、また朝目覚めてからAI絵由来の間違っているところを手修正して、アップロードしました。

Xには画像を4枚まで一括投稿できるのはご承知の通り。つまり6ページまんがは「4枚+2枚」で投稿することもできるのですが、最近はツリーの一つ目の投稿を表紙だけにして、(1/n)と表示するのが流行のようです。そのほうがTLでページ全体が表示されるので、読んでもらいやすくなるのですね。最初が1枚なので、残りは5枚。5枚目のページが漫画のちょうどオチに当たるので、「1+3+2」の3つの投稿に分けてツリー投稿することにしました。


一晩たってから見直したり、投稿画面に置いてからチェックすると、他人になったつもりになれるのか、かなり間違いに気づきやすいです。例えば、このヌーノの袖の塗りミスは、投稿直前まで全く気付けていませんでした。

正しくはこう、袖口が黒で赤いラインが入ります。「スポイトと投げ縄ツールでグレーと赤で塗りつぶし+かしペンで周囲を成形」だけで雑に直しています。

AI絵は本当にミスに気づきにくいので、完成してすぐ投稿するのは厳禁だなとつくづく思います。私は前に両手右手のスレッタちゃんを投稿した前科があるので…。せっかく読んでくれる方にも失礼ですから、できるかぎりしっかり修正したいと思っています(またやらかしてしまうかもしれないけれど…)



終わりに

そんなわけで、「レンブラン語序論」メイキングでした。当日中に記事にしたいと思い、かなり速足で書いた記事ですので、分かりにくいところ、解説したりないところがありましたらコメントいただけますと幸いです。画像生成AIで漫画を作ろうと思った経緯などはこちらの怪文書にまとめてありますので、ご興味があれば。


水星の魔女は完結から今月1周年の節目を迎えました。以前、半年後に届くスレッタちゃんの高額フィギュアを注文したときは、「そのとき果たして水星の魔女を好きでいるだろうか?」「別のアニメに夢中だったりしないだろうか?」と思っていたのですが、杞憂で良かったと思っています。

ずーっと一番大好きなスレミオ漫画を作りたいと思っていたのに、どうしても原作愛が十分込められていないというか、「このキャラはこんなこと言わなそう」と感じてしまう中途半端なものしか作れなかったので、今回の「レンブラン語序論」は自分の好きなところを全部詰め込めて本当に良かったです。


曲りなりにもこうして大好きな作品の二次創作漫画を満足できるレベルで作れるようになったのは、FANBOXでご支援いただいている皆様のお陰です。本当にありがとうございます。SDXLインペイントの総まとめ記事など、間もなくできる記事もいくつかありますので、引き続きどうかよろしくお願いいたします。


スタジオ真榊でした。



おまけ


Sランククリア。会社名を勝手に書いているけど社長決裁は通っていない。


クリア後も日常が過ごせるゲームっていいなと思って作った続き


ライバルキャラ。「うん、近づきません」を選ぶと金の延べ棒をくれる。

3回繰り返すと地球圏からヤクザが来る。


お助けキャラ。多種多様な死亡ルートが用意されているので受け答えに気を遣う。会社の株価と弟の精神状態とフェルシーの安否に気を配ろう。









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Comments

wwwm

ネーム段階から完成までの、一連のプロセスで、AIをどう活用するかが書かれていて、参考になりました。 それと、並行して書かれている、漫画作りの際のtipsも勉強になりました。 今回の話の主題から外れた質問になってしまうのですが、CoppyLoRA webUIは、前回の記事を読んで、画風LoRAみたいなものと思っていたのですが、今回の記事にあるように、CoppyLoRA webUIのベース画像と同じポーズのキャラ画像を1枚用意すれば、キャラLoRAとしても使える、ということで良いのでしょうか?

udon0520

こちらの記事の本筋とは少しズレてしまうのですが、賢木さんのスレミオ熱に触発されてと言いますか、自分の好きをアウトプットして自己供給できるのが本当に羨ましくて、これまでの記事を参考に私も手描き+AIで推しと推しCPを創り出すようになりました。 まずはありがとうございます! 本当に気が向いた時で良いのですが、普段描かれているスレミオ絵の制作風景にとても興味があるので、本記事のように執筆頂けると非常に嬉しいです やはり熱のある方の創作を見るのは楽しいです…Xのスレミオ絵の投稿、是非続けてください!