AI作品を効果的に公開する アイデア探しから可読性、投稿時刻まで (Pixiv Fanbox)
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こんばんは、スタジオ真榊です。今回は「画像生成AIを使った作品をSNSで広く見てもらうためにはどうしたらいいか」というテーマで、アイデア探しから具体的なワークフロー、フォーマット選びや投稿時の工夫まで、現時点の考えをまとめました。
イラストや漫画を「どう描くべきか」は既にプロの方が数多の書籍で語られていますし、素人である私に語れることはありません。この記事は再現性のある指南書のようなものでは全くありませんし、今後違うやり方に変わっていく可能性も高いです。あくまでワークフロー記録として「賢木はこういう考え方で作っているんだな」と受け止めて頂けるとありがたいです。
例えば以下のような二次創作漫画を思いつくのはどういうタイミングか、アイデアを作品として具体化するとき・できたものをブラッシュアップするとき・完成したものを投稿するときにそれぞれどういうことを考えているか、また反省点はどういうことか…といった観点で、このところ実践している工夫について紹介しています。
今回はあくまで試行錯誤に基づく「私見」の側面が強い記事かと思います。私と同様に未経験からAIで漫画を作ってみたい方や、画像生成AIきっかけで漫画表現を始めた特殊な人間の考え方を知りたい方向けに、淡々と描いていきたいと思いますので、記事の性質をご理解いただいた上でお読みいただけますようお願いいたします。
目次
着想
思いつくのは主に「インプット時」
発展するのは「暇なとき」
アイデア(タネ)と表現(花)の違い
メモを元にLLM壁打ち
SNSは4コマ向き?
①1p漫画
②タテ型4コマ
③4枚投稿型
④1pに上下左右4コマ
⑤1枚絵で表現
「フリーライド感」と個性
作画作業
【ちょっと脱線】クルマのカットの作り方
4コマ漫画の作画とブラッシュアップ
「間違い探し」と修正
出力サイズはどれくらい?
投稿時に考えること
シャドウバンになってない?
Xのアルゴリズムと「360分」
SNS運営の「ビジネス感」について
AI表記とアカウント名
終わりに
着想
まずは「こういうのがあったら面白いな」「こういうのを表現してみたいな」という着想をどんなときに思いつくかについて振り返ってみます。
・思いつくのは「インプット時」
ここは個人差があると思いますが、私の場合はインプット時、つまり読書やアニメ鑑賞、TLを眺めていて面白い情報に触れたときなどに連想のように思いつくものがほとんどです。「水星の魔女の二次創作について思いつくのは水星の魔女関連のインプットをしたときだけ」ということは全然なく、関係ない別の漫画やニュース、韓流ドラマ、アクション映画など、日常で感じる「水星の魔女でもこうだったら面白いな」という自由な連想・妄想を、普段からスマホのメモに書きためるようにしています。
・発展するのは「暇なとき」
それ以外のタイミングでは、サウナに入ってデジタルから離れたときや、Chatbotと壁打ちしているときに脳内が整理されて、アイデアが表現に発展することが多いように感じます。どちらかというと、これらは「タネ」の段階の着想が十分あるときに、それを組み合わせて具体化させるときに向いているようです。タネに水を上げたら花が咲いた、という感じでしょうか。
着想のメモは後から読み返して何のことだったか分かる程度に具体的であれば、ごく短くて構いません。サウナから出た後など、まれにアイデアレベルでなく表現のレベルまで浮かんだ場合は、できるだけ詳しく書き留めておきます。冒頭で紹介したスレミオ4コマは「私で童貞捨てたくせに…」というネットミームがたまたまTLに流れてきたときに、「スレミオでこれやったらどうなるだろう?」と連想したのがきっかけ。スマホのメモには「私で童貞捨てた癖に…と呆れるスレ(ッタ)」とだけ書き留めていました。
他に書き留めてあるものでは
・「両耳にパンを当ててみなさい」「こうですか?」「バカのサンドイッチの完成よ」
・「ごめんねスレッタ、ジークアクスはガンダムなの♡」
・スレッタ「草が分かるのってすごく自分がうれしいな」
などなど、自分でもなぜ思いついたか、何が面白いと思ったかわけのわからないものがほとんど...。私の場合、着想はこのように単体では面白くないものばかりで、まだ花が咲いていない「タネ」のようなものです。とりあえず偶発的に得られたタネは忘れる前に保存しておいて、このタネをどうしたら面白いエンタメになるかは、後日サウナやChatボットとの会話でゆっくり考えてみることにしています。
・アイデア(タネ)と表現(花)の違い
この2年で大事だと分かったのは、「インプット」から新たな創作の着想をもらうときに、「表現」をそのまま頂いてきてはダメということです。勝手にもいでもらってきてはいけない「花」が表現、もらってきてもいい「タネ」がアイデアと考えると近いかもしれません。著作権法よりもSNS上の常識に鑑みて、それが「みんなのもの」か「その人だけのもの」かまず考えるということですね。
他人が咲かせた有名な「花」そのものをもらってきたら、ただのパクリか露骨な便乗になってしまって、たとえ権利侵害ではなかったとしても、鑑賞者から見て単純に面白くならないことが多いです。一方、すごく面白い作品から「タネ」をもらってきたとしても、ちゃんと「自分の創作性」という水を上げていないと、ただの焼き直しで面白くならないこともよくあります。
例えば最近Xで流行った「いいね・リツイート数達成でキャラクターの服が切れていく」というミーム。あれはそもそももっと安直だった「いいね・リツイート数達成でH差分」のアイデアを元に、誰かが新たに創作性を加えて表現にしたものでしょう。そして、「キャラの服が切れるXチャレンジ」というアイデア部分がまた新たなタネとなり、多くの創作者に引き継がれたのではないかと思います。
しかし「いいね・リツイート数達成で服が切れるやつ」をやれば誰でもウケるわけではないわけで、もし私がミナちゃんでやったらいいね10もいかないでしょう。やはり面白くするにはもう一ひねり、自分の創作性を加える必要があります。例えば「服以外にどんなものが切れると面白いだろうか?」と逆算で考え、こういった表現に発展させるのがコツなようです。
AIを使った作品には、手描きよりも強く「フリーライド感」が出てしまいます。キャラクターをお借りする二次創作ならなおさらです。AI作品を楽しんでもらうためにはその「フリーライド感」をまずなんとかする必要があり、そのためには何か自分由来のユニークな個性やオリジナリティを分かりやすく加えることが肝要です。これは着想段階だけでなく、仕上げ段階や投稿段階にも関わってくる大事なポイントですので、あとでまた触れたいと思います。
こういうのは「like_and_retweet」や「twitter_strip_game」で出てきます
メモを元にLLM壁打ち
普段スマホにメモしておいたアイデアはそのまま放置してすっかり忘れているのですが、空いた時間に「何か作ろうかな」と思い立ったら、そのメモを読み返して具体的な表現を考えます。ほどよく忘れていると、客観的に自分のアイデアを眺めることができるので、後日見返すことで「面白くできそうなもの」と「絶望的なもの」を見分けることができるようになっています。
今回は「"私で童貞捨てたくせに…"とスレッタが言う」というアイデアをどうにか表現にしたいわけですが、これだけではさすがにまだ面白くありません。というか、私はもうこれだけでどちゃくそ面白いのですが(スイマセン)、その面白さを他人に伝えるためにはそれなりの工夫がいるわけですね。
この着想は「オチ」の部分ですので、まずここに至る「フリ」を逆算で考える必要があります。このオチが生きる「フリ」としては、やはりミオリネが何かしら偉そうに発言することが不可欠なわけですから、誰に・どんな状況で・どんな発言をしたら、二次創作として面白くなるかを考えればよいことになります。
「奪妻契約」の制作記でも同じやり方を紹介しましたが、こういうときは「LLMにたくさんボツアイデアを出してもらう」のが一番。さっそくChatGPT4oを使って壁打ちをしてみました。
LLMへの最初の問い掛けはこのような感じ。なんだか大喜利みたいですね。
GPTくんは頑張っていろいろ案を出してくれますが、例によってそのまま採用できるものは基本的にありません。ただ、これを見ていればなんとなく「ダメ」な理由が分かってくるので、「ダメ」を避ける状況を考えればおのずと望みのあるラインが見えてきます。
GPTくんのダメ提案から「2人の会話だと生々しくてスムーズにオチないし、キャラ崩壊も起こしやすい」ことがよく分かったので、スレッタに口に出して発言させるのではなく「心の中でつっこむオチ」にすることにし、ミオリネは別の人と会話している形式にすることを思いつきました。
おおまかなアイデアが固まってきたら、今度はLLMに「壁打ち相手」ではなく「案出しロボ」になってもらいます。「こういうせりふだけを沢山出して」と命じて、それっぽい発言を出してもらいましょう。これも例によってそのままは使えませんが、「この方向だな」ということは固められます。
この時点で「ミオリネが社長として部下の恋愛相談に乗っている」「それをスレッタが横でなんとなく聞いている」「ミオリネがいかにも自分が恋愛の達人かのような恋愛語りをする」「最終コマでスレッタが例のせりふを思い浮かべる」という流れが決まり、ボリュームからしても4コマ程度がふさわしいだろう、ということがだいたい固まりました。最終的に何一つGPTくんの提案は採用されていないのですが、一人では思いつけないアイデアが練られたと思います。
ちなみに、こちらの投稿を最後まで読むとびっくりする方は多いのではないかと思います。パーソナル化などはまだ及んでいない部分も多いですが、ChatGPT4oを大きく上回る性能が感じられ、今後はこちらをメインで使っていこうかと考えています。
SNSは4コマ向き?
ネタの輪郭が見えてきたら、次に「フォーマット」を考えます。つまり、そのネタを表現するにはちゃんとコマを割った1ページの漫画形式にすべきか、それとも4コマがいいか、1コマ漫画がいいか、それともフキダシなしの1枚絵がいいか…という、具体的な検討段階に入るわけですね。フォーマット別にメリット・デメリットがあるので、順番に見ていきます。
①1p漫画
通常の漫画形式でコマを割るスタイル。コマ割りはそれなりに大変で、本をいろいろと読んだり画像編集ソフトの操作に慣れないとできるようにならないので、初心者にとってはハードルが高い選択肢ではあります。スマホで見られることがほとんどなSNSの場合、1コマあたりはできるだけ大きくしたいので、1pあたり4コマあたりが基本かなと思います。
下図の1p漫画は5コマに割っていますが、実はこれは「4コマ(2段)」の亜種です。
「4コマ(2段)」とはこれ。Clipstudioにはこうしたコマ割りテンプレートが多数あるので、一番イメージに近いものを選んでシナリオを割り付けていき、うまくハマらなければコマを分割したり、追加したりして調整するわけですね。
1p漫画のメリットは、TLで流れてきたときにページの全体図がぱっと目に入るので、興味さえ持ってもらえたらタップしてもらいやすいことです。Xではユーザーが画像を拡大表示したり、いいねを押したりして反応する「エンゲージメント」の比率が高い投稿ほど「おすすめ」欄に乗りやすくなります。人間心理上も、拡大してちゃんと見たものは「いいね」やRPしたくなるものですから、フキダシの文字を読むためにタップを誘発しやすい1p漫画形式は比較的SNSで有利なフォーマットといえます。
一方デメリットは、スマホだとフキダシ内が小さくて読めない点。人間には「よっぽど面白そうに見えないとタップしたくない欲」があるため、フキダシの中が読めない時点で、そのままスルーされてしまう危険があります(まだいいねがたくさんついていない投稿ならなおさらです)。これを避けるためには、せりふが小さくて読めない段階でも「おっ、私の好きそうな漫画だな」と興味を持ってもらう仕組み作りが必要。つまり、ポストの地の文で「何についてのどんな漫画か」がある程度察せられるようにしたり、1コマ目である右上をデカめにして、すぐ「ああ、こういうやつね」とわかるようにしてあげたりすると読まれやすいようです。
上の漫画の例では、映画館でジークアクスを見た人がみんな「こ、こんなことが許されていいのか」とタフ化するミームがXで流行っていたので、1コマ目でそれをパロディすることで「ジークアクスを水星の魔女の2人が見に行く1p漫画」ということがすぐ分かる形にしました。2コマ目以降のセリフが読めなくても、1コマ目の顔面の強さでタップしてくれた方が多かったのではないかなと思います。
・1p漫画最強は「ちいかわ」
ちなみに世界最強のSNS漫画「ちいかわ」はこの「1p漫画」フォーマットですが、毎回10コマ前後に細かく割っているのに、タップしなくてもほぼそのまま楽しめる異常に高い可読性を備えています。自然にTLで目に入り、自然にそのまま読み進められてしまう完璧な情報量操作がなされているのですね。
フキダシの大きさ、手描き文字の読みやすさ、キャラクターの面積当たりの情報の少なさ(それなのに強烈に個性がありカワイイ)、そして更新速度の速さ、定期的に不穏さを漂わせることによるヒキと、今後が気になる=ヒットする要素が粒ぞろいで、非常によく計算されているように見えます。
②タテ型4コマ
タテに4つコマが並ぶ、正調の4コマスタイル。先に言ってしまうと、あまりSNS向きではないフォーマットです。
なぜ向かないかというと、Xのサムネイルルールが視聴を邪魔するためです。上図のように縦長の画像の場合、Xの画像掲載フォーマットでは2コマ目と3コマ目だけが拡大表示されてしまうので、横に2本ならべてもこんな感じになってしまいます。
上の画像では少し1コマ目が見切れているので「4コマなのかな」と気づけますが、トリミング範囲が2・3コマ目だけだった場合、4コマであること自体気付いてもらえないケースがよくあります。そもそも1コマ目より先に2・3コマ目が目に入ってしまうのは、漫画の見せ方としては御法度ですね。それに、マンガの意味が全く読み取れないこの状態で「面白そう、タップしてみるか」と思ってもらうのは、初心者には至難の業です。
もしどうしても伝統的な「タテ型4コマ」のままで見せたいなら、1枚のキャンバスに4コマを複数並べて、横幅を稼ぐやり方があります。
しかし、2本手元に新作4コマがないとできない手ですし、1コマあたりの表示サイズもとても小さくなってしまいますよね。特に理由がなければ「③」の4枚絵型にして、2回に分けて投稿したほうがずっと良いと思います。
ちなみに、1・4コマ目が見切れてしまう問題の特殊な解決法として、タテ型4コマの横のスペースを生かす手法があります。キャラクターの立ち絵を入れたり、SNS4コマの先駆者・牛帝さんがよくなさっている「読者の声(ツッコミ)」を入れたりすることで、画像全体の横幅を稼ぐということですね。タテ型が常にダメだということではなく、それぞれのネタによって最適なフォーマットを選ぶのが良いでしょう。
③4枚投稿型
コマ枠を廃して、各コマを1枚絵にして4枚投稿してしまうSNSならではの方法です。今回のスレミオ4コマのスタイルはこれ。
ネームを作れなくても誰でも挑戦しやすいことや、それぞれのコマが最大限大きく表示されるので、ある程度フキダシ内が読めるのがメリット。①であった「文字が読めないからどんな漫画か分からない」状態で「面白そう」と思ってもらわないといけない問題を回避できます。5コマ以上の場合はツリーに分けることもできますし、初心者から上級者まで、使いやすいフォーマットの一つだと思います。
デメリットは、TLで流れてきたときにオチまで目に入ってしまう恐れがあること。通常のタテ型4コマでは、1コマ目を読み出した時点では4コマ目は距離が遠いので目に入りにくいのですが、ネタバレすると面白さが半減するネタだった場合は避けたいところです。
そういうときは、一つ目の投稿を「おしえてミオリネCEO(1/2)」として3枚だけ画像を貼り、4コマ目のオチはリプに貼るのもありかもしれません。が、そうするとオチのコマは最大サイズで表示されますので、逆にオチが目立ってしまって本末転倒になる恐れがあります…。また、前に4コマ目だけをセンシティブ設定にして出してみる試みをしたことがありますが、そうするとツリー全体が検索除外されてしまうことが分かりました。当然、おすすめにも載らない(か、載りにくくなる)と思われますので、フォロー・フォロワー関係外にも広く拡散されてほしい場合は得策ではありません。
上の漫画は4コマ目がごちゃごちゃしていることもあり、先に目に入ってしまってもそこまで台無しにはならないネタと判断し、このフォーマットを採用しました。正直SNSではオチのネタバレを気にするより「まずTLで目を留めてもらって、1コマ目を見てもらえるかどうか」の方が極めて重要なので、メインのお客さんである「水星の魔女を知っていてスレミオのギャグを読んでみたい人」にタップしてもらえるような作りであることを最優先にしています。(4コマ目のネタバレだけをどうしても防ぎたいなら、②のタテ型4コマを採用する手法もありかなと思います)
④1pに上下左右4コマ
①の亜種で、1p漫画のコマを均等な大きさで上下左右の4つに割るやり方です。
これをスマホのXアプリ上で読むとなると、ピンチアウトとドラッグを駆使しないといけないのでとても読みにくいですし、どのコマからどの順で読めばいいのか読者が迷うので、オススメできない手法と思います。コマの隅っこに①②③④と書いたり"読み順"の矢印を描いたりする手もありますが、さすがにもう古いでしょう…。
ちなみに私のXアカウントのアナリティクスによると、PCから投稿を閲覧している方は1割に過ぎず、6割がiphone、3割がandroidからでした。要するに、できるだけ広く読んでもらうためには、スマホ向けに最適なフォーマットで漫画を読んでもらうことをまず考えるべきと言い切っても良さそうです。
⑤1枚絵で表現
漫画形式でなく、あえて1枚絵として表現する手法もあります。1~4コマで起きていることを1コマで説明するということですので、ネタによっては大急ぎな感じの絵面になります。メリットは、一枚絵としての魅力やインパクトをしっかり伝えられることでしょうか。
例えばさきほどのスレミオ4コマなら、画面右側でミオリネさんが端末をのぞき込んでいて「えっ、恋愛のコツ?それは〇〇ね」と偉そうに語っているところに、画面左側(ミオリネの背後)に立つスレッタが心の中でツッコミを入れる…というかたちになるでしょう。そういうフリ・オチ同時のスパっとした演出のほうが面白いネタもありますが、このネタはフリとオチに順序と時間差があったほうがスムーズに読めるかなという気がします。
逆に、下図のような「ほぼせりふ付き一枚絵」という感じのネタの場合は、コマを割る必要はほとんどありません。4コマで描くにはややシンプルなネタの場合、一枚絵で表現できないか考えてみるのも良いと思います。
この「お姉ちゃんッ!」のツッコミは2コマ目として割ってもいいし、ドアを開けて「ただいまー」と帰ってきたスレミオが1コマ目としてあっても良いわけです。でもこのネタは「このエリクトを見せる」ということが全てのネタなので、余計なコマはそぎ落として、言わば「出オチ」の状態にするのがベストだろうと判断しました。
逆に、こちらのイラストは当初、下の二コマがない1枚絵でした。上の画像の「出オチ」と違ってこれだけでは面白味が足りないと感じ、スペースを調整して小規模なフリとオチを足しています。
「フリーライド感」と個性
冒頭で触れた「フリーライド感をなくすためには、何か自分由来のユニークな個性やオリジナリティを分かりやすく加えることが肝要」というのはこのあたりでも関わってきます。AIが出してきたものを見て、「こうだったらもっと面白いな」という発想を足してあげるのをサボらないことが大事なようです。
これは例えば、スレッタのマグカップにちょっとした小ネタを入れる程度のことでも構いません。
AI作品のつまらなさというのは、ぱっと見はすごいものに見えるけど、細部をじっくり鑑賞するとアラがどんどん見えてきてしまって、「なんだ、これはあなた(投稿者)の作ったものじゃなかったのか」とがっかりしてしまうことに起因していると思っています。できるだけ塗りや線をフラット・シンプルにして画力で背伸びすることをやめ、AIとの対話の中で自分から出てきたアイデアをできるだけ多く盛り込むことでフリーライド感を減じるようにしています。
作画作業
ネタとフォーマットが決まったら、いよいよ次は作画、つまり画像生成と加筆です。あまり生成カロリーが高すぎて、かつ面白さにつながらないような絵は回避したいところですので、シンプルにどんな絵とどんなせりふにすればそのネタを表現できるかを考えます。
基本的にキャラクターは(white background,simple background:1.3)を使って白背景で生成しています。1408x1024サイズでステップは20程度にし、スピード優先で多数生成。アングルが決定したら同じSeed値で高解像度補助+ADetailerを掛けて本番画像を生成する、と言う流れ。多少ミスがある場合はバリエーション生成を掛けて修正を狙います。
このあたりのやり方はこちらの記事で解説しているものと特に変わりません。
いすやPC、コーヒーカップといった物品を同時生成したり、地面に落ちた影を出すのに「shadow」を使ったりすることはありますが、背景はなしか、自分でちょちょっと線を引く程度の簡単さの方がSNS漫画では見やすいです。複雑な俯瞰・アオリ構図で状況説明しなくても良いケースも多いので、最低限状況が誤解なく伝わる中で最もシンプルで見やすい構図を考えています。
理想はタップしなくてもほぼ読める「ちいかわ」くらいの情報量にすること。背景の整合性を取ろうとするとどんどん作業時間が伸びる上、可読性は下がっていきますので、できる限り排した方が得策です。こちらの漫画では、車以外背景はいっさい生成しておらず、どうしても必要な1コマ目と最終コマはクリスタで表現しています。
【ちょっと脱線】クルマのカットの作り方
上の画像で3カット使った車の生成は、前回解説したこちらの「AI背景」のやり方をそのまま使っています。
まず最初にプロンプトで車を生成し、破綻部分を加筆やインペイントで直しつつ、ナンバーや車名などにオリジナルな要素(意図)を盛ります。最近のillustrious系モデルでも、かなりユニークな車を出してくれます。あまり特定車種にデザインが寄りすぎるのはよくないかと思い、ジープやランドクルーザー、ハマー、Gクラスなどの要素が感じられるものにしました。
その上で、Runwayでぐるりと回せばこのようになります。
この車の描写には一つ大きな瑕疵があって、AI生成のぐちゃぐちゃナンバーを加筆で直すときに、これほど大きい車種なのに5ナンバーにしてしまったという失敗を犯しています。たくさんツッコミが入って、しょぼんとなりました…(笑) 指が多いとか、影がおかしいとか、そういったAI由来のミスをできるだけ排していったら、今度は人間由来のミスが生じてしまったというのは皮肉というほかありませんね。
4コマ漫画の作画とブラッシュアップ
以下、4コマ漫画「おねがいミオリネCEO」の実際の作画作業について振り返ってみます。
・1コマ目(状況説明)
「社長として部下の相談を受けているミオリネと、後ろを歩いているスレッタ」という状況説明のコマです。
これをストレスなくスムーズに伝えるには、こういうモノローグでわざとらしく説明してしまうのが楽。絵だけで状況説明しようとするとかなり作業が大変になりますし、SNS漫画には情報量が多すぎて向きません。基本は「ちいかわ」を目指します。
背景は真っ白だとちょっと寂しいので、グラデーションを入れてカラーらしくしました。温かな日常の雰囲気を表現したかったので暖色です。服装は2人とも普段着でも良かったのですが、あまりラフだと「部下の相談を受ける社長」という雰囲気が出ないので、ONともOFFとも取れる服装にしました。
スレッタの瞳はミオリネを見ていますが、これは生成では難しいので加筆です。ゆがみツールでなでるだけで位置を調整し、ゆがみによって生じたぼやけは加筆できちんとすればOK。「ミオリネはスレッタを気にしていないが、スレッタはミオリネに意識を向けている」ということを強調しておきます。
ミオリネの「なぐさめ顔」は、furrowed brows(ハの字眉)とsmileを併せて表現しました。「なぐさめ顔ってどういう顔だろう」と分からなくなったら、自分で表情を浮かべて眉の角度や口元の力の入り具合を見るようにしています。
ノートPCに話し掛けているだけで「ああ、端末越しに部下と通話しているのね」と理解してもらうにはちょっと説明不足なので、小さい「>_<」フキダシを入れて理解を助けました。
ここはミオリネに相談してきそうなリリッケやニカといった別キャラクターの顔を入れてもよかったのですが、アノニマス(誰でも良い)にしたほうが漫画内容に集中できるので、あえてこうしています。
・2コマ目(フリ1:弱)
4コマ目のオチ(ツッコミ)に向けてミオリネがボケ始める「フリ」のコマです。
1コマ目と変化を付けたいので、正面・アップにしたのと、もう一ひねりしてオンライン会議の画面越しという演出にしました。一本指を立てる演出(index finger raised)で生成したらたまたま出た2本指がむしろ会話内容と合っていたので、そのまま採用しました。ここは真剣であれば真剣であるほどギャグのフリになるので、表情にはこだわりました。determinedとv-shaped eyebrowsを合わせることで真剣さを表現しています。
最初は背景は何もなく、右下に「Miorine Rembran」と書いたり、音量マークを付けたりして表現していましたが、恋愛の話をしてるのに背景に社章がバーンと出るのが刃牙の徳川ご老公みたいで面白いなと考え、このようにしました。あまり情報量が多すぎると邪魔に感じるので、オンライン画面の再現に凝らなくてよかったと思います。(クルマのナンバーミスのように、細かいことが気になってすらっと読めなくなるでしょう)
・3コマ目(フリ2:強)
今度もフリのコマですが、ボケの強度がさらに強まります。
さきほどは真剣な表情で言っているわけですが、ここでドヤ顔になることで「調子に乗ってる感」を出します。原作のミオリネはそういうタイプではないので、キャラ崩壊にならない程度が難しい。ear tuckingやhand in hairで髪をかき上げている仕草をさせ、ファサァ…の書き文字も加えて「調子に乗ってる感」を強化しました。
スレッタのここの表情は難しいところです。最初はコマの外に顔部分を出させて、どんな表情をしているか4コマ目を見ないと分からない形にする(普通の漫画でいうメクリに当たる技術)のはどうかと思いましたが、むしろ1コマ目の「ミオリネさん頑張ってるな…ふふっ」という表情との落差を出した方が伝わりやすいと考え、ちょっとだけびっくりというか呆れている感じの表情にしました。3コマ目・4コマ目のスレッタの表情はいくつか選択肢があって、もっとうすた京介先生風に「ガビーン!」みたいな感じにしても成立する気はしますが、私の好みでシュールオチになりました。
・4コマ目(オチ)
オチです。いろいろ考えた末、最終的には「私で童貞捨てた癖に…」ではなくなりました。
先に反省点ですが、詰め込み過ぎて読むのに時間が掛かるコマになってしまったのは良くなかった。最初は背景は全部モザイクで、「あーん❤」なせりふだけで表現していたのですが、試しにボサリネさんの画像(右上)を生成してみたらそれがすごく良くて…どうしても採用したくなり、モザイクH絵は左下だけにしたら、コマ当たり情報量が爆増してしまいました。
最初の「私で童貞捨てた癖に…」というせりふは、スレミオの場合ミオリネふたなりオチを思わせるわけですが、スレミオ同人に慣れている人ならともかく、広く面白いと思ってもらうためにはキツめの下ネタになってしまうかなと思い、代案を考えることに。「私で処女を捨てた癖に」はもっと生々しいので、「私が初めてだった癖に」とし、「クセに」と変えることでちょっと柔らかい印象にしました。その代わり、「私が着けるの?」にミオリネが実は竿側というネタを込めたんですが、もっと生々しすぎた…。すいません…。
ちょっと難しかったのが、「好きになったほうが負け」と偉そうに語っていたミオリネに「私が初めてだったくせに」というツッコミを入れるのは、少しニュアンスがズレているという問題。「先に好きになったのはミオリネさんの方だったくせに」だと、フリに大して正しくツッコめているんですが、当たり前すぎてあんまり面白くないですよね。二つ目の回想を「嫌いにならないでっっ」にすることで「ミオリネさんの方が必死だった&愛重めだった」を表現しましたが、違和感があった人はいたかもしれません。逆に「部下へのアドバイス」の方を「いい?Hは追わせた方が勝ちよ!」みたいにすれば「追ってたのミオリネさんだったじゃん…」ということで対応させられるんですが、さすがに「どんな会社だよ!?」となるので…笑 ほんとバランスって難しいですね。
「間違い探し」と修正
さて、とりあえず4コマ分の画像ができたら、画像出力してXの投稿画面に並べます。これは、クリスタやSDの生成画面上で見ると違和感に気付きにくいのですが、実際に投稿する段になると人間の脳が編集モードから鑑賞モードに変わるので、間違いに気付きやすくなる…という効果を狙ったもの。文章の原稿チェックの際も、Word上で見るよりプリントアウトして活字で見た方が誤字脱字に気付きやすくなるという研究結果があるそうです。
今回の4コマでざっと書き出してみると、
「親指が複数に見えるところがある」
「ミオリネのシャツの襟元のデザインがコマによって違う」
「ミオリネのイヤリングが丸だったり三角だったり」
「ミオリネが見ている端末の灰色の濃さが違う」
「水星の魔女世界なのに、端末に現代日本のノートPCみたいな有線端子がいくつもあるのはおかしい」
「指輪がない(非常に重要)」
「スレッタのパーメット痕(ほほの痕跡)がない」
「スレッタのポニテの位置(肩の右側か左側か)がコマごとに変わる」
「2人の袖の長さがちょくちょく変わる」
「コーヒーを持つ手が3コマ目と4コマ目で逆」…などなどの間違いがありました。
これらを一つ一つインペイントや加筆で直していきます。構図上問題がなければ、フキダシを上にかぶせたり、袖部分をコマ外に押しやったりして隠してしまうのも手です。下のように袖のデザインが違っていた場合は、コマ外にフレームアウトさせて解決しました。
作画ミスではありませんが、読みやすさのために見直した部分としては、「4コマ目のカメラワークがdutch angle(斜め)だったのをタテに戻した」というのがあります。
▲左が初案、右が最終案
最初はアップ+dutch angleにすることでオチ感やスレッタのもやっとした気持ちを表現するつもりだったのですが、3コマ目から4コマ目に向けてスレッタの顔にズームインしている感じを出すためには、画角は同じにしたほうが良いと判断したためです。「ダンジョン飯」1巻でも、マルシルの「無言ドン引き顔2連続」をオチにする場面でこの技術が使われていた記憶があります。(ライオスに”植物モンスターに捕らわれたとき気持ち良くなかった?”と尋ねられるシーンです。多分…)
ちなみに、ポニテ位置の左右違いはそんなに気にならないかな…と思って修正をサボってしまったのですが、翌日見返してみたらすごく気になってしまって、やっぱり一日置いて投稿するのがとても大事だなと思いました。しかもここ、コーヒーの取っ手も左右チェンジしているんですね。フキダシでいったん隠したのですが、調整時にそのことを忘れてずらしてしまったようで、反省点ばかりです。
色や画角の修正はクリスタでやるのですが、袖の一部修正など「描き直し」が必要な場合は、基本的にインペイントでやります。私はとにかく楽なので、いまだにNovelAIv3を使ってしまうことが多いです。ただ、指輪やイヤリングを描き足したり、指のヘンなところを塗りつぶしたりするときは、AIより手で直したほうがずっと早いです。できるだけFLATで線の太いシンプルな絵にすることで、そうした加筆も手っ取り早くできます。
出力サイズはどれくらい?
さて、間違いのチェックも終わったら、画像をさっそく出力してみます。その際、どれくらいのサイズで出力するか悩むことになります。
基本的にスマホで読まれることを想定したSNS漫画の場合、イラストの美麗さはさほど問題になりません(むしろ手の込んだ絵は鑑賞の邪魔になることが多い)。すると、あまり高解像度で出す必要はないわけですから、私の場合、短辺が1024px~1200pxくらいを目安にpng出力しています。(軽くしたい場合はjpg)
高解像度で投稿すると、X上でどんどんピンチアウトして拡大表示できるわけですが、AI画像っぽさや加筆痕といったアラが目立ってしまうだけですので、むしろ細部はほどほどに潰れてしまったほうがいいのではないかなと思います。
具体的に言うと、ここまで拡大できるよう高精細に出力する必要は特にないはずで、
これくらい劣化していても全然違和感はないものと思います。(ちなみに、これは800x600pxで出力した画像を画面上でズームインしたものです)
これが全体像。特に低劣な感じはしないのではないでしょうか。
投稿時に考えること
さて、作品が完成したら、これをどのように投稿すると一番広く見てもらえるかを考える段になります。その前に、確認しておきたいのがシャドウバンについてです。
【最初にチェック】シャドウバンになってない?
別アカウントから自分のアカウント名(@studiomasakakiなど)を検索して、何一つ引っかからなかったら、そのアカウントはシャドウバン状態になっています。各ポストが検索結果に引っかからないだけでなく、捜しているアカウント候補としても出てこなかったら、最も重い状態です。
もし自分のXアカウントがシャドウバンされている場合は、作品をどうやって投稿するかより、シャドウバンをどう解くかを考える方が先です。もう何をしても全然解けない「永久シャドウバン状態」ならアカウント転生を考えることをおすすめします。(※もちろん、いまのアカウントに愛着があって、それを捨ててまで広く作品を見てもらう気はないとか、R-18投稿をたくさんするのでシャドウバンは絶対に避けられないといった場合はこの限りではありません)
▲シャドウバンチェッカーの例
「一生懸命時間を掛けて作った、広く見てもらいたい全年齢作品」をシャドウバン状態のアカウントに投稿し続けることはかなり機会損失が大きい行為です。面白いものを作ったのに反応がないと、やる気もどんどん失われていってしまうので、せっかくAIに助けてもらって創作と反応を楽しむつもりなら、アカウント整備からしっかりやりましょう。
個人的に試しているシャドウバン対策は以下の通りです。
「投稿への反応がガクっと落ちてシャドウバン状態になったと気付いたら、自分のアカウントから自分のアカウント名を検索。最新順にして検索除外されているポストがあったら削除する。他にも、ここ1週間の投稿を見返して、少しでも怪しいと感じた投稿(アダルト関連の言及や外部サイトへのリンク、相手にブロックされた引用ポスト等)はためらいなく全削除。投稿は続けてよいが、72時間はできるだけ文字のみの投稿を増やし、連続投稿は行わない(投稿間を少なくとも1時間程度空けること)」
@studiomasakakiは数か月に1回くらいのペースで何度も何度もシャドウバンされているのですが(ほぼ毎回エッチ雰囲気なAIイラストの複数投稿によるもの)、いまのところシャドウバン開始から毎回きっかり72時間で解けています。ちなみに、たとえセンシティブ設定を掛けていてもエッチな画像をある程度短期間に複数投稿したらシャドウバンが誘発されるようです。肌色多めのイラストを投稿されている方はご注意ください。
・Xのアルゴリズムと「360分」
さて、シャドウバンではないことを確認したら、最初に考えるべきは投稿時刻です。
どうしても夜完成するとそのまま投稿したくなるのですが、X社が公開しているアルゴリズムによると、投稿から360分=6時間経過すると他ユーザーのおすすめ欄に乗る掲載率がナーフされる仕組みであることが知られています。つまり、午前0時前後に投稿すると、ほとんどの日本人ユーザーが寝ている時間にその6時間が過ぎてしまうわけです。
今回の4コマ漫画「おしえてミオリネCEO」は完成直後の22時に投稿しましたが、夜間は全然伸びず、朝になっても100~300いいね程度だったように記憶しています。加速を感じたのは翌日の昼過ぎになってからでした。なまなましい話ですが、個人的経験では「100いいね」と「1000いいね」「2000いいね」あたりに壁があり、100までスムーズに行けば1000までは軽く、1000を超えて2000当たりに至ると一気に加速して、あとは運と漫画の出来次第で5000~数万に落ち着く…というイメージがあります。
万バズするときは1000突破から5000いいねに至るまでが非常に早く、海外ユーザーの反応がぐっと増える体感があります。逆に、1000から5000が時間が掛かるようだと、1万行く頃には青息吐息という感じですね。いずれにせよ、投稿から36時間程度でほぼ拡散は停止することがほとんどです。そもそも100いいねまでさらっと行かないようではあまり拡散は望めないので、投稿直後にいつも「いいね」やRPをしてくれるフォロワーさんは本当に本当にありがたい存在です。
個人的に、一番拡散されやすいのは朝の通勤時間にかかる午前8時半~9時ごろの投稿だと思っています。実際、「エリクト25歳」の1p漫画は予約投稿で午前9時前にアップしたのですが、こちらは停滞をいっさい感じずするすると伸びました。最終的に24時間過ぎても拡散され続け、4コマを大きく上回る「4万いいね」を記録しました。これは、この1p漫画がスレミオ4コマより良かったというよりも、1日前に4コマが万バズしていたために、アルゴリズム上で私の投稿が何かしらおすすめ欄に載りやすいバイアスが働いていたのではないかと想像しています。
・SNS運営の「ビジネス感」について
どうやったら自分の作品をXで広く見て貰えるか、どのようにXのアルゴリズムを攻略(ハック)するかは創作を継続するために大切なことです。が、あまり考えすぎるのもよくないなと思っています。究極を言ってしまえば、「たくさんフォロワーさんがいる同士で結託してRPしあうのが最適解」とか「自我を出さず、ウケる画像だけを定期的に投稿したほうがベター」とか「初期はフォロワー集めが重要なのでとにかくフォローしまくって有名人にリプしまくれ」とかいう、どこかの情報商材に書いていそうなことにどうしてもなってしまうからですね。ビジネスツイッター地獄の幕開けです。
この人の投稿はいつもRPするルール、みたいになってしまうと、「なんで今回はRPしてくれなかったんだろう」というふうにどんどん居心地の悪い相互監視のような状態に陥りそうです。バズありきの創作はやっている方も見ている方もきついですし、美味しいものを食べたりガンプラが完成したときに楽しく報告することもできなくなったらつまらなそう。できるだけ楽しい情報だけが目に入るようにして、SNSいじりが「楽しい」のレベルにとどまるような運用の仕方を心がけたほうが健康的と思います。
・「地の文」と「継続性」
一番悩ましいのは、作品に沿えるポストの「地の文」です。究極的には画像が全てなら何も書かなくても良いわけですが、文章なし(画像のみ)の投稿はアルゴリズム上拡散力がナーフされるという説もあるため、できるだけ興味を引くタイトルをつけてあげたいところです。
キャラクター名やどういうジャンルのものかをきちんと書くことでトレンド欄や検索から飛んできてくれることがあるので、そのあたりを書くのが基本になります。この作品を見たい人はどんな単語でツイート検索をしているだろうと考え、それをそのまま書いてあげるところから始めてみるとよいかなと思います。「初音ミク」とか「ジークアクス」といったよく検索されていそうなタグに対して、それを検索したユーザーの気持ちに沿った作品ができているのがベストです。あまりあざとすぎると敬遠されてしまいますが…
もう一つ、広く見てもらうためにはどうしてもアカウントの投稿全体に「継続性・一貫性」がないと厳しい、ということがあります。例えば、「自我を出さずに初音ミクのダーク・クール系の画像だけをひたすら毎日3枚投稿しているAIイラストアカウント」のように、コンセプトが一貫している場合はフォローしやすいですし、そういうコンセプトのアカウントであることが一見してぱっと分かるようなアイコン・プロフであればなおさらです。逆に、色んな画風で色んな作品を作っては、あいまに日常ツイートが大量に挟まるような運用だとなかなか「この人の今後が気になる!」とはなりにくいのが現実ですよね。
「地の文」の話ともつながるのですが、フォロワーが増えて恒常的なリアクションが活発化するときというのは、単発の作品がバズったときではなくて、「続き物がバズったとき」だと思います。あくまで例ですが、TLで「#初音ミクは旅したい その⑪神戸」のような地の文でカワイイミクの旅行漫画が鬼バズっているのを見たら、「過去作品を見てみたい!」となりますよね。過去作品を見て「いいなあ、次はどんなところへ行くんだろう」と思ったら当然フォローするはずです。
そう考えると、作品紹介の地の文を考えるときにはアカウントの継続性・一貫性をよく考えてアピールすることが必要ということになります。
「継続性・一貫性」は今後が気になる気持ちや安心感につながりますし、安心して毎日その人の投稿を見ていられると、だんだんとファンになっていくものと思います。これは、ご存じ「100日後に死ぬワニ」がやっていたマーケティングですし、「ちいかわ」人気が不動になった流れも同じですね。AI作品であっても同様で、「この人はこういう良い作品を今後もずっと出してくれるんだな」と想像できる地の文を書くことがまずは大事なのでしょう。
・AI表記とアカウント名
これについてはあまり書きたくないのですが、このところAIユーザーやAI使用の疑いのあるクリエイターさんを晒したり、誹謗中傷を浴びせたりといった事例がSNSで相次いでいます。燃やす側の理屈としては「AIを黙って使う不届き者がいるのが諸悪の根源だ」ということになるのですが、たとえ本当にAIを使っていたとして、そこまで人格否定することが肯定されるような行為なの?と個人的には思ってしまいます。
そうした動きはさておいて、では我々AIユーザーが作品をアップするときには、どういうトンマナ(トーンアンドマナー)でお出しするのがベストなのだろう?ということをいつも考えます。手描きを装っていると思われるのは心外ですが、投稿に「#AIイラスト」などと書くと、一般の方、とりわけ絵を描く方はRPするのをためらってしまう気持ちがあるのもまた事実ですよね。
これは、フォロワーに「#AIイラスト と書いてあるものを積極的にリツイートした人物」とみなされることへの恐れや後ろめたさがあるからではないかなと想像します。実際に私の投稿をRPするとき「ふだんAI絵はRPしないが、この作品は〇〇と感じたのでRPした」とわざわざエクスキューズを書き添えている方もたまに見かけます。それくらい、AI絵をRPすることに後ろめたさがあるのがXの現状なのでしょう。
自分はあるときからアカウント名そのものに「AIイラスト」と書いてしまうことにしましたが、手描きがメインでAIを一部利用することもある方などは本当に悩ましい問題だと思います。
私の立場から「こうすべき」という良いアイデアは何もないのですが、「AI利用作品=低劣・フリーライド」という時代はもう終わりを告げようとしていますし、今後どんどんと企業やクリエイターによる利用も増えていくのではないかと期待しています。AIを使っていても手描きと遜色のない意図がきちんと詰まっていて、車のナンバーミスのような凡ミスもちゃんと取り除かれた作品が優勢になってくれば、AI表記をつけることがスティグマ化するような現状はきっと緩和されていくでしょう。逆に、AIといえばぐちゃぐちゃの手で子供だましの作品ばかりということになれば、いつまでも「お前らはAI表記をしろ」と言われる現状は変わらないかなと思います。
終わりに
そんなわけで、「AI作品を効果的に公開する アイデア探しから可読性、投稿時刻まで」でした。このような現時点のワークフローを定期的に書き留めておくことはかなり大事だと考えていまして、なぜならあとから思い出そうとしてもすっかり忘れているんですよね…。
スタジオ真榊の過去記事ではこうした記事がいくつもありますが、モデルや技術の進歩とともに自然と使わなくなるテクニックは多いです。テクニックの引き出しは多いほうがスムーズに作業が進むのですが、あまり使わないテクニックを頑張って覚えてもしょうがないので、「いま使えているテクニックはこのへんですよ」ということは定期的にお伝えしていきたいと思っています。
のびのびになっているNovelAIV4も間もなくリリースされそうですし、インペイントやキャラクターの配置機能などがどれほど進歩しているかいまから楽しみにしています。「奪妻契約」も発売1か月になりますので、反省点を踏まえて続編を作りたいなと思っていますので、ますます気合を入れて更新していきたいですね。
それでは今回はこのへんで。スタジオ真榊でした。