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館の奥深くにある、重厚な扉に閉ざされた一室。そこは夜な夜な、主人が自らの欲望を満たすためだけに設えられた特別な寝室である。 豪奢なシャンデリアの下、深紅のシーツが敷かれたベッドの傍らに、ヴィクトリアは静かに佇んでいた。

彼女が身に纏っているのは、いつもの夜の装いでも、執事服でもない。胸元を窮屈そうに締め付けるグレーのチェック柄のベストに、赤いネクタイ、そしてプリーツスカートという、この淫靡な空間にはあまりにも不釣り合いな「学生服」だった。

「……ご主人様。夜のお相手を務めさせて頂けるのは光栄ですが、なぜこのような格好なのですか?」

ヴィクトリアは、呆れとも諦めともつかない何とも言い難い表情で、自身の姿をゆっくりと見下ろした。 はち切れんばかりの豊満な双丘はベストのボタンを弾け飛ばさんばかりに主張し、タイトなスカートから伸びる黒いストッキングの脚線美は、清楚な学生というよりは、ただ主人の性癖を満たすためだけの歪な記号となっている。

「ご主人様はいつも通りの落ち着いたお召し物だというのに、わたくし一人だけがこのような学生服を着せられているなど……あまりにも滑稽が過ぎます。貴方様のその突飛な空想癖には、心底呆れるほかありませんね」

自分一人だけがちぐはぐな格好をさせられていることに冷ややかな視線を向けながらも、彼女は決してその場を立ち去ろうとはしない。あくまで主人の望むままに、不本意な制服姿で夜の務めを全うしようとする、誇り高き執事の姿がそこにあった。

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