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虫の音が響き、縁側から美しい秋の月明かりが差し込む和室。 お月見の準備が整えられたその部屋の中央で、エリザベートは自身の胸元を両手で隠すようにしながら、ひどく複雑な面持ちでご主人様を睨みつけていた。

「お月見の趣向はいいとして……この衣装はなんなんですの!?」

彼女が身に纏っているのは、水色のハイレグレオタードに同色の着物を羽織ったような、和洋折衷の奇抜な衣装だった。頭には可愛らしいウサギ耳のカチューシャが乗せられている。 水色という爽やかな色合いとウサギのモチーフは、悔しいほどに可愛らしくまとめられているのだが、致命的なのはその露出度だった。着物のようになっている上半身は胸元が大きくV字に開いており、豊かな双丘の谷間がレオタードの生地越しに深く主張している。

「いくらお月見のウサギだからって、こんな風通しの良い格好をさせるなんて……怒っていいのかどうかも迷いますわ」

悪趣味だと声を荒げたいものの、衣装自体のデザインが可愛らしいせいで、純粋な乙女心が邪魔をして本気で怒りきれない。モジモジと内股になりながら困惑する彼女に、ご主人様が「すごく似合っていて可愛いよ」とストレートな称賛を投げかける。

「なっ……! そ、そういう言葉で誤魔化そうとしても無駄ですわよ!」 顔を真っ赤にしてツンと顔を背けるエリザベート。しかし、ウサギ耳の下でピクピクと動く彼女の表情は、文句を言いながらも明らかに嬉しそうに綻んでしまっていた。

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