それじゃあ、また明日… (Patreon)
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パンパンッ――
僕たちは監視の目をくぐり抜けて、お互いの肉体を求め合っていた。キメラ研究所の幹部クラスになると待遇は大きく変化。彼女の部屋は監視対象から外れる。
僕が幹部クラスのプライベートルームに立ち入る記録は残るが、ここに数時間程度ならば滞在しても怪しまれない。
しずくちゃん――君のために、僕も警備員になって、ついに君の担当になることができた。幹部や上級クラスのサポートとして専属の警備員に任命されることがある。上からの命令だ。希望は決して言ってはならない。希望と言った時点で候補から外されるらしい。
今日は上からの命令で君に任務を伝えにきたんだ。これを――その大猿化薬入りの水をターゲットに飲ませて欲しいんだ。
ターゲットは――
この子なんだけど……
チラッとしずくちゃんの顔を見ると、唇を噛み締めていた。もしかして、知り合いだったかな?
大丈夫、しずくちゃんはこの薬をターゲットに飲ませるだけでいい。薬を飲んでも変身しない場合もあるっていうから。
そして、翌日――
僕たち警備員は各所で待機してモニタリング。しずくちゃんがターゲットに接触するようだ。
ちょっと!しずくちゃん!動揺しすぎ!
なんの疑いもなく薬を飲んでいる。正直、警備員は良心が痛むことが多いが、代表やみなさんの欲求を満たすことに一役買えていることを祈るよ……
しずくちゃんは……大丈夫じゃなさそう。
唾を飲み込む様子が見えた。
薬の摂取は完了して、ここからは僕たち警備員の出番。今回もしずくちゃんの苦手な……というか嫌っているあのベテランの警備員も参加している。
絶対に負けるもんか。
薬の症状は見られず、しずくちゃんの前で変身することはなさそうだ。
しずくちゃんは日常を装って、彼女の様子を見守っていたらしい。
帰宅するターゲットを見送ったようだ。
こんな悪事に加担させられて、不憫に思う。でも、これもキメラ研究所で大猿として頂点に立って、代表を引きずり下ろすため。
しずくちゃんが罪悪感に苛まれる必要はないんだ!
一方その頃、ターゲットには異変が起きようとしていた。
あの薬……濃度の濃いタイプで変身のきっかけがないやつだ……!
しかも、大猿化の前兆が起こるまでに時間がかかるように調整されている!
大猿化が始まってターゲットが叫んでしまった!
し、しずくちゃんがターゲットの異変に気づいてしまった……!
ターゲットの大猿化に成功してしまい、僕はしずくちゃんがいる目の前で任務を遂行しないといけないなんて……
しかも、こんなときにあのベテラン警備員も待機しているなんて厄介なんだ!絶対にあいつより先にこの子の身柄を確保しないと!
もう変身は止まらない!
しずくちゃん……ごめんよ……
ドクンドクン――!
し、しずくちゃん……!感情がきっかけで大猿化が反応してしまったみたいだ。
だめだしずくちゃん!幹部が取り乱したら……!
しずくちゃんまで理性が保てない大猿に!
やめるんだっ!そのターゲットは……
くっ……しずくちゃんの理性は失われたようだった――
大猿となってしまったしずくちゃんは、大猿となったターゲットに向かっていき、反撃を受けその場に倒れ込んだ。
僕はしずくちゃんを追いかけた結果、ターゲットの一番近くにいた。あのベテラン警備員は今日はもう来ない。
警備員の仕事は色んな子と接触できる。でも、こんな最悪な状況は今までにない。だって、僕の目の前に……
僕の彼女が倒れているんだ。
後日――
しずくちゃんの大猿化は上からは不問とされた。というより、問題とも受け取られていなかった。しかし、何故かしっぽが残ってしまったようだ。
あれから、ずっとしずくちゃんは今回のターゲットを陰で見守っていた。
ターゲットには大猿に関する記憶は残っておらず、特に大猿化による症状は見られない。
異常がないことを確認すると息を吐き出し、しずくちゃんはその場を去っていった……
だが、実は……
ターゲットには裏の顔があった。大猿化についての記憶がないのは事実だが、人格及び性欲、身体、特に胸に異変が起きている。
ターゲットは気に入った男性を捕まえて跨る。しずくちゃんにはじめて会った時のことを思い出す……
ターゲットのことはしずくちゃんには伏せられている。