会社カルデアーーステンノ (Patreon)
Content
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正直、こういうステンノを書くのはすごく心地いいですね。昔からステンノが好きというのもありますけど、この距離感だと会話が自然に転がっていくんです。
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エレベーター
昼休みの終わり。
藤丸が乗り込もうとしたエレベーターのドアに、白い指先がそっと差し込まれた。
開いた扉の向こうから、ステンノが優雅に現れる。
「あら、藤丸」
「ステンノさん」
「うふふ。こんなところで会うなんて」
二人が乗り込むと、ドアが静かに閉まる。
「私と二人きりね」
「そうですね」
「緊張しているのかしら?」
「別に」
「あら?」
「どうしてですか」
「どうしてって」
軽く肩を竦める。
「だって私よ?」
「そうですね」
「女神よ?」
「知っています」
「美しいでしょう?」
「美しいですね」
「なのに平然としているの?」
藤丸は少しだけ笑った。
「何か反応したほうがよかったですか?」
「もちろん」
「例えば?」
「そうねえ」
少し考えるふりをする。
「見惚れてみるとか」
「無理ですね」
「感動するとか」
「しませんね」
「緊張するとか」
「もっとしません」
ステンノは思わず吹き出した。
「可愛くないわね」
「そうですか?」
「ええ......少しくらい反応があったほうが面白いのだけれど」
「ステンノさんだからですよ」
ステンノの目が僅かに細くなる。
「……あら」
「?」
「それはどういう意味かしら」
「どういう意味も何も」
「ステンノさんですから」
藤丸は当たり前のことのように続けた。
「からかうことはあっても、本気で困らせたりしないでしょう?」
「だから別に緊張しません」
エレベーターの中が一瞬だけ静かになる。
「ふぅん」
彼女は前を向いたまま小さく笑った。
「信用されているのね、私」
「多分」
「多分、なの?」
「かなり」
また少し沈黙。
やがてステンノは楽しそうに肩を揺らした。
「本当に変な人」
「よく言われます」
「でしょうね」
目的の階に到着する。
扉が開く。
ステンノは先に歩き出し、ふと振り返った。
「でも」
「はい?」
「そういうところ」
「嫌いじゃないわ」
藤丸が何か言う前に、ステンノは薄く微笑む。
「うふふ」
「もっとも、嘘かもしれないけれど」