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藤乃:

「藤丸君、おはようございます。今日はお弁当ですか? 外は冷えますから、よければ温かいお茶でも淹れましょうか。それから午後の会議のマニュアルですが、もし不安なところがあればいつでも声をかけてくださいね」

藤丸:

(自分のマグカップを片手に、少し困ったように笑う)

「浅上さん、おはよう。ありがとう。でも俺ももうだいぶ会社に慣れたし、その辺は大丈夫だよ。お茶も自分で入れられるしさ。なんというか……毎日そこまで気にかけてもらうと、ちょっと過保護というか。正直、少しだけ面倒に感じることもあるかな」

藤乃:

(藤丸の言葉を聞き、しばらく瞬きをしたあと、小さく頷く)

「……そうでしたか。ごめんなさい。

私は痛みや熱さを感じるのが苦手なので、人が無理をしていても、それに気付く自信がないんです。ですから、つい何度も確認してしまうんですよ。

ちゃんとご飯を食べているか。体調は悪くないか。怪我はしていないか。

そういうことを。

ですから私には、それが少し普通になっていました。

でも、藤丸君にとっては違ったんですね。

教えていただいて、ありがとうございます」

(そう言うと、彼女は一歩だけ距離を取る)

「困らせていると気付かないまま続けるほうが、きっと良くありませんから。

これからはもう少し気を付けます」

(そこで言葉を切り、少しだけ視線を落とした)

「ただ……少し不思議です。

藤丸君が元気そうにしているのを確認すると、私は安心するんです。

理由はよく分かりません。

痛みも熱さも曖昧なのに、その感覚だけは分かるので。

ですから、こういう習慣を急になくすのは少し難しいかもしれませんね」

(ふっと微笑む)

「それでも、ちゃんと直します。

午後の会議、頑張ってください。もし本当に困った時だけは、遠慮なく呼んでくださいね」

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