分魂 -しもべ化- 美人大学生 三島紗良編 その1 (Patreon)
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大学のゼミ室に夕陽が差し込んでいた。埃っぽい空気の中、紗良という名の美少女が腰をくねらせながら、俺の前にひざまずいていた。金髪のふわっとした髪は肩に広がり、透き通るような白い肌が夕暮れの光を浴びて輝いている。セーターの襟元からは膨らんだ胸の谷間がのぞき、視線を誘う。彼女はまるで夢遊病者のように目を半開きにし、唇を緩ませている。
「あはぁ、わ、わたしは、ご主人様のしもべ♡」
紗良の声は普段の凛としたトーンからは想像もできないほど甘く、蕩けている。緋色の瞳は焦点が定まらず、思考の糸が切れたかのようだ。
俺は椅子に腰掛けたまま、じっと彼女を見下ろす。ゼミ室の机の上には彼女の青いペンダントが置いてある。普段はあれを身につけた知的で気高い女子大生が、今は俺の前で醜態を晒している。茶色のスカートが絞り込んだくびれを強調し、セーターの下では胸が大きく揺れている。
「何も考えられない♡ ご主人様のためなら、なんでもするしもべですぅ」
彼女の言葉に、俺は思わず口角が緩む。かつては俺を虫けら同然に扱っていた紗良が、今やすっかり崩れ落ちた表情で俺を慕っている。首筋に冷や汗が伝い、白いセーターの襟が汗で少し濡れているのが見える。こんなに簡単に人が変わるものか、と内心驚きながらも、この異常な状況をありがたく享受していた。
窓の外からは学生たちの話し声が聞こえてくるが、このゼミ室だけが別世界のようだ。紗良の細い指が自分の体をなぞり始め、白い肌に赤い線を浮かび上がらせる。セーターの下からは吐息が漏れ、熱を持った体が明確に伝わってくる。健康的な色をした唇がぽかんと開き、中から漏れる息の調子が段々速くなる。自分で自分を弄ぶその姿は、見ていて飽きない。
ふと、彼女の目が涙で潤んだ。まるで快感に震えているのか、それとももっと深いところで何かが壊れているのか。そんな疑問はすぐに頭から消える。今の紗良には考える能力などない。俺の所有物になったこの身体は、ただ命令を待ち、快楽に身を委ねるしかない。
「ご主人様♡ もっと、もっとちょうだい……おねがいします……」
普段の彼女なら絶対に口にしないような言葉が、今は自然と溢れ出てくる。頭の回転が速く、いつも周囲を圧倒していた才女の表情が、今は欲望に支配されたままゆがんでいる。金色の髪が汗で顔に張り付き、乱れている。それは同時に、彼女の理性的な部分が完全に崩れ去ったことを象徴しているようだった。
こうなる前、少し時間を巻き戻そう。
ゼミ室の窓から斜めに差し込む午後の光が、木製の机を照らしていた。埃の舞う静寂の中で、三島紗良という女性が背に持たれて寝ている。金色の長髪が、天光りを浴びて淡く輝いている。彼女の横には分厚い研究資料が山積みになり、ペンが転がったまま手から離れている。明らかに徹夜が続いたのだろう、繊細な肩が規則的に上下しており、深い眠りに落ちているのがわかる。
俺はドキッとしながらも静かにドアを閉め、一番離れた席に腰を下ろした。ゼミ室でまさか彼女と二人きりになるとは思ってもいなかったからだ。
いつもなら助手教授がいて、他の学生もいるはずの場所が、今日ばかりは偶然にも無人だった。俺はまだ開いていない自分のノートを机に置きながら、窓際の席で眠る彼女を盗み見る。白いブラウスの袖口から覗く手首は、まるで磁石のように視線を引きつけた。
三島紗良はこの大学でもひときわ目立つ存在だ。
知的な議論を得意とする才女でありながら、その美貌も格別だった。金髪はキャンパスでも珍しく、ふわりと広がる彼女の髪はよく男子学生の話題に上った。他の女子学生にはない気品があり、茶色いスカートの下から覗く細い脚の線が美術品のように整っている。青いペンダントが鎖骨のくぼみに収まる様は、彼女をさらに際立たせていた。
俺は机の角に指を当て、静かに鞄から参考書を取り出す。同じ社会学ゼミに所属しているとはいえ、彼女と俺の間には越えられない溝があった。紗良が真剣に社会理論を追求しているのに対し、俺はただ彼女を間近で見たいがためにこのゼミを選んだ。彼女こそが授業後の雑談でも統計データや理論について熱弁するタイプで、俺はその外見に目を奪われているだけの凡庸な学生でしかない。
ふと、紗良が小さく身体を動かした。睡魔に負けて無防備を晒す姿は、普段のクールなイメージとまるで違う。眠っている間だけは、あの鋭い眼差しを感じないで済む。授業中、教授の質問にすらすらと答える彼女の姿はいつも輝いて見えたし、その分、俺のような者には冷たかった。
机の向こうで彼女が浅い息をつく。どうやら心地良い眠りではなさそうだ。資料の中に埋もれたノートでは、ぎっしりと文字が詰まっている。誰もいないゼミ室で、二人だけの時間が流れているという非現実感。もし今彼女が目を覚ましても、おそらく俺に気づくことすらないだろう。いつだって彼女は俺をまともに見ない。グループディスカッションでも、俺の発言を遮ることさえある。
「…ん…」
紗良が寝言らしき声を漏らした。俺は反射的に身を固くするが、彼女はすぐにまた深い呼吸に戻る。この距離感がたまらなく奇妙だ。教室では話すことさえ叶わない人間が、今はほんの数メートル先でこんなにも脆い姿を見せている。抱きしめられる距離でありながら、越えてはならない境界線がそこにある。
最上位と最下層に位置する二人が、なぜか同じ部屋で息をしている。レポートの採点やディスカッションでの発言内容、すべてにおいて紗良は輝き、俺は凡庸だった。
大学のゼミ室は、静まり返っていた。俺は自分のレポートを書くため、資料をペラペラめくっていた。中世の奴隷制度についてのページだ。貴族が平民や戦争捕虜を所有し、好き勝手に使っていた時代の話。ふと、考える。
「今でも……いい奴隷がいたらなあ」
机の向こうには、紗良が眠っている。金髪が机の上に広がり、白いセーターの下にはしっかりと膨らんだ胸の形が浮かんでいる。使用人として扱われていた時代、こういう美人も貴族の手に渡ったりしたんだろうか。科学は進化しても、女性の美しさは変わらない。今も昔も男の欲望は同じだ。
ふと、口が動く。つぶやいてしまう。
「……紗良さんが、奴隷だったらいいのにな」
それが、引き金になったのか?
「──ひっ!?」
突然、耳をつんざくような小高い悲鳴がゼミ室に響いた。俺は凍りつく。しまった、聞かれたか? 急いで紗良の方を見やると──
違った。彼女は俺を見ていない。
ギクリ、と音がする。紗良の体がぶるりと震え、腕が机にぶつかる。彼女の表情は一瞬で歪み、目が大きく見開かれた。ゼミ室の明るさとは裏腹に、瞳孔が小さく縮んでいく。まるで急に怖い夢でも見たみたいだ。
「──っ」
息が荒くなっている。手が膝の上で握りしめられ、首筋がこわばっている。こんなの、初めて見た。普通の寝ぼけじゃない。何かがおかしい。
「三、三島さん……?」
俺が声をかけると、紗良の首がぎくしゃく動いた。ゆっくりと顔が上がる──が、視線は空を切っている。焦点が合っていない。
何だ、コレ……?
ビクッ! 突然、また体が跳ねるような痙攣。金色の髪が揺れる。痙攣が続き、机に手をついてようやく体を支えている。まるで体の中で何かが暴れているみたいだ。
「あっ……あ……」
声が出ない。焦っている。虚ろな目で呼吸だけが荒く、歯がカチカチ鳴っている。見ているだけで怖くなる。冷汗が首筋を伝ってセーターの襟元まで染みている。
……これは、尋常じゃない。
俺は一瞬、立ち上がりかける。助けを呼ぶべきか? でも、何が起こってるのかさえわからない。そんな時──
紗良の体が、がくんと動き、ぶるぶると震え始める。まるで底なし沼に引きずり込まれるみたいに、首ががくがく震えて、前のめりになる……。
このまま倒れる……?
「……大丈夫か!?」
慌てて声をかけるけど、反応はない。彼女はただ、震えて、何か見えないものに襲われているみたいだ。
ゼミ室の薄暗がりの中で、俺は信じられないものを見た。目の前で痙攣を続ける紗良の姿が、まるで二重映しのように見えるのだ。
びりびりと電気が走るような感覚が頭をかすめる。現実の紗良の上に、もう一人の紗良の輪郭が…いや、違う。それは「紗良」ではない。
暗い空間に浮かび上がるのは、無数の光の糸だった。
細く、青白く澱んだ光。蜘蛛の巣のように張り巡らされ、確かに俺の胸元から伸びている。指先で触れれば崩れそうなほど儚い線なのに、なぜかしっかりと紗良の──あの胸の辺りに浮かぶ小さな光の玉に絡みついていた。
「…なんだこれ…」
俺は声にならない声を漏らす。糸は嫌らしく蠢きながら、その玉の中に侵食していく。ズブズブ、と。まるでスポンジに水が染み込むみたいに、光の玉が汚れていく。その過程が、どういうわけか、手に取るように分かる。
(──あ、俺の、ものに…なってる…?)
途端、背筋に寒気が走った。
突然、二つの視界が頭の中に飛び込んできたのだ。一つはもちろん、ゼミ室で震える紗良を見下ろす自分の目。そしてもう一つは…
(…暗い。頭が…重い…)
紗良の視界だ。
ぼんやりとした意識の中で、紗良が見ている世界が垣間見える。机の木目。俺の貧相なスニーカー。眩しい蛍光灯。全部同時に感じて、気持ち悪くなった。でも、手が止まらない。糸はまだ動いている。光の玉を支配する毎に、紗良の中身が…変わっていく。絞られるように小さくなり、俺の色に染まっていく過程が、鮮明すぎる。
「あ…」
紗良の唇から、泡みたいな息が漏れる。無意識に彼女の手首を見ると、脈が尋常じゃない速さで打っている。痙攣は続く。その体はもはや本人のものではないみたいに、不自然な角度で捻れ、目玉だけが大きく見開かれたまま、虚空を見つめている。
(やべえ…なんかおかしい…やめなきゃ…)
頭ではそう思うんだけど、何をすればいいのか分からない。俺はただ、糸がもっと深く、深く、紗良の中に入っていくのを感じていた
ゼミ室の空気が重くなる。紗良の体が、まるで電流が走っているように不自然に震えている。普段はきりっとした顔立ちの彼女の表情が、今はぐちゃぐちゃに崩れていた。
唇が震え、よだれが糸を引いている。長いまつ毛がヒクヒクと痙攣し、目だけが虚ろに大きく見開かれたまま。金色の髪が汗で濡れ、頬にへばりついている。
「あぅ……ら、めぇ……」
突然、口が動いた。けど、それは紗良の声じゃない。いつもの明晰で冷静なトーンとは全く違う、だだ漏れの甘ったるい声だ。
俺は思わず後ずさる。膝がガクガクしているのに気づく。なんだこれ。なんで紗良さんが、こんな……。
「わたし……これ……すき……」
紗良の腕がビクンと跳ねる。首が不自然に傾き、まだ焦点の合わない目が俺を探す。ゼミでいつも教授の質問にぴしっと答えるあの口から、信じられない言葉が続く。
「ごしゅ……じんさまの……もの……」
まるで言葉そのものが、紗良の中に押し込められているみたいだ。ひとつひとつの音節が苦しそうに、でも嬉しそうにこぼれ落ちる。彼女の指先がスカートの裾をギュッと掴み、白い膝が擦れ合う。
……どういうことだ?
俺は自分の手のひらを見下ろす。何かをした覚えはない。ただ、「奴隷になってくれないかな」と呟いただけだ。それだけで、あの高嶺の花の紗良さんが……。
「あっ……ん……」
また変な声。紗良の喉が小刻みに震え、首筋の血管が浮き出ている。目が完全に上を向いて、白目の部分が見える。気を失いそうになりながらも、唇だけが必死に動いている。自分の世界に引きずり込まれたように、変な言葉を吐き続けている。
「……やばい、おかしい……どうすれば……」
俺はつぶやく。助けを呼ぼうか。でも、どう説明する? 目の前で何が起こっているのか、俺にもさっぱりわからないのだ。ただ一つだけ確かなのは、この異常事態の原因が俺にあるらしいということ。
「や……めて……」
それは拒絶とは全く違う響きだ。むしろ、嬉しくて仕方ない子供が駄々をこねるような、甘えた声だった。紗良の片手が自分の胸元に触れ、セーターの襟をぐしゃぐしゃに掴む。きっと全身が変な感覚に襲われているんだろう。でも、俺には何もしてやれない。
窓の外から学生たちの笑い声が聞こえてくる。まともな世界の音だ。それに引き換え、このゼミ室の中は……。
「三島さん、大丈夫!?」
声をかけると、紗良の顔がふらっとこちらの方へ向く。目はまだ上を向き気味で、焦点が合っていない。でも口角はゆるみ、どこか幸福そうだ。
「……ご、主人……さま……」
身体を預けるように、ふわりと前に倒れかかる。俺は咄嗟に身を引いて、机に掴まらせる。
「おい、おい……まじでやばいだろこれ……」
俺は、ゾッとした。自分の知らないうちに、紗良の中であれが進んでいる。何かが、彼女を、俺の……。
ゼミ室の中が急に静まり返った。…いや、正確には、紗良の変な喘ぎ声がやんだから静かに感じるだけだ。
「……プツン」
耳の奥で、そんな音がした気がした。あたかも、どこかで糸が切れたような。ワン切り捨てられたような。
その瞬間から、なにかが明らかにおかしい。
「……ごしゅじんさま♡」
俺は目を疑った。今まで机に突っ伏していた紗良が、ふわっと立ち上がると、猫のような仕草で体をくねらせながら近づいてくるんだ。金色の髪がやっと少し落ち着いたのか、汗で濡れた先がくっついていた。
「え、ちょ、三島さん……?」
「はぁ……♥ そんなによそよそしいんですか……?」
今までの紗良なら絶対にしないような、べたべたした甘い声。それどころか、元の紗良なら俺に向けるはずのない、完全な「メスの目」で見てくる。瞳はうっとりと潤み、まつげがびっしょり濡れている。唇が弛緩して、ちょっと開いたまま。
俺は思わず後ずさった。…でも机に阻まれて、逃げ場がない。紗良の柔らかい体が、ゆっくりと俺の方に寄りかかってくる。セーター越しに伝わってくる体温、甘ったるいシャンプーの匂い。心底混乱しながらも、男だもの、ドキッとしてしまう。
「ちょ、何してんすか!?」
「うふふ……どうしたんですかって……ごしゅじんさまにすぐにお仕えするのが、しもべのわたしの役目ですよ……♥」
もう、分類不能だ。いつもの知的で冷たい紗良の面影はどこにもない。ゆっくりと膝をついて、俺の足元にしゃがみ込む紗良。スカートからはみ出した太ももの肉がキラリと光る。
「ご命令、なんでもしてください……お願いします……」
最高学府のエリートだったはずの唇から、そんなバカげた言葉がすんなり出てくる。目は完全にトロンとして、頬を赤く染めている。今まで紗良が持っていた理性やプライドの痕跡は、姿を消してしまったようだ。
「は? いや、おかしいだろ……お前……」
「はい、わたしおかしいです。ごしゅじんさまのものになったら、頭がおかしくなっちゃいました……♥」
意味がわからない。たった今まで"ご主人様"呼ばわりしていたのに、こっちが混乱すると、逆に楽しそうに微笑んでいる。どうやら彼女の思考回路は、俺の常識とはかけ離れた様相を示しているらしい。それどころか――
「あ、あの、質問させて……」
「なんでしょう? ご主人さま。わたしなんでもお答えします……♡」
なんじゃそりゃ。明らかに言葉遣いにまで異常が出ている。敬語っぽいけど、明らかに頭の悪い女の子のそれだ。IQが30は落ちたんじゃないか?
「いや…いやいや、何が何だか。わからん。お前大丈夫か? 病院行ったほうが――」
「もう、ご主人さまの心配ばかりして……♥ 大丈夫ですよ、わたしと〜っても気持ちいいですから……」
紗良は自分の胸に手を当て、恍惚とした表情でそう言う。目を細め、ちょうどいい感じに顔を傾けている。これはもう完全に別人だ。いや、もっと正確に言えば――「元の紗良」がどこかに消えてしまったみたいにすら見える。
俺は狼狽しながら周囲を見回した。教室の扉は閉まっている。北側の窓に誰かの影もない。もし今誰かが入ってきたら、どう説明すればいいんだ? 「えーと、この女子大生が突然僕を『ご主人様』って呼び出して」
……意味わからん。
「ご主人さま、どこ見てらっしゃるんですか〜? わたしこっちですよ〜♡」
金髪をくねらせ、腰を左右に振りながら、紗良が生意気に(?)微笑む。首を傾げた時の愛らしさは確かに本物なんだが、あまりにも不自然すぎる。
「…まず、ちょ、ちょっと落ち着けって」
「はい、ご主人様! 落ち着きます! どうやって落ち着けばいいですか?」
もはや会話が成立しない。疑問は山積みだ。なぜこうなった? どうすればいい? こいつ元に戻るのか? ……そして一番怖いのは、「俺が何か仕掛けた」のではないか、という疑念が、どうしても頭から離れないことだ。
「ボーっとしてちゃダメですよ、ご主人さま♡ あたし、なんでもするって言ってるんですから…」
その瞬間、紗良は俺の膝に手を置いた。あまりにも自然に、親密に。普通では考えられない状況なのに、こいつの態度はあまりにもしっくりきすぎている。こいつは「新しい自分」にすっかり順応しているかのようにだ。
これは…一体、何が起きたんだ?
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