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プールから上がったあと、ロッカールームのシャワールームで、私たちは隣り合って並んでいた。

「……ふぅ。楽しかったね、アルトリア」

そう言って横を見ると、彼女は濡れた金髪を後ろで束ねて、静かに目を閉じていた。肌には水滴がつたって、日差しの残滓のように煌めいている。

「ええ。……ですが、少し名残惜しくもあります」

さらりとした声。けれどその言葉以上に、彼女のうなじから肩へと落ちる水滴の動きが、私の視線を捉えて離さなかった。

(……首筋、綺麗だな)

無意識だった。手を伸ばすでもなく、声をかけるでもなく、私はそっとアルトリアの背後に寄り添って、彼女のうなじへ顔を近づけた。

そして──ぺろ、と。

舌が彼女の首筋をゆっくりと這った。

「……っ!?」

彼女の体がピクリと跳ねる。肩が震えて、私のほうを振り向いたその頬は、熱に染まっていた。

「い、いきなり……何を……」

「ご、ごめん。あんまり綺麗だったから、つい……」

謝りながらも、頬がゆるんでしまう。だって、アルトリアの反応があまりにも可愛くて。

「だめ……だった?」

「……驚いただけです」

ちょっと目をそらす彼女が、なんとも言えず愛おしい。私は調子に乗って、もう一度、今度はゆっくりと、彼女のうなじから耳の下へ舌を這わせる。

「ん……っ」

甘い吐息。濡れた肌の温度が一段と上がる気がした。

「……っ」

低く、どこか予感めいた声。だけど私は止まらない。だって、彼女があまりに可愛くて、もっともっと味わいたくなってしまうから。

「やめなさい」

今度は逆だった。

気づいたときには、私の身体が壁に軽く押しつけられ、アルトリアの手が私の腰に回っていた。

「お返しです」

そう言った瞬間──首筋に、熱い舌先が触れた。

「ひゃ……っ!? ちょっ、アルトリア……!」

今度は私がビクッと震える番だった。ひんやりした空気の中、アルトリアの舌が、私の肌をなぞるたびに甘く震える。

「ん……あっ、だ、め……変な声出ちゃう……」

くすくすと笑う気配を感じた。アルトリアが私の首に顔を埋めたまま、意地悪く、でも愛しげに囁く。

「まったく……こちらは、貴女とプールにいるときから我慢していたというのに」

その言葉に、胸が跳ねた。

「貴女が、肌を晒して笑うたびに……私はどれだけ自制していたか、分かっていない」

「そ、そんなこと言われたら……」

「ふふ……」

濡れた身体をぴたりと寄せ、耳元に柔らかく吹き込むように囁く。

「……もう、早く帰りましょう。帰ったあとは……責任をとっていただきます」

そして、そっと私の唇にキスが落ちる。

甘く、濡れたままの肌が重なり、心臓の鼓動が重なるような感覚。

逃げられない。逃げたくなんか、ない。

今夜もきっと、私たちは──。

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