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「こんにちは、おばあさん」

赤ずきんは元気な声であいさつするも、反応はありません。

それでも赤ずきんは笑顔のまま、ベッドに近づいていきました。

(あれ……おばあさんの様子、ちょっと変……?)

しかし、病気のせいだろうと自分を納得させ、赤ずきんは思い切って話しかけました。

「おばあさん、おばあさんの耳は、ずいぶんと大きいねえ」

すると、布団の中から声が返ってきました。

「ああ。お前のいうことが、よく聞こえるようにな」

「それに、目が大きくて光ってる……金色だったっけ?」

「こわがることはない。かわいいお前を、よく見るためだから」

「それに……おばあさんの手、こんな白かったっけ?」

「気にするな。最近、焼くのはよくないと聞いたから、焼かないようにしているだけだ」

そう答えるその声は、どこかくぐもりつつも、艶めいていて……まるで“獣”のようでもありました。

「それから……なんといっても、魔力量が足りないというか……カツカツだと辛いよね?」

「……そうだな。すでにカツカツだ。だからお前を──」

「お前を?」

赤ずきんの声をタイミングに、オオカミは毛布をがばりと跳ねのけ黒衣の姿を現しながら、その金の目をぎらりと光らせました。

「この場でいただくことにする」

そう告げたその瞬間、鋭い手が赤ずきんの肩に伸び、彼女をベッドの上へ押し倒します。

鼻先が触れ合いそうな距離。真っ赤なずきんがずるりと脱げかけて、オオカミの白い手がその衣服に触れ──

「ま、まままって!? おばあさんは!?」

叫ぶ赤ずきんに、オオカミはあくまで平然と、口角をわずかに吊り上げて答えました。

「食ってやった。だが、あんな量では足りん。

貴様の身体や魔力ごと取り込めば……まさに極上の晩餐だろう?」

白い指先が胸元に滑り込みかけたその時。

「ストップストップ!!!」

と赤ずきんは叫びながら、オオカミの顔に手を当てて距離を取ろうとします。

その瞳には恐れ……よりも、戸惑いと、少しの“思いつき”が浮かんでいました。

「……なんだ。遺言くらいは、おまえを犯す前に聞いてやらんでもない」

そう言いながらも、オオカミは再び身をかがめ──

「……供給するなら、こんな一時的にじゃなくて……ずっとがよくないかな……?」

その一言に、オオカミの動きが止まりました。

金色の瞳が、ほんのわずか揺れる。

「……なんだと?」

「ね、私に良い方法があるから……騙されたと思って、ね?」

赤ずきんは静かに、だけどどこか愛しげに、オオカミの頬を指先でなぞるように撫でながら言いました。

──交渉は、決裂した。

柔らかな声の裏にある賢さも、潤んだ瞳の中に潜んだ思慮も──

獣には、通じなかった。

「……戯れ言を」

呟くように吐き捨てられた声は、どこか愉しげで。

その金の目が細められたとき、空気が冷たく震えた。

赤ずきんの喉が、きゅうと縮こまる。

けれど、声は出なかった。

黒衣の影が押し寄せる。

逃げる暇などない。

床が軋む音と同時に、肩を押さえつけられ、背がベッドへ沈む。

「な、なんで……!」

声をあげるも、オオカミの口元が近づいた瞬間、息が止まった。

白く整った牙が、静かに、けれど容赦なく──首筋に食い込む。

「──っひ……あぁあ……!」

鮮やかな衝撃。

鋭く、深く。けれど、不思議なことに痛みよりも、痺れるような熱が駆け抜けた。

「よし……美しい痕がついたな。これでようやく、お前は“私のもの”になった」

囁かれた声が、耳の奥にぬるく流れ込む。

傷口に舌が這い、唾液が絡むたび、背筋が震えた。

赤ずきんは震える手で、首に触れる。

血はほとんど出ていない。ただ、牙の形そのままの歯型が、赤く腫れていた。

「……ひど……い……」

そう呟いた声に、オオカミはわずかに眉を上げ、嗤う。

「ひどいか?むしろ優しいだろう。……こうして、まだ服の上から抱いているのだから」

その言葉にぞくりとした。

白い指が、服の上からそっと胸元をなぞる。爪ではなく、掌の温度で。

ただ撫でられているだけなのに、布越しの感覚が、まるで焼きごてのように熱かった。

「や、やめて……!」

手を伸ばして拒もうとするが、すぐに手首を掴まれ、枕元に押さえつけられる。

「可愛いな。そうやって、恐れと戸惑いを混ぜた目で私を見る……」

低く、艶を含んだ声。

「お前の魔力が甘いのは、こうして“媚び”を知らないからだ」

その言葉の意味を、すぐには理解できなかった。

だが──彼女がゆっくりと手をずらし、太ももに触れたとき。

その意図が、ようやくわかってしまった。

「ちがっ……! やだ、そんなのっ……!」

声を上げると、彼女はわずかに笑った。

その笑みは、猛獣のそれではなかった。

むしろ、恋人のように優しくて、深くて──だからこそ、恐ろしかった。

「魔力を供給するなら、より深く、より甘く……

そのために必要な“熱”を、教えてやろう。“赤ずきん”」

そう呼ばれた瞬間、心の奥がざわめいた。

その名にこめられた感情が、獣の飢えだけではないことを、直感してしまったから。

「私の牙が怖いなら……舌で、蕩かしてやる」

そう言った瞬間、唇が再び首筋に触れ、

優しく──けれど支配的に、肌の上を這っていった。

その熱が、やがて胸元に辿り着いたとき。

赤ずきんは──わずかに、声を殺した。

震える視線の先で、オオカミは静かに赤ずきんの衣服を剥いでいく。

まるで儀式のように丁寧で、それが逆に心を追い詰めた。

「っ、や……っ……お願い、やめ……っ」

「……そう言って震えている割に、ここは──もう反応しているじゃないか」

胸に指先が触れた。直接、中心をなぞるように。

瞬間、ぴくんと身体が跳ね、声が漏れた。

「ん……っ……っ……!」

羞恥と快楽がないまぜになり、顔が熱くなる。

「…泣きそうな顔だ。

これからもっと、泣かせるつもりなのに──」

そう言って彼女が、唇を、布越しの乳首へと落とした。

ちゅっ……。

柔らかな吸引と、舌先のくすぐり。

たったそれだけで、赤ずきんの指先から力が抜けていく。

「どうした、“赤ずきん”。声を出すのは上手だったはずだが……?」

「……っ、やっ……あ……あんっ……!」

布を押し上げるように舌が蠢き、乳首を探る。

その上から、指がもう片方をきゅっと摘まむ。

左右から責められた瞬間、全身がきゅうっと震え、腰が浮いた。

「……もう感じてしまったのか?

まだ“入口”すら、触れていないというのに……」

濡れた声で囁かれるたび、身体が勝手に反応してしまう。

嫌悪や恐怖ではない、もっとずっと、どうしようもない──

「や……やだ、わたし……へん……なっ……」

「それでいい。“おかしく”なればなるほど、魔力の質は上がるのだから」

ふと、オオカミの指先が腰のラインをなぞった。

触れていない。けれど、次にどこを狙われるか──想像できてしまう距離。

このまま喰われる。

身体ごと、魔力ごと。

でも、ただ貪られるだけじゃない。

熱を、与えられて。

甘さに、溺れて。

──その先に、何があるのか。

怖い。でも、知りたい。

赤ずきんのまつげが震え、唇が熱を帯びて開かれる。

その視線の奥にある、混濁した光を見たオオカミは。

「ふふ……いい目をするようになった」

満足げに微笑みながら、さらに深く、その影を染めていった。

──夜は、まだはじまったばかりだった。

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Comments

Agustín

I can't decide who I want to eat first 😝

秋桜

You better start with dessert… and we’re both on the menu 😏