【夢主×アルトリア】貴女が望むなら──私はサンタにもなりましょう① (Patreon)
Published:
2025-12-11 09:23:40
Edited:
2026-07-02 06:50:28
Imported:
2026-09
Content
ツリーの灯りだけが揺れる静かな部屋で、
私は貴女と向かい合って座っていた。
「アルトリア、お願いがあるの」
その声音を聞いた瞬間、胸に小さな波紋が走る。
どうして私は、貴女の“お願いする声”にだけ、こんなにも弱いのだろう。
「……なんでしょう?」
そう返した私へ、貴女は少し目をそらすようにしながら言った。
「サンタさんの服、着てほしいなって……」
——っ。
胸の奥が跳ねるのを、私はどうしても隠しきれなかった。
ああ、まただ。また貴女は、そんな……その……
私にどう反応しろというのですか。
「…………はぁ」
ため息をついたのは、気を落ち着けるための“時間稼ぎ”に過ぎなかった。
「仕方ありません。貴女の願いだから聞くのですよ?」
本当は嬉しいくせに——
どうして素直になれないのか、我ながら腹立たしい。
着替えを終えて戻ると、
貴女は私を見るなり、言葉を失ったように目を見開いた。
赤いボレロは肩からわずかに落ち、
胸元の白いファーが肌を縁取るたび、熱がひどくなる。
視線を向けられるだけで、からだが熱を帯びていく。
「……あまり、見ないでください……恥ずかしいのです……」
そう言ったのは本心だ。
だがその時の貴女の目が、私の意識を一瞬でさらっていった。
あの優しいのに、
“欲しいものに手を伸ばす人”の目だ。
私が……いちばん弱い目。
「アルトリア」
名前を呼ばれた途端、
呼吸が浅くなる。
ああ……また。
またその声だ……。
「……ユミ、その声は……ずるいです……」
逃げようとした視線を、
貴女の指がそっとすくって頬に触れた。
触れられただけで、膝がほどけそうになる。
なにかが、もう保てなくなりそうで。
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