【リクエスト:ルヴィア⇔凛】双璧の熱、反転する主従 〜傲慢な令嬢と不機嫌なメイド〜【簡易版】 (Patreon)
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ロンドンの空を分厚い雨雲が覆う午後。エーデルフェルト邸の最上階に位置する、目も眩むほどに絢爛豪華なルヴィアの寝室では、二人の名門魔術師による、プライドと意地を全霊でぶつけ合った勝負の「結末」が、この上なく不条理な形となって完結していた。
時計塔の難解な魔術演習の成果を巡る、他愛のない、けれど互いの威信をかけた賭け。それに一歩及ばず無惨にも敗北した遠坂凛は、自身のあまりの不覚さと屈辱により、耳の裏まで真っ赤に染め上げてベッドの傍らに立ち尽くしていた。
彼女が無理やり着替えさせられたのは、ルヴィアがこの日のために時計塔の御用達職人に特注で誂えさせたという、最高級のシルクとフリルがふんだんにあしらわれた純白と漆黒のフレンチメイド服だった。
頭には精緻な刺繍の施されたヘッドドレス、首元にはきつく締められた黒いリボン。そして、短すぎるプリーツスカートの裾からは、ガーターベルトによって締め付けられた凛の滑らかな絶対領域が、容赦なく室内の明かりの下に晒されている。
「おーほっほっほ! 想像以上、いえ、期待を遥かに超えてお似合いですわよ、ミス・遠坂! やはり、極東の地で泥泥とした魔術を嗜んできた没落貴族には、こうして誰かに傅き、奉仕するための衣装こそが、その身の丈に最も合っているということですわね?」
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトは、勝利の果実をこれ以上ないほど貪欲に味わうように、いつものように見事な縦ロールの金髪を誇らしげに揺らし、勝ち誇った余裕の笑みを浮かべていた。彼女はゆっくりと、まるで自らの領地を検分する女王のような足取りで凛の前へと歩み寄ると、白いレースのグローブを嵌めた指先で、凛の尖った顎をクイと強引に持ち上げた。
強制的に視線を上へと向けさせられ、ルヴィアのサディスティックな青い瞳に見下ろされた凛は、悔しさに奥歯をギリ……と噛み締める。そのサファイアのような瞳は、怒りと恥じらいで激しく潤んでいた。
「な、なによ……! 賭けは賭けだから、約束通りこのふざけた格好をしてあげたでしょ!? 用件が済んだならさっさと脱がせなさいよ! これ以上そのニヤついたツラで私を見下ろしたら、罰ゲームの規約を破ってでも、あんたのその忌々しい縦ロールをガンドの乱射で根元から消し飛ばしてあげるんだからね!」
「あら、ご立派な吠え面ですこと。ですが、今の貴女は私に敗北し、この部屋の主従関係に従うべき哀れなメイド。主人に向かってそのような不遜な口を叩く不届きな駒には……ええ、我がエーデルフェルトの名にかけて、身体の芯から徹底的な『教育』を施して差し上げなくてはなりませんわ!」
「んあぁっ……! ぁ、あ……っ、どこ、触って……あんた、本当に、いい度胸じゃ、ない……っ!」
「おーほほ! 口ではいくらでも威勢の良いことが言えますけれど、身体は随分と正直ではありませんこと? ほら、耳元まで真っ赤になって、呼吸がこんなに荒くなっていますわよ?」
「調子に、乗るのも……大概に、しなさいって、言ったでしょ――ッ!」
「きゃっ!? な、何をするのですわ――!?」
凛は残された魔術回路の全出力をその華奢な肢体に巡らせ、背後から自分を抱いていたルヴィアの手首を強引につかみ取った。そして、修練を積んだ中国拳法の体捌きを応用し、ルヴィアの重心を奪ってそのままベッドの上へと力任せに押し倒したのだ。
体勢は一瞬にして、完全に逆転する。
今度は、半裸のメイド服を大きく乱し、胸を半分以上はだけさせた凛が、ベッドの上で呆然とするルヴィアの身体の上に馬乗りになった。
ベッドに押し付けられたルヴィアの視点から見上げそこに見下ろす凛の姿は、乱れた黒髪を従え、屈辱を最高の支配欲へと昇華させた「絶対的な強者」の風格を纏っていた。
「はぁ、はぁ……。散々いい気になってやってくれたじゃない、ルヴィア。あんたのその、いっつも余裕ぶってる大金持ちの澄ましたツラ、今度は私がドロドロのグズグズに溶かしてあげるわ!」
「な、何を言ってい……嘘、ドレスを……っ、ひゃうんっ!?」
高級なベッドの上。
二人は完全に一糸まとわぬ姿のまま、お互いに背中を向けて、ベッドの左右の端へと完全に離れて寝転んでいた。
引き裂かれたドレスと無惨なメイド服は床に散らばり、肌にはまだ、事後の生々しい白濁の熱と光沢が残っている。
ルヴィアは最高級のシルクの掛け布団を胸元まで強く引き上げ、真っ赤になった顔を隠すようにしてふてくされていた。一方の凛も、ツインテールを乱したまま、枕に顔を押し付けてフイと視線を逸らし、自らの身体に残る余韻に震えている。
先ほどまであれほど激しく、お互いのすべてを貪り合い、声を枯らして鳴き合っていたというのに、我に返った瞬間に押し寄せてきた羞恥心と、ライバルとしての譲れないプライドが、二人に素直な言葉を交わすことを許さない。
寝室を包む気まずい沈黙の後、ルヴィアがベッドの端で、小さく肩を震わせながら不満げに呟いた。
「……ふん。メイドの分際で、主人に向かって随分と乱暴で、はしたない仕打ちをしてくれましたわね。これだから極東の魔術師は野蛮ですのよ。次の賭けでは、絶対に地の果てまで叩き潰して、容赦いたしませんわ」
それを聞いた凛も、自身の頬の赤みをさらに増し、布団をぎゅっと握り締めながら、負けじとフンと鼻先で笑う。
「ふん。そっちこそ、あれだけ大きな口を叩いておいて、最後は私の指先一つで泣き叫んで、だらしなく涎まで垂らしてたくせに。……次もその次も、あんたのその高慢なツラを、私の手で何度でも泣かせてあげるんだからね」
fin
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