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夏の刺すような日差しも、波の静かなさざめきも、今はすべてが遠く感じられた。

見渡す限りの白い砂浜と、どこまでも透き通る青い海。ここはシミュレーター内に作り出された、私たち二人だけのプライベートビーチだ。誰も立ち入ることの許されないこの特権的な空間で、私は今、極度に緊張しながら目の前の美しい人にひざまずいていた。

「……何を呆けているのです。早く塗りなさい、我が妻」

ビーチチェアに腰掛ける女王モルガンが、少しだけ不満げに、けれど口元には微かな笑みを浮かべて私を見下ろしている。

彼女が身に纏っているのは王家の気高さを思わせる黒を基調とした豪奢なビキニだ。紫のアクセントと細やかな金の装飾が施されたその水着は、彼女の透き通るような白い肌をこれ以上ないほどに引き立てている。長い銀糸の髪は潮風にふわりと揺れ、アメジストのような紫の瞳が私を射抜いていた。

「ご、ごめん。あまりにも綺麗で見とれちゃって……」

「ふふ、良い心がけです。ですが、このままでは私の肌が太陽に焼かれてしまいますよ。貴女のその手で、隅々まで守護しなさい」

女王からの、甘く、そして絶対の命令。

私はごくりと喉を鳴らし、手元にあった日焼け止めオイルのボトルを傾けた。手のひらにとろりとこぼれ落ちた透明なオイルは、南国特有の甘い花のような香りを漂わせている。両手でこすり合わせて少しだけ温めると、私は意を決して彼女の身体へと手を伸ばした。

第一の奉仕:肩、鎖骨、そして胸元へ

「……冷たくない?」

「ええ。貴女のその柔らかい手の温度、悪くありません」

まずは丸みを帯びた華奢な肩口から。私の両手がモルガンの白い肌に触れた瞬間、彼女の体温がダイレクトに伝わってきた。すべるようにオイルを伸ばしていくと、マットだった白磁の肌に、艶やかな光の膜が張られていく。

肩から首筋にかけて撫で上げ、そのまま親指の腹で美しい鎖骨のくぼみをなぞった。

「ん……っ」

かすかな吐息がモルガンの唇から漏れる。

オイルの滑らかさに任せて、私の指先は鎖骨から徐々に下へ、胸元の上部へと滑り落ちていく。黒いビキニのカップに収まりきらずに零れかけている柔らかな双丘の、そのすぐ上の薄い肌。

指先がその豊かな膨らみの境界線をなぞるたび、モルガンの胸が微かに上下し、彼女の紫の瞳が熱を帯びてとろんと潤んでいくのがわかった。

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