【セイバーオルタ➞夢主】ふすま越しの背徳 〜声を殺した熱帯夜〜① (Patreon)
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👘 途中で浴衣の柄や髪型が変わるのはご愛顧です(⁉️)続きを制作できていないシリーズのため、順に制作いたします🙇♀️
縁側から吹き込む微かな夜風が、チリン、と涼しげな風鈴の音を鳴らした。
かつてあの男――衛宮切嗣が拠点としていたこの古風な日本家屋は、無駄に広く、そして夜になれば特有の静寂を孕むはずの場所だ。古びた木材と畳の匂い、そして廊下の隅で焚かれている蚊取り線香の微かな煙の香りが、煩わしい日本の夏というものを私に強く意識させる。
我々にあてがわれたこの部屋には、すでに薄い夏布団が二つ、行儀よく並べて敷かれていた。
しかし、本来であれば風情あるはずのこの静寂は、今夜に限っては無残に打ち砕かれている。
「ちょっと! 大河、それずるいわよ!」
「残念でした〜!イリヤちゃんは潔く負けを認めなさい!」
「イリヤさん、藤村先生、夜も遅いのですからもう少し声のトーンを……」
「無駄よ桜。この2人がこうなりだしたら止まらないんだから」
ふすま一枚を隔てた隣室からは、ひどく喧しい嬌声や笑い声が絶え間なく響いてきている。遠坂、間桐の小娘、アインツベルンのホムンクルス、それにあの騒がしい教師。
まったく、頭が痛くなるほどの騒々しさだ。
私が畳の上で冷めた茶をすすりながら静かに苛立っていると、廊下を歩く控えめな足音が近づき、すっと障子が開いた。
「ただいま。……ごめんね、長風呂しちゃって」
湯上がりの熱気をふわりと纏い、ユミが部屋へと戻ってきた。
紺地に朝顔が描かれた涼しげな浴衣姿。きちんと結い上げられていたはずの黒髪は、今は湿気を帯びて艶やかに首筋へと垂れ下がっている。石鹸の清潔な香りと、彼女自身の甘い匂いが混ざり合い、部屋の空気が一瞬にして塗り替えられた。
「ふふ。隣、すごい盛り上がってるね。みんな元気だなぁ」
ユミは少し困ったように、けれど微かに楽しげな笑みを浮かべ、私の隣へと腰を下ろす。
私は手にしていた湯呑みを畳に置き、冷ややかな視線をふすまへと向けた。
「まったく。騒がしいにもほどがあります。羽目を外しすぎだ。ここをどこだと思っているのか……他人の家にあのように緊張感のない姿を晒すなど、魔術師としても人間としても三流ですね」
「まあまあ。お盆のお休みなんだし、今日くらいは大目に見てあげようよ。せっかくのお泊まり会なんだから」
私を宥めるように、ユミがふわりと微笑みかけてくる。
その無防備な顔。湯上がり特有の、薄紅色に火照った滑らかな頬。浴衣の襟元から覗く、華奢で白い鎖骨のライン。
隣室の喧騒などどうでもよくなるほど、私の視線は彼女のその姿に強く惹きつけられていた。
「……大目に見る、ですか。貴女は本当に、甘い人だ」
私は低く呟き、彼女の細い手首を不意に掴んだ。
「えっ……? アルトリア……?」
きょとんとするユミの腕を引き、私はそのまま彼女の身体を、敷かれたばかりの薄い夏布団の上へと引き倒した。
「わっ……!? ちょ、ちょっと、どうし……」
「静かに」
驚きの声を上げようとしたユミの唇を、私は自らの手でぴたりと覆う。
仰向けに倒れ込んだ彼女の上に馬乗りになり、逃げ場を塞ぐように両手でその細い身体を布団へと縫い付けた。
「……隣の馬鹿共の耳は、無駄に鋭いのです。これだけ騒いでいても、魔術師の端くれであることには変わりない。……貴女のその愛らしい声が、奴らに聞かれてもよいのですか?」
私の手で口を塞がれたまま、ユミは大きく瞳を見開いた。
至近距離で見下ろす私の黄金の瞳と、戸惑いに揺れる彼女の潤んだ瞳が交錯する。
隣室からは、相変わらず大げさな笑い声や、畳をドタドタと踏み鳴らす音が響いていた。壁一枚、いや、薄いふすま一枚隔てただけのすぐ向こう側に、彼女たちがいる。
その圧倒的な「近さ」が、ユミの羞恥心を異常なまでに煽っているのが手に取るようにわかる。
彼女の鼓動が早鐘を打ち、浴衣の胸元が激しく上下していた。
「んんっ……、ある、とりあ……っ」
私の指の隙間から、抗議とも懇願ともつかない、熱を帯びた吐息が漏れ出す。
私は口を覆っていた手をゆっくりと滑らせ、彼女の滑らかな頬から、汗ばんだ首筋へと這わせた。
「……まったく。あのように下品な騒ぎ方しかできない奴らとは違い、私たちはもっと静かに、そして有意義にこの夜を過ごすべきでしょう」
私は身を屈め、彼女の耳元へと顔を寄せる。
風鈴の音がチリン、と鳴った瞬間に合わせて、その柔らかい耳たぶを甘噛みした。
「ひゃうっ……!?」
ビクン、とユミの身体が夏布団の上で跳ねた。声を出すまいと、彼女は自らの手で口元を必死に押さえている。その健気で、かつ淫らな姿に、私の内にある昏い支配欲が心地よく満たされていくのを感じる。
「良い心がけです、ユミ。そうやって、朝まで私の前でだけ、声を殺して鳴き続けなさい」
私は彼女の浴衣の帯に手をかけ、ゆっくりと、しかし確実にそれを緩め始めた。
しゅるり、と帯が解け、布が擦れる微かな衣擦れの音が、隣室の騒音にかき消されていく。
誰にも気づかれない、私たちだけの絶対的な密室。
蚊取り線香の煙が揺らぐ薄暗い和室の中で、私は最愛の伴侶を、その奥底まで私という毒で染め上げるための、静かで熱い儀式を始めようとしていた。
帯が畳の上に音もなく滑り落ちると、合わせられていた浴衣の襟元が、まるで自ら開くようにして緩んだ。
その下から露わになったのは、湯上がりの熱を閉じ込めたままの、吸い付くような白い肌だ。
「……っ、アルトリア、まって……。みんな、すぐそこにいるのに……っ」
ユミは限界まで声を押し殺し、潤んだ瞳で私を真っ直ぐに見つめ返してくる。
恐怖ではない。それは紛れもない期待と、背徳感に震える情欲の色だ。
「ええ、いますね。ですが、それがどうしました? 貴女は今、私の下に組み敷かれている。奴らがどれほど騒ごうと、貴女のこの乱れた姿を見ることはできないし、貴女のこの熱を味わうこともできない」
私は冷たい指先で、彼女の浴衣を肩から滑り落とさせた。
露わになった柔らかな双丘が、微かな月明かりと、庭から差し込む街灯の光に照らされて艶やかに浮かび上がる。剣を握り続けてきた私の少し硬い指先が、その薄紅色の先端をそっと掠めると、彼女は堪えきれないように背中を反らせた。
「んっ……あぁ……っ」
「……声が漏れていますよ、ユミ。隣に聞かれたいのですか?」
私は意地悪く囁きながら、彼女の口を再び手で塞ぎ、その熱り立った胸元へと自身の唇を寄せた。
外では蝉の鳴き声が夜の静寂を彩り、隣室では相変わらず騒々しい笑い声が響いている。
そのすべての音から切り離されたように、この四畳半の空間だけが、逃げ場のない圧倒的な熱を帯びていく。
私は彼女が発する声なき甘い悲鳴を手のひらで感じながら、これから始まる長い夏の夜を、骨の髄まで味わい尽くすべく、彼女の柔肌へと深く牙を立てた。
~続~
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