百合カップル編② (Pixiv Fanbox)
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どうしたって逃げられない中、舞香さんの柔らかい唇が襲われる。
何度も何度もまるで一心不乱といった風に、肉食動物になす術なく食べられてしまう草食動物のような気分だった。
「由衣、好きよ。私だけの由衣……誰にも渡さない」
囁かれる甘い言葉の数々に脳みそまでもがとろけてしまいそうになる。
「まいかさん……んっ」
繰り返されるキスの中、ついに息継ぎも面倒になったのか。
唇を重ねたまま互いの肺の空気を吸い合って。
「ふぅ……ん……ふぅ……」
魂が混じり合うような錯覚に陥ってしまう。
これが、舞香さんと一つになるってこと──
「んぁ……!?」
舞香さんの脚が私の股ぐらに割り込んでくる。
「ひゃめ……っ」
つい口を離して声を上げるも、舌がビリビリと麻痺したように呂律が回らない。
ずっとキスに集中していて気づかなかった。いつの間にか身体中の神経が敏感になっていて、ちょっとしたことでも脳天を衝くような刺激が走り抜けてしまう。
「ま、舞香さん! ちょっとタンマ……むんっ」
また唇を奪われ。
「んうぅぅ……っ」
舞香さんの脚に何度も突かれて。
上からも下からも責め立てられて、私は快楽の海に溺れるしかなかった。
いくらもがいても逃げさせてくれない。二人を繋ぐ縄が切れない限り、私は舞香さんの欲望に呑まれるしかないんだ。
「フフ。由衣、感じてるの? 嬉しい……!」
水を含んだタオルをギュウウと絞られるように、私のいやらしい想いが滲み出ていく。
こんな行為を仕掛けてきたのは舞香さんの方なのに、まるで私の方が性欲にまみれているんだと突きつけられているような屈辱感。
「とことん気持ちよくさせてあげるわ。縄が解かれても足腰が立たなくなるくらい、たぁっぷりイジメてあげるわ」
見下すような舞香さんの意地悪な視線に私は……このままじゃイヤだと感じた。
舞香さんはいつも私をリードしてくれる。学校で一緒にいる時も、二人きりで遊びに行く時も、当たり前のように私の手を引っ張ってくれる。
私なんかのために尽くしてくれている……それは絶対に喜ばないといけないくらいありがたいことで、文句なんてつけようもない奇跡なんだ。
だけど一つだけ、ずっとイヤだと思っていたことがある。
私が喜ぶ姿を見せる度に、舞香さんが得意げな表情を浮かべるのがイヤ。まるで「与えてやってるんだ」と言わんばかりの高慢めいた笑みが、私のちっぽけなプライドを異様に傷をつける。
「……ゆ、由衣? どうしたの?」
舞香さんに比べれば私なんて背も小さいし、勉強は追いつけないし運動だって敵わない。私から舞香さんに送れるものなんて何も無いんだろう。そんなことは自分が一番分かっているつもりだった。
でも、私から何かを送られることなんて全く期待していないような態度をとられると……そんなことないって証明したくなる。
私だって。
「きゃっ……由衣!?」
私は舞香さんの上に覆い被さった。抵抗する舞香さんを脚で制して、強引に唇を奪う。
「ン……ッ!?」
たとえ体格差があろうと、こうやって縛られた状態でマウントを取ってしまえば舞香さんだって容易には抵抗できないはず。
今度は私が舞香さんをいじめる番だ。
「ん、ン~~~!!」
不満げな舞香さんの股を膝でグッと衝き上げる。
「んうっ、ウウゥッ!!」
すっかりいつもの余裕を失い、真っ赤にした顔をそむけようとする舞香さんに負けじと喰らいつく。
逃すもんか。舞香さんの心と体の全てを貪り尽くしてやる。
私だってできるってこと、舞香さんに思い知らせてやる。
縛られた二人だけの部屋で──軋む縄の音がかき消されるほどに──舞香さんの嬌声ばかりが響き渡っていた。
そうしてどれくらいの時間が経ったのか。
「随分お楽しみでしたね。お嬢様の声が廊下まで響いておりましたよ」
戻ってきたメイドさんに縄を解いてもらう中、舞香さんの喘ぎ声について言及された。
「うるさいわね! だって由衣が……あんなに激しく……」
「舞香さんの真似しただけなんだけど? まさかあんなに感じやすい人だなんて思わなかったなぁ」
「……ッ!」
切れ長の瞳にキッと睨まれてしまう。耳まで真っ赤にした舞香さんはいくら怒って見せても怖いとどころか愛おしく感じて、思わず彼女の頭をギュッと抱き締めたくなった。
「クッ……由衣、許さないから……」
「はいはい」
すっかり足腰が立たなくなってしまったようで、私の抱擁に抵抗する力も弱々しい。
良い機会だと思ったので、舞香さんのさらさらな黒髪をなでなでして、めいっぱい子供扱いしてあげた。
舞香さんはよく「由衣は私のモノ」って言うけど。
舞香さんが私のモノなんだよってこと……これからもたくさん分からせてあげるからね。
「大好き」
「ッ……!」
顔を近づけて吐息混じりに囁くと、ますます耳が赤くなっていく。
恥ずかしさが溢れ出しているかのように瞳がうるうると滲んでいて、いつもは大人っぽい舞香さんが今ばかりは少女のように愛くるしい。
「……私も、大好き……」
「えへへ~! 舞香さ~ん!」
「ああんもう、うっとうしいわね! 離してっ」
「やーだー! えへへへへ」
メイドさんが見ていることも忘れて、私たちはイチャイチャし続けた。
(おわり)