百合カップル編 (Pixiv Fanbox)
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彼女ができました。
長くてサラサラの黒髪がとても綺麗で、同い年とは思えないほど大人びた彼女の名前は舞香さん。入学した日に出会い、(自分で言うのも恥ずかしいけど)一目惚れされて、幾度とない情熱的なアタックを経て交際を受け入れることになった。
「フフ。今日も由衣は可愛いわね」
登校中、並んで歩いてると私の顔を見ながら褒めてくれる。その足取りがフラフラしているのは舞香さんが私の顔しか見ようとしないからで、手を繋いで引っ張らないとすぐに転んでしまうから大変だ。
「舞香さんだってすごく綺麗だよ。私、舞香さんみたいになりたい」
私なんて背は低いし髪は若干クセっ毛だし、真似しようとしても子供の背のびにしかならない。
「今のままの由衣が一番よ。だから私のモノにしたの。ま、どんな由衣になってもきっと大好きになるのだけれど」
口を開くと愛を囁くような言葉が止まらない。毎日そんなことばかり聞かされて、つい心がフワフワと浮わついてしまう。
少し前まで、女の子と恋愛なんてとても考えられなかった。初恋は塾のイケメンな先生だったし、テレビを見ててつい目で追っちゃうのが長身で切れ長な鋭い目つきの男性タレントだというのも変わらない。
だけど毎日のように告白されて、愛の言葉を囁かれて──私の心はどんどん動いていったのだった。
「舞香さん、それは違うよ? 恋愛は惚れた方が負けなんだって。だから舞香さんが私のモノ」
「いいえ、由衣が私のモノ。いくらあなたでもこれは譲らない」
「分からず屋~!」
「あなたこそ!」
それからはもう毎日のように、人目もはばからずイチャイチャしている私たちなんだけど。
「うるさい口は塞いでしまおうかしら」
「ちょっ舞香さん、さすがに外では……ん」
最近はさらに戯れがエスカレートしていた。
同じ学校に向かって生徒たちが歩いていく中で、口と口を合わせての……キス。
「フフ……昨日プレゼントしたリップ、使ってくれてるのね」
少し頬を赤らめて、舌なめずりをしながらそんなことを言う舞香さんに。
「う、ううぅ……」
おそらく舞香さん以上に真っ赤になった私は返す言葉を失い、火照った顔が冷めるまで口数が少なくなるのだった。
つつがなく授業も終わって放課後。校門の前には黒くて大きな車が停まっていた。側には両手をお腹の辺りに添えたメイドさんがピンと姿勢よく立っている。
「あら、今日もいいって言ったのに」
困ったように言う舞香さん。
何を隠そう、あれは舞香さんを送り迎えしてくれる使用人の方とリムジンなのだった。
「今日もお疲れさまでした。お嬢様、由衣様」
近づくとメイドさんはぺこりと頭を下げながら私のことまで労ってくれる。
「本日は由衣様が遊びにいらっしゃるということでしたので、お節介とは思いましたがお迎えに上がらせていただきました」
「そう、ありがとう」
メイドさんの言う通り、今日は舞香さんの家にお邪魔させてもらうことになっている。お茶やお菓子をご馳走になって、いつも通りイチャイチャベタベタするのだ。
「それと……例の準備が整いましたので」
「あら、早かったわね」
車に乗り込む際、舞香さんとメイドさんがコソコソ話していたけど、私はふかふかのシートを堪能することにとらわれて気にしなかった。
舞香さんの家はとてもお金持ちで、その自宅は広大な敷地の中に建つまさにお屋敷だった。門をくぐってからもしばらく車を走らせる必要があるほど広くて、この時間に庭師の方が一生懸命に作り上げた庭園を見るのも私の楽しみの一つにしている。
「もう由衣ったら、窓ばっかり見て……」
「えへへ」
拗ねたようなことを言う舞香さんの頭をなでなでしてあげる。いつもキリッとしていて凛々しい舞香さんだけど、こういう甘えんぼうな一面も大好きだ。
「到着しました」
運転席のメイドさんの声と共にドアが開く。車の外でもメイドさんが待ち構えていて、私たちの手を引きながら降りるのを手伝ってくれる。
それからはお屋敷の扉を抜けて大きな階段や広い廊下をたくさん歩き、舞香さんのお部屋に辿り着いた。
いつもお茶会は庭園でやっていたのだけど、今日はずっと室内で遊ぶのかな。
舞香さんの家は部屋の一つ一つがとんでもなく大きい。うちの一戸建ての一階と二階の延べ面積をもってしても、舞香さんのこの一部屋には届かないだろう。
あまりに豪華な部屋に最初の頃は臆していた私だけど、今ではすっかり遠慮がない。早速一人で使うには大き過ぎるベッドにダイブした。
「わーい。ふかふか! ん~っ」
布団はとても肌触りが良くて素敵な香り。きっと高級な生地で作られていて、知らないブランドの洗剤とか使ったりして専門的なクリーニングが行われているに違いない。
「由衣、こっちにいらっしゃい」
舞香さんが手招きしている。私は少し惜しみながらベッドを後にした。
「そこに立って、じっとしててもらえる?」
「え? な、なになに?」
言う通りじっとしていると、私と舞香さんそれぞれの背後にメイドさんが近づいてきた。
次の瞬間、メイドさんたちは持っていた縄で私たちの体を縛り始める。
「なっ、え、ええええ!?」
まずは両手首を背後で縛られ、次に腕と胴体をくっつけるように。瞬く間に上半身が身動きの取れない状態にされてしまった。
「な、なんで縛るの!?」
「フフ」
同じように目の前で縛られている舞香さんは慌てる様子もなく落ちつている。
「私、どうしても由衣と一心同体になりたくて。メイドに相談したら『ぐるぐる巻きに縛ったらどうか』って言うのよ」
「いっしんどうたい……?」
会話をしている間にもメイドさんは新しい縄をお腹の辺りに巻きつけ始める。
「二人が一つになって、離れたくても離れられないような状態になりたかったの。由衣なら分かってくれるわよね?」
「えっとぉ……?」
なんて言うか……こういうとんでもない事態になって、もうそれどころじゃないって言うか!
「きゃんっ!?」
思わず悲鳴を上げてしまう。お腹に巻かれていた縄が下に伸びてきて、私の股下を潜っていったのだ。
そしてそこから……スカートが捲れ上がるのもお構いなしに……ギュッと引き上げられて。
「なっ、なぁっ……!」
自分以外の誰にも触らせたことがないようなデリケートな部分だったのに、荒々しい縄を食い込まされている。
「いぃ……ダメ、こんな……」
慣れない感触に身動ぎすると、股の縄はさらに私のことを責め立ててくる。
悩ましい感覚が電撃のように神経を走る。
こんなこと止めさせたいのに、両腕はギッチリ縛り上げられていて抵抗する術がない。
「フフ……あぁ、由衣。とってもえっちな姿だわ」
自分だって縛られているのに余裕そうな笑みを浮かべている舞香さん。だけど自分のお腹に縄が巻かれ始めると、途端に焦りの表情が浮かんできた。
「ちょ、私には股縄しないでって言ったはずよ!?」
「由衣様にばかり恥をかかせてはフェアじゃないかと思いまして。舞香お嬢様も同じ姿になるべきです」
「やめっ、こら……あんっ!?」
縄はスカートを巻き込んで、ギュウウウっと舞香さんのデリケートな部分に食い込んでいった。
「クッ……! フゥ……ッ!」
私はきつく締まる股縄と、怒りと恥ずかしさの入り混じった表情の舞香さんを交互に、そして食い入るように見つめた。私が見ていることに気づいた舞香さんが顔を背けるが、縛られている身で私の視線から逃れることはできるはずもなかった。
「では仕上げに、お二人の体を一つにいたします」
縛られた私たちは互いの胸から正面同士で密着し、離れられないように追加の縄を巻きつけられる。
ふと顔を上げると、お互いの息が届く距離に舞香さんの綺麗な顔があった。身長差は舞香さんが屈むことで合わせてくれている。手の自由は利かないけれど、キスだけは自由にできそうだと思った。
「できました。立ったままでは危ないのでこちらへどうぞ」
メイドさんが私たちの靴を脱がせながら、ゆっくりとベッドに倒れさせる。
ふかふかのベッドが体を受け止めてくれるので、下敷きになっている方の腕もあまり痛くならなかった。
「では、私たちはしばらく通常の業務に戻りますので」
二人のメイドさんはぺこりとお辞儀して部屋を出ていってしまった。
シンと静まり返る部屋の中で、私たちの少し乱れた息だけが聞こえている。
……しばらくして舞香さんが口を開いた。
「ちょっと予定外のことも起こってしまったけれど……これで由衣と一つになれたわ」
「一心同体ってこういうことなの?」
「そうよ。こうなってはもう、私の意思でも離れられないから」
ギチッと縄が音を立てる。
この状態ではお互いの縄を解き合うこともできない。メイドさんが部屋に戻ってくるまで、私たちは離れることができないのだ。
「窮屈な目に遭わせてごめんなさい。私は手錠で繋がることを提案したのだけど、メイドがどうしても縄が良いって聞かなくて、こんなことに……」
主人公と男の子がうっかり手錠で繋がってしまうシチュエーションは漫画で読んだことがあるけど、さすがに縄でギチギチにくっつけられるのは見たことがない。
しなやかな舞香さんの体の感触が、体温が、熱い吐息が。私の心を昂らせていく。
「舞香さん。私、変な気持ちになっちゃった……」
「あら、私なんて由衣のことを見る度にそうなっちゃうわ」
「ふーん。舞香さんって結構スケベ?」
「な……うるさいわね」
舞香さんの柔らかい唇が、私の口を塞ぐ。
私は目を瞑ってされるがまま、舞香さんの欲望を受け入れるのだった。
(つづく)