救聖天使ブライトハート17話『手がかりを追って…いざ悪魔の棲む森へ!①』 (Pixiv Fanbox)
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挿絵 炭酸水様 さーばーふぇいず様
※今回は正規ルートになります
前回までのあらすじ…
父・総一郎より語られた過去により、母・あゆむの生存の可能性を知ることになった灯。
少しでも手掛かりを得るためにうごく灯たち。
愛菜の提案で、この世界に来てしまった天使を保護する組織…『家』を訪れ、データを持ち出すことに成功する救聖天使たち。
その解析を進める愛菜は、一つの可能性にたどり着くが…
「灯さん…この間のデータを調べた結果、一つの可能性を発見したの…」
寮の部屋で愛菜が切り出した情報は、灯にとっては驚きの内容であった。
「春野市の郊外には何カ所か禁足地となっている場所があるのは知っているかしら?あの中には『家』が指定した箇所があるのよ。」
灯はその情報は初耳であったが、春野市自体が山に囲まれた立地なこともあり心霊スポットやパワースポットなどが郊外に多いことで有名なことは知っていた。
「そこに何かある可能性が?」
灯の疑問に頷く愛菜。
「ここを見て…『家』の情報ではかつて強力な悪魔が召喚されたということで、この森の一帯が禁足地に指定されているの。でも、持ち出したデータに気になる記述があったわ。」
愛菜は手を止めると、手元のノートパソコンを灯に見せる。
画面上には報告書の一部が示されていた。
「この報告書によると、私が今オーロラシャインになるために使っているコアジュエルが発見されたのが、この禁足地の中…そして発見された日付を確認すると、あゆむさんと総一郎さんが出会った場所や時間と近いのよ。」
灯は聞いた情報を自分の中で整理する。
「ということは…お母さんと愛菜さんのコアジュエルのもとになった天使さんが、一緒にこの近くに召喚された可能性が…」
愛菜はその仮説に同意するようにうなずく。
「おそらくこの近くに天界とつながりの強い場所があるのではないかしら…あゆむさんが記憶を取り戻したのなら、天界への帰り方を探しにここへ向かったと考えても不自然ではないわ。」
そこを探せば、何か母に関する情報が手に入る可能性がある…
それを聞いた灯の目に決意の光が灯る。
「きっと危険な場所なんですよね…でも、お母さんの手がかりが分かるなら、私行きたいです!」
灯がその答えを出すことをわかっていた愛菜は、パソコンを畳んで立ち上がる。
「灯さんがそういうなら、私は一緒に行くだけよ。でも、禁足地になっているような場所だから、決して無理はしないこと。それだけは約束して。」
微笑む愛菜に、灯の表情も嬉しそうに綻ぶ。
「はいっ!」
盛り上がる二人の横で、エンヴィは一人複雑な表情を浮かべていた。
「うーん…なんか嫌な予感がするデビ…アタイは行きたくないデビねぇ…」
しかし、二人についていかないわけにもいかず、しぶしぶ重い腰(?)をあげるのだった…
翌日…
オウマが出る夜を避けるため、早朝に出発する救聖天使たち。
エンジェルモードで空を飛び、禁足地へと向かっていった。
「この辺から禁足地に指定されている場所になるわ…油断せず行きましょう!」
愛菜の声掛けに眼下に広がる森を俯瞰する灯。
黒く渦巻くマイナートの霧が広がる木々の集まりに、灯は背筋にひやりとした感覚が走るのを感じていた。
「あの中にエンジェルモードで入るのは厳しそうね…セイヴァーモードで、短い時間の探索にしましょう。」
もともと今回は様子見を兼ねていたこともあり、二人はセーフティーファーストで行くことを確認する。
「「ホーリーライトアップ!ブライトハート!オーロラシャイン!」」
二人の体がまばゆい光を放ち、鮮やかな赤と青のコスチュームに身を包んだ救聖天使の姿が顕現する。
そして二人は意を決して森の中へと降りていく。
「なんかわかんないけどいやな気分デビよ~…でも置いて行かれるのはもっといやデビ~!」
浮かない顔のエンヴィも、ふらふらと二人を追って森へと侵入するのだった…
まずはシャインのコアジュエルが見つかったという場所にむかう二人。
森の中を小さな川が流れており、その上流へと向かっていく救聖天使たちの背後で、なぞの影がゆっくりとうごめいていた。
シュルルルル…
「…!ハート、危ない!」
シャインが怪しい気配を察知してハートを突き飛ばす。
すると、周りの木から伸びた枝が触手状にうねり、シャインをからめとっていく。
「くぅ…放しなさい!」
シャインが何とか引き離そうと触手を引っ張るものの、植物のようにしなる枝はびくともしなかった。
「シャイン、今助けます!」
明らかに自然の現象ではないことを察知したハートは、オウマに対抗するときの同じようにプラウスを高めていく。
「エンジェリングスラッシュ!」
腕に発生させた光輪を投げつけるハートであったが、枝は切れたそばから新たなものが生えてくる。
「ううっ…追いつかない!きゃあああっ!」
物量で押し切ろうとしてくる木々の攻撃に、ついにはハートも枝に捕らえられてしまった。
二人をとらえた木々は淡く光りながら二人のプラウスを吸い上げていく。
「うう…力が…抜けていくわ…」
「身体が…あ…あつ…ぃ…」
熱に浮かされたように苦しみ始める救聖天使たち…
追いついてきたエンヴィはその様子を見て焦ってしまう。
「た…大変デビ!二人を助けるデビ!」
▶「あれはプラウスを吸い取る悪魔の大樹デビ…なんとか気をそらすデビよ~!」
「二人を離すデビ!エンヴィ必殺のかみつき攻撃デビ!」
「あのままじゃハートたちのプラウスが全部吸われちゃうデビ!何とかするデビよ~!」
一瞬でも触手の気をそらさなければ…
エンヴィは体内のプラウスを一気に高め、外に向けて発散する。
「ほーら、こっちデビ!おいしープラウスがあるデビよ~」
身体の白い部分からプラウスを発し、ふらふらと飛び回るエンヴィ。
そのプラウスに引き付けられた枝がハートたちの拘束を弱め、そのスキをついて救聖天使たちは窮地を脱出する。
「エンヴィ、ありがとう!」
ハートはエンヴィを回収し、胸に抱きかかえる。
「うーん…プラウスの使い過ぎで気持ちが悪いデビよ~…」
悪酔いしたような表情で目を回すエンヴィ。
「ふふっ…あなたにしてはナイスプレイよ、エンヴィ!」
エンヴィが生んでくれたこのチャンスを生かすべく、シャインは意識を集中する。
「まずは態勢を立て直しましょう…オーロラミラージュ!」
シャインのコアジュエルから光があふれ、その中から現れたシャインの分身が木々の間を飛び回る。
その光の幻影に気を取られた大樹は枝を四方八方へと振り回し、その脇を二人はすり抜けて森の奥へと進んでいくのだった…
②へと続く…
※来月は①の敗北ルート更新です!