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挿絵 ガオンくん様


「私が特使…ですか?」


とある日、DUO本部で上司である村正キャップに呼び出されたメイは困惑した表情を浮かべていた。


「そんなに身構えることではないよ。バランディは地政学上珍しい、どの国とも国交を持たない国だ。しかし、なぜかDUOへの参加を希望するとの通達が本部にあったそうだ。」


バランディ…中央アジアの山間部に存在し、他の国との国交を持たず独自の進歩を続けている国とメイは聞いていた。


単純に険しい山々に囲われているために航空機でしか行くことができず、山間の激しい気候から着陸も難しいために定期的な行き来ができないことがその理由ということだった。


「言葉は耳に翻訳デバイスを付けていけば問題ない。彼らがなぜDUOに参加しようと考えているのか、君には話を聞いてきてほしいんだ。」


そこでどんな無理難題を吹っ掛けられても、とりあえず持ち帰って検討すると答えればいい…そう村正は告げる。


「まぁもう一点…万が一何かあったとしても、君なら『本来の姿』で脱出も可能だろう…というのが、君を選抜した理由だ。もちろん白鐘補佐官の許可も得てある。」


村正はメイの正体が『アルティマミレーヌ』であることを知る人間…根回しがしっかりできていることにメイは安心する。


「承知いたしました。卯月メイ、特使として任務を全うしてまいります!」


敬礼して村正のオフィスを後にするメイ。


数日後、彼女はバランディに向かう飛行機に乗り込むのであった…



「ふぅ~…なかなかにスリリングだったわ…」


荒天の合間を縫って着陸した飛行機から降りたメイは、先ほどまでのジェットコースターのようなフライトを思い出してため息をつく。


「これなら自分で飛んできた方が精神的によかったかも…なんて言ってる場合じゃないわ。ええと…」


周りを見渡すと、飛行機の発着場に一人の女性がたっていた。


「あ…こんにちは!…って通じるのかしら…」


村正に渡された翻訳機はあるものの、こっちの言葉は通じるかわからなかいことを思い出し、メイは恐る恐る声をかける。


「はじめまして…DUOの卯月様ですね。わたしはチャレム。このバランディを代表してあなたを歓迎いたしますわ。」


民族衣装に身を包んだチャレムは流ちょうな日本語でメイに話しかける。


「あ…日本語出来るんですか?」


メイの問いに笑みを浮かべながらうなずくチャレム。


「ええ…でも私だけですので、ほかの国民には通じませんのであしからず。さ…こちらへ…」


用意されていた馬車で、バランディの街中を走るメイたち。


街は高い建物などはなく、車などはなく馬や徒歩で人々は行き交っていた。


「(まだ旧世紀くらいの文明レベルなのかしら…)」


電線なども見えないことから、メイの見立てでは電気があるのかも怪しい様子であった。


「都会から来られた卯月様にはさびれてみえるでしょう…でも、これがバランディの現状…今回は協力という名目で来ていただいたのですが、その実、私たちの窮状を救っていただきたいというのが本音なのです。」


チャレムの話に耳を傾けるメイ。


「ふーむなるほど…」


話を要約すると…


その昔、バランディは普通に他国と交易をする小国であった。


しかし隕石が山間部に落ちたことで交易に使っていた道が閉ざされ、物理的に鎖国せざるを得なくなってしまう。


落ちた隕石からはエネルギーを発する謎の青い鉱石が含まれており、その力で独自の動力を得ることに成功する。


電気ではない力で進歩したバランディは、孤立した状態ではあるが自給自足できる環境もあり、小国なれどその体裁を保つことができた…


ただし、隕石の落下はいいことだけではなかったのである…


その隕石に寄生していたのか、クワガタのような形状をした謎の怪獣…アンドラスが現れるようになってしまったのである。


代々アンドラスを鎮めるために生贄を出し続けていたバランディの人々だったが、その効果も怪しく被害は続いていた。


ただ、アンドラスは青い鉱石を苦手にしているのか、それが大量にある街に近づくことだけはなかったそうである…ということであった。


話を聞いて神妙な面持ちになるメイ。


ある程度の発展をしたとしてもアンドラスのいる限り、他国との交流のための道も開けず、生贄による人口減少も顕著…


確かに窮状であることを理解し、本部への報告を約束するメイ。


すると馬車は町の中心にある宮殿へとたどり着いた。


「どうぞ…DUOの方をお呼びたてしたのにはもう一つ理由があるのです。」


チャレムに導かれて宮殿へと入ったメイの眼前には驚きの光景が広がっていた。


「わぁっ!綺麗…」


そこには例の蒼い鉱石が並び、淡く光を放っていた。


その様子は幻想的なプラネタリウムに迷い込んだ錯覚をメイに抱かせるものであった。


「石と石がそれぞれ共鳴してエネルギーを循環させているのね…それを動力としてこの国の人々は利用していると…あれ、この鉱石って…」


銀河守備隊の教本でみたような…たしか…『ブルーリフレクター』だったか…


青い石の正体を記憶の中でたどるメイは、気もそぞろにチャレムの後をついていく。


その彼女を更なる驚きが襲ったのはその時であった。


「そしてこれが…隕石の落下地点から見つかった石像…私たちはノアの女神と呼んでいます。」


チャレムの掲げた手の先には、二体の女神像が鎮座していたが、問題はその容姿であった…


「(あ…あれ?この石像…お義姉さまと…若いころのお母さま?)」


驚きの表情を浮かべるメイに、チャレムが説明を続ける。


「この女神さまと青い石…それこそがこのバランディをアンドラスから守ってくださっていると…私は信じているのです。」


メイに向き直ったチャレムは問いかける。


「メイ様…確か今、日本ではDUOの皆さんといっしょに戦う『アルティマミレーヌ』という宇宙から来た方がいるとお聞きしました。先日行商人に動画というのを見せていただいたのですが、この女神さまたちと瓜二つ…ですから、DUOの皆様に協力していただき、可能ならばアルティマミレーヌにアンドラスを倒していただきたいのです…」


チャレムの話を聞くと、彼女たちがDUOの協力を仰ぎたかった理由も納得の物であった。


「わかりました…それではまずDUO本部への報告と…きゃあっ!?」


ズウウゥン…


メイの言葉は、大きな地響きによってかき消される。


「いけない!これはアンドラスの出現を告げる地震です!メイ様は避難を…」


そういった後のチャレムの寂しげな表情ですべてを察するメイ。


「まさか次の生贄は…」


その問いには答えずうつむくチャレム。


メイはその手を取って彼女を静止する。


「行ってはダメ!まずは私があの怪獣を追い払えるか試してみるわ。その結果を見るまではここで待って!」


そういうと力強く頷き、DUOの制服についている胸章をタッチするメイ。



次の瞬間には、DUOの制服が戦闘服へと変わり、銃を構えたメイが建物の外へと駆けて行くのだった。




「くっ…やっぱり効果なし…」


メイはDUOシューターでアンドラスを狙い撃つも、その固い表皮は何事もなかったかのようにつやつやと輝いていた。


「避難状況は…芳しくないか…」


アンドラスを神として信仰する一派もいるということだったが、それを表すように避難せずに祈りを捧げる人々も多く見えた。


振り返ったメイはそんな人々に近づかせないために、アンドラスの注意をそらす作戦に出る。


「こっちよ!」


街から引き離すために、走りながらDUOシューターを斉射するメイ。


さすがにダメージがなくても煩わしくなったのか、アンドラスもメイを追って街から離れていく。


ここまでくれば街への影響もないだろう…そう感じたメイは、意識を集中して本来の姿へ戻っていく。


「ミレーヌ!」


まばゆい光を放ちながら、バランディの地に地球の守護女神が降臨した。


「おお!ノアの女神さまじゃ!」


アンドラスを追って遠巻きに見ていた人々から歓声が上がる。


「街から引き離したのに、みんながついてきちゃったら意味ないよ~…」


心の中でぼやきながらも、目の前の強敵に向き合うミレーヌ。


クワガタのような大きなあごをもつアンドラスはじりじりとミレーヌへの距離を詰めていく。


「たぁっ!」


何発かチョップやキックをお見舞いするものの、ミレーヌの軽い打撃では簡単にはじかれてしまう。


キシャアアア!


アンドラスのハサミがミレーヌに噛みつこうと大きく横に広がり、猛然と突進してくる。


「わわっ!?ちょっとまって!」



背後に見物人が集まってきてしまい、避けることのできないミレーヌはそのハサミを正面から受け止める形となってしまう。


「ぐうう…おも…いぃ…」


何とかこらえるミレーヌであったが、体格差から一気に押し込まれていく。


ズゥウン…


押し倒される形で拘束されてしまうミレーヌ。


「くぅ…身動きがとれないっ…」


するとアンドラスに変化が現れる。


ニュルルル…


ミレーヌが生贄の人間よりも大きな力を秘めているのに気付いたのか、触手を伸ばして探りを入れてくるアンドラス。


そしてエネルギーが最も蓄えられている胸に目を付け、そこを触手で責め上げていく。


ピコンピコンピコン…


エナジータイマーが赤く変化し、刺激された胸には乳首が浮かび上がってしまうミレーヌ。


「あんっ…そんなところ…責めないでぇ…」


乳首の先に甘い刺激が走り、ミレーヌからも吐息が漏れる。


ポワワワ…


赤く光りだしたアンドラスの身体がミレーヌからエネルギーを吸引していき、ミレーヌは意識が遠のくのを感じていた。



「このままじゃ…やぁっ…なにか…手は…」


その時、ミレーヌの横に走りよる人影があった。


「女神様!」


駆け寄ってきたのはチャレムであった。


その胸には青い石が抱きかかえられていた。


アンドラスがこの鉱石を苦手としていることを知っていたチャレムが、ミレーヌの助けになればと宮殿から持ち出してきたのである。


「あの石は…おそらくブルーリフレクター…それなら!」


ミレーヌはチャレムが混乱しないように、念話でゆっくりと話しかける。


「ありがとうございます…私は大丈夫ですから、その石をおいてここから離れてください!」


ミレーヌの言葉が通じたのか、チャレムはうなずいてその場から走り去っていく。


「あとは…わたしが!たあああっ!」


最後の力を振り絞ってアンドラスを跳ねのけて横へ転がるミレーヌ。


そのまま地面に置かれた石を掴むと、アンドラスの方向へ放り投げる。


「威力を倍増すれば私の光線でも…ミレニウム光線!」


ミレーヌの十字に組んだ腕から放たれた光線が、アンドラスとの間にある鉱石を通過することで威力を上げていく。


ギャアアアアアッ!


通常の数倍にも膨れ上がったミレニウム光線がアンドラスに命中し、その身体は一瞬で爆発の渦のなかへと消えていく。


その爆発に紛れて、ミレーヌも光の粒子となって消えていくのだった…




「女神様…ありがとうございます…早くメイ様を探さなければ…」


女神への感謝もそこそこに、身体を張って街から怪獣を遠ざけてくれたメイを捜すチャレム。


すると煙の向こうからメイがボロボロの恰好で歩いてきた。


「いやぁ~、やられちゃうかと思いました!助けてくれたミレーヌに感謝ですね!」


煤だらけの割にはケガはなさそうなメイの様子に安堵するチャレム。


二人は微笑みあいながら街へと帰っていくのだった…




アンドラスがいなくなったことで山間部への道を復興し、周りとの国交していく目途が付いたバランディ。


DUOへの依頼も片付いたことで、まずは国の復興を待ってから改めて…ということに落ち着いた。


友好の証といくことで青い石…『ブルーリフレクター』のかけらを加工したペンダントをもらったメイ。


「これを見たら、お母さまたちどんな反応をするのかしら?」


女神像が母と義姉に似ていたことを思案しながら、メイは帰路につくのであった…




END




おまけ解説…なぜノアの女神像がソフィとリオナに似ていたかは、4年前くらいに更新した『バランディの蒼い石…過去・現代編』を見てね!


ガチピンの脳内設定では『バランディの蒼い石・現代編』の後、惑星バランディは何らかの災害で消滅し、地下深くに眠っていたアンドラス(アントリーオ)が隕石になって地球に飛来したのではないかと考えております(笑)

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Comments

yukimi

クリスマスも近いので、手持ちのユリアンのソフビに某100均で購入した縫いぐるみ用のクリスマス風ケープを羽織らせデコってみました。 それはそうと、週の真ん中の投稿、お疲れ様です。 今回は過去のシリーズの後日談的側面もありましたが、考えてみればアンドラス(アントリーオ)はソフィ、リオナに続いてミレーヌも弄くったので、ある意味美味しい思いはしたのかも… 乳首露出は勿論の事ではありますが、アンドラスの突進を食い止めようとする場面でのミレーヌのお尻もツボですね。

syonnai_hito

まさかのアントラー・・・ではなくアンドラス(アントリーオ)が3女神完全制覇とは😲 ここでミレーヌに倒されても「我が生涯に一片の悔いなし」状態だったのでは?w 4年前に登場した怪獣の再利用とは驚きです。 今回のミレーヌも胸もお尻も股間も、そしてエネルギーを吸われて目が光を失うのも、どれも素晴らしい😍