アルティマミレーヌ・オリジン⑨『ミレーヌinUSA②』 (Pixiv Fanbox)
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挿絵 うめっしゅ様 江路院様
リオナがガルバレイドを倒したタイミングから、少し時は逆戻り…
リオナと別れて調査を進めることになったメイは、DUOのヘリコプターでユタ州にあるスキー場に向かっていた。
しかし、そこへ緊急の通信が入る。
USA支部の隊員からの情報によると、もうすでに現場には怪獣が現れて州軍と戦闘状態に入っているということだった。
「いくらこの国の軍が強いといっても、怪獣相手ではきっと厳しいわ…すぐに退避を勧告してください!」
DUOを通じて軍の撤退を依頼するメイ。
しかし、世界の強国を自負するこの国の軍が、そう簡単に引き下がるとは思えなかった。
ここで変身して飛んでいく…という選択肢も頭をよぎったが、上官である村正からはミレーヌ自身の正体はなるべく隠匿するように指示されていた。
「おねがい…間に合って!」
祈るような思いで窓の外を眺めるメイ。
そんな彼女の気持ちを察してか、ヘリはスピードを上げて飛翔するのだった…
「あ…あれ?」
怪獣の被害を少しでも抑えるために現場へ急行したメイ…
しかし、現場で目に入ってきた光景は、彼女の想像した凄惨な物とはずいぶんかけ離れたものであった。
キャッ!キャッ!
小柄な…といっても20メートルほどはあろうかという怪獣が、スキー場を飛び回っていた。
まるで赤ちゃんのように屈託なく笑い、無邪気に遊んでいるような状況にメイは驚かされる。
しかし怪獣の手には州軍のものと思われる戦闘車両が握られ、まるで子供がおもちゃで遊ぶように振り回されていた。
その周りを州軍が距離を取って囲っていたが、掴まれた車両にまだ乗員が残っているらしく、攻撃できずに手をこまねいる様子であった。
ただし入ってきた情報では死者などは出てないとのことで、怪獣に掴まれている車内の隊員も、遠隔でバイタルが確認できていると報告が入る。
「まずは怪獣の注意をそらしつつ、車両を救出することが先決ですね…」
メイは現地のDUO隊員と共に『ジューン』と名付けられた怪獣への対応を検討する。
DUOの装備・DUOシューターには相手を感電させるパラライズモードがあり、ジューンが高度を下げたところでその機能を用いて狙撃…スキー場の新雪の上に車両を落とすことで安全に車両を回収する…という案が結果として採用された。
その引き付け役として、メイは怪獣のそばで注意を惹く役を引き受ける。
作戦要員が配置につき、地上に座り込んで車両を眺めているジューンに近づくメイ。
「まだ少し車の位置が高い…なんとか腕を下ろさせないと…まずはコミュニケーション!」
メイはジューンの正面に姿を現すと、精いっぱいの笑顔で声をかける。
「ねえ!そのおもちゃをおいて、私と遊ばない?お姉さん、鬼ごっことか得意なの!」
メイの言葉が耳に届いたのか、顔を向けてのぞき込んでくるジューン。
興味がメイに移ったのか、車両を掲げていた手がスッと下に落ちる。
「今がチャンス!皆さん、お願いします!」
メイの合図でパラライズモードでの狙撃がジューンを襲う。
バリバリバリ…
象程度なら一瞬で気絶させるほどの電流がジューンを痺れさせるが、物事はそううまくは働かなかった。
キャア!
驚いたジューンは車両を頭上へと放り投げてしまい、途端に現場に緊張が走る。
そして羽根を震わせて飛び立とうとしたジューンのせいで、周りは吹雪のように雪が舞い上がった。
「あわわわ…失敗しちゃった!…あ!でも今なら…」
作戦がうまくいかず焦るメイであったが、自分の姿が完全に雪に紛れたことに気付く。
「地球の言葉で言うところのケガの功名…ってやつだわ!…って言ってる場合じゃない!ミレーヌ!」
雪煙の中で一瞬眩い光がスキー場を照らす。
そして次の瞬間、放り投げられた戦闘車両が空中で静止する。
「ふぅ…間に合った!」
テレキネシスで静止させた車両を抱え、ミレーヌがアメリカの大地に降り立つ。
ゆっくりと地面へと車を下ろし、一息つくミレーヌ。
その姿を見た州軍から歓声が上がる。
「あ…えへへ、どうもどうも…」
照れるミレーヌであったが、すぐに気持ちを切り替えて周りを警戒する。
「さてと、さっきの怪獣は…」
すると、彼女の面前を小型怪獣のジューンがあざ笑うかのように飛び回る。
「あっ!こらっ!ちょっと大人しくしなさい!」
何とか捕まえようとするミレーヌであったが、ジューンはちょこまかと翻弄する。
「んもぅ…いい加減に…ってあれ?」
自分より小さな敵とは戦うことの少ないミレーヌは、勝手が違うことに焦り始める。
しかし、いがいとすぐにジューンは地上に降りてへたっていた。
「いったいどうしたの?」
近づいたミレーヌに力なく首を振るジューン。
「元気がないのね…お腹すいたのかしら…!?…きゃあああ!」
様子を見ようと、かがみこんだミレーヌの胸をいきなり揉みしだくジューン。
「ああっ…やめ…んぅっ…なさいっ…」
小さい手で懸命にミレーヌの胸をもむジューン。
「(もしかして…おっぱいがほしいの?)」
その一心不乱な姿がミレーヌの母性本能をくすぐっていく。
抵抗せず好きにさせてくれるミレーヌに、ジューンも心を許しているようであった。
「んっ…あ…やぁ…くぅ…ああんっ…」
ピコンピコンピコン…
ミレーヌの胸のエナジータイマーが点滅を始める。
乳首が浮き出た胸からは母乳こそ出なかったが、その柔らかさに安心したのか、ジューンはその胸の中ですやすやと眠り始めた。
「落ち着いたみたい…でもこのままここに置いておくわけにはいかないわね…」
ミレーヌはジューンを抱えたまま空へと飛び立つと、そのまま一気に成層圏を突破した。
「ここまでくればいいかしら。アルティマスフィア!」
ミレーヌは眠ったジューンを球体のバリアで包み込み、そのまま宇宙空間へ押し出す。
「あとは近くの隊員に…」
そして銀河守備隊へのアルティマサインを放つミレーヌ。
内容は、光の星へ送ったジューンの保護を依頼するものであった。
「光の星にはお義姉さまが管理する怪獣保護区があるわ…そこでよくしてもらってね。」
まだ眠っているジューンに手を振り、地球へと戻っていくミレーヌ。
しかし今度は基地へ残ったソフィへと、新たな影が迫るのであった…
続く…