アルティマレディ・ルクリア28話『集いし光③』 (Pixiv Fanbox)
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挿絵 らすP様
とある晴れた日…
春野市の街中のビジョンでは、アルティマレディ・シルフィーの姿が映っていた。
地球人へ新たな脅威の襲来を告げる会見ではあったが、人々に余計な不安を与えないように気遣った言葉を選んでいるようだった。
「ふふっ…弱者を守る側は大変ですね…」
その様子を眺める一人の怪しい女…
彼女は画面の中のシルフィーを眺め、苦笑する。
「さて、この星で幅を利かせていたゴーデスとやらも大人しくしているようですし…わが主の命令をこなすと致しましょうか。」
そういうと彼女の手の中に謎の変身器具が姿を現す。
「さぁ…アルティマレディの破壊ショーの幕開けです!」
筒状の変身器具を高く掲げたその時、街中には一人のアルティマレディが現れていた…
「あっ、アルティマレディだ!」
「あれは…シャイン?前と少し雰囲気が違うような…」
平和な街中にいきなりアルティマレディ・シャインが現れ、人々は困惑した表情を浮かべる。
「え…でも怪獣なんて…」
「なにかのプロモーションかしら?」
困惑する人々…しかし、次の瞬間その口からは悲鳴が迸ることとなる。
「デアッ!」
いきなりシャインは横にあるビルを殴打し、にやりと不敵に笑う。
その笑顔は多数の人々を護ってきた正義の戦姫とは遠くかけ離れたものであった。
悲鳴を上げながら逃げ惑う人々…
「ふん…こんな奴ら殺してしまうのが一番手っ取り早いのだけど…負の感情たる『マイナスエネルギー』の含有量を調べるためとはいえ、生かしたまま恐怖を与えるとは面倒ですねぇ!」
文句を垂れながらも、人々が自分に恐怖し逃げ惑う姿はシャインに愉悦の感情を抱かせていた。
「ふふふっ…逃げなければ死んでしまいますよ!それっ!」
近くに止まっていた車を蹴り上げ、逃げ惑う人々の行く手をふさぐシャイン。
逃げ惑う人々の中には、希望を失って座り込んでしまうものもいる。
「いいですねぇ…そうやって恐怖に顔をゆがめるのです!」
そういうとシャインは近くで泣いている子供に目を付ける。
親とはぐれたのか、不安な表情でシャインを見上げるその視線に、彼女の嗜虐心が刺激されていた。
「一人くらい殺して見せしめにした方が、ほかの連中からのマイナスエネルギーの出がよくなるかもしれませんね…」
かがみこんでその子供を掴もうとしたその時、一瞬のひかりがその場を照らす。
次の瞬間、シャインの姿は忽然と人々の前から消えていた…
「これは…アルティマフィールド?」
人質を取ろうとしたタイミングで視界の端が歪み、シャインは謎の異空間に捕らわれていた。
周りを見渡すと、上空から一人のアルティマレディが下りてくる。
「ほう…あれが…アルティマレディルクリアですか…」
この特異点として機能している地球を守護するアルティマの戦姫…その戦闘力は未知数なれど、タイラントなどの強敵を退けた実績は無視できるものではない。
「その実力、試させてもらいましょう!」
シャインはにやりと笑うと、ルクリアに向けて突進していくのだった…
「あれは…シャインさん?!でも何か雰囲気が…」
謎の巨人が暴れているとの報を受けて、現場に駆け付けたルクリア。
咄嗟にアルティマフィールドを展開して対象を市街地から隔離したものの、その中心にいる存在に驚く。
かつてエロフェッサーとの戦いで自分を救ってくれたアルティマレディ・シャインと瓜二つだったからである。
「でも、シャインさんが来てくれたのなら、シルフィーさんからも何か連絡があったはず。それにあの禍々しいオーラ…気を付けて、アンナ!」
ルクリアからの注意に、気を引き締めるアンナ。
すっとシャインの前へと降り立つと、ルクリアはキッと彼女を見据える。
「あなた…シャインさんではありませんね!」
指摘するルクリアに、ふっと口角を上げるシャイン。
「流石にあなたたちまでごまかせるとは、こちらも考えてはいないわ…でも、新米アルティマレディに早々負けるわけにはいかないのよ!」
シャイン…改め偽シャインは一気に距離を詰めてルクリアへと打撃を見舞っていく。
「うぐっ…はや…いっ…」
本家顔負けの打撃ラッシュに後退するルクリア。
「せやっ!」
何とか反撃を…と繰り出した拳はむなしく外れ、ルクリアは体勢を崩す。
「あらあら…そんな大振りじゃ当たらないわよ?」
ルクリアの背後に回った偽シャインは、彼女を拘束するように背後から抱きすくめた。
「く…離れてっ!」
身を捩るルクリアであったが、結果的に動いたことでビキニアーマーがはだけて胸を露出させてしまう。
「ほーら…暴れるから大事なとこが丸見えよ…それっ!」
あらわになった胸を揉みしだかれ、ルクリアの口から甘い声が漏れる。
「あんっ…はなれてっ…んっ…ぅぁ…」
ピコンピコンピコン…
カラータイマーも警告音を発し、ルクリアの危機を報せていく。
その時、ルクリアの脳内にテレパシーで声が響いた。
「三秒後、相手のみぞおちに一発入れて!」
その声がだれのものかすぐにわからなかったものの、ルクリアは信用して言うとおりに身体を動かす。
「うう…てやあああっ!」
相手の責めにビクついたふりをして身体をそらし、開いた隙間に肘鉄をかます要領で打撃を加える。
「あぐっ…無駄な抵抗を…」
ルクリアから引きはがされた偽シャインがすぐに態勢を整えようとしたその時、上空から一閃の光が眩しく舞い降りる。
「てやああああっ!」
そこには飛来した力を一気に飛び蹴りへと転化し、突っ込んでくる本物のアルティマレディ・シャインの姿があった。
「ぐああああっ!」
まとものその蹴りをくらった偽シャインは横へ吹っ飛び、アルティマフィールドのなかを転がる。
「まったく…わたしの姿で暴れるなんてお痛が過ぎるんじゃないの!レディザラブ!」
見得を切ったシャインの前で、苦々しそうに顔を上げる偽シャイン。
「くそっ…本物の登場とは…思ったより早かったわね…」
地に伏す偽シャインを見ながら、ため息をつくシャイン。
「シルフィー姉さんからの連絡を受けて飛んできたのよ。私たちの行動力を舐めないでもらいたいわ。」
よろよろと立ち上がった偽シャインは少しずつ後ずさる。
「流石に二人相手は分が悪いわね。ここは撤退…ってあれ?」
そんな偽物の都合など意に介さず、シャインは素早くその両手をL字に組む。
「喰らいなさい!スペリオル光線!」
ズドォオン…
シャインの代名詞ともいえる必殺光線が偽シャインを捕らえ、アルティマフィールド内に巨大な爆発が起きる。
「やった…のですか?」
ルクリアが尋ねると、シャインはふぅと息を吐いた。
「そんな簡単にやられてくれるとこっちも楽なんだけど…おそらく逃げられたわ。それにしてもレディ・ザラブまで侵入してるなんて…姉さんに報告しないと。」
そこまで言ってから、笑顔に戻りルクリアに向き直るシャイン。
「ルクリアさん、久しぶりね!」
以前はエロフェッサーの罠にかかった時に助けてくれたアルティマレディ・シャイン…
彼女との再会は、新たなる陰謀の幕開けをルクリアに告げるものであった…
④へ続く…