幼馴染の女の子に身体を小さくされてしまった僕が、全身キスで恋心を植え付けられた挙げ句、幼馴染の手の中で指一本にめちゃくちゃにされて、洋服の中に閉じ込められたまま吐息だけで絶頂させられる話。 (Pixiv Fanbox)
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プレイ概要 ※ネタバレ注意
プレイの種類:全身キス責め、吐息責め、握り潰し、体格差で脅し、手の中で指コキ、寸止め、オナニー、床オナ、匂い責め
ジャンルの種類:巨大娘、シュリンカー、JK、純愛、男の子視点・女の子視点、体格差、尊厳破壊
【全体の流れ】
##P1 奪われたファーストキス@男の子視点 : シュリンカー、指で体格差わからせ、全身キス責め、ファーストキスを奪われる
##P2 ファーストキス、奪っちゃった♡@女の子視点
##P3 勝てない……@男の子視点 : 唾液の匂いで目覚める、吐息責め、全身キス責め、植え付けられた恋心、人形用の洋服を着せられる
##P4 負けるはずがない♡@女の子視点 :朝の準備、吐息で起こす、おはようのちゅー♡、脅し、尊厳を少しずつ壊してあげる
##P5 真奈ちゃんとの日常会話@男の子視点 : 無意識の圧力と吐息責め、キスの誘惑、握り締められる、握られた状態で人差し指一本に嫐られる、言葉責め
**サンプルここまで**
**ここからご支援者様向け**
##P6 小人さんのお相手♡@女の子視点 : 学校で探りを入れられる、帰宅、湧き上がる嗜虐心、精神的な支配、格付け、キスしたい?、手の中の小人さん、少しえっちないたずら♡、初めて触れる男性器、加熱する責めっ気、
##P7 袖の中で……@男の子視点 : 幼馴染の前で脱衣させられる、ティッシュでできたパンツ、巨大な手の脅し、見せつけられる幼馴染の肢体、脱ぎ捨てられたブラウスに理性を奪われる、匂いの虜、ブラウスの中でオナニー、腋の部分で床オナ、戻ってきた幼馴染、絶体絶命、ブラウスの袖の中に閉じ込められる、吐息責め、射精命令
##P8 えっちな小人さんにお仕置き♡@女の子視点 : 気にもとめない幼馴染の男の子の脱衣、苛立ち、仕掛けた罠、カメラで監視、探す演技、袋の中のネズミ……♡、よわっちぃ彼
【ボリューム】
・無料公開分合わせて約5.5万文字
・AI生成挿絵:表紙合わせて34枚
・AI生成動画:3つ
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
表紙
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「──んっ……つっ……」
凄まじい脱力感。
全身が怠い。
力が入らない。
視界もぼやけているし頭は回らない。
でも意識だけははっきりしている。
僕は何をしていたんだろう?
そうだ……確か僕は……。
今日は高校がお昼で放課になって……幼馴染の真奈ちゃんの家に遊びに来ていて……。
そして真奈ちゃんと一緒にお昼ご飯を食べていたら急に眠くなって……真奈ちゃんはなんか笑っていて……。
そこからの記憶がない。
とりあえず、腕や脚に力を入れてみるものの、びくともしない。
何かで縛られているわけでもないのだけれど……。
いや、おかしい。
意識の覚醒と共にハッと両目を見開き、辺りを見回した。
まずは自分の状態。
動けない原因がなんなのか探る。
幸いにも首はある程度自由に動いた。
──な、なんで……!!
何か透明なテープのようなもので、四肢を押さえつけられている。
辺りを見回す。
見たことのある景色。
しかし、その全てが見慣れない。
何もかもが巨大すぎる。
──こ、ここは……。
一緒にご飯を食べた真奈ちゃんの部屋で間違いはない。
だけれども。
──な、なんで周りのものが全部こんなに大きくなっているんだよ!?
部屋の大きさ自体は変わっていないはず……。
──ッッ!?
僕は一つの結論に至った。
もしかして、僕を押さえつけるこのテープみたいなのって……。
セロハンテープ。
だとしたら僕は……!!
ガチャッ……ギィィーーーイイッ……バタンッ!
状況把握ができないまま困惑していると不意に部屋の扉が開かれた。
首を傾ける。
「〜〜〜♪」
遠くの方に見えたのは、鼻歌を歌いながらこちらに近づいてくる真奈ちゃんの姿。
彼女は片手に僕のスマホを持っていた。
ズシンっ。ズシンっ。ズシンっ。
一歩進む度に床が大きく揺れる。
そして彼女の全身が見えた時、僕は絶句した。
あまりにも大きかったからだ。
首を全力で曲げて、彼女を見上げないと顔が見えないほどに大きい。
まるで巨人のようだ。
いや違う。
巨人なのだ。
僕にとっては──。
ズシィィィィンっっっ。
「あっ♪ おはよっ♡ お目覚めかな?」
部屋の照明を覆い隠すように真奈ちゃんの巨大な影が僕を覆う。
「えっ……? ま、真奈ちゃ……?」
声がうまく出せない。
舌が回らない。
言葉が出てこない。
「ふふっ、かわいいなぁ〜♡」
そう言って笑う彼女の顔を見て、恐怖を覚える。
──怖い……!
本能的にそう感じたのだ。
目の前にそびえ立つ巨大な少女に睨まれているこの状況に耐えきれなくなった僕は思わず叫んだ。
「助けてぇぇえええ!!!」
それを聞いた真奈ちゃんが突然笑い出す。
「あはははっ!! もう何言ってるの? 君は今机の上に固定されちゃってるんだよ? それなのにどうやって逃げるっていうの? こんなにちっこいのに……♡」
ズシっ……♡
真奈ちゃんの指が……巨大な指の先が、僕のすぐ横に置かれた。
ギギギ……♡
それだけで机が軋むような音を立てる。
しかし、この音はきっと真奈ちゃんには聞こえていない。
僕だけに聞こえる小さな音。
それが今の僕にとってはやたらと大きく聞こえるのだ。
それに……真奈ちゃんの指先は……。
それはただの人差し指なのに、美しくしなやかな、いかに女の子な指のくせに。
今の僕の胴体よりも太く、全身よりも長く、重量感を指先に纏っていた。
圧倒的な大きさの違いを見せつけられたような気がして背筋が凍る。
「ぼ、僕だよ! 僕なんだよ! 覚えてないの!?」
必死になって訴えかけると、真奈ちゃんは一瞬きょとんとして首を傾げたあと、また笑いだした。
「ぷっ……あはははははっ!!」
「え……?」
「何それ? 面白ーい!」
真奈ちゃんはケラケラと笑ってお腹を抱えている。
大音量の笑い声が全身に響く。
圧倒的な迫力。
でも僕はそんな真奈ちゃんに負けないように口を開いた。
「いや、だから僕は、元に──」
そこまで言いかけたところで、真奈ちゃんの巨大な顔が僕に覆い被さってきた。
「きゃっ……!!」
あまりの迫力に圧倒され、情けない声が出てしまった。
「あはっ、可愛い声出すじゃん♡」
至近距離まで落ちてきた真奈ちゃんがニヤリと笑みを浮かべる。
僕の周りを覆い隠すように垂れた髪。
真奈ちゃんのサラサラな黒髪。
僕をじっと見つめる双眼の大きすぎる瞳には、小刻みに震える僕の全身が映っている。
『ぷるんっ♡』と震える唇の隙間から漏れ出す吐息には、ほのかな甘い香りが含まれていた。
「はぁ……はぁっ……」
彼女の息遣いを感じる度に、身体が熱くなるのを感じた。
呼吸が荒くなる。
心臓がバクバクする。
「ねぇ、どうしてそんなに怖がってるの?」
真奈ちゃんはそう言ってクスリと笑った。
「ひっ……!」
思わず悲鳴を上げてしまう。
しかし、それでもなお真奈ちゃんは笑顔を崩さない。
それどころか、より一層楽しそうな表情を浮かべるばかりだ。
「ほら、ちゃんと答えてよ〜」
「そ、それは……だって、真奈ちゃん、僕のこと忘れちゃったみたいだし……。」
「えー、忘れてなんかないよ?」
「じゃあなんで僕ここにいるのさ! なんで小さくなっちゃってるの! 元に戻してよ!! 家に帰してよ!!こんなのおかしいよ!!!」
必死に訴える僕だったが、真奈ちゃんは表情を崩さなかった。
「うーん、そう言われてもなぁー」
「えっ……?」
予想外の反応に動揺してしまう。
「だ、だったら早く戻してくれよ!!」
「やだ♡」
即答されてしまった。
「えっ……?」
「だから、嫌だって言ってるでしょ?」
「い、嫌だって、そんなのおかしいだろ!? いいから早く戻してよ!!」
「だぁーかーらぁ、嫌なんだってば。もう、しつこいなぁ〜」
真奈ちゃんの口調が急に冷たくなった気がした。
「えっ……?」
「ん?どうしたの?」
「ど、どうして僕がこんな目に遭わなくちゃいけないんだよ!?」
怒りに身を任せて叫ぶ。
そんな僕とは対照的に真奈ちゃんは落ち着いた様子を崩さない。
巨大な瞳で僕をじっと見据えて口を開く。
「──うるさいなぁ」
その言葉を聞いた瞬間、全身から吹き出る冷や汗。
今までとは比べ物にならないプレッシャーを感じた僕は、恐怖のあまり声も出ない。
「あんまり騒ぐなら……潰しちゃうよ……?♡ プチっ、ってね♡」
指先で何かを潰す動作をしながら、不気味な笑みを浮かべる真奈ちゃん。
その笑顔を見た瞬間、背筋が凍りつき全身の毛穴が逆立つような感覚を覚える。
──ほ、本気で潰される……!!
本能的にそう思った。
冗談とは思えないほど冷たい声色だったからだ。
恐怖で身が竦む。
情のないことに涙すら溢れそうになってくる。
「ふふっ、冗談だよ♪」
「いい子にしてるうちは、潰さないであげるから安心していいよ♡」
パッと明るい表情に戻った真奈ちゃんの顔を見て、僕はホッと胸を撫で下ろした。
──あれ?
なんで僕こんなに安心してるんだ……?
これじゃまるで……真奈ちゃんに怯えてるみたいじゃないか……!
真奈ちゃんと僕はクラスメートで対等なんだ!
こんなことされていいはずがない!
人権侵害だ!!
僕は精一杯の力を込めて叫び声を上げる。
こんなのおかしいんだ。
「ふざけんな!! 今すぐ解放しろ!!」
しかし、真奈ちゃんは全く動じない。
むしろさっきよりも嬉しそうな表情を浮かべているように見える。
「ふふ、やっぱり君は威勢がいい方が似合ってるよね♡」
巨大な瞳で僕を見下ろす真奈ちゃんの顔がゆっくりと落ちてくる。
『ぬらぬら♡』と艶めいた大きすぎる唇が迫ってくる。
──キスされる!!
「ちょっ、真奈ちゃっっっ──ん"ん"っ♡♡♡」
むちゅっ♡♡♡
僕が言い終わる前に真奈ちゃんの唇が、全身を覆い尽くした。
『むっちり♡』と柔らかい感触に包まれると同時に、全身に電流が流れたかのような快感が走る。
その後遅れてやってきたのは強烈な脱力感。
──やばいっ……力が入らないっ……♡♡♡
んちゅっ♡ ちゅっ♡ むちゅぅぅ♡♡♡
唇の柔らかな感触と共に流れ込んでくる女の子の甘ったるい匂い。
真奈ちゃんの喉の奥で醸成された吐息が僕の身体を包み込んでいく。
『むわり♡』と高湿度の熱気に包まれたその匂いは思考能力を著しく低下させてしまう。
──あぁ……♡ だめぇ……♡
「んぅ〜♡♡ んちゅっ♡ 真奈のキス、気持ちいい〜?♡♡」
真奈ちゃんが口をモゴモゴさせる度に、口の中に溜まった空気が僕の身体全体に送り込まれ、内側から作り替えられていくような錯覚に陥いる。
──あ、熱いぃ……♡ 真奈ちゃんの唾液の匂いだけでクラクラしちゃう……♡ ああぁぁ……だめぇぇ……♡♡♡
ちゅぅぅぅぅ♡♡♡ ちゅぱっ♡♡♡ じゅるるるっ♡♡♡
やがて、真奈ちゃんの唇が、僕の身体に吸い付いてきた。
ちゅぅぅぅぅぅ♡♡♡
全身を吸い尽くそうとしているかのように、強く、激しく吸い上げられて。
力がどんどん抜けていく。
いや、吸い取られているという表現の方が正しいかもしれない。
真奈ちゃんの巨大な唇に、まるで魂ごと吸われているかのようだ。
身体が動かない。
意識が遠のいていく……。
──このままだとまずい……なんとかしないと……でもどうすれば……♡♡♡
──あ……れ……なんか……きもちぃ……かも……しれない……♡♡♡ あぁ……♡♡♡
「……ぷはぁ♡」
しばらくしてようやく唇を離してくれた真奈ちゃんの表情はとても満足げで。
彼女の唇から伸びる透明な糸をぼーっと眺めるしかなくて……。
なんだか頭がふわふわする。
上手く思考がまとまらない。
──なんでだろう……? ああそうか、きっとさっきの吸引のせいだ……。きっとそうだ……そうに違いない……♡♡
ぼんやりとした意識の中でそんなことを考えていると、不意に真奈ちゃんの唇が開かれた。
「ファーストキス♡ 奪っちゃった……♡」
──ああ、そうだったのか……。これが……初めての……。
いやらしく舌舐めずりをする真奈ちゃんを知覚したところで、僕の意識は途切れてしまった。
「これから毎日、たっぷり調教してあげるからね♡ 真奈のことが大好きな変態さんになるまでずっと可愛がってあげる♡♡」
真奈ちゃんのその言葉を聞きながら、僕は深い眠りに落ちていったのだった。
………
……
…
[newpage]
「ふん〜ふん〜ふ〜ん♪」
とうとう彼を縮めてしまった。
お昼ご飯に出した料理の中に、『男の子が小さくなっちゃう』という、冗談みたいな薬を混ぜておいたのだ。
「でも、ほんとに小さくなっちゃうとは思わなかったな〜……♡」
私は彼のことを気に入っていた。
気に入っていたなんてものじゃない。
愛していた。好きだった。大好きだった。
だから彼を私のものにしたかった。
私だけのものにしたかった。
だから薬を使って彼を小さくして、私の家で飼ってあげることにしたのだ。
「多分怒るだろうな〜……♡」
昔から誰にでも優しかった彼。
でも、間違ったことには絶対に立ち向かう勇気のある人でもあった。
そんな彼が、こんな理不尽な状況に置かれたらどう思うだろうか?
「嫌われちゃうかなぁ……」
少し寂しさを覚えるとともに、何故か全身がゾクゾクしてくる。
彼は私を絶対に許さないだろう。
もしかしたら警察に駆け込むかもしれない。
そんなリスクも承知の上で実行したのだ。
もう後戻りはできない。
やるしかないんだ。
覚悟を決めた私は自分の部屋の扉を開いた。
縮んじゃった彼が待つ部屋の扉を──。
ガチャっ……バタンっ。
──こっち見てる……♡
敢えて知らないふりをしてあげることにした。
私なりの気遣いだった。
いきなり巨人に見つめられたら怖いだろうしね。
そんなことを考えながら、私は一歩踏み出した。
彼の元へ歩みを進める。
セロハンテープで部屋の真ん中のこたつ机の上に固定された彼の元へ……♡
「あっ♪ おはよっ♡ お目覚めかな?」
私のことをずっと見つめていたことについては触れずに、まずは優しく声をかけてあげる。
怖がらせちゃ可哀想だもんね。
「────」
彼が何か言っている。
口元が動いているからわかるのだが、何を言っているのかまではわからない。
──あぁ、もう声も聞こえないほどにちいちゃくなっちゃったんだね……♡
そう思うとますます興奮してきた。
「ふふっ、かわいいなぁ〜♡」
そんな私の声を聞いた彼の顔が、だんだん恐怖に引きつっていく。
「助けてぇぇえええ!!!」
彼の悲痛な叫び声。
──あっ♡ これだけ大声出されると聞こえるんだ〜……♡
あまりにもちっぽけな彼と私との対比に何故だか笑えてくる。
『あぁ、あの勇ましかった彼はこんなにもなっちゃったんだ♡』なんて思うと可笑しくて仕方がなかった。
「あはははっ!! もう何言ってるの? 君は今机の上に固定されちゃってるんだよ? それなのにどうやって逃げるっていうの? こんなにちっこいのに……♡」
彼に自分のちっぽけさを教えてあげるために、私は人差し指を彼のすぐそばに下ろしてあげた。
すりっ♡
そして、そのまま少しだけ机を擦ってあげる。
すると、彼はビクッと身体を震わせて怯えだした。
その様子を見てまた笑みが溢れてしまう。
──ふふっ、怯えてる怯えてる♡ 本当に可愛いなぁ〜♡ このまま食べちゃいたいくらいだよ♡ だけど、まだ我慢しなきゃね……♡
「ぼ、僕だよ! 僕なんだよ! 覚えてないの!?」
まず初めに思ったのは、彼は何を言っているんだろうということ。
彼を縮めた張本人が私なのに、私がわからないはずがない。
それなのに彼は私に、『自分のことを忘れたのか』と聞いてくる。
もしかして、私が正気を失ったと思っているのだろうか?
私がおかしくなったから彼を縮めてしまったと勘違いをしているのかもしれない。
だとしたら、それは違うと教えてあげなければならないだろう。
だって、私は正気なのだから。
それに、この程度でおかしくなってしまうほど、やわな性格でもないのだから。
「ぷっ……あはははははっ!! 何それ? 面白ーい!」
なんだか可笑しくて、またついつい笑ってしまった。
「────」
彼が何か言っている。
だけれども私の笑い声に掻き消されて聞こえない。
何言ってるんだろ?
そう思った私は、ぐいっと彼に顔を近づけた。
「きゃっ……」
女の子みたいな声が小さな彼から漏れ出した。
目と鼻の先。
この距離まで顔を近づけて、やっとまともに声が聞こえた。
「あはっ、可愛い声出すじゃん♡」
彼の目に、私はどう映っているのだろうか?
少なくとも、この状況を喜んでいるようには見えない。
むしろ、怯えているように見える。
でも、それでいい。
その方が都合がいい。
──もっともっと、私のことを意識してもらわなきゃ……♡
「ねぇ、どうしてそんなに怖がってるの?」
単純な疑問だった。
だけれども小さな彼は「ひっ」と短い悲鳴を上げて、恐怖に顔を引きつらせるのだ。
「ほら、ちゃんと答えてよ〜」
「そ、それは……だって、真奈ちゃん、僕のこと忘れちゃったみたいだし……」
「えー、忘れてなんかないよ?」
「じゃあなんで僕ここにいるのさ! なんで小さくなっちゃってるの! 元に戻してよ!! 家に帰してよ!!こんなのおかしいよ!!!」
突然彼が捲し立ててきたので少しびっくりした。
どうやら、小さくされても彼の勇気ある心は小さくなってはいなかったようだ。
──ふふ、やっぱりかっこいいなぁ……♡
そんな彼を見ていると、自然と笑みが溢れてしまう。
「うーん、そう言われてもなぁー」
「えっ……?」
「だ、だったら早く戻してくれよ!!」
「やだ♡」
「えっ……?」
「だから、嫌だって言ってるでしょ?」
「い、嫌だって、そんなのおかしいだろ!? いいから早く戻してよ!!」
「だぁーかーらぁ、嫌なんだってば。もう、しつこいなぁ〜」
「えっ……?」
「ん?どうしたの?」
「ど、どうして僕がこんな目に遭わなくちゃいけないんだよ!?」
彼はあからさまに怒っていた。
勇気を出して間違ったことにNOを突きつける……いつもの彼らしい態度。
そんな正義感に溢れた男の子である彼だからこそ、こんな"ありえもしない"状況には耐えられないのだろう。
それでも私はやめない。やめるつもりはない。
そう思うと、彼の説教が少し鬱陶しく感じてきた。
──チビのくせに……♡
少し教えてあげることにした。
自分の身体の小ささを……♡
「──うるさいなぁ」
小さな彼がピクリと震えた。
しかし、私は彼を許さない。
「あんまり騒ぐなら……潰しちゃうよ……?♡ プチっ、ってね♡」
彼のすぐそばで、人差し指と親指を『ぎゅっ♡』とくっつけて、『すりすり♡』と指の間で擦り潰すようなジェスチャーをしてあげる。
彼のことをじっと見つめながら……♡
お前なんか私の気分ひとつで簡単に潰せちゃうんだぞ、ということを示すために……♡
「ふふっ、冗談だよ♪」
「いい子にしてるうちは、潰さないであげるから安心していいよ♡」
青ざめた彼に優しく声をかけてあげる。
あぁ、なんて私は優しいんだろうか……♡
きっと彼も感謝しているに違いない。
そうに決まってる。
だからもっと感謝してもらおう……♡
そう思って、彼に話しかけようとした矢先に──。
「ふざけんな!! 今すぐ解放しろ!!」
彼の怒号が響いた。
もし同じサイズだったら思わず耳を塞ぎたくなるくらいに大きな声量だっただろう。
だが、今は違う。
彼の怒声は、まるで小鳥のさえずりのようにしか聞こえなかった。
──あははっ、ちっちゃいなぁ〜♡
改めて今の彼との体格差を実感する。
こんなにも小さい生き物が、こんなにも強い意志を持って、大きな大きな私に向かって怒りを露わにしているのだと思うとお股のあたりが『きゅん♡』としてくる。
だけれども、彼の反抗に少しだけイラッとしてしまったのも事実だ。
せっかく優しくしてあげたのに、彼は全然わかってくれないみたいだ。
「ふふ、やっぱり君は威勢がいい方が似合ってるよね♡」
──それなら仕方ないよね?♡
──思い知らせてあげないとね……?♡
そう思った瞬間、私はゆっくりと唇を近づけていた。
彼に向かって。
5cm程度に縮めてしまった彼のちっぽけな身体に向かって──。
「ちょっ、真奈ちゃっっっ──ん"ん"っ♡♡♡」
ちゅっ♡
彼が何か言い終わる前に、その小さな身体にキスを落とす。
その瞬間、彼がビクンッ!と大きく痙攣した。
突然の刺激に驚いたのだろうか?
それとも、これから起こるであろう出来事を想像して興奮しているのか?
どちらにせよ、私にとってはどうでもよかった。
ただ、私の気持ちをわかってほしかっただけだ。
──好きだよ……♡
心の中で呟いて、何度も何度もキスを落とす。
ちゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡
小さな彼を、何度も、何度でも、啄むようにキスをする。
そのたびに彼は唇の下でピクピクと震えていた。
とても可愛らしくて、愛おしい。
私は夢中で彼にキスをした。
「んぅ〜♡♡ んちゅっ♡ 真奈のキス、気持ちいい〜?♡♡」
試しに問いかけてみるが、彼からの返事はない。
唇の下でピクピクと小刻みに震えているだけ。
それもそうだろう。
自分の身体よりおっきな唇に潰されて、しかも両手と両足はしっかりと固定されてしまっているのだ。
身動きすら取れない状態で好き放題されていれば誰だって怖くなるはずだ。
現に彼は怯えきってしまっている。
可哀想だけど仕方がない。
こうしないと彼は私のことを理解してくれないだろうから……♡
それに……これはお仕置きでもあるんだから……ねっ?♡
「んっ……♡ ちゅぅぅぅぅぅぅ♡♡♡」
あまりにも無反応なので心配になってきた私は、彼に吸い付いてあげることにした。
ぢゅぅぅぅぅっ♡♡♡
強烈な吸引力で彼の全身を吸い尽くすつもりで思いっきり吸い上げる。
彼は声にならない悲鳴をあげて、激しく身体を痙攣させていた。
──あはっ、やっぱり可愛いなぁ〜♡
もう何度思ったかわからないことを思いながら、さらに強く吸い上げてあげる。
わからせてあげないと……♡
君と私の大きさと立場の違いを……♡
………
「……ぷはぁ♡」
私自身も少し夢中になってしまっていた。
唇の下の彼がぐったりして動かなくなっちゃったことに気がついた私は、慌ててキスを中断する。
長い間唇の下敷きになっていた彼の息は絶え絶えで、目の焦点は合っていないようだった。
──やり過ぎちゃったかな……?♡
ちょっぴり反省しつつも、私の心の中は満足感でいっぱいだった。
「ファーストキス♡ 奪っちゃった……♡」
彼の目がゆっくりと閉じられていく。
疲れたのだろう。
このまま眠らせてあげることにした。
──後でセロハンは剥がしてあげるからね♡
「これから毎日、たっぷり調教してあげるからね♡ 真奈のことが大好きな変態さんになるまでずっと可愛がってあげる♡♡」
それは全て私の本心から出た言葉だった──。
………
……
…
[newpage]
「──んっ……げほっっ……ごほっっ」
咳き込みながら目を覚ます。
最悪な目覚め。
むせ返るほど甘い匂いが全身を包み込んでいたからだ。
唾液の乾いたような……決していい匂いでは……いや、むしろ──。
それが身体中にべったりとこびりついていた。
……気持ちが悪い。
──そうだ、思い出した。
昨日、真奈ちゃんにわけもわからないまま小さくされてしまったんだった。
小さくなった僕に、彼女はそのままキスをしてきて──。
それで、その後の記憶がない。
多分気絶してしまったんだろう。
──ってことは……。
改めて自分の服を確認する。
学校からの帰り道、そのままの服。
学校指定のいつも通りの服装だったのだが……。
「うげぇ……」
思わず声が出てしまうほど。
乾き切らなかった部分が、ところどころ濡れているし、甘ったるい匂いも漂っている。
僕は寝ている間ずっと、この匂いに包まれていたのか……。
その事実に気づいた瞬間、心臓が一段と跳ね上がった気がした。
ドクンドクンと脈打つ音が耳の奥で鳴り響く。
──ダメだ、このままじゃおかしくなる……早くなんとかしないと……!!
そう思って、立ち上がろうとした瞬間──。
ガチャっ……ギィィィィ………バタンっっ。
大きな音を立てて部屋の扉が開いた。
「おはよー」
ズシンっっ。ズシンっっ。ズシンっっ。
ズシィィィィンっっっ。
慌てて寝たふりをする僕へ向かって放たれた朝の挨拶。
それと同時にこちらへ近づいてきた部屋の主──真奈ちゃんは、僕が気を失っていたコタツ机の前で立ち止まった。
そして、その場に腰を下ろしてこちらをじっと見つめてくる。
──くそっ、また始まった……。
「ねぇ、起きてるんでしょ?」
そう言って、こちらを覗き込んでくる。
「ふふっ、今日も小さくてかわいいね♡」
顔を近づけてきた。
ぐぐぐぐぐ……♡
それだけで周りの空気が圧縮されていく気がする。
真奈ちゃんがそばにいるだけで部屋全体が圧迫されるような感じがする。
ただでさえ小さな僕にとってはかなりキツい環境だった。
巨大な真奈ちゃんの重圧が半端ではない。
「ほら、起きようよ♡」
しかし、そんな小さな僕を見下ろしながら話しかけてくる彼女からは、悪意など微塵も感じられない。
純粋な好意を向けられて、心が揺れ動いてしまう。
昨日縮められて、殺されかけたのに、それでもなお彼女のことを嫌いになれない自分がいる。
「ねぇ、寝たふりしてるんだよねー?」
どんどん近づいてくる巨大な顔。
視界いっぱいに広がってくる肌色の壁。
それでも僕は彼女の言いなりになるのが嫌で、見て見ぬふりを続けるものの、桃色の唇がじりじりと近づいてくる。
肌に纏わりつくような湿り気。
それが真奈ちゃんの巨大な唇から放たれた熱気とともに降り注いできて。
もう手を伸ばせば届く──というところで、それはピタリと止まった。
「むぅ〜、起きないなら、無理やり起こすしかないよね♡」
んはぁぁぁぁぁ……♡
むせ返るような甘い香り。
『ぷりぷり♡』の唇の隙間から吐き出された真奈ちゃんの吐息は、朝の歯磨き粉の香りと混ざり合い、独特なフェロモンとなって僕を襲う。
しかし、それだけで終わりではなかった。
「ん〜……ちゅっ♡」
むちゅっっっ♡♡♡
「ん"っっっ♡♡♡」
突如全身を押し潰す柔らかい感触。
真奈ちゃんが唇を押し付けてきたのだ。
頭の中を昨日の出来事が駆け巡る。
──あ"っっっ♡♡♡ またっ♡♡♡ またぁ……♡♡♡
ぬるついた唾液を纏った真奈ちゃんの唇。
普通のサイズでは感じられないような細かなシワの凹凸までもがわかるほどに密着されて、ゆっくりと全身を押し潰されていく。
んぢゅっ♡♡♡ ぢゅっ♡♡♡ んはぁ……♡♡♡ ぢゅぱっ♡♡♡ ぢゅっ♡♡♡
ふわふわで肉厚な唇にプレスされ、その柔らかさに溺れそうになる。
一方的なキスとキス。
その合間合間に喉の奥から吹きかけられる生暖かい風が、全身の皮膚を撫で回し、細胞の内側へと染み込んでいく。
そんな甘い毒のような快楽に、心を奪われそうになるのを必死に堪えるしかなかった。
「んふっ……んふぅ〜♡♡ ぢゅっ♡ んぢゅっ♡ ぢゅぱっ♡ んはぁ……♡」
──あ"あ"……♡♡♡ あぁぁぁ……♡♡♡ でも……♡ でもぉ……♡
しかし、僕の置かれている状況は昨日とは少し異なっていた。
そう、昨日はセロハンテープに固定されていて、身動きがとれなかったのだ。
今は違う。手足は自由だ。
──押し返そうと思えば、女の子の唇くらい……!!
僕は床に押し付けられた背中を支えにし、精一杯力を込めて、更にはテコの原理までも応用して、真奈ちゃんの唇を持ち上げようと四肢を突っ張って──。
むちゅっ♡♡♡ んちゅっ♡♡♡ ぢゅっっ♡♡♡
──お、重いっっっ♡♡♡
精一杯突っ張ったつもりだが、柔らかい唇はびくともしない。
──女の子の……? 唇……? くらい……?
それどころか、自分から抱きつくような形になってしまい、ますます深くめり込んでいってしまう。
──こ、これが……♡ 女の子の唇……♡♡♡ そんな……♡♡♡ あぁ……♡ くそぉ……♡♡♡
落ちてきた家の天井を相手にしているかのような気分だった。
しかし、天井と決定的に異なるのは、ぬるついていて、柔らかくて、そのくせ『ぷるんぷるん♡』とした弾力があって、いい匂いがしていて……とてつもなく気持ちがいいということだ。
「んふふ~……♡ 自分から抱き着いてきちゃうなんて……♡ んちゅっ♡ そんなにちゅーして欲しいんだ?♡♡ んぢゅっ♡ いいよ♡ いっぱいしてあげるね♡♡ んぢゅっ♡ ぢゅっ♡ ぢゅっ♡」
──ち、ちがっっ♡♡♡
「んっ……ちゅぅぅ♡♡♡」
──い、今のは、ちがっ……♡♡♡
ちゅっ♡♡ ちゅっ♡♡♡ ちゅぅぅぅぅぅぅ♡♡♡
──あぁ……♡♡♡
まただ。
また何もかも真奈ちゃんの唇に吸い上げられて、奪われて、征服されてしまう。
頑張って抵抗しようとしたけれど、真奈ちゃんの甘い匂いに包まれた全身は、『ぬるり♡』と唇の表面を滑るだけでなんの意味もなさず。
お返しとばかりにキスの雨を降らされる。
ちゅっ♡ ちゅぅぅぅぅっ♡♡♡ ……ちゅっ♡ ちゅぅぅぅぅぅっ♡♡♡
圧倒的な体格差から繰り出される、容赦のないキス責めと吸引のコンビネーション。
まるで掃除機に吸い込まれていくゴミのように、なすすべもなく吸い尽くされていく。
むちゅっっ♡♡♡ ちゅぅぅぅ……♡♡♡ むちゅっっ♡♡♡ ちゅぅぅぅぅ……♡♡♡
──あぁ……♡♡♡ こんなのってぇ……♡♡♡
………
ちゅぅ……♡ ちゅぅ……♡ ちゅうぅぅぅ……♡♡♡
「んっ……♡ ぷはぁっ……♡」
真奈ちゃんは満足したのか、ようやく口を離してくれた。
怪物のような唇から解放された安心感が僕を包み込む。
しかし、心の隅っこで少しだけ名残惜しさを感じている自分もいた。
それらは僕を複雑な感情へと導いていく。
全身唾液まみれになって気持ちが悪いはずなのに、不思議と不快感はない。
むしろ、真奈ちゃんの口の中の生暖かさに包み込まれて、少しドキドキしてしまってすらいた。
──な、なんでぇ……♡♡♡ 相手は真奈ちゃんだぞ……♡ 幼馴染だぞ……♡ それに、それに、自分を縮めた張本人、悪人なのに……♡ それなのに……♡ それなのに……♡ なんでこんな気持に……♡♡♡
自分の心境の変化に戸惑いながらも、なんとか心を落ち着かせようと深呼吸を繰り返すが、全身にこびりついた甘ったるい匂いが鼻腔を刺激し、脳髄にまで染み込んでくるようだった。
「──えへへっ♡ おはよう♡」
少しぼーっとし始めていたところに、頭上から声が降ってきた。
見上げるとそこには、こちらを覗き込んでいる真奈ちゃんがいた。
その笑顔はとても無邪気で可愛らしいものだったのだが、それと同時にどこか妖艶な雰囲気を漂わせているように感じられた。
そのアンバランスさがより一層彼女の魅力を引き立てていたのかもしれない。
そんなことを考えていたせいだろうか、いつの間にか彼女の唇に視線が釘付けになってしまっていたのだ。
さっきまで僕のことを押し潰していた唇に──。
「ねー? また無視~?」
クスクスと笑う真奈ちゃんに、ハっとした僕は慌てて返事をする。
「お、おはようございます……!!」
「なんで敬語なのよー!」
あははっ、と無邪気に笑う彼女を見ていると、心が和んでくるようだった。
「じゃ、私は学校へ行くから、君は朝ごはんでも食べててよ」
ぐぐぐぐぐぐ……ズシィ……。
巨大な指先がひとつまみの食パンを机の上に置いて離れていく。
丁寧にバターが塗られたそれは、香ばしい匂いを振りまきながら、未だ熱気を放っており。
しかしてそのサイズ感たるや凄まじく、ほぼ僕の身体の大きさと同じサイズの食パンの"欠片"は、とても一食分とは思えない……。
いや、そんなことより──。
「ぼ、僕……学校は……?」
「えー? なんか言ったー?」
ゴゴゴゴゴ……。
一度は遠ざかった真奈ちゃんの巨大な顔が再び近づいてくる。
「なにブツブツ言ってるのー?」
「え……い、いや、別に……」
「ふーん、変なの~」
「あ、あはは……それより、このトースト大きすぎないですか?」
「そうかな? 普通だと思うけど」
「そ、そうですか……」
「うん! それじゃ、私もう行くからね~!」
そう言うと、彼女は扉の方へ向かっていく。
「あっ、着替えはその辺に置いてあるから~。勝手に着替えててね~、私がやっちゃうとなんか壊しちゃいそうだし……♡ それじゃっ♡」
そして、部屋を出ていった。
残された僕はとりあえず真奈ちゃんが用意してくれた朝食を食べ始めることにした。
──それにしても、すごい量だな……。
机に置かれた食パンの"欠片"は、僕が両手で抱えきれないほどの大きさだった。
「いただきます」
まずは一口だけ齧ってみることにする。
──あ、おいし……。
じゅわりと染み出たバターの香ばしい風味が口の中に広がった。
咀嚼する度にふわふわとした食感とともに、優しい甘さがじんわりと広がっていく。
束の間の幸福感が、心を満たしていった。
結局、真奈ちゃんの圧力に負けて、学校のこと言い出せなかったな……。
みんな心配してるかな……。
お父さんとか、お母さんとか、クラスのみんなとか……。
果たして僕は元に戻してもらえるのだろうか……?
いや、そもそも元に戻る方法はあるのか……?
もしかして、一生このままなんじゃ……。
僕は一抹の不安を胸に、手に持ったトーストを押し込んでいく。
でも、真奈ちゃんなら……真奈ちゃんならきっと、わかってくれるよね……。
だって、あんなに優しかったんだから。
ちゃんと話せばわかってもらえるはずだ……!
真奈ちゃんが帰ってきたら話し合おう。
それしかない。
僕は手に取った最後のトースト……とはいってもまだまだ大量に残っているのだが。
食べられる分だけ食べた後、両手を合わせ、感謝の言葉を述べる。
「ごちそうさまでした」
満腹になったせいか、少し希望が湧いてきた気がする。
大丈夫、なんとかなるさ。
そう自分に言い聞かせていると、自分自身の身体から漂ってくる甘い香りが気になってきた。
さっき真奈ちゃんに塗りつけられた唾液が少し乾いてきて、強烈な匂いを撒き散らし始めているのだ。
鼻を通り抜けて脳ミソに直接訴えかけてくるような……そんな匂い。
正直言って、かなりキツい。
今すぐお風呂に入りたいくらいだ。
でも、今は我慢するしかない……。
と、諦めかけていたところで真奈ちゃんが着替えを用意してくれていたことを思い出した。
「ええっと……」
ふとあたりを見回すと、机の上の少し離れたところに、小さく折りたたまれた衣服を見つけた。
僕は唾液で濡れて重い体を引きずりながら近づいていき、その服を手に取る。
広げてみると、それはTシャツのようだった。
しかし、普段よく着るような普通のものとはちょっと違う。
「これって……」
何度かテレビCMで見たことがある、可愛い動物をモチーフにしたお人形が着ていた洋服──。
つまり小さな人形用の洋服が、僕に対して真奈ちゃんが準備した着替えなのだろう。
「……これを着るのかぁ」
なんだか気恥ずかしいが、仕方がない。
意を決して袖を通すことにする。
すると、すぐに違和感に気づいた。
「あれっ?」
おかしい、小さいと思っていたはずのお洋服が全然ぶかぶかじゃない。
それどころか、ちょうどいいサイズ感だ。
まるでオーダーメイドで作ったかのようにぴったりだ。
続けて学生ズボンを脱ぎ捨てた僕は、用意された短パンにも足を通す。
こっちもぴったりだ。
不思議な気持ちと同時に、少し情けない気持ちが沸き上がってくる。
──自分はあんな小さな人形と同じサイズにされてしまったのか……。
改めてその事実を突きつけられたようでバツが悪い。
とにかく早く元に戻してもらおう。
そんなことを考えながら、僕は真奈ちゃんの帰りを待つのだった──。
………
……
…
[newpage]
彼が目覚める前に起きた私は、朝の準備をしていた。
今日も学校だ。
制服を着て、髪を整えて、メイクをして──。
「よしっ♡」
鏡の前で笑顔を作る。完璧だ。
我ながら惚れ惚れしてしまう。
「まっ、この笑顔を振りまく相手は、今私の家でぐっすり眠っているんだけどね……♡」
ふふっ♡と小さく笑いを漏らすと、アプリを起動してスマホの画面を確認する。
そこには、小さな彼が画面に映し出されていた。
「ふふ……♡」
思わず笑みがこぼれてしまう。
──本当に、可愛い……♡♡♡
そう思いながら、私はそっと画面に口づけをした。
それから、ゆっくりと立ち上がる。
──今日はどんな風に可愛がってあげようかな~♡
そんなことを想像しながら朝ご飯のトーストの準備をする。
朝はバターをたっぷり塗ったトーストと相場が決まっているのだ。
やがて、小気味よい音とともに、トースターから飛び出してきたトーストを皿の上に置くと、手早くバターを塗って口に頬張った。
「ん~~~~♡ おいひ~~~~♡」
朝のこの瞬間がたまらなく好きだ。
私は幸せいっぱいの気分でトーストを齧り、コーヒーを飲み干す。
そして、最後のひとくちを口の中に放り込もうとしたことで、あることに気がついた。
──あっ、そうだ。彼にもご飯あげなきゃ。
私は手に取ったひとつまみのトーストを豆皿の上に置いた。
私にとってひとくちにも満たない程の"欠片"。
彼にとってはどうだろうか……♡
そんなことを考えながら、またスマホの画面に視線を落とす。
『げほっっ……ごほっっ』
彼が目覚めたようだった。
咳き込んでいるのが見える。
どうやら、私の乾いた唾液の匂いにむせ込んでしまっているようだ。
可哀想だけど、とても興奮する光景だった。
──ああ、なんて可愛いんだろう……♡ もっといじめたくなる……♡
私は急いで彼のいる部屋に向かうと、扉を勢いよく開け放った。
がちゃっ。
「おはよー」
ばたんっ。
扉を後ろ手に閉めて、そのまま彼の元へと歩いていく。
彼はピクリとも動かない。
さっきまで起きていたのに、寝息を立ててすらいる。
──あー……♡ そういうことね♡
狸寝入りだ。
どういうことか、なぜなのかはわからないが、彼は私に寝たふりをしている。
私がしゃがみ込むと、ビクッと体を震わせていた。
バレていないとでも思っているのだろうか?
だとしたら、なんとも可愛らしい。
あえて気づかないフリをしながら、私は彼に近づき、囁いた。
「ねぇ、起きてるんでしょ?」
反応はない。
更に至近距離で覗き込んであげる。
「ふふっ、今日も小さくてかわいいね♡」
──いつまで我慢できるかな……?♡
「ほら、起きようよ♡」
ピクリと震えた。
やっぱり起きてるんだ……♡
「ねぇ、寝たふりしてるんだよねー?」
やはり反応はない。
──それならこっちにも考えがあるから……♡
彼にもっと顔を近づけていく。
ゆっくりと、唇が触れる寸前の距離まで近づけて、吐息がかかるくらいの距離になったところで、小さく……しかし彼にとっては大きな声で囁きかけてあげる。
「むぅ〜、起きないなら、無理やり起こすしかないよね♡」
彼がはっとした顔をした。
──でも、もう遅いよ……♡
彼が何か行動を起こす前に、口を開いた私は喉の奥から空気の塊を送り込んであげる。
これは素直に起きてこない彼への罰だ……♡
んはぁぁぁぁぁ……♡
巨人に息を吹き掛けられるってどんな感じなんだろう?
きっととっても怖いんだろうな~……♡
私は絶対味わいたくないかな……♡
そんなことを考えていると、口の真下の彼がもぞもぞと動き始めた。
だけれども、このまま黙って起こしてあげるほど私はお人好しではない。
彼にそっと唇を押し付けていく。
「ん〜……ちゅっ♡」
ちゅっ♡
「ん"っっっ♡♡♡」
彼の口から上がった短い悲鳴が唇を通して伝わってくる。
だけど私はそんな彼の反応を無視して、そのまま何度も唇を押し付けてあげる。
──朝のおはようのちゅーだよ……♡
んちゅっ♡ ちゅっ♡ んはぁ……♡ ちゅぱっ♡ ちゅっ♡
唇の先に感じるピクピクと震える小さな彼の全身。
その感触を楽しむように何度も何度も、私はキスを繰り返す。
唇を離して彼の顔を見ると、顔を真っ赤にして蕩けきった表情をしていた。
私が時折覗いていることにも気がついていない。
だって、私が彼をじっと観察している間は吐息を吹き掛け続けてあげているから……♡
「んふっ……んふぅ〜♡♡ ちゅっ♡ んちゅっ♡ ちゅぱっ♡ んはぁ……♡」
無抵抗になった彼を何度も何度も押し潰す。
──ああ、たまらない……♡ もっともっと虐めたい……♡♡♡
ゾクゾクとした加虐心が湧き上がってきたところで、彼に変化が見られた。
なんとこの状況で、自分よりも何十倍も大きな女の子の顔を押し返そうとしているのだ。
唇で感じる小さな彼の全身の筋肉が、少し緊張しているのが伝わってきた。
やっぱり男の子って、少し硬いんだ。
──ああ、なんて可愛いんだろう……♡
必死に抵抗するその姿を唇で感じていると、自然と口元が緩んでしまう。
──そんな小さな体で私をどうにかしようだなんて、無理に決まってんじゃん♡ それに、もう手遅れなんだよ? もう、君は私のものなんだからさ……♡
だから、私は彼に意地悪をしてあげることにした。
──きっちり躾けてあげないと……♡
「んふふ~……♡ 自分から抱き着いてきちゃうなんて……♡ んちゅっ♡ そんなにちゅーして欲しいんだ?♡♡ んちゅっ♡ いいよ♡ いっぱいしてあげるね♡♡ んちゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡」
強張った彼の全身が震えた。
彼の四肢に力が入るのがわかった。
それは私に対する反論と言ってもよかった。
だけれども、私はそんな彼のちっぽけな抵抗ごと、唇で優しく押し潰してあげる。
キスでとろとろにしてあげる。
「んっ……ちゅぅぅ♡♡♡」
「──んぅっ!?」
幾度目かわからない声にならない悲鳴。
私は構わずキスを続けることにする。
ちゅっ♡♡ ちゅっ♡♡♡ ちゅぅぅぅぅぅぅ♡♡♡
しかし、唾液でぬるぬるになった唇で少し吸い付いてあげると、彼はすぐに大人しくなってしまうのだった。
──ああ、本当に可愛い……♡ 本当に愛おしい……♡♡♡
恋人のようなキスの雨を降らせてあげる。
ちゅっ♡ ちゅぅぅぅぅっ♡♡♡ ……ちゅっ♡ ちゅぅぅぅぅぅっ♡♡♡
彼の何もかもを奪い去るように、吸い付いて、吸い上げて、啜ってあげる。
彼が私のキスでどんどん弱っていくのがわかる。
彼の体から力が抜けていくのを感じる。
──あぁ、なんて気持ちいいんだろう……♡
私は今、最愛の人を自分のものにしているという征服感に酔いしれていた。
私の唇に押し潰されながら、必死で抗おうとする彼を見ていると、支配欲が満たされていく。
もっと、もっと、もっと、もっと……♡♡♡
むちゅっっ♡♡♡ ちゅぅぅぅ……♡♡♡ むちゅっっ♡♡♡ ちゅぅぅぅぅ……♡♡♡
夢中になって、彼の体を潰してしまうくらい強く押し付けてしまう。
すると、彼の体はビクンッと跳ね上がり、小刻みに震え始めた。
──おっと、これ以上はダメだよね……♡
私は最後に優しくキスをしてあげて、朝のちゅー♡を終わらせることにした。
ちゅぅ……♡ ちゅぅ……♡ ちゅうぅぅぅ……♡♡♡
「んっ……♡ ぷはぁっ……♡」
そうして口を離す頃には、すっかり私の涎まみれになってしまった彼がいた。
目は虚ろ。
顔は真っ赤で呼吸も荒く、だらしなく開いた口からは、どっちのともつかない唾液が流れ出ていた。
「えへへっ♡ おはよう♡」
ぼーっとしている彼に朝の挨拶をもう一度してあげる。
しかし反応はなかった。
どうやら私のキスで蕩けきってしまっているようだ。
だって、彼の目線は全部私の唇に注がれていたのだから。
「ねー? また無視~?」
クスクスと笑いながら、わざと尋ねてあげる。
ようやく気がついた彼が、慌てて返事を返してくる。
「お、おはようございます……!!」
何故か敬語……♡
「なんで敬語なのよー! あははっ」
気にしてないふりをして返事をしてあげた。
きっと彼は私の笑顔に騙されているだろうな……♡
でも、幼馴染のクラスメートに敬語を使っちゃうなんて……わかってるのかな?♡
だんだん君は……君自身が、私と対等な関係ではなくなってきてるってことを、本能で理解しちゃってるんだよ……?♡
その事実に、思わず笑みが溢れてしまう。
おっと、いけないいけない。
私も学校に行かなきゃ……遅刻しちゃう。
「──じゃ、私は学校へ行くから、君は朝ごはんでも食べててよ」
豆皿に取ってきたひとつまみのパンくず……ほとんどヘタの部分を机の上に置いてあげた。
そして、離れようとしたところで──。
「────?」
『学校』というワードが耳に入る。
はっきりとは聞き取れなかったけども、大方、『僕の学校はどうするの?』という主旨の問だろう。
5cmに縮められちゃったくせに、自分の学校のこと気にするなんてちょっと生意気だと感じてしまった。
真面目な彼らしいとも言えるんだけど……。
でも、そんな生意気な態度取るなら、お仕置きしてあげないとね……?♡
「えー? なんか言ったー?」
私は聞こえないふりをしながら、もう一度彼に向かって顔を近づけていく。
それこそ押し潰してしまうような勢いで。
どんな気分なんだろうか?
ついこの間まで同じ大きさだった女の子の、大きな大きな顔が迫ってくるのって。
天井が降ってくる?
空が落ちてくる?
ちょっと考えてもわかんないや。
「なにブツブツ言ってるのー?」
彼は何も言葉を発していない。
それはわかっていたが、矮小さを実感させるために、あえて聞いてみたのだ。
「え……い、いや、別に……」
予想通りの反応が返ってくる。
彼の『学校へ行かなきゃ』という意思を、無言の圧力だけでねじ伏せることに成功した瞬間だった。
私はにっこりと笑って、彼に声をかける。
「ふーん、変なの~」
──飴と鞭……♡
調教には、躾とご褒美が重要なのだと何かの本で読んだ気がする。
今回の場合、鞭は無言の圧力で、飴はにっこりと笑った私の笑顔。
きっと彼は、一度不機嫌にさせてしまった私が、笑っている顔を見て安堵しているに違いない。
話を終わらせようとしたところで、彼が再び話しかけてくる。
「あはは……それより、このトースト大きすぎないですか?」
──あっ、気にするところ、そこなんだ……♡
私はてっきり、食パンの捨ててしまうような部分を朝ごはんとして与えたことに文句を言われたのかと思っていたのだが、どうやら違うらしい。
私はクスリと笑うと、彼に教えてあげることにした。
──それは人間サイズだと、別に大きくもなんともないんですよっと……♡
「そうかな? 普通だと思うけど」
「そ、そうですか……」
──ふふっ♡ また彼の意見を捻じ曲げちゃった♡
彼の小さな抵抗を、知らんぷりしながら潰していくのが楽しくて仕方がなかった。
──それに……♡ また敬語になってるし……♡ 自分から対等じゃなくなる行為をしちゃうと、君の定位置がそこになっちゃうよ?♡ 気づいてないのかな?♡
「うん! それじゃ、私もう行くからね~!」
立ち上がった私は、扉の方へ向かっていく。
もう彼の声は聞こえない。聞くつもりもない。
そうだ、一つ言い忘れていた。
「あっ、着替えはその辺に置いてあるから~。勝手に着替えててね~、私がやっちゃうとなんか壊しちゃいそうだし……♡ それじゃっ♡」
──人間用のじゃないけどね……♡
ガチャっ……バタンっ……。
──ふふっ♡ 彼は今から何をするんだろうな~♡ ご飯? お着替え? それとも……♡
私はニヤついた顔を必死に抑えながら玄関の外へと飛び出していた。
放課後がこんなに楽しみな日は初めてだった──。
………
私は休み時間になるたびにスマホを取り出し、一人でお留守番している彼の状態をチェックする。
いつの間にか着替えも済ませたようで、お人形さんが着ていた服をお利口に着こなす彼を見て少しキュンとする。
彼は気づいたのだろうか?
一体全体どんな気持ちで、このお洋服に袖を通したのだろうか?
「ふふっ♡」
自然と笑みが溢れた私は、次の授業が始まるのでスマホを机の中に入れた。
──カメラ、準備しといてよかった〜♡
また一つ楽しみが増えた。
………
……
…
[newpage]
縮小されて初めて一人で過ごすお昼下がり。
特にやることなんて何もなく、ぼーっと考え事をしていた。
真奈ちゃんに小さくされてしまった自分。
真奈ちゃんの部屋の中央のこたつ机の上が僕の活動範囲の全てだ。
ヘタに机の下を覗こうものならあまりの高さに目眩がしたほどだった。
ここがただのこたつ机の上とは思えない。
スマホなどの時間を潰す道具もないので、しばらく横になったり、ゴロゴロしたりと時間を潰していると、あっという間に日が暮れてきた。
──真奈ちゃんまだかなー……。
そんなことを考えていると、遠くの方で重い扉が開く音がする。
きっと真奈ちゃんが帰ってきたのだ。
この部屋に向かう足音が聞こえる。
ガチャっっ……ギィィィィ……バタンっっ。
「ただいま〜、いい子にしてたかな〜?」
ズシンっっ。ズシンっっ。ズシンっっ。
ドォォォォンっっっ。
部屋に入ってきた真奈ちゃんは僕に声をかけてくれつつ、鞄を勉強机の上に置くとゆっくりとこっちへ向かってくる。
僕は「おかえり〜」と声に出しつつ、真奈ちゃんに向かって精一杯手を振った。
ニコリと笑いながら、手を振り返してくれる真奈ちゃん。
その笑顔に思わず胸が高鳴った。
「寂しかった?」
「う、ううん! 大丈夫!」
本当は全然大丈夫じゃないけれど、真奈ちゃんは幼馴染の女の子であるという手前、つい強がってしまう。
「ふーん、そっかぁ」
ゴゴゴゴゴゴ……。
どぉぉぉぉん……。
地鳴りのような音の後に続いて床全体を震わせる振動。
ニコニコしながら床に座った真奈ちゃんが、そのまま墨の世界の上に顎を置いて、精一杯僕と目線を合わせてくれたのだ。
真奈ちゃんは顔を机の上に置いただけなのに、そのスケールに圧倒されてしまう。
「お、おかえり! 真奈ちゃん……!」
「うん、ただいま〜……疲れたよ〜……」
真奈ちゃんが『ふぅ……♡』と小さくため息を吐いた。
『むわり♡』と甘い匂いが僕を優しく包み込む。
「あっ……♡ そ、その……学校どうだった……?」
気だるそうな表情を見せる真奈ちゃんに、恐る恐る話しかける。
「ん? ああ、別にいつも通りだよ」
「い、いや、いつも通りとかじゃなくて……あの……その……」
──僕がいなくなったこと、みんな心配してないかとか、そんなことが聞きたいんだけど……。
そう言いたかったけど、言えなかった。
真奈ちゃんの巨大な二つの瞳に見下ろされると、どうしても言葉が詰まってしまう。
「んー? なんか言ったー?」
真奈ちゃんの口から大音量の言葉が発せられるたびに、唇から空気の塊が漏れ出してくる。
ゴォォォッ……♡ ブワァァァァァッッ♡
むわぁぁぁぁ……♡♡♡
「ん"っっ♡ えっ!? いやっ……! あ、えっとぉ……きょ、今日は学校で何かあったかなって……」
慌てて取り繕いながら質問を繰り返す僕に対して、呆れたような表情で答える真奈ちゃん。
「……別に何も無かったよ」
「あ、あはは……」
苦笑いしか出ない。
「あ、あのさ、今日は何をしてきたの?」
何とか話題を振ってみる。
「えー? それ、言わないとダメー?」
「い、いや、そういうわけじゃないんですけど……」
──ああ、ダメだ……会話が続かない……。
気まずい沈黙が流れる。
「……ま、いっか」
意外にも口を開いたのは真奈ちゃんだった。
「学校、普通に楽しかったよー」
「あっ……そ、そうなん……ですね……」
「もー、だからなんで敬語なの」
僕が動揺していると、真奈ちゃんはクスリと笑ってから、続きを話し始めた。
「あははっ! まぁいいや……えーっとね、今日はね──」
学校での出来事を思い出すように語り始める真奈ちゃん。
そして、真奈ちゃんの言葉一つ一つに相槌を打っていく僕。
そんなやり取りを続けていくうちに、だんだん打ち解けてきたような、二人の関係がどんどん昔に戻っているような、そんな気分になっていった──。
………
いつの間にか日は完全に落ちていた。
天井に取り付けられたシーリングライトだけが部屋を明るく照らしている。
そして僕は、楽しそうに喋る真奈ちゃんを、いつしか相槌するのも忘れて、じっと見つめていた。
「それでねー、帰りにコンビニ寄ってアイス食べたんだ〜」
「へー、そうなんだ〜」
──なんか、楽しそうだなぁ……。
真奈ちゃんとのサイズ差に少し慣れたのか、僕も会話に参加できるくらいの余裕が出てきた。
真奈ちゃんは笑顔で、今日一日にあった出来事を話してくれている。
それがなんだかとても楽しそうだったので、ついつい聞き入ってしまっていた。
「──ねぇ、キスしたい?」
突然、真奈ちゃんは僕にそんなことを聞いてきた。
「え……? な、なんで急に……?」
「だって君、私の話を聞いてるとき、ずーっと私の唇、見てたでしょ? 今だって、唇から目離せてないし……♡ 『パクパク♡』って動く私の唇に釘付けじゃん♡」
「ち、違っ! そんなことないもん!!」
なんだか恥ずかしくなって、僕は咄嗟に否定してしまった。
すると、真奈ちゃんの口元がニヤリと歪む。
「へぇ〜、違うんだぁ〜♡ じゃあ、もうしてあげないね……♡」
そう言って真奈ちゃんは、僕の目の前で口をモゴモゴ動かし始めた。
──あれ? なんでだろ……すごくドキドキしてきた……。
ゆっくりと開かれた口の中。
泡立つ唾液。
口の中で蠢く舌はまるで別の生き物のようにうねっている。
目が離せない。
「んふふ〜……♡」
楽しそうに笑った真奈ちゃんは、舌の上に溜まった大量の唾液を喉の奥に運び込み……。
それを一気に飲み込んだ。
ごくんっ♡ ごくん♡ ごくっ♡ ごきゅっっ♡♡
喉が鳴る音が僕の世界に響き渡る。
その瞬間、真奈ちゃんの表情が変わったような気がした。
「んはぁ……♡ ほら、おいで……♡」
自らの唇に人差し指を添えて、トントンっと叩いて僕に合図を送る。
くちゅっ♡ くちゅっ♡
人差し指が『ぷるぷる♡』の唇に触れるたびに、いやらしい水音が立っていた。
──あ……♡
僕の身体が勝手に動いていく。
僕の意思に反して、真奈ちゃんの元へと近づいていく。
唇が間近に迫るにつれ、その隙間から漏れ出してきた真奈ちゃんの吐息の甘い匂いがどんどん濃くなってくる。
釣られるように僕の足も早くなっていた。
──は、早く行かなきゃっっ♡♡♡ 真奈ちゃんが待ってる♡♡♡
ようやく辿り着いた真奈ちゃんの顔。
こたつ机の上に鎮座するそれは改めて見てみるとあまりにも巨大すぎた。
顎の先から唇までの距離ですら、わずかに僕の身長より高い。
「ふふっ♡ 届かないね……♡」
真奈ちゃんは意地悪そうに笑った顔が視界いっぱいに広がる。
──か、かわいいっっ♡♡♡
思わず見惚れてしまった。
真奈ちゃんの顔は近くで見るとさらに可愛らしかった。
長いまつ毛、大きな二重瞼、小さな鼻、潤った唇、きめの細かい肌。
真奈ちゃんが……いつも見ていた幼馴染がこんなにも可愛いなんて知らなかった。
「んふっ♡ どうしたの? そんな見つめちゃってぇ……♡」
真奈ちゃんがニヤニヤしながら話しかけてくる。
「べ、別になんでもないよっ!」
つい強がってしまう僕。
──なんでこんなに緊張しちゃうんだっっ♡♡♡
「ふーん、そっかぁ……それより、ちゅーしたかったんじゃないの?♡ 届かないよね?♡」
真奈ちゃんの大きな手のひらが、まるで絨毯のように机の上に乗り上げてくる。
その上に乗れと言っているのだ。
僕はおずおずとその手の上に身体を預ける。
「し、失礼します……♡」
真奈ちゃんの手は思わず全身を擦りつけたくなるほど、柔らかくて、暖かくて、それでいて優しい手触りで──。
「ふふっ♡ そんなに私の手が好きなの?♡」
「う、うん……好きかも……」
「そっかぁ……ならもっと触っていいよ♡」
「えっ!?」
──そ、それってどういう……。
僕が答えを出す前に、真奈ちゃんの手指が折りたたまれ始めた。
「えっ!? ちょっ!? 真奈ちゃん!!??」
ゆっくり彼女の指が空を塞ぎ、僕の驚きの声は手の肉に吸い込まれていった。
まるで檻だ。
真奈ちゃんの柔らかくてふわふわとした手肉の檻に閉じ込められようとしているんだと気づいたときにはもう遅かった。
僕の周りの世界が、指という名の肉の壁で次々と遮断されていく。
指が一本、また一本と曲がるたびに視界が削られ、指の隙間から漏れ出す光も逃さないとばかりに『ムチムチ♡』の指肉がぎっしりと敷き詰められていく。
嫌な音を立てる心臓。
浅くなる呼吸。
「や……やだっ……!」
言葉は出るのに、足は一歩も動かない。
わかってしまったからだ。
これは遊びじゃない。
真奈ちゃんは本気だ。
握られる。
このまま逃げられずに、指の中に押し込められる。
包み込むように曲がった真奈ちゃんの指先が、ついに僕の頭上を塞いだその時。
視界が消えた。
その瞬間、僕の世界は彼女の手のひらだけになった。
「うふふ♡ もう逃げられないね♡」
頭上、遥か遠くから聞こえてくる真奈ちゃんの声。
でも、肉の密室空間に囚われた僕にとってはその声さえどこか現実味がない。
まるで夢の中で響いているみたいだ。
「君はほんとに無防備だな〜♡ 巨人さんの手の中に自分から捕まりにくるなんて……♡ そんなにも、ちゅーしたかったの?♡ それとも私の指にすりすりして気持ちよくなりたいのかな?♡」
ぐぐっ……♡
ずずず……♡
ぐぢゅるるるぅぅぅ……♡
ミチミチミチっ♡
ギシ♡ ギシ♡ ギシ……♡
手のひらが動いた。
それだけで世界が軋んだ。
指の筋肉が骨を折り曲げる……自分の体の内側から響いたのではないかと錯覚するほどの、嫌な音。
じっとりと濡れた手の内で、肉が肉に絡みつきながら巨大な力で無理やり擦れるような……形容できない音。
普通のサイズでは、まるで気にもとめなかった音の数々が耳の奥で炸裂する。
こんな音、聞いたことがない。
ただ手を握るという行為によって引き起こされた音だと信じられないその音たちは、視覚を奪われた僕のことをあっという間に恐怖のどん底へと陥れる。
ギシっ♡ ギシっ……♡
ニチニチニチ……♡
「……まっ、どっちでもいっか♡」
だけど僕のことを陥れた張本人は呑気な声で言い放ち、さらに僕の空間に手指の肉を敷き詰めていく。
ずずずず……♡
ギチギチギチ……♡
全身を包み込む抗いようのない圧迫感。
柔らかくも力強い圧。
そこに優しさなんてものは微塵もない。
あるのはただ、全身を包み込む肉のクッションの感触と、皮膚と皮膚の隙間から染み込んでくる熱。
『じっとり♡』と滲んだ手汗が極小の空間をまるでサウナのような場所に作り変えていた。
肉のサウナ。
柔らかくぬるついた肉が全身にまとわりつき、蒸された空気が鼻腔から脳髄へと満ちていく。
思考は泡のようにぷつぷつと弾けて、意識はふわふわと宙に浮いた。
蒸気のように纏わりついてくる空気が甘く、重い。
吐いても吸っても、肺胞にこびりついた匂いが取れない。
自分の中に蓄積された真奈ちゃんという人間そのものの匂い。
どこまでが自分の感覚だったのか、もうわからない。
熱と匂いが、僕の内側を真奈ちゃんそのもので塗り潰していく。
ゆっくりと、でも確実に。
自分の体が潰されそうになっているのに。
生殺与奪の権利を握られているというのに。
身体の中に刻まれた真奈ちゃんの匂いは、僕から抵抗する気力を奪い去っていく──。
「ぐったりしちゃった……♡ ちょっと中がどうなってるか、確かめよっと……♡」
ゴゴゴ……♡
少し空いた握り拳。
外の光が差し込んできたわずかな隙間から見える太くて長いピンク色の柱。
真奈ちゃんは僕に見せつけるように、指先をその隙間から侵入させてきたのだ。
「うわっ♡ 私の手の中、あっつ……♡」
ズズズズズ……♡
地響きのような唸りをあげつつ、新たな侵入者は狭い狭い手の中の空間を押し広げながら、ゆっくりとだが確実に、巨大な指の先は手の肉を掘削するように突き進んでくる。
その姿は洞穴の中に侵入を果たしてきた巨大な怪物のようだった。
とても人の指だとは思えない。
「それに……♡ なんか汗でヌルヌルしてるし……♡ ちょっと気持ち悪いかも……♡」
ずり……♡ ずり……♡ ずり……♡
──や、やばいっっ♡♡♡
自分の身体よりも太くて逞しい指の先が、真奈ちゃんの手の中をゆっくりと、こちらに向かって着実に突き進んでくる様を見せつけられて、僕は本能的に危機感を覚えていた。
逃げるように奥へ奥へと後ずさる。
真奈ちゃんの手の中という狭い空間。
逃げ場なんてどこにもないことはわかっていながらも、目の前で『ぐねぐね♡』と、轟音轟かせながら迫ってくる指の先に。
自分の身体よりも大きな指の先に、言いようのない恐怖を覚え、逃げずにはいられなかった。
むちっ♡
しかし、早くも背中が柔らかい手の肉につっかえてしまう。
当たり前だ。
手という狭い空間。
そんな中に閉じ込められている僕には、もう逃げる術がない。
──ど、どうしよう……このままだと……。
そうこうしているうちに、真奈ちゃんの指がとうとう僕の目の前に現れた。
真っ暗な空間。
指の隙間から入り込んでくる僅かな光のみが光源となり、血色の良いピンク色をした肉の壁を照らしていた。
手の中全体にうっすらとかいた汗が、光を浴びて『ぬらぬら♡』と輝いている。
恐ろしくて今すぐにでも逃げ出したくてたまらないはずなのに、目の前に広がっている光景はあまりにも美しく、艶めかしく、淫靡なもので。
僕の心はその巨大な美しさに魅了されてしまっていた。
──あ……あぁ……♡♡
僕の身体が無意識に動いていく。
目の前の肉壁に顔を近づけていくたびに、甘く蕩けるような匂いが漂ってくる。
身体が熱い。
熱でもあるかのように火照っているのがわかる。
まるで媚薬のように、嗅いでいるだけで身体が疼いてくる。
「み〜つけた……♡」
ぎゅぅぅぅぅぅ……♡♡♡
前進を止めなかった指先によって、『しっとり♡』と押し潰されてしまった。
そのまま、ゆっくりと引きずり込まれるように僕の身体が手の肉の中へと沈められていく。
抵抗を許さない力強さ。
「あ"っっ♡♡♡ うぅ……♡♡♡」
僕が壊れてしまわないように気を遣われているのがわかるくらい、少しずつ。
人差し指が、ゆっくり、じっくり、僕の身体を押し潰していく。
「ふふっ♡ 君の小さな身体にとって、私の人差し指ですらこんなに大きいんだよ?♡ ほら……♡ ぎゅぅぅぅぅぅ……♡♡♡」
「あ"っっ♡♡♡ あ"あ"っっ♡♡♡」
真奈ちゃんの細い人差し指に手も足も出ず、身体が圧縮されていくばかり。
身体が潰れて全身の骨が軋むたびに、身体が熱くなって、変な声が出てしまう。
「あははっ♡ すごい声出しちゃって……♡ そんなに気持ちいい?♡」
「あ、あ、ああ、ああっっ♡♡♡ き、きもちよく、ないっっ♡♡♡ からっっ♡♡♡」
僕を押し潰そうとする指の先に、両手で必死にしがみつく。
だが、そんな抵抗などお構いなしと言わんばかりに、真奈ちゃんの指は容赦なく僕を圧迫していく。
「え~? 嘘つかないでよ……♡ こんなエッチな声出してるのにさぁ♡」
ぎゅっ♡ ぎゅっ♡ ぎゅっ♡
「あふっ♡ んふっ♡ あひっっ♡♡」
何度も何度も真奈ちゃんの指の腹で押し潰される。
手の表面から染み出した汗のせいか、時折『ぬるり♡』と肌を舐め上げられて、変な気持ちになってしまう。
「ねぇ、女の子の指の先なんかに必死にしがみついて、恥ずかしくないの?♡ 情けないと思わないの?♡ ほら♡ ぎゅっ♡ ぎゅっ♡ ぎゅぅぅぅ〜♡ あはは♡ すっごい声出てるよ?♡」
──おっっ♡ おっっ♡ 幼馴染のっっ♡ 手っっ♡♡ 手なのにぃぃぃ♡♡♡ だめっっ♡♡♡ だめっっ♡♡♡ だめぇぇ……♡♡♡
しかし、いくら心の中で叫ぼうとも、口から漏れ出すのは喘ぎ声ばかり。
真奈ちゃんの巨大な指の先が僕の心をどんどんぐちゃぐちゃにしていくようだった。
「ふふっ♡ やっぱりすっごく気持ちよさそうだね……♡ 私の手の中でビクビク震えてるよ……?♡」
「ち、ちがうぅぅ♡♡♡ こ、これはぁぁ♡♡♡」
「何が違うのかなぁ?♡」
意地悪な笑い声。
それに呼応するように、真奈ちゃんの人差し指がゆっくりと、僕の身体の形を確かめるように這い回り始めた。
「ふふっ……♡ 君の身体、ちっちゃいね♡ 可愛いね♡ 女の子の指先にも勝てないんだね♡ ……何になら勝てるんだろ?」
すりっ……♡ ぬりっ……♡ ぬりゅぅ……♡ ぬちゅぅ……♡
──ひ、ひぃいいいっ♡♡♡ こ、こんなのぉおおっっ♡♡♡
全身をぬるついた指先で愛撫され、声にならない悲鳴をあげる。
だが、そんな蚊の鳴くような悲鳴は、全て真奈ちゃんの手の肉に吸い込まれて消えてしまう。
僕のちっぽけな訴えなんて、この巨大な手の持ち主には届かない。
「ふふっ♡ くすぐったいの?♡ じゃあもっと激しくしてあげるね♡♡♡」
くにゅくにゅくにゅくにゅ♡♡♡
今度は人差し指が『くるくる♡』と回転運動を始めた。
「うぐっ♡♡♡ ううっっ♡♡♡ ふぅぅっ♡♡♡」
回転する人差し指に巻き込まれて全身が揉みくちゃにされる。
柔らかい手のひらの中で『ぐにゃぐにゃ♡』と転がされる。
まるで洗濯機の中で回されてるかのようだ。
あまりの刺激の強さに思わず声が漏れてしまう。
「ふぐぅうううっっっ♡♡♡」
しかし、それでもなお終わらない。
もうやめてほしいと思うほど、真奈ちゃんは僕のことを責め立ててくる。
その指先が触れる度に、僕の身体が熱く火照っていく。
甘い疼きが全身に広がっていき、何も考えられなくなっていた。
今自分が向いている方向もわからない。
光を奪われ、視界を奪われ、肉の中で揉みくちゃにされ、全身を嫐られ続ける。
そんな状況に置かれながらも、快感を感じてしまっている自分に気づく余裕すらない。
だが、ついにその時がやってくる。
「あはっ♡ どうしたのかな?♡ なんだか息が荒くなってきたみたいだけど……♡」
手の中を掻き混ぜることをやめた指先が、明らかな狙い持って近づいてくる。
身を捩らせて逃れようとするものの、手のひら全体で『むぎゅう♡』と押さえつけられて身動きが取れない。
「ほら、危ないから動かないで……♡ 今からどうなっちゃってるのか、確認してあげるんだから……♡」
──やめっっ♡♡♡ やめっっ♡♡♡ これ以上されたらおかしくなっちゃっっっ♡♡♡ ここ、触られたら後に戻れなくなっ──♡♡♡
すりっ……♡♡♡
「あ"っっっ♡♡♡」
「なんか、硬くない……?♡」
すりっ……♡♡♡
「ん"っっっ♡♡♡」
「あ、ごめん……♡」
僕の反応を見て、真奈ちゃんは少し申し訳なさそうに謝った。
「いきなり敏感なところ触るとびっくりしちゃうもんね……♡」
そして、今度は優しく撫でてくれる。
すりすりすり……♡♡♡
「ん"っっっ♡♡♡ あぁぁぁぁ……♡♡♡」
優しいタッチに心地良さを覚え、ついつい漏れ出る荒い息。
「ふふっ♡ 可愛いっ……♡ ねぇ、こんなにもびくびくしてるけど、大丈夫?♡」
「だ、だいじょうぶだからぁっ♡♡♡ だからぁっっ♡♡♡ もうっっ♡♡♡ やめっっ♡♡♡ やめぇ……♡♡♡」
「ん? なんで? とっても気持ちよさそうじゃん……♡」
「き、きもちよくっ♡♡♡ ないからぁぁっ♡♡♡」
「ふーん……そうなんだぁ……♡」
真奈ちゃんは手の中の僕を優しく握りながら、再び指をくねらせ始めた。
くにゅくにゅくにゅくにゅ♡♡♡
「あ"っっっ♡♡♡ あ"あ"あ"っっっ♡♡♡」
股の間に滑り込んできた人差し指が、僕の身体をすり潰すように股間を擦り上げていく。
『ぷにぷに♡』とした柔らかな指の腹で撫でられただけで、腰が砕けてしまいそうな程の快楽に襲われた。
──こっ……これっ……♡♡ だめぇぇ……♡♡♡
必死に我慢しようとしても無駄だった。
まるで大木にしがみつく蝉のように、真奈ちゃんの人差し指にしがみつき、『もうやめてください♡♡♡ 許してください♡♡♡』と許しを乞うものの、僕の心の中の訴えが真奈ちゃんに届くことはない。
真奈ちゃんはしがみついた僕のことなんて関係ないとでも言わんばかりに、指先を器用に動かして僕をいじめ抜いていく。
「ふふっ♡ 必死にしがみついてきて……♡ そんなに私の指が好きなの?♡ 赤ちゃんみたいだね♡」
「ち、ちがっ……♡♡ あうっ♡♡♡」
真奈ちゃんの指の動きに合わせて勝手に身体が跳ね上がる。
その度に視界が揺れて、頭の中が真っ白になる。
「指で擦られて、君の身体、また一段と敏感になっちゃったみたいだね……♡」
「ち、ちがっっ♡♡♡ んくっ♡♡♡」
「違うってなにが?♡ もしかして、気づいてないのかな?♡ 君、さっきからずーっと、腰を動かしてるんだよ?♡」
「え……?」
──そ、そんなはず……。
「嘘じゃないよ?♡」
真奈ちゃんはそう言って、人差し指の腹の部分で僕の股間をもう一度なぞった。
「ほら、こんなふうに……♡ 指の先を押し付けてあげただけで……♡」
カクっ♡ カクっ♡ カクっ♡
すりっ♡ すりっ♡ すりっ♡
「ああぁぁぁ……♡♡♡」
──な、なんでぇ……♡♡♡ これっ♡♡ きもちぃ……♡♡♡
「あれ?♡ どうしたのかなぁ?♡ さっきまであんなに嫌がってたのに、急に大人しくなっちゃったね?♡ 自分がどんな恥ずかしいことをしているかわかっちゃったのかな?♡ 女の子の指先に抱き着いて、自分で腰振っちゃうなんて……♡」
「ち、ちがっ……」
否定しようとするが、うまく言葉が出ない。
真奈ちゃんの言う通り、僕は腰を振ってしまっているのだ。
恥だってある。
真奈ちゃんにどう思われるかだって気になる。
だけど──。
「違わないでしょ?♡ だって、君は今、私の手の中で、指に抱きついて腰を一生懸命へこへこ振っているんだよ?♡」
ぎゅぅぅううううう♡♡♡
「ひぎぃっ!?♡♡♡」
僕を握る真奈ちゃんの手に力が込められた。
強烈な力で握りしめられ、身体中に激痛が走る。
それと同時に、快感が脳天を突き抜けていく。
こんなの絶対におかしい。
「あはっ♡ すごい声出ちゃったね?♡ ちょっとやりすぎちゃったかも……♡ でも、飴と鞭だから仕方ないよね?♡」
真奈ちゃんは楽しそうに笑いながら、再び人差し指を動かし始めた。
「──今度は飴だよ♡ 嬉しいでしょ?」
すりっ……♡♡♡
すりすりすり……♡♡♡
すりすりすり……♡♡♡
狭い狭い手の中。
上下に動く人差し指。
指の腹の柔らかい部分が、股間を丁寧に磨き上げるように動いていく。
これを愛撫と言わずして何と言うのか。
「お"っっっ♡♡♡ お"お"っっ♡♡♡」
悶絶。
強烈な快感。
「もう我慢なんてできてないじゃん♡ そんなに私にいじめられるのが嬉しいのかな?♡ 君は本当に変態だね……♡」
手の中の僕に向かって囁きかけられた言葉が、全身へと染み込んでいく。
真奈ちゃんの言葉一つ一つを言い聞かせるように、上下に動く人差し指が余計な思考をすべて蹴散らし、真奈ちゃんの言葉だけを刷り込んでくるようだった。
──ち、ちがぅぅぅ……♡♡♡
否定の言葉は口を出ない。
その代わり漏れ出るのは甘い声だけ。
「ふふっ♡ もうすっかり骨抜きって感じだね? いいよ、もっともっと可愛がってあげる……♡」
すると、真奈ちゃんは人差し指の先端だけを器用に動かし始めた。
くにゅくにゅくにゅくにゅ♡♡♡
指先だけが動くことで、小刻みに振動を与えられるのだ。
昔ふざけて友達同士でやった電気あんまのような刺激。
それが今、幼馴染の、女の子のたった一本の指先によって行われているのだ。
その事実だけでも頭がおかしくなりそうだというのに、こんな甘美な刺激を受けて耐えられるはずがない。
「あ"っっ♡♡♡ あ"あ"っっ♡♡♡」
快感のあまり絶叫を上げてしまう。
もう我慢なんてできなかった。
真奈ちゃんの手の中で、真奈ちゃんの指先が与えてくれる快楽を求めるように腰を突き出し、擦り付け……自分が気持ちよくなることしか考えられなかった。
──もうダメっっ♡♡♡ 耐えられないっっ♡♡♡ イキたいっっ♡♡♡ イカせてほしいっっ♡♡♡ 早くっ♡ 早くっ♡ 早くっ♡ 早くぅぅぅ♡♡♡
「あっ……♡」
しかし、その時が訪れることはなかった。
「ふふ……♡ もうすっかりお洋服がベタベタだね……♡」
開かれた手のひらの中を、巨大な真奈ちゃんの顔が覗き込んでくる。
彼女の手汗でぐっしょりと濡れた全身。
大量の汗を吸った服がずっしりと重い。
全身を包み込む真奈ちゃんの甘酸っぱい匂いが残滓となって股間を苛み始めていた。
「な、なんでぇ……♡♡♡」
「んー?♡ なにが?♡」
「も、もっとぉ……♡♡♡」
「ちゃんと言ってくれないとわからないよ?♡」
「うぅ……♡♡♡」
恥ずかしくて言い出せない。
だけど、言わないことには始まらない。
意を決して口を開く。
「も、もっと……♡♡♡」
「うん、なに?♡」
「も、もっとぉぉ……♡♡♡」
「ふふっ♡ どうしてほしいの?♡」
「うぅぅ……♡♡♡」
「ほら、言ってごらん?♡」
「も、もっとぉぉぉ……♡♡♡」
「うんうん♡」
「きもちよくしてぇぇ……♡♡♡」
精一杯の勇気を振り絞り、真奈ちゃんにおねだりをする。
「きもちよく……?♡ ふーん、そっかぁ……♡」
ニヤリと笑って舌なめずりをする真奈ちゃん。
いやらしくて妖艶な顔。
これから起こることに期待してしまう……そんな大人の女性の顔。
しかし、僕に掛けられた言葉は僕の期待を裏切るもので──。
「やだよ♡」
「えっ……?」
信じられない返答だった。
思わず聞き返してしまったくらいだ。
「やだよって言ったの♡」
真奈ちゃんはクスクスと笑っていた。
本来は可愛らしい真奈ちゃんの笑顔が、僕を嘲笑う悪魔のように見えてしまう。
射精を取り上げた悪魔の笑み。
「な、なんで……♡ そんな……♡ ひどい……うぅ……♡♡」
「ふふっ♡ なんでって言われてもなぁ……♡ だって、君と私は対等な関係なんだよね?♡ それなのに、私が一方的に君に何かしてあげるっていうのはおかしいと思わない?♡ こんなのレイプと何も変わらないよ?♡」
「そ、そんな……」
真奈ちゃんは意地悪な笑みを浮かべながら、僕を言葉で嫐っていく。
「そもそもさぁ、君がいけないんだよ?♡ お手々でちょっと握って、擦ってあげただけであんなふうになっちゃうんだもん……♡ 私、君の性欲処理のためにやってるわけじゃないんだけど?♡」
「い、いやっっ……そ、そんなつもりじゃ……!」
先程まで僕を撫で回していた人差し指が、再び近づいてくる。
しかし、さっきまでとは違って、真奈ちゃんの親指も一緒になって迫ってくる。
そして、二本の指の腹がぴったりと合わさったかと思うと、何かを擦り潰すように『ぐにゅっ♡』と蠢き始めた。
ぐぐぐ……♡♡♡
指と指の摩擦音が低い轟音となって響き渡る。
その音につられるように、僕の心の中を本能的な恐怖が覆い尽くしていく。
──もし真奈ちゃんの指に、ああやって挟まれでもしたら……。
思わず真奈ちゃんを見上げてしまう。
僕を見下ろしながら、真奈ちゃんはニヤニヤと笑っていた。
「──これでわかったよね?♡ 大人しく言うこときけるかな?♡」
「も、もうちょっと優しく……」
ぐぐぐ……♡♡♡
僕が真奈ちゃんにすがるような視線を送っても、彼女の指の動きはとまることはなく。
最終的に僕は、真奈ちゃんの無言の圧力の前にコクリと頷くことしかできなかった──。
………
……
…
[newpage]
暇があるたびに彼のことをカメラアプリで覗いていたが、特に面白いことは起こらなかった。
手持ち無沙汰なようでゴロゴロしたり、時たまこたつ机の下を覗いては腰を抜かしていたりと、彼は小人生活を満喫(?)しているようだった。
──ふふっ♡ 可愛いなあ……♡
そんな姿が可愛くてついつい笑みが溢れてしまう。
──あーあ……♡ やっぱり好きだなぁ……♡
早く彼に会いたい。
そんなことをずっと考えていると、面倒な授業もあっという間に感じた。
程なくして放課の時刻となる。
友達の誘いも全部振り切って、下駄箱から出ようとしたところで不意に呼び止められた。
「おい、──」
「はい?」
私の名前を呼んだのは、彼の部活の顧問の先生だった。
確か担当科目は数学だったかな……。
あまり興味がないので覚えていない。
「なぁ、あいつのこと知らないか? たしかお前と家が近かっただろ」
なんで私と彼のこと知ってるんだろ……。
まあ、いっか。
「うーん、わかんないですねぇ」
「そうか……。あいつ、今日学校に来てないみたいなんだよな……。なにか知らないか?」
「さあ、私にはさっぱり」
「そうか……ならいいんだ」
そう言って先生は去っていった。
彼との時間に水を差す邪魔者をいなした私は、足早に校舎を後にした──。
………
ガチャっ。
「ただいま~、いい子にしてたかな~?」
なんて冗談を言いながら、私は彼の待つ自室へと飛び込んだ。
机の上に視線をやると、彼が精一杯両手を振っている姿が目に入る。
──か、かわいぃぃぃ……♡
思わず『きゅん♡』となる。
抱き着いてしまいたいところをなんとか堪える。
危ない、危ない。
私は努めて冷静に、少しニコリと笑いながら手を振り返してあげることにした。
私の反応に喜ぶ彼もまた可愛かった。
「寂しかった?」
彼のそばまで近寄った私は、耳をそばだてながら囁きかけた。
そうしないと声が小さすぎて聞こえないのだ。
「──! 大丈夫!」
彼の『大丈夫』という言葉を聞いて、私は少し落胆してしまう。
『寂しい』と言ってほしかった。
もう少し私に甘えて欲しかった。
「ふーん、そっかぁ……」
床に座った私は、精一杯彼と同じ目線となるように、こたつ机の上に顎を乗せた。
それでも彼を見下ろしてしまう。
彼はそこまで小さくなってしまっているのだ。
その事実を再認識すると、なんだかドキドキしてきた。
「お、おかえり! 真奈ちゃん……!」
近寄ってきた小さな彼が、私に声をかけてくる。
その様子を見て、私は瞬時に理解した。
──あぁ、この子、何か言いたいことがあるんだな……♡
心の奥底で、『むくむく♡』と嗜虐心が湧き上がる。
──ちょっと意地悪してやろ……♡
私は気だるそうな表情を見せながら、彼に返事をしてあげた。
「うん、ただいま〜……疲れたよ〜……」
言葉の最後に『ふぅっ♡』と吐息を漏らすと、彼はピクンと身体を震わせた。
どうやら効果は抜群のようだ。
楽しくなってくる。
「あっ……♡ そ、その……学校どうだった……?」
──なに?♡ 吐息で感じてるのに、そんなこと聞いてくるの?♡ もっといじめたくなっちゃうじゃん♡
「ん? ああ、別にいつも通りだよ」
もちろん嘘である。
今日は楽しい一日だった。
だって今から大好きな彼をおもちゃにして遊べるのだから。
「い、いや、いつも通りとかじゃなくて……あの……その……」
──ふふっ♡ 『僕がいなくなって周りの反応はどうだった?』って聞きたいんでしょ?♡ でも答えてあげない♡
そんな思いを汲み取りつつも、慌てる彼をじっと見下ろしてあげる。
わざとらしく、瞳を下の方へ動かして、『見ているぞ♡』っていう無言のメッセージを送りながら。
「んー? なんか言ったー?」
そして、トドメとばかりに『君の声は小さすぎて聞こえないよ♡』というニュアンスを込めて返事をする。
勿論、吐息のプレゼント付きだ♡
ふぅ~っ♡
すると案の定、彼は動揺した様子を見せてくれた。
「ん"っっ♡ えっ!? いやっ……! あ、えっとぉ……きょ、今日は学校で何かあったかなって……」
私の吐息を浴びながら、必死に取り繕ってみせる彼。
そんな様子が可愛らしくて堪らない。
もっと意地悪してやりたい。
──もっと追い詰めたらどうなるのかな……?♡
私の心の中を悪魔のような考えがよぎる。
「……別に何も無かったよ」
冷たく突き放してあげた。
彼の口からは『あはは』という乾いた笑い声しかでていなかった。
──あはっ♡ きっと怖いよね……♡ こんな巨人に、君のことを一瞬で捻り潰せる巨人に嫌われちゃうかもしれないんだもんね?♡ 可哀想だけどやめないよ?♡ もう私の中では君を虐めたくて仕方ないんだから……♡
芽吹いた加虐心がムクムクと膨れ上がっていく。
「あ、あのさ、今日は何をしてきたの?」
しかし、意外にも彼は勇敢だった。
私から目を逸らさずに、会話を続けようとしているのだ。
その表情からは恐怖の色が見て取れたが、それでもなお会話を続けようとする姿勢には好感が持てた。
──へぇ……頑張るじゃん……♡ 無駄な努力だけどね……♡ さて、どうやって遊んであげようかな……♡
私は少しだけ考えるフリをした後、ゆっくりと口を開く。
「えー? それ、言わないとダメー?」
私はわざと大げさに、嫌そうな表情を浮かべてみせた。
「い、いや、そういうわけじゃないんですけど……」
消え入りそうな声で呟いた彼は、今にも泣き出してしまいそうだった。
──あはっ♡ また敬語になっちゃってる……♡ 心の中で私に跪いちゃったんだね……♡
彼との間に静かな時間が流れる。
遠くの方でカラスが鳴いている音がした。
──可愛そうだからそろそろ普通にしてあげよっかな♡
「……ま、いっか♡」
「学校、普通に楽しかったよー♡」
「あっ……そ、そうなん……ですね……」
「もー、だからなんで敬語なの♡」
彼の動揺はすぐにはほぐれなかった。
ちょっと意地悪しすぎてしまったかもしれない。
──ごめんね?♡
「あははっ! まぁいいや……えーっとね、今日はね──♡」
………
その後は彼と楽しい楽しいお話の時間を過ごした。
私のつまらない話を彼は一生懸命に聞いてくれる。
そんな健気さが可愛くて仕方がなかった。
おかげであっという間に時間が過ぎていく。
気がつくと、窓の外はすっかり暗くなってしまっていた。
「それでねー、帰りにコンビニ寄ってアイス食べたんだ〜♡」
「へー、そうなんだ〜」
しかし、私は途中から気づいていた。
彼の視線が私の唇に釘付けになっていたことに。
私が話している最中もずっとチラチラ見ていたし、今もずっと私の口元ばかりを見ている。
──バレバレなんだよねぇ……♡
「──ねぇ、キスしたい?」
「え……? な、なんで急に……?」
「だって君、私の話を聞いてるとき、ずーっと私の唇、見てたでしょ? 今だって、唇から目離せてないし……♡ 『パクパク♡』って動く私の唇に釘付けじゃん♡」
「ち、違っ! そんなことないもん!!」
どうやら、私の予想はあたったようだ。
彼は顔を真っ赤にして否定してくる。
だが、そんな態度とは裏腹に視線は私の口元に注がれている。
そんなわかりやすい反応をされると、自然と笑みもこぼれるというものだ。
「へぇ〜、違うんだぁ〜♡ じゃあ、もうしてあげないね……♡」
──だけど、誘惑はしてあげる……♡ 素直になっちゃえ……♡
私は唇をモゴモゴと動かして、口内に唾液の溜まりを作ると、ゆっくりと口を開いた。
そして口の中をかき混ぜるように、時間をかけて舌を大きく動かしていく。
彼の目は私の口に釘付けだ。
彼の喉仏が大きく上下するのが見えた。
──ふふっ♡ やっぱり欲しいんじゃん……♡
「んふふ~……♡」
彼の反応に満足した私は、溜め込んだ唾液を喉の奥へと流し込む。
喉が『ごくんっ♡』と大きな音を立てた。
その音を聞いて、彼はビクッと肩を震わせた。
私はその様子を楽しみながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「ほら、おいで……♡」
唇を人差し指で、『とんっ♡ とんっ♡』と。
二回だけ叩いてあげる。
唇についていた唾液が、指先についてしまった。
すると、顔をみるみる赤く染め上げた彼が、ふらふらとした足取りでこちらに近づいてきたのだ。
「んふっ……♡」
その様子がおかしくて、つい笑い声が漏れてしまう。
──あーあ、あんなにフラフラしちゃって……♡ そんなに私とキスしたかったのかな?♡ でもさぁ……♡ わかってるのかな……?♡ 今の自分の小ささ……♡
「ふふっ♡ 届かないね……♡」
きっと今の私はとんでもなく意地悪な顔をしていたに違いない。
だって吊り上がってくる口角が抑えきれないんだもん。
私の唇の……キスの虜になった彼が、届かない唇を見上げて切なげな表情をしているのを見ると、ゾクゾクとした快感が込み上げてくる。
──あぁ、なんて可愛いんだろう♡ この小さな男の子を自分のものにしたい♡ この子の全てを支配してあげたい♡
そんなイケナイ欲望が次々と湧き上がってくる。
「んふっ♡ どうしたの? そんな見つめちゃってぇ……♡」
「べ、別になんでもないよっ!」
──嘘つき♡
「ふーん、そっかぁ……それより、ちゅーしたかったんじゃないの?♡ 届かないよね?♡」
小さすぎて私の唇にすら届かない彼のために、お手々を差し出してあげた。
そしてそのままじっと見つめてあげる。
──ほら、乗りなよ♡ 自分から進んで登ってきなよ♡
すると彼は『失礼します』と呟いた後、ゆっくりと私の大きな手に、自分の両手をついてくる。
よじ登ろうとしているのだろう。
彼の小さな手に力が込められて、私の大きな手に軽い軽い体重が掛かる。
もし私がこのまま手を閉じてしまったら──。
彼は両手を囚われて、何もできなくなってしまう。
そんな危険がたっぷりと詰まった私の手のひらの上に彼は自らの体を預けようとしているのだから思わず笑みがこぼれてしまう。
私の手に広がっていく彼の小さな体温が心地よかった。
ようやく私の手の上に乗り上がった彼は、甘えた子犬のように『すりすり♡』と全身をこすりつけてきた。
──はぁ……かわいいなぁ……♡♡♡
もうすっかり骨抜き状態だ。
男の子とは思えない。
彼のことはずっとずっと好きだったが、縮めた彼を家で飼っていると、その気持ちがどんどん深くなってくる。
こんなにも愛おしいと思える存在に出会えるだなんて思いもしなかった。
──きっとこの子は私のことを愛してくれるよね……♡ 身体の大きさが違っても……♡
もう絶対に逃さないという決意を固める。
「ふふっ♡ そんなに私の手が好きなの?♡」
「う、うん……好きかも……」
正直に答えてくれた彼に、またもや心がときめく。
──だめだ……♡ 可愛すぎる……♡
「そっかぁ……ならもっと触っていいよ♡」
──ごめん♡ もう我慢できない……♡
「えっ!?」
狼狽える彼を無視して、私はゆっくりと手の指を折り曲げていく。
「えっ!? ちょっ!? 真奈ちゃん!!??」
彼の目にはどう映っているだろうか?
閉まりゆく巨人の手のひら。
徐々に見えなくなっていく私の姿。
──焦ってる焦ってる……♡ 君を乗せた、おっきなお手々が閉まってくよ〜?♡ ほら、どうにかしないと握られちゃうよ〜?♡
指の隙間から見える彼の顔が恐怖に歪んでいる。
その顔を見ていると下腹部が『きゅん♡』と疼く。
──はい、捕まえたぁ~♡
「うふふ♡ もう逃げられないね♡」
彼を握った手の中がじっとりと汗ばんでくる。
中はほとんどサウナみたいなものだろう。
──あはっ♡ なんか変な感じ……♡ なんだか自分が、すごく悪い子になっちゃったみたい……♡
小さな彼が私の手の中で必死にもがいているんだろうけれど……。
彼が小さすぎて……非力すぎてよくわからない。
──もうちょっと、私と彼の圧倒的な差をわからせちゃお♡
「君はほんとに無防備だな〜♡ 巨人さんの手の中に自分から捕まりにくるなんて……♡ そんなにも、ちゅーしたかったの?♡ それとも私の指にすりすりして気持ちよくなりたいのかな?♡ ま、どっちでもいっか♡」
ぎゅぅぅぅ♡ ぐにっ♡
私は彼を握った手に、力を入れたり緩めたりと
繰り返してみる。
ぎゅっ♡ ぎゅっ♡ ぎゅっ♡
すると何度か繰り返している間に、手の中の彼の反応が変わってきたことに気づいた。
最初は全身で私の手のひらや指を押し返そうと頑張っていたようだが、今は全く抵抗できていないようだ。
むしろ、時折甘い声を漏らしているようにも感じる。
どうやら、小さな彼は私の手に少し握られただけで逆らえなくなってしまっているようだ。
──まぁ無理もないか……♡
「ぐったりしちゃった……♡ ちょっと中がどうなってるか、確かめよっと……♡」
手の力を少し緩めてあげた。
握り締めた手の親指側。
くるりと巻いた人差し指の関節の隙間を少し開けて。
そこにできた小さな穴の入り口から反対の手の人差し指を捩じ込んで、そのまま優しく押し広げていく。
「うわっ♡ 私の手の中、あっつ……♡」
中は蒸された熱気でムンムンとしていた。
その温度と湿度の高さに少し驚きながらも、人差し指で中をかき混ぜるように動かしていく。
そのままゆっくり奥へと進めていき、ついに第一関節がすっぽりと中に入り込んだ。
「それに……♡ なんか汗でヌルヌルしてるし……♡ ちょっと気持ち悪いかも……♡」
彼にとってはたまらないだろう。
やっとできた空間を巨大な指に侵食されていくのだから。
私にとったら、自分の手でできた筒の中に人差し指を突っ込んでいるだけ。
でも彼にすると、自分が囚われた逃げ場のない肉のトンネルの中へ、私の巨大な指という怪物が、しかも自分を探し求めて侵入してくるという状況なのだ。
──とっても怖いだろうね……♡
でも、私はやめるつもりはなかった。
むしろもっと怖がらせてやろうと、手の中で指の先を『ぐねぐね♡』と動かした。
──あっ……♡
穴の底。
手の筒の中の一番奥に、彼が到達した感触をわずかに感じた。
もう少しだけ指を進めてあげる。
あえてゆっくりと……♡
──ん……?♡
するとどうだろう。
指の先に何かが触れて、わずかな感触が伝わってきた。
それは小さな手のようだった。
「み〜つけた……♡」
我ながら意地悪だ。
こんなこと言わなくても、彼がそこにいるのはわかっていたのに。
ついつい彼を怖がらせたくて、こんなことを言ってしまう。
そして私は彼の小さな身体に、人差し指をそっと押し付けた。
「あ"っっ♡♡♡ うぅ……♡♡♡」
ほんの少ししか力を込めてないのに、手の中の彼は小さな呻き声をあげた。
それは苦しそうな……だけどどこか少し気持ちよさそうな……そんな声。
私の中の支配欲が満たされていく。
「ふふっ♡ 君の小さな身体にとって、私の人差し指ですらこんなに大きいんだよ?♡ ほら……♡ ぎゅぅぅぅぅぅ……♡♡♡」
「あ"っっ♡♡♡ あ"あ"っっ♡♡♡」
今度は少し強く押し込んであげた。
私の大きな指先に押し潰された小さな彼が、私の手のひらにめり込んでいく感触がたまらない。
癖になってしまいそうだ。
「あははっ♡ すごい声出しちゃって……♡ そんなに気持ちいい?♡」
「あ、あ、ああ、ああっっ♡♡♡ き、きもちよく、ないっっ♡♡♡ からっっ♡♡♡」
──あぁ、嘘だろうな……♡
その証拠に彼は私の指先に抱きついてくるだけで、抵抗らしい抵抗を見せない。
もしこれが彼の精一杯の抵抗だとしたら……あまりにも可愛すぎる♡
──もっといじめたくなっちゃうじゃん♡
「え?♡ 嘘つかないでよ……♡ こんなエッチな声出してるのにさぁ♡」
ぎゅっ♡ ぎゅっ♡ ぎゅっ♡
「あふっ♡ んふっ♡ あひっっ♡♡」
指を少し押し込んであげただけで、彼はもうまともに喋れなくなってしまったみたいだ。
──ふふっ♡ かわいいなぁ……♡
彼の口から漏れる小さな喘ぎが、手の中の空気を小さく震わせる。
まるで子犬が甘えるような、そんな可愛らしい声だった。
「ねぇ、女の子の指の先なんかに必死にしがみついて、恥ずかしくないの?♡ 情けないと思わないの?♡ ほら♡ ぎゅっ♡ ぎゅっ♡ ぎゅぅぅぅ〜♡ あはは♡ すっごい声出てるよ?♡」
もう彼が何を言っているのかわからなかった。
指の腹で優しく押してあげてるだけなのに、手の中の彼は身体をピクつかせながら、聞いたこともないような声を出している。
指先に抱きついてくる小さな感触もくすぐったくて心地よい。
──これ、やばいかも……♡ もっと虐めたくなる……♡
「ふふっ♡ やっぱりすっごく気持ちよさそうだね……♡ 私の手の中でビクビク震えてるよ……?♡」
「ち、ちがうぅぅ♡♡♡ こ、これはぁぁ♡♡♡」
「何が違うのかなぁ?♡」
身体の奥から熱い何かが込み上げてきて、私自身の体温も上がってくる。
熱った身体の熱は指先にも伝わって、手の中が汗でどんどんぬるついていく。
彼の体は小さいから、もしかしたら私の手汗で溺れてしまうかもしれないな……なんて思ったりもしたけど、今更止めることなんてできない。
だからせめて、この手汗で彼を苦しめないように、優しく優しく愛撫してあげることにした。
「ふふっ……♡ 君の身体♡ ちっちゃいね♡ 可愛いね♡ 女の子の指先にも勝てないんだね♡ ……何になら勝てるんだろ♡」
ぬりゅ……♡ ぬりゅ……♡ ぬりゅぅ……♡ くちゅくちゅ♡
指先で彼の身体の形を確かめるようになぞっていく。
くすぐるような優しい刺激。
それでも指の先には彼の小さな身体の震えが伝わり、手のひらには彼の口から発せられた小さな声の振動が伝わってくる。
人間ではなく、何か小動物を愛でているような……そんな気分にさせられる。
「ふふっ♡ くすぐったいの?♡ じゃあもっと激しくしてあげるね♡♡♡」
私はそう言いながら、手のひらの中で震えている彼をさらに激しく擦り上げた。
手の中を指で掻き混ぜるように『ぐるぐる♡』と、円を描くように動かしてあげるのだ。
ちっぽけな彼の抵抗なんて無意味だと言わんばかりに、指先の動きを早めていく。
すると、次第に彼の声が弱々しくなっていった。
もう限界が近いのかもしれない。
「あはっ♡ どうしたのかな?♡ なんだか息が荒くなってきたみたいだけど……♡」
──勃っちゃってるでしょ……?♡
回転させていた指をピタリと止めてあげた。
そしてゆっくりと彼がいるはずの場所に向かって近づけていく。
お手々の中でもがいているのがわかったけども、手の中を少しだけ狭くしてあげたら彼は身動きが取れなくなったようだった。
あまりにもちっさくて、非力だ。
「ほら、危ないから動かないで……♡ 今からどうなっちゃってるのか、確認してあげるんだから……♡」
すりっ……♡♡♡
「あ"っっっ♡♡♡」
「なんか、硬くない……?♡」
指先に布越しの何かが当たった瞬間、手の中の彼がビクンと跳ねた。
その反応を見て、私は思わず笑みをこぼしてしまった。
──やっぱりね……♡
私は指先をそのまま押し進めてみる。
するとやはり、指先に硬いものが当たる。
それをもう一度撫でてやる。
すりっ……♡♡♡
「ん"っっっ♡♡♡」
「あ、ごめん……♡」
彼が手の中で一際大きい声を上げたからびっくりしてしまった。
男の子の生のソレを見たこともなければ、もちろん触ったこともない。
それに今は私の方がうんと大きいから、力の加減が難しい。
だけれども、知識としては知っている。
同級生の女の子が前に自慢してたっけ。
彼の触ったんだって。
「いきなり敏感なところ触るとびっくりしちゃうもんね……♡」
すりすりすり……♡♡♡
触れるか触れないかという力加減で、人差し指の先端だけを、布越しの硬くなったソレに擦り付けていく。
その度に、彼は小さな体をピクンと跳ねさせて反応してくれた。
「ん"っっっ♡♡♡ あぁぁぁぁ……♡♡♡」
彼の口から漏れた一際大きな声。
きっと感じているのだろう。
なんだ、私も結構イケルんじゃん。
「ふふっ♡ 可愛いっ……♡ ねぇ、こんなにもびくびくしてるけど、大丈夫?♡」
「だ、だいじょうぶだからぁっ♡♡♡ だからぁっっ♡♡♡ もうっっ♡♡♡ やめっっ♡♡♡ やめぇ……♡♡♡」
何が大丈夫なんだろうか。
手の中の彼はもはや呂律すら回らなくなっている。
私の指先一つに翻弄されちゃっている。
「ん?♡ なんで?♡ とっても気持ちよさそうじゃん……♡」
「き、きもちよくっ♡♡♡ ないからぁぁっ♡♡♡」
「ふーん……そうなんだぁ……♡」
──ちょっと生意気だな。
彼が怖がるといけないので口には出さなかったけど、正直イラッとした。
──私の指でこんなに感じてるのに、素直じゃないなぁ……♡ もっと素直になってくれないと面白くないじゃん……♡
そんな気持ちを込めて、少しだけ早く、指の先を上下に動かしてみる。
くにゅ……♡ くにゅ……♡ くにゅ……♡ くにゅ……♡
「あ"っっっ♡♡♡ あ"あ"あ"っっっ♡♡♡」
するとすぐに彼の口から歓喜の声が漏れ出した。
彼のちっぽけな身体よりも太い指先を、股の間に差し込んで、指の腹で何度も何度も硬くなったソレを擦ってあげる。
私の指が動くたびに彼は甘い吐息を漏らし、しまいには私の指に抱きついてきて、そのまま腰を押し付けながら全身を震わせ始めた。
私の指一本に全力でしがみつき、腰を振る小さな彼。
愛しい愛しい、あまりにも無力な彼の姿を想像すると私の股の間も熱くなってくる。
「ふふっ♡ 必死にしがみついてきて……♡ そんなに私の指が好きなの?♡ 赤ちゃんみたいだね♡」
「ち、ちがっ……♡♡ あうっ♡♡♡」
──身体は気持ちよくなりたいって叫んでるのに、頭で必死に否定しちゃってる……♡ 可愛い……♡
「指で擦られて、君の身体、また一段と敏感になっちゃったみたいだけど?♡」
「ち、ちがっっ♡♡♡ んくっ♡♡♡」
──ふふっ♡ 教えてあげないとね?♡ 不都合な真実を……♡
「違うってなにが?♡ もしかして、気づいてないのかな?♡ 君、さっきからずーっと、腰を動かしてるんだよ?♡」
「え……?」
──まさか?♡ ほんとに気づいてなかったの?♡ そんなわけ無いよね?♡ ほんとに同じ人間……?♡ いや、笑っちゃダメだ♡ 我慢我慢……。
「嘘じゃないよ?♡」
──わからせてあげるね♡
「ほら、こんなふうに……♡ 指の先を押し付けてあげただけで……♡」
「ああぁぁぁ……♡♡♡」
──あーあ……♡ 私の指に抱きついて一生懸命腰振っちゃって……♡
「あれ?♡ どうしたのかなぁ?♡ さっきまであんなに嫌がってたのに、急に大人しくなっちゃったね?♡ 自分がどんな恥ずかしいことをしているかわかっちゃったのかな?♡ 女の子の指先に抱き着いて、自分で腰振っちゃうなんて……♡」
「ち、ちがっ……」
「違わないでしょ?♡ だって、君は今、私の手の中で、指に抱きついて腰をへこへこ振っているんだよ?♡」
──普通に考えたら犯罪だよ? 犯罪♡ そんな悪い虫くんにはお仕置きしてあげなきゃ……♡
私は彼を握った手に少しだけ力を込めて、手で抱き締めてあげる。
潰してしまわないようにそっと……♡
きゅっ♡
「ひぎぃっ!?♡♡♡」
手の中から悲鳴が上がった。
──たったのこれだけで?♡ ほんとに小さく、弱くなっちゃったんだね……♡
「あはっ♡ すごい声出ちゃったね?♡ ちょっとやりすぎちゃったかも……♡ でも、飴と鞭だから仕方ないよね?♡」
──あ、これだめだ……♡ もう完全にスイッチ入っちゃった……♡♡
「──今度は飴だよ♡ 嬉しいでしょ?」
──硬くなった、君の小さなソレ……♡
くにゅ♡ くにゅ♡ くにゅ♡
再び、私の指先が彼のソレに触れた。
ソレは小さくてもしっかり硬く、熱を持っていた。
指先でひたすら撫でてあげる。
手の中の彼が汗で滑りそうだったので、私はより強く握りしめることで固定した。
「お"っっっ♡♡♡ お"お"っっ♡♡♡」
「もう我慢なんてできてないじゃん♡ そんなに私にいじめられるのが嬉しいのかな?♡ 君は本当に変態だね……♡」
くにくにくに……♡
しばらく待っても返事がない。
彼はもう声もろくに上げられていないようだった。
私の中で嗜虐心が湧き上がってくる。
──もっと虐めたい……♡♡
「ふふっ♡ もうすっかり骨抜きって感じだね?♡ いいよ、もっともっと可愛がってあげる……♡」
彼のソコに狙いを定め、折り曲げた指先を狭い股座に押し付け、小刻みに振動を加えてあげる。
くにくにくにくにくに♡♡♡
幼い頃、ふざけてお仕置きと称して男子によくやっていた電気あんまの要領で。
その時は両足首を掴んで、みんなの股間を踏み潰して……。
今思い返すととんでもないことをしていたんだと思うが、その時の私には性の知識などひとかけらもなかった。
ただいつも調子に乗っていたわんぱくな男の子が、床の上で悶える姿を見下ろすことが好きだった。
私の足一本のせいで、両手で顔を隠しながら恥ずかしそうに転げ回る羽目になる子たちを見下ろすことがたまらなく好きだったのだ。
だけど手の中の彼は、今やその時の子たちより酷い有様だ。
彼がどれだけ股をくねらせようと、たったの私の指先一つ……♡
小さすぎる彼はまともに押し返すことができない。
私が少しこの手に力を入れただけで、彼は何も抵抗できずに潰れてしまうだろう。
こんな小さな生き物……いや、虫けら同然のちっぽけな存在が……こんなにも私を求めている。
こんなに小さいくせに必死に腰を突き出して快楽を求めようとしている……♡♡
そんな彼の姿を手の中に感じるだけで、下着の下がどんどん湿っていく。
あの時感じた『ゾワゾワ♡』とした気持ちの正体が今ならわかる。
「あ"っっ♡♡♡ あ"あ"っっ♡♡♡」
手の中の絶叫が一際大きくなった。
それに比例して人差し指の先端にめり込んだソレがどんどん硬くなっていく。
──熱い……♡ 男の子のってこんなにも硬く、熱くなっちゃうんだ……♡ 小人さんサイズだから小さく感じるけど、こんなにも逞しいんだ……♡ 男の子ってこんなにも力強くて……かっこよくて……それなのに……♡ それなのに……♡
私の手の中で全身を震わせる彼の反応がどんどん激しくなっていく。
私の指に……女の子の人差し指に両手でしがみついて、必死に腰を振っている。
──もっと見たい♡
彼の反応が。
表情が。
仕草が。
──もっともっと見たい♡
愛?
母性?
庇護欲?
支配欲?
そのどれでもない気がする。
でも、どれも似たようなものだと思う。
──この小さな彼のことをもっと知りたい……♡ 私の全てで愛でてあげたい……♡
私の手の中で無様にイキそうになっているこの生物を、もっともっと追い詰めたあげたくなってしまう……♡♡♡
ぎゅぅぅぅ……♡♡♡
ぐりぐりぐり♡♡♡
私はさらに強く、彼の硬くなったソレを指の腹で押し潰した。
すると、ソレは大きく跳ねて、私の指を押し返そうとしてくる。
──イキそうなんでしょ?♡
あの時の私とは違う。
男の子たちとふざけ合ってた私とは違う。
全身を震わせて、『クネクネ♡』と身悶えすることが意味の分からない、幼稚な行為だと感じていた私。
だけど今ならわかる。
手の中の男の子がどうなっちゃっているのか。
だからこそ、手の中の彼を……。
──私は解放してあげた♡
「あっ……♡」
手の中から現れた彼。
小さく小さく、残念そうに囁かれた言葉を、私は聞き逃さなかった。
「ふふ……♡ もうすっかりお洋服がベタベタだね……♡」
──笑うな、笑うな私……♡
「な、なんでぇ……♡♡♡」
「んー? なにが?♡」
──そんな顔しないでよ♡
「も、もっとぉ……♡♡♡」
「ちゃんと言ってくれないとわからないよ?♡」
──そんなに気持ちよかったの?♡ 私の指で『グリグリィ……♡』ってされるの……♡♡
私の手汗でぬるぬるになってしまった彼は、涙目になりながら俯いてしまった。
『うぅ……♡♡♡』なんて呻き声をあげているのも、とっても愛おしくてたまらない。
──ふふっ♡ かわいっ♡♡♡
しばらく眺めていると、彼は意を決したのか私の方を見上げてきた。
小さく潤んだ瞳とガチガチに勃起した股間のソレとのギャップがまた可愛らしい。
「も、もっと……♡♡♡」
──あーあ♡ もう堕ちちゃってるじゃん……♡
わかってて聞き直してあげる。
もっと正直にならないとね♡
「うん、なに?♡」
「も、もっとぉぉ……♡♡♡」
『もっと♡』だけじゃわかんないよ?
私はエスパーじゃないんだからさ……♡
「ふふっ♡ どうしてほしいの?♡」
「うぅぅ……♡♡♡」
少し悔しそうな、恥ずかしげな顔をして、彼はしばらく口籠ってしまう。
「ほら、言ってごらん?♡」
彼の表情を楽しんでいる自分がいる。
彼を虐めて悦んでいる自分がいる。
既にお股はぐっしょり濡れて、下着を貫通してしまっている。
──私ってこんなにエッチだったんだ……♡
「も、もっとぉぉぉ……♡♡♡」
か細い声。
蚊の鳴くような、消え入りそうな声。
私の吐息で掻き消されて、聞き取ることすら難しい声。
「うんうん♡」
それでもちゃんと、しっかりと聞いてあげる。
だって私は君の飼い主なんだもん……♡
──ほら、早く言って?♡
そう心の中で囁くと彼の小さな手が、私の指を掴んだ。
お腹の奥が『キュゥゥゥン♡』と疼く。
「きもちよくしてぇぇ……♡♡♡」
あまりの情けなさに思わず笑ってしまいそうになった。
こんなに小さくて弱々しい彼にこんなことを言わせるなんて。
──私って結構Sだったんだ……♡
そんな新しい自分の発見に少し驚くも、その驚きを表に出さず、さらに彼を責め立ててみせる。
「きもちよく……?♡ ふーん、そっかぁ……♡」
『今初めて知りました♡』みたいな顔をして、舌なめずりをしながらわざとらしく『何のことかわからないなぁ……』なんて演技をしてあげる。
きっと今の私はとっても悪い顔をしていたに違いない。
そのまま悪女を演じてあげる……♡
「──やだよ♡」
「えっ……?」
「やだよって言ったの♡」
クスっ♡
「な、なんで……♡ そんな……♡ ひどい……うぅ……♡♡」
『信じられない……』とでも言いたげに口をポカンと開けて今にも泣き出してしまいそうな彼を見下ろしながら、私は更に追い討ちをかけてあげる。
──ごめんね?♡ でも、私ももう止まんないんだ……♡
「ふふっ♡ なんでって言われてもなぁ……♡ だって、君と私は対等な関係なんだよね?♡ それなのに、私が一方的に君に何かしてあげるっていうのはおかしいと思わない?♡ こんなのレイプと何も変わらないよ?♡」
「そ、そんな……」
対等な関係……♡
そんなはずがない。
こんなにも小さな彼と私が対等なわけがない。
現に手のひらの上の彼は、私の些細な指の動きにも敏感に反応を示し、全身をピクつかせている。
もしかすると握りつぶされるかもしれないという恐怖が頭をよぎるのだろう。
あとはもっともらしい言葉を並べて、彼をいじめる口実にするだけ。
「そもそもさぁ、君がいけないんだよ?♡ お手々でちょっと握って、擦ってあげただけであんなふうになっちゃうんだもん……♡ 私、君の性欲処理のためにやってるわけじゃないんだけど?♡」
「い、いやっっ……そ、そんなつもりじゃ……!」
──ふふっ、そんなつもりじゃないって……?♡ 私の手の中でよがり狂ってたのに、よくそんなことが言えるよね♡
少し立場の違いをわからせてあげないと……♡
身をもって対等でないことを教えてあげることにした私は、彼に向かってもう一度指の先を近づけていく。
今度は人差し指だけでなく、親指も一緒に。
突如接近してきた巨大な指から彼は目が離せなくなっていた。
──君もこうなっちゃうかもよ……?♡
『ニタニタ♡』と微笑みながら、指をゆっくりと重ね合わせた。
そのまま『ずりずり♡』と指を擦り合わせて、空気を挟み潰してあげる。
私を見上げる小さな彼の顔が立ち所に引き攣っていく。
──あ〜あ……♡ 今にも泣き出しそうな子供の顔になっちゃった……♡
「──これでわかったよね?♡ 大人しく言うこときけるかな?♡」
「も、もうちょっと優しく……」
彼の消え入るような声は、もう私の耳に届かない。
もう止まらない。もう止められない。
一度坂道を転がり出したボールのように、もう私の中の加虐心は止まることを知らないのだから──。
私は『ニタニタ♡』と笑いながら、彼が頷くまで指の摩擦をやめてあげなかった──。
………
……
…
[newpage]
「あっ、私お風呂入ろうと思ってたんだ〜」
『学校で汗かいちゃったしね』なんて笑いながら、真奈ちゃんは制服のブラウスのボタンに手を掛ける。
「あ"っっ! ちょっとちょっと!!」
それはいくらなんでもまずいと焦った僕は、必死になって真奈ちゃんに両手を振る。
すると、こちらに気づいた真奈ちゃんの手が止まり、顔がこちらを向いた。
何か思い出したような顔をしていた。
「あ〜、忘れてた。君の服も洗濯してあげないとね〜。今着てるのも、汗だくでしょ?」
ゴゴゴゴ……。
──誰のせいで……!
という言葉を飲み込んだ。
いや、飲み込まざるをえなかった。
伸びてくる巨大な手。
空気を押し潰しながら、ゆっくりと。
何度経験しても慣れない圧迫感。
同じ人間だとは到底思えない。
天井が落ちてくるようなものなのだ。
「んしょっと」
ズシィィィィン……。
それは僕のすぐそばに着地した。
地響きと共に地面が大きく揺れる。
どうしても身体が強張ってしまう。
「ほら、何ぼーっとしてんの? 服、脱いでよ。洗濯できないでしょ?」
どんっ。どんっ。どんっ。
机の上に降り立った手の、太くて力強い大木のような人差し指が机を殴打する。
普通サイズでは気にならなかった音も凄まじい音量となって僕に襲いかかり、立っているのもやっとのくらいだった。
──ゆ、揺れてるっ……!!
真奈ちゃんの指が引き起こした地響きによって、机の上の物がカタカタと音を立てていた。
──こ、怖い……!
地震という天変地異に対して、本能的な恐ろしさが全身を包み込む。
──でも、ここで僕が怖がっていることがバレたら何をされるかわからない。
だから精一杯平静を装って、返事をする。
「う、うん」
すると、すぐに返事が返ってきた。
「じゃあ早く脱ぎなよ」
「わ、わかったよ……」
言われた通りに服を脱ぐことにした。
お人形さん用のTシャツを脱いで、短パンに手をかけたところで、気がついた。
──ノーパンじゃん……。
つまり、これを脱いでしまうと僕は完全に裸になってしまうのだ。
──ど、どうしよう……。
焦ってしまう。
しかし、真奈ちゃんの無情な声が飛んでくる。
「あれ? どうしたの? 早くしないと風邪ひいちゃうよ?」
──うっ……。
すがるような目で真奈ちゃんを見上げた。
どんっどんっどんっどんっ。
机を叩く指の先のリズムがどんどん短くなっていく。
もう限界だった。
「あ、あの……その……ぱ、ぱんつが……なくて……だから……その……脱げなくて……」
顔から火が出そうなほど恥ずかしかった。
言わなければどうなるのかわからない。
だが、意外にも真奈ちゃんは『あっ、そうか』と小さく呟くと、机を叩いていた手を引っ込めてくれた。
しばらくして戻ってきた手の中には、白い布切れが握られていた。
「はい、これ。ちぎってあげたから……巻きつけて隠したらいいよ」
差し出されたのはティッシュの切れ端。
到底“ティッシュ”のようには見えないが、どうやら巻いて下着の代わりにしろということらしい。
「やっ……で、でも……これって……ティッシュじゃ……」
さすがに抵抗があった。
割けるのではないかという心配もあったし、ティッシュを腰に巻き付けて下着代わりにするなんて……いくら何でも恥ずかし過ぎる。
しかし、そんな僕に下された審判はあまりにも無慈悲だった。
ドンっっっ!!!!
叩きつけられた巨大な手のひら。
大きな音が鳴り響くと同時に、今までにない振動が伝わってくる。
「ひっっっっ!!!」
一分の隙間もなくなるほど完全に密着した真奈ちゃんの手のひらの肉と平らな机の面。
もしあのまま手のひらが僕に向かって降ろされていれば……間違いなく即死。
目と鼻の先で圧倒的な力の差を見せつけられて、これ以上逆らう気力が湧くはずがなかった。
「ご、ごめんなさい……」
「わかればよろしい♡」
さっきまでの冷たい表情から一転して、ニッコリと笑った真奈ちゃんは僕が着替えるのを待ってくれているようだった。
とりあえずパンツ代わりのティッシュを巻きつけることができたので、短パンに手をかける。
腰にティッシュを巻き付けているとは言え、幼馴染の見られている状態で素っ裸になることはやっぱり恥ずかしい。
──ええいっ! ままよ!
できるだけ素早く済ませようと、一気に短パンを脱ぎ去った。
股間を覆っていたものがなくなり、開放感を感じる。
「あっ、脱いだね〜。じゃあ服は貰ってくね〜、ちゃんとお洗濯してあげるから安心してね〜」
そう言うと、真奈ちゃんは僕の脱ぎ捨てた服を、今朝脱ぎ捨てた僕の制服も丸ごと片手で拾い上げてしまった。
もう僕には何も残っていない。
全てあの巨大な手の中に奪い去られてしまったのだ。
「じゃ、私も脱いでお風呂いこ〜っと」
真奈ちゃんは全く躊躇うことなく制服をスルスルと脱いでいく。
ブラウスのボタンを一つずつ外していき、スカートを下ろすと、あっという間に上下お揃いの可愛らしいピンクの下着姿になってしまった。
初めてみる幼馴染の下着姿に思わず見惚れてしまう。
さっき寸止めされたこともあってか、僕の心臓の鼓動は際限なく高まっていく。
──き、綺麗だ……♡
素直にそう思った。
ブラジャーに包まれた胸の大きさもさることながら、腰回りの細さやヒップの曲線美に目を奪われてしまう。
身長はさほど高くはないものの、長い脚は美脚と言っていいほど細くしなやかで、必要な部分にはしっかりとお肉を蓄えている。
もちろん肌は白くてきめ細かく、染み一つない。
さらに彼女の全身からはほのかに甘い香りが立ち上ってくるようだった。
まるで芸術品のような美しさに思わずため息が出る。
「ねぇ、なにジロジロ見てるの?♡」
突然声をかけられてビクッとしてしまう。
「あっ、いやっ、別になんでもないよっ!」
慌てて取り繕おうとするが、時すでに遅し。
「ふーん、そっかぁ〜♡」
ニヤニヤしながらこちらを見つめてくる真奈ちゃん。
──うぅ……。
恥ずかしくて顔が熱くなる。
「私のカラダに見惚れちゃってたんでしょ?♡ えっちな小人だなぁ……♡ 女の子はそういう視線には敏感なんだよ?♡ 気を付けなきゃダメだよ?♡ 他の女の子のことジロジロ見てたら許さないからね?♡」
『あははっ♡』と笑う下着姿の真奈ちゃんがゆっくりと立ち去っていく。
僕の服を持っていったのはいいのだが、自らが脱いだ制服を机の上に置いたまま──。
………
つい先程まで真奈ちゃんが着ていた制服は、机の広さの半分ほどを占めていた。
──昔から少しズボラなところはあったけど……。
いや、明らかにおかしい。
そもそも自分の部屋で服を脱いで、そのままお風呂へいくだろうか?
普通は脱衣所で脱いで、そのまま洗濯機に服を放り込むのではないだろうか?
そう考えると、真奈ちゃんのこの行動は不自然かつ不可解だ。
──だけれども……♡
机の上に鎮座する真っ白なブラウスが気になって仕方がない。
少し離れていても真奈ちゃんの甘い残り香が漂ってくる。
その香りに誘われるように、無意識のうちにふらふらと。
先程まで真奈ちゃんが袖を通していた純白の布地に、顔を埋めたいと思ってしまう──。
……気がついたころには目の前に純白の世界が広がっていた。
すぅぅぅぅぅ……♡
「はぁ……いい匂いだぁ……♡」
深呼吸して肺いっぱいに空気を送り込む。
鼻腔を通り抜けていく真奈ちゃんの甘い体臭と爽やかな制汗剤の香りとが混ざったような匂いが、脳天を突き抜けて。
頭が真っ白になって、目の前に鎮座した誘惑に負けてしまいそうになる。
──い、いやっ♡ 何考えてるんだ、僕はっっ♡♡♡ そんなことしたら本当に変態じゃないか……♡ そんなの絶対ダメだ……♡
でも……ちょっとだけなら……♡
──いやいや、ダメに決まってるだろっ! しっかりしろ、僕!
理性を呼び起こして、なんとか踏みとどまったものの、先程指先で寸止めされたのも相まって一度火のついた欲望はなかなか収まらなかった。
真奈ちゃんはもういないというのに……香りだけが残されていて僕を惑わすのだ。
「…………」
身体が勝手に動いてしまう。
気が付けば、真奈ちゃんのブラウスの袖口に顔を突っ込んでいた。
「すぅーっ……ふぅー……♡♡♡」
深呼吸をすると、より一層濃い香りが鼻腔を通って脳ミソにまで到達する。
その甘美な香りは、僕の脳内麻薬を大量に分泌させ、さらなる興奮状態へと誘ってくる。
「あぁ……いい匂いがするぅ……♡♡ もっとぉ……♡♡」
真奈ちゃんのブラウスの柔らかな生地を顔全体で味わうように、夢中になって何度も何度も擦り付ける。
──これがっっ♡♡♡ 真奈ちゃんの匂いっっ♡♡♡ 甘酸っぱくてっっ♡♡♡ 蒸れててっっ♡♡♡興奮するっっ♡♡♡
もう僕は自分自身の性欲を抑制することができなくなっていた。
より濃い匂いを求めて、すんすんと鼻を鳴らしながら、真奈ちゃんのブラウスの中の真っ白なトンネルを突き進む。
すんすんすんすんっ……♡
どんどん匂いが濃くなっていく。
甘酸っぱい香りをたっぷりと吸い込みながら、自然と右手は股間へと向いていた。
自らの手で刺激を与えるために。
──ああ、気持ちいいよぉ……♡
真奈ちゃんは今、お風呂に入っているんだよね……?
ということは、真奈ちゃんは裸だよね……。
真奈ちゃんの裸、見てみたいなぁ……。
そんなことを考えながら、ブラウスの中で僕は自慰に耽ってしまっていた。
「あぅっ……ふわぁ……♡♡♡ ん"っっっ♡♡♡」
そしてとうとう匂いの最も濃い部分──脇の下へ──そこは特にフェロモンが充満していて、むせ返るような甘くて酸い匂いがしていた。
「ふぁぁっ……♡ ここ、すごいぃぃぃ♡♡♡」
学校の間、真奈ちゃんの脇と密着していたそこはまだ熱を孕んでおり、じんわりと湿っている。
その染みた部分に鼻をくっつけながら……思いっきり息を吸い込む。
じゅわ……♡♡♡
すぅぅーーーーーーーーっっっ♡♡♡
その瞬間、頭の中がピンク色に染め上げられた。
鼻から、口から、身体全体から……甘く蕩けるような濃厚な真奈ちゃんの匂いが、僕の体を構成する細胞の一つ一つへ染み込んでくる。
甘くて、酸っぱくて、そのくせなぜか爽やかで、芳醇で。
この背徳的で淫靡な香り──真奈ちゃんそのものの香りを嗅げば嗅ぐほど、蠱惑的な魅力に取り憑かれていく……そんな極上の芳香。
もう何も考えられなくなるほどに、心がドロドロに溶けていくのを感じる。
もはや媚薬を通り越えて、一種の毒薬のようにさえ思えるほど。
そんな危険な快楽物質であるにもかかわらず、もっともっと味わいたくて……それは自ら求めてしまう中毒性のある魔性の蜜だった。
「はぁぁ……♡♡ しゅきぃ……♡♡♡」
完全に虜になってしまった僕は、真奈ちゃんのブラウスという天国の中で、ただただ一心不乱に湿った生地に顔を埋め続ける。
まるで真奈ちゃんに全身を包み込まれているようだった。
下半身に伸ばした手も止まらない。
幸いにも、僕の腰には真奈ちゃんが先程渡してくれたティッシュが巻かれている。
──あ"っっっ♡♡♡ ヤバいっっっ♡♡♡ もうっっっ♡♡♡
とうとう我慢のできなくなった僕は、腰に巻き付いたティッシュの端っこを手のひら大のサイズに引きちぎって、肉棒に巻きつけて。
そのままブラウスの匂いを嗅ぎながら、湿った脇の部分に擦り付けていた。
──これっ、すごっ、いぃっっ♡♡♡
まるで真奈ちゃんにシてもらっているようだった。
ブラウスの柔らかい生地が、裏筋から亀頭にかけて包み込むようにして擦れる。
それがあまりにも心地よくて、腰が砕けそうになる。
さらに、真奈ちゃんの濃い体臭フェロモンが鼻腔を鷲掴みにして離さない。
快楽神経の中枢を匂いで握りしめられているようだった。
「あっっ♡♡♡ 真奈ちゃんっっっ♡♡♡ イクッッ♡♡♡」
ぶぴゅっ♡♡♡ どぼっっ♡♡♡ どびゅるるるるるるるぅぅぅぅ♡♡♡ だぱっっ♡♡♡ ごぽっっ♡♡♡ ぶびゅるるるるぅぅぅ♡♡♡ どっぷっ♡♡♡
今までで一番大きな絶頂を迎え、大量の精液を放出した。
大きめのティッシュがぐちゃぐちゃになってしまうほどに。
「はぁ……♡ あ"あ"っっ♡♡♡ はぁぁぁぁ……♡♡♡」
気持ち良すぎる絶頂感に頭の中がチカチカする。
こんなの初めてだった。
魂が抜けてしまったかのような感覚。
「あへぇ……♡♡♡ はひぃ……♡♡♡」
あまりの快感に口からは情けない声が漏れた。
身体がだるい。
このまま眠ってしまいたい──。
その時だった。
ガチャっ……ギィィィィィィ……バタンっっ。
扉が開いて閉じた仰々しい音。
この部屋の主が戻ってきた音に他ならなかった。
「あー、お風呂気持ち良かった〜♡ 私の小人ちゃんは、ちゃーんとお利口さんにしてたかなー?♡」
──まずいっっ!!!
真奈ちゃんがいない間に、ブラウスの中でオナっていたことがバレたら……何をされるか分からない。
──今度こそ本当に捻り潰されるかもしれない……。
一気に血の気が引いた僕は、恐怖心からつい身を隠すようにブラウスの中に隠れたまま、息を潜めていた。
「あれぇー、おかしいなぁ……どこ行っちゃったんだろ……?」
部屋の中に入ってきた真奈ちゃんが何かを探しているような独り言を漏らす。
どうやら僕のことを探しているようだった。
──どうしよう……。
見つからないようにこっそり抜け出すか?
いや、下手に動くと逆に見つかってしまうかもしれない。
ここはじっと耐えて、真奈ちゃんが部屋から出ていくのを待つのが賢明だろう。
「うーん、ここにもいない……。どこにいるのかなぁ?」
ズシンっ。ズシンっ。ズシンっ。
真奈ちゃんが机の周辺をうろうろしているのが足音と振動で伝わってくる。
──早く……! 早く部屋から出て行ってくれ……!!
「あっ、そういえば私、制服脱ぎっぱなしだった〜。ちゃんと洗濯機に入れとかないとな〜」
ズシィィィィンっっっ。
辺りに響き渡る地響き。
真奈ちゃんが腰を下ろしたに違いない。
ズズズズズ……。
隣に置かれてあったスカートが引っ張られていく音がした。
それを丁寧に折りたたんで、部屋の隅に置いたのだ。
そうなると次は……。
──やばいっっ! バレるっっ!
慌ててブラウスの中から逃げようとするが、時すでに遅し。
胸元の外れたボタンの生地の隙間から、こちらを覗き込んでいた真奈ちゃんと目が合ってしまった。
「ふーん、そんなところに隠れてたんだぁ……」
ニヤリと細められた目で見つめられると、背筋が凍り付くような感覚に襲われる。
その目は捕食者の目であり、同時に支配者の目でもあった。
視線だけで身動きが取れなくなるほどの圧倒的な存在感。
思わず逃げ出したくなる衝動に駆られた僕は、真奈ちゃんとは反対側……袖口の方向へ向かって駆け出していた。
可能な限り一歩でも、彼女から距離をとりたかった。
「逃げても無駄なのにね〜……♡ ちっちゃくなると頭も悪くなっちゃうのかな〜……?♡」
ブラウスでできた地面が揺れる。
『むわり♡』と濃い匂いが漂ってくる。
「あーあ、こんなところに閉じ込められちゃって……かわいそうだね……♡」
頭上から声が降ってくる。
僕が隠れていた方向を振り返ると、既にそこは真奈ちゃんの手によって絞られ、しわくちゃになったワイシャツの布地で塞がれてしまっていた。
──しまった……!
退路を断たれたことで込み上げてくる絶望感。
もう前進するしかない。
そう思って、袖口へと視線を戻したところで、またもや僕は絶望することになる。
僕が出口だと信じて突き進んでいたそこは、真奈ちゃんの口で覆われていたのだ。
『ぷるん♡』と瑞々しく、ニヤリと口角の吊り上がった真奈ちゃんの唇が出口で僕を待ち構えていた。
「んふふ……♡ もう逃げられないね♡」
ブラウスのトンネル中に反響する真奈ちゃんの声。
「ち、ちがっっ……! 僕は……僕は……あのっっ……話を……話をきい……あ"あ"っっっ♡♡♡」
ごぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜♡♡♡
言い訳をしようとしたところで、白い洞窟の入り口から吹き下ろされた湿った空気が言葉もろとも吹き飛ばしていく。
悩ましげに『ぷるん♡』と揺れる瑞々しい唇。
人をいとも容易く狂わせる魔性の部位から放たれた、強烈なフェロモンを含んだ甘ったるい香り……真奈ちゃんの甘い芳香。
それが僕の脳を痺れさせ、思考力を根こそぎ奪っていく。
「ねぇ、なんでこんなところに隠れてたのかなぁ〜?♡ 私になんて言い訳しようとしたのかなぁ〜?♡ こんなところでナニしてたのかなぁ〜?♡」
ごぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜♡♡♡
逃げ場のないブラウスの中に囚われた僕の全身に向けて、甘くて酸っぱい、蠱惑的な香りのする息が吹きかけられる。
ただの吐息のはずなのに、それは凄まじい風圧となって僕に襲いかかる。
湿り気を帯びた生暖かい風に肌の表面を撫で回され、全身がゾクゾクとした快感に包まれた。
僕を通り越えてブラウスの壁にぶち当たった真奈ちゃんの吐息は、生地に染み込んだ汗などの濃厚な体臭と混ざり合い、より強力な猛毒となって僕の全身を包み込む。
真奈ちゃんに息を吹きかけられる度に、意識が遠のいていき、何も考えられなくなる。
「あ"あ"っっ♡♡♡ やめてぇぇっっ♡♡♡ ごめんなさいぃぃっっ♡♡♡」
ごぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜♡♡♡
しかし僕の謝罪が聞き入れられることはない。
返答の代わりに、媚薬のような吐息を浴びせられるだけ。
──あぁ……もうだめだ……♡♡♡
これ以上ここにいたら、真奈ちゃんに何もかも支配されてしまう……。
それでもブラウスの袖口で、僕のことを嘲笑うかのように鎮座する唇の、窄められた隙間から漏れ出る吐息と、ブラウスの中の真奈ちゃんの濃厚な体臭とが混ざってできた特濃フェロモンに晒され続けていた僕は、すっかり発情してしまって頭がおかしくなっていた。
「ほら、正直に言ってごらん?♡ なんでこんなところに隠れてたの?♡」
ごぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜♡♡♡
「あ"あ"っっ♡♡♡ ごべんなざいっっ♡♡♡ ゆるじでぐださいっ♡♡♡ といきっっ♡♡♡ といきっっ♡♡♡ らめっっ♡♡♡ おがじぐなるっっ♡♡♡」
真奈ちゃんがブラウスの中で必死に許しを乞う僕を見下ろし、ニヤニヤと笑っている気がした。
袖口から覗く唇がいっそう歪んでいた。
「あははっ! 何言ってるか全然わかんないよ〜?♡ そんなに気持ちいいの? 私の服の中って?♡ 私のカラダの匂いって〜?♡ 今日いっぱい汗かいたのに〜?♡」
「あ"あ"っっ♡♡♡ ごめんなしゃいっっ♡♡♡ ごめんなしゃいいっっ♡♡♡ あ"あ"っっ♡♡♡」
「別に謝らなくていいよ〜?♡ だって君は小人さんなんだからさ〜……♡」
「だから、もっと気持ち良くしてあげるね〜♡」
「やっっ♡♡♡ やめっっっ♡♡♡ これいじょうはっっ♡♡♡ あ"あ"あ"っっっ♡♡♡ あ"まい"い"い"い"っっっ♡♡♡ 」
ごぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜♡♡♡
ぶわぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜♡♡♡
「おかしくっっ♡♡♡ あたまおかしくなりゅっっ♡♡♡ まなちゃんのといきっっ♡♡♡ あたまおかしくされりゅっっっ♡♡♡」
ごぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜♡♡♡
ぶわぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜♡♡♡
「らめっっ♡♡♡ らめっっっ♡♡♡ くりゅっっ♡♡♡ なんかくりゅっっ♡♡♡ いきだけでっっ♡♡♡ まけちゃうっっ♡♡♡ まなちゃっっ♡♡♡ らめぇっっっ♡♡♡」
ぶわっ♡ ぶわっ♡ ぶわぁぁぁぁぁぁ〜〜〜♡♡♡
「……イ〜ケ♡」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"♡♡♡」
ぶびゅるるるるるぅぅぅ♡♡♡ びゅるるるるるるるるぅぅぅぅぅぅ♡♡♡ ぶびゅるるるるるるるぅぅぅぅ♡♡♡
吐息に負けた僕は、いつしか気を失っていた──。
………
……
…
[newpage]
「あっ、私お風呂入ろうと思ってたんだ〜」
手で散々彼を弄んだ私は、思い出したかのように呟いた後、ブラウスのボタンに手をかけていく。
「学校で汗かいちゃったしね♡」
──半分ほんとで半分嘘♡
汗もそうだけど、これ以上一緒にいると私自身が暴走してしまいそうだったから、お風呂で気分をリセットしたかったのだ。
でも、もうちょっとだけ彼を弄びたいかも……♡
「あ"っっ! ちょっとちょっと!!」
焦った様子で彼が両手を振り始めた。
──あっ、そっか……。一応、私JKだったんだ……♡ 幼馴染JKが同じ部屋でいきなり服を脱ぎ始めたら、そりゃあ焦るよね……♡
君が小さすぎて気にも留めてなかったけど……。
「あ〜、忘れてた。君の服も洗濯してあげないとね〜。今着てるのも、汗だくでしょ?」
なんて白々しいセリフを吐きつつ、彼に手を伸ばす。
「んしょっと」
とんっ。
呆然と立ち尽くす彼のすぐそばに、私はそっと手を下ろした。
それでも彼は動かない。
思い通りにならない彼に少しイライラする。
──小人さんになっちゃうと、知能も下がっちゃうのかな〜?
「ほら、何ぼーっとしてんの? 服、脱いでよ。洗濯できないでしょ?」
『とんとん』と、指の先で軽く机を叩いて催促をする。
それでも彼は動かない。
それどころか、何やら恐怖に引き攣った表情を浮かべるのみで、動こうとはしていなかった。
──早く服、脱いでくれないと洗濯できないんですけど? お風呂にもいきたいんですけど?
とんとんとんっ。
彼を見下ろしながら淡々と指の先だけ動かし続けたあと、返ってきた返事は短いものだった。
「う、うん」
「じゃあ早く脱ぎなよ」
「わ、わかったよ……」
ようやくお人形さんサイズの彼が動き始めた。
スルスルとTシャツを脱いで、パンツに手がかかったところでまたもや手が止まってしまった。
──何やってんの?
「あれ? どうしたの? 早くしないと風邪ひいちゃうよ?」
──さっさとしてよ、もう。
自然と机を叩く指の間隔が短く、そして強くなっていく。
私を見上げる上半身裸の小さな彼に苛立ちを隠せない。
「あ、あの……その……ぱ、ぱんつが……なくて……だから……その……脱げなくて……」
──あぁ、なんだそんなことか……。
彼の手が止まった理由を聞いた私は、手近なところにあったティッシュをいい感じのサイズに千切って彼に渡してあげる。
「はい、これ。ちぎってあげたから、これ巻きつけて隠したらいいよ」
──さっさとしてよもう。
という言葉を口に出す前にグッと飲み込んだ。
「やっ……で、でも……これって……ティッシュじゃ……」
まだ何かグダグダ言っている。
自分に選択権がないことに気づいていないようだった。
──あぁ、もううるさいなぁ。
どんっ。
びくんっっっ!!
我慢ができなくなった私は、怒りに任せて机に手のひらを叩きつけた。
同時に彼の小さな身体が大きく震え上がる。
それは私から見ても明らかだった。
彼は怯え切っている。
「ご、ごめんなさい……」
「わかればよろしい♡」
──ちょっと脅かしすぎたかな? でも君が悪いんだよ? 私《飼い主様》の言うことをきかないから……♡
私の脅しが効いたのか……小さな彼はせかせかと私の指示通りにパンツを脱いでティッシュを巻きつけた。
なんだか恥ずかしがっていたようだけど、そもそも小さすぎてよく見えないので私は気にしなかったし、見たいなら無理やりにでも見てやるつもりだった。
「あっ、脱いだね〜。じゃあ服は貰ってくね〜、ちゃんとお洗濯してあげるから安心してね〜」
全裸でもじもじと恥ずかしそうにする彼を尻目に、私は彼から全ての衣服を奪ってしまう。
私が準備してあげたお人形さん用の服も。
彼が今朝着替えて放り出してあった制服も。
──幼馴染にお洋服を全部取られちゃって、どんな気持ちだったんだろ?
私と彼との力関係を改めて考えると少し興奮してしまった。
──あ、そうだ……♡ いいこと思いついた♡
またよからぬ意地悪を考えた私は、早速実行に移す。
スルスルスル……♡
彼が見ているのも構わず、ブラウスとスカートを脱いでいく。
いつ彼に見られても良いようにと準備していた、ピンク色の可愛らしいブラとショーツのセットアップが露になった。
ばるるんっ♡
スタイルには少し自信があった。
同級生と比べても大きい方だったし、自分で見ても胸が大きく形も良いと思っている。
体育の時間、男子たちが私の揺れる胸に釘付けになっていることにも気づいていた。
お尻だって、お母さんからは『あんたは安産型で肉付きのいいお尻だから大丈夫ね』なんて揶揄われる程度には丸くて大きなお尻をしている。
だからこそ、今私の目の前で口をポカンと開けて、唖然としている小さな彼が、私の下着姿に釘付けになっていることは簡単に見て取れた。
「ねぇ、なにジロジロ見てるの?♡」
「──あっ、いやっ、別になんでもないよっ!」
──なんでもないわけないじゃん……♡
「ふーん、そっかぁ〜♡」
──顔を真っ赤にして……♡ バレバレだって……♡
「私のカラダに見惚れちゃってたんでしょ?♡ えっちな小人だなぁ……♡ 女の子はそういう視線には敏感なんだよ?♡ 気を付けなきゃダメだよ?♡ 他の女の子のことジロジロ見てたら許さないからね?♡」
──そんなエッチな小人さんには……♡
私は自然な風を装って、彼がいる机の上にブラウスとスカートを脱ぎ捨てたまま自室を後にした。
──さぁて……♡ 我慢できるかな……?♡ 私に全部見られてるとは知らずに……ね?♡
背中を向けた私は、彼に見せられないようなとっても悪い顔をしているに違いなかった──。
………
脱衣場に入った私はぐっしょりと濡れたショーツとパツパツのブラを脱いで洗濯籠に放り込む。
カメラアプリを起動した後、スマホを防水ケースに入れてお風呂場の中に一緒に持ち込んだ。
温かいシャワーを浴びながら、彼の行動を監視するため。
──あらら……♡
すると、案の定というか……彼は私が脱ぎ捨てたブラウスに向かってふらふらと歩み始めていた。
鼻をひくつかせながら、ブラウスに顔を突っ込んで、必死に匂いを嗅いでいる。
はたから見ればただの変態だ。
シャワーのお湯で濡れた髪を搔きあげつつ、彼の痴態を観察する。
「ねぇ?♡ 何してるの?♡」
当然画面の向こうの彼には聞こえない。
だけれども、私のブラウスに……一日学校で着て過ごした純白の布に、顔を埋めてふがふがと鼻息を荒げる彼に向かって、例え私の独り言だとしても話しかけずにはいられなかった。
──必死に匂い嗅いでる……♡ いっぱい汗を吸った私のブラウスがそんなにいい匂いなの……?♡
「……この、変態♡」
気がつけば口をついて出ていた。
その言葉を口にした瞬間、私の身体の奥もじんわりと熱を帯び始める。
──あぁ……私は今、自分が思っているよりも大きな快感を得ているのかもしれない……♡
スマホの向こうで私の匂いに夢中になっている彼を見つめながら、そっと股間に指を這わす。
そこはぐっしょりと濡れていた。
シャワーのお湯では説明のつかないぬめり気を帯びて──。
………
お風呂から出た私はドライヤーで髪を乾かしながら、相変わらずスマホの画面越しに彼を観察していた。
ちょうど彼が袖口からブラウスの中に侵入するところだった。
「ったく……♡ 何やってんの、変態……♡」
彼の変態行為にニヤニヤが抑えられない。
好きな人から向けられる性的な行為に、私の胸はドキドキと高鳴っていた。
………
彼がブラウスに入ってから2分ちょっと。
当初、彼の這った跡が小さなトンネルとなってブラウスに膨らみを作っていたのだが、あるところで止まったようだった。
そこは私の脇の部分だった。
「──わ、脇ぃ!?」
今日も一日暑かったから、汗をたくさん吸っているに違いない。
そんな不浄の部位で彼は動かなくなってしまったのだ。
「もしかして、匂いがキツすぎて気絶したとか……?」
少し心配になった私は、邪魔な胸をどかしつつ、自らの脇に鼻を近づける。
すんすんすん……♡
当然何も匂わない。
ボディソープの良い匂いしかしない。
「ん……?」
だがしかしよく見ていると、時折彼は『ぴくり♡』と身体を震わせているようだった。
──あぁ、そういうことか……♡
「本当にヘンタイじゃん……♡」
全てを理解した私は、カメラアプリを切って脱衣場を後にした──。
………
ガチャっ。
「あー、お風呂気持ち良かった〜♡ 私の小人ちゃんは、ちゃーんとお利口さんにしてたかなー?♡」
彼はまだブラウスの中から出てきていないようだった。
──どうしてあげよっかな〜……♡
ニヤニヤが隠し切れない。
「あれぇー、おかしいなぁ……どこ行っちゃったんだろ……?」
部屋の中をうろついて彼を探す演技をしてみる。
もちろん本当に探しているわけではない。
「うーん、ここにもいない……。どこにいるのかなぁ?」
──いつまでブラウスの中に隠れているつもりなのかな?♡ 今すぐ出てきて正直にごめんなさいしたら許してあげるよ?♡
彼に心の中の声が聞こえるはずなんかないけど、私は心の中で彼に話しかけた。
もちろん彼は出てくるわけがない。
──そろそろ答え合わせしちゃうね♡
「あっ、そういえば私、制服脱ぎっぱなしだった〜。ちゃんと洗濯機に入れとかないとな〜」
我ながら白々しい演技。
でも、彼のおかげで私の演技力も少しは上がってきたと思う。
顔のニヤつきは隠しきれないけど……♡
カーペットの上に腰を下ろした私。
まずは彼の"いない方の"スカートに手をかけた後、手早くさっさと折り畳んでしまい、そっと床に投げ捨てた。
すると、ぴくりとも動いていなかったブラウスの膨らみが慌てるように『モゾリッ♡』と蠢いた。
──あ〜あ……♡ ほんと、わっかりやすいなぁ……♡
私がお部屋からいなくなった後、君はどうしていたのかな?
大人しく待っていたのかな?
──違うよね?♡
お部屋に一人残された君は何をしていたのかなぁ?♡
私のことを想像しながら、何をシていたのかな……?♡
ブラウスに染みついた私の匂いをいっぱい吸い込んで、えっちな気持ちになっちゃってたの?♡
私の汗の匂いが染みついた服……それも一番濃い匂いが染み付いてるであろう脇の部分で、私のことを考えてオナニーしちゃってたんでしょ?♡
幼馴染の私相手にえっちな気持ちになっちゃってたんでしょ〜?♡
──全部バレてるよ♡
ブラウスの隙間、胸の部分に視線を落とすと、ちょうど彼がこちらの様子を伺っているところだった。
「ふーん、そんなところに隠れてたんだぁ……♡♡♡」
今、私はどんな顔をしているのだろうか?
ニヤケ顔か、呆れ顔か、それとも……彼の痴態を心底楽しみにしているような顔だろうか……?♡
なんにせよ、とってもえっちな顔をしてしまっているに違いなかった。
そんな私の顔を一目見た彼は、ブラウスの中へと一目散に飛び込んでしまった。
来た道を戻ってしまった彼の無様な姿を見て……私という女神様から隠れようと必死になる彼を見て──。
どうしようもなく興奮してしまう♡
──ふふっ♡ ブラウスの中に逃げ場なんてないのに……♡ その中にいても思春期のJKの匂いに包まれて……えっちなえっちな女神様に支配されちゃうだけなのに……♡
でも彼はまだ私に反抗しようとしているのだ。
だから私は彼の心を折るためにちょっとした『罰』を与えようと思った。
……いや、彼にとってはご褒美かもしれない。
「逃げても無駄なのにね〜……♡ ちっちゃくなると頭も悪くなっちゃうのかな〜……?♡」
がさり♡
私は机の上のブラウスを自分の方へと引き寄せた。
「あーあ、こんなところに閉じ込められちゃって……かわいそうだね……♡」
ぎゅぅ……♡
そして、彼が戻っていったブラウスの……ちょうど肩のあたりの生地を手で絞ってあげる。
それと同時に、筒に口を押し当てる要領で袖口に唇を当て、その状態で彼に話しかけた。
「んふふ……♡ もう逃げられないね♡」
「ち、ちがっっ……! 僕は……僕は……あのっっ……話を……話をきい……──」
──言い訳なんて聞いてあげない♡
ふぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
「──あ"あ"っっっ♡♡♡」
ん?♡
どうしたのかな?♡
ちょっと吐息を吹きかけてあげただけだよ?♡
それなのに、そんなに腰を引いちゃって、どうしたの?♡
「ねぇ、なんでこんなところに隠れてたのかなぁ〜?♡ 私になんて言い訳しようとしたのかなぁ〜?♡ こんなところでナニしてたのかなぁ〜?♡」
ふぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
言葉と共に、もう一度吐息を吹きかけてあげる。
きっとこの真っ白なトンネルの中は、私の吐息の香りと生地に染みついた汗の匂いが充満しているだろう。
湿度だって、空気中に霧散した私の唾液と汗のせいで100%近くになっているはず。
とんでもなく劣悪な環境に違いない。
女の子の匂いに包まれて、空気中に溶け込んだ女の子の体液に纏わりつかれて……♡
「あ"あ"っっ♡♡♡ やめてぇぇっっ♡♡♡ ごめんなさいぃぃっっ♡♡♡」
だけどやめてあげない。
彼が悶えるトンネルの中に向けて、私は優しく、そしてちょっとだけ乱暴に、吐息を吹きかける。
んふぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
彼の肺に私の匂いをたっぷりと取り込んでもらって、後戻りはできなくなってもらわないと……♡
私がいないと生きていけない……どうしようもない身体にしてあげたい♡
そんな妄想に胸を膨らませる私は、まるで小さな子供に戻ったような気分で穴に向かって吐息を吹きかけ続ける。
「ほら、正直に言ってごらん?♡ なんでこんなところに隠れてたの?♡」
ふぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
「あ"あ"っっ♡♡♡ ごべっ──いっっ♡♡♡ ゆるっっ──いっ♡♡♡ ──きっっ♡♡♡ と──っっ♡♡♡ ──めっっ♡♡♡ おがじっっっ──っっ♡♡♡」
「あははっ! 何言ってるか全然わかんないよ〜?♡ そんなに気持ちいいの? 私の服の中って?♡ 私のカラダの匂いって〜?♡ 今日いっぱい汗かいたのに〜?♡」
ちっぽけな彼が……ブラウスの中で私の唇に向かって必死になって謝ってくる姿が滑稽で仕方がなかった。
「あ"あ"っっ♡♡♡ ごめんなしゃいっっ♡♡♡ ごめんなしゃいいっっ♡♡♡ あ"あ"っっ♡♡♡」
「別に謝らなくていいよ〜?♡ だって君は小人さんなんだからさ〜……♡」
──女の子の唇にも……それどころか匂いにすらも勝てない、よわぁい存在なんだからさぁ〜……?♡
「だから、もっと気持ち良くしてあげるね〜♡」
──もっと君の脳ミソに敗北を刷り込んであげるね?♡
「やっっ♡♡♡ やめっっっ♡♡♡ これいじょうはっっ♡♡♡ あ"あ"あ"っっっ♡♡♡ あ"まい"い"い"い"っっっ♡♡♡ 」
んふぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
ふぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
「おかしくっっ♡♡♡ あたまおかしくなりゅっっ♡♡♡ まなちゃんのといきっっ♡♡♡ あたまおかしくされりゅっっっ♡♡♡」
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡♡
ふぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
「らめっっ♡♡♡ らめっっっ♡♡♡ くりゅっっ♡♡♡ なんかくりゅっっ♡♡♡ いきだけでっっ♡♡♡ まけちゃうっっ♡♡♡ まなちゃっっ♡♡♡ らめぇっっっ♡♡♡」
ふっ♡ ふっ♡ ふぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
──もう頃合いだよね?♡ それじゃ、トドメ……♡ 刺してあげるね?♡
「イ〜ケ♡」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"♡♡♡」
トンネルの中から、弱々しく情けない声が響いてくる。
私は、私の吐息に悶える彼にある種の可愛さを感じつつ、彼に向かって吐息を吐き続けてあげる。
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡♡
ふぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡
高温多湿なトンネルの中に充満するのは、濃密な香り。
私の体内で生成された体液を、空気中に溶け込んだそれを、彼は呼吸する度に吸い込んでしまうのだ。
「あはぁ……♡」
おへそのあたりから、『じわぁ♡』っと生暖かい感覚が込み上げてくる。
彼は今ごろ、私のブラウスに染みついた汗や、私の口から吐き出された唾液の粒子によって全身を支配されているはずだ。
──そして……♡♡♡
私はブラウスをめくって隙間を作り、そこから彼の様子を伺った。
──あ〜あ……♡
そこにいたのは、いつもの逞しい彼ではなく。
小さくされて、全裸に剥かれ、女の子の匂いだけで絶頂しブラウスの中で精液をまき散らしてしまった、よわっちい男の子だった。
「よわぁい……♡」
凄まじい優越感が私の全身を包み込む。
本来であれば肉体的に圧倒的強者であるオスという生物が、自分の吐息だけでイッてしまったという優越感。
そして、自分がその気になれば彼の身も心も簡単に支配できてしまうということに、とてつもない全能感を覚えた。
「──ねぇ? 真奈のお洋服の中、気持ちよかった?♡ ほら、『真奈ちゃん大好き♡』って言いながら……もう一回出して?♡」
「あ"っ♡ あぁっっっ♡ まっ♡♡ まなちゃっっ♡♡♡ すきぃぃぃ……♡♡♡」
うわごとのようにそう呟いた愛しの彼は、ぴくりと股間を震わせて、白い液体を放出した後、動かなくなった。
「あははっ♡♡♡ かわい〜……♡♡♡」
気絶してもなお、私の吐息で感じてしまって、腰から下が『ビクンッ♡』と跳ねるのがたまらない。
本当はもっと遊びたかったが、これ以上すると本当に死んじゃうかもしれない。
私はブラウスの中から気絶した彼を取り出し、濡れティッシュで全身を拭ってあげた後、潰してしまわないように優しく両手で包み込んで、ベッドの枕元まで運んだ。
──かわいいなぁ……ほんと♡
そのまま私はベッドに倒れ込み、気絶している彼と添い寝しながら、目を瞑った。
身体が火照っていることと、慣れないことをしてちょっと疲れたこともあって、私はそのまま眠りに落ちていってしまった──。
………
……
…
続く