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剣士が脱出を指揮したことはこれまで数回あった

だが最速行動ができる武闘家に仲間を放置して脱出するよう

指示したのは今回が初めてだった

「全力で逃げろ」

武闘家の全力疾走は人の目では負えないレベルである

それでもおそらく僧侶の防御魔法付き剣士が

時間稼ぎにしかならないかもしれないレベルの

脅威があそこにあったということだ


仲良し4人組パーティーはクエスト達成のおまじないとして

毎回準備しているダンジョン外のゲートと教会での復活転送

転移魔法が使えるダンジョンなら皆で脱出後

町までゲートで帰り僧侶がやられていても教会に

誰か一人でも戻れば身体が無くとも復活できるよう手配していた


おそらく自分以外の3人は帰らない

仲間を置いて逃げろとはそういう意味であることを

武闘家は理解していた


実際、3人が息絶えるより少し前、武闘家はすでに入り口の井戸の縁まで来ていた

梯子も使わず壁を蹴り、ちょっとした岩の出っ張りを掴み飛ぶように井戸を登る


「出口だ!!!」


最悪でも武闘家がゲートで町に帰れば教会で3人を復活できる

楽天的な自分たちと違って魔法使いがもしもの時のためと

毎回準備してくれている転送ゲートに初めて感謝した


「まっててみんな猫が助けるにゃ!!!」



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