ホテルウェディング / 7,000字程度 (Pixiv Fanbox)
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暇な時間に何をして過ごすか。
例えば、映画を観る人もいれば、目的もなく電車に乗る人もいる。
カフェを巡る人や、知らない町を散歩する人だっているだろう。
どれも立派な答えだと思う。
有意義な過ごし方ができればいいのだけれど、恥ずかしながら、僕には趣味と呼べるようなものはほとんどない。だから、暇を持て余すたびに、無為に時間を過ごしてしまうことが多かった。
もう少しなんとかならないものかと、色々と模索してみた結果、最近はよく結婚式場を巡っている。
その日は、駅から少し歩いたところにあるホテルの式場を訪ねた。
玄関の回転扉を抜けて、ロビーに入ると、天井から吊るされたシャンデリアが控えめに光っていて、落ち着いた弦楽器の曲が流れていた。
「主任の中松さんは、いらっしゃいますか?」
バンケットの受付に立っていた若い女性に声をかける。
彼女は手元の端末を操作した後、僅かに首を傾げた。
「恐れ入ります。本日、中松とのお約束はございますでしょうか?」
「ええと……」
答えかけたところで、ロビーの奥に見知った顔が見えた。
遠目に見ても、スポーツマンらしくがっしりとした体格に、ダークグレーのスーツがよく映えている。
中松さんだ。
彼は、お客さんらしき男女を案内しているところのようだった。
僕の視線に気づいたらしく、こちらに軽く会釈をしてくれた。そばにいた女性のスタッフに声をかけて、後を任せたようで、こちらに向かって歩いてくる。
「お待たせいたしました」
中松さんは、快活な笑みを浮かべ、僕に向かって頭を下げた。
短く刈り上げられた髪は、整髪料できっちりと撫でつけられている。シルエットは逞しく男性的だが、同時に清潔な印象が強く感じられた。
「何かあった?」
白い手袋を外しながら、中松さんが受付に向かって問いかける。
彼女は、ほっとした様子で頷いて、何かを耳打ちし始めた。
それを聞きながら、彼女に向かって、中松さんは何度か力強く頷いて見せたあと、「少々お待ちいただけますか」と僕に断った。
僕が頷くと、中松さんは受付の端末を指さしながら、必要なことだけを短く伝えていく。淀みなく指示を伝える姿は、堂々としている。短いやり取りを見ているだけでも、中松さんの持つ頼もしさみたいなものが伝わってくるような気がした。
手早く会話を終えた中松さんは、カウンターから革張りのバインダーを手に取ると、あらためて僕の方に向き直り、「こちらにどうぞ」と奥の通路に右手を向けた。
「急に来て迷惑じゃなかったですか?」
中松さんは、このホテルのウェディング部門の主任をしている。
休日やハイシーズンはもちろん、普段から忙しくしているに違いない。
廊下を歩きながら尋ねると、中松さんは笑いながら首を振った。
「そろそろお見えになる頃じゃないかと思ってましたよ」
中松さんとは、携帯でメッセージをやり取りしていたから、あまりそんな感覚はなかったが、確かに言われてみると、最後に顔を合わせてからそれなりの日数が経ってしまっている気がする。
間接照明に照らされた廊下は、ロビーよりも一段と落ち着いた雰囲気が漂っている。周囲には誰もいなかった。
「さっきの受付の女の子、可愛かったですね」
言いながら、僕は隣を歩いている中松さんの手にさりげなく指で触れてみる。
「中松さんって、若い子から人気ありそうですよね。頼りになりそうだし」
「はは、どうでしょうか」
中松さんは、答えながらごくごく自然に僕の手を握った。
中松さんの手のひらは、僕よりもずっと大きく、柔らかい感触がした。
「実は、中松さんもまんざらでもなかったりして」
中松さんは、親指の腹を使って、僕の手の甲を撫でていた。
不意に曲がり角から話し声が聞こえてくると、何事もないように中松さんは手を離す。若いスタッフがすれ違いざまに、中松さんと僕に向かって、会釈をしながら通り過ぎていった。
中松さんは、廊下の突き当たりにある扉の前で足を止めた。
ノブに手をかけて扉を開くと、そこは打ち合わせ用らしい小さな応接室だった。
壁際にはパンフレットやアルバムが並べられていて、テーブルの上には、一輪の白い花を挿した花瓶が置かれている。窓には厚手のカーテンが引かれていた。
中松さんは、どうぞと僕を部屋の中に通した。
扉を閉めるなり、中松さんは僕を抱き寄せた。
力強く回された太い腕が、逃げ場をなくすように身体を引き寄せる。そのまま中松さんの身体にすっぽりと包み込まれ、じわりと体温が伝わってくるのを感じる。
「女性に好かれたいとは少しも思っていません」
中松さんは、胸を上下させながら、僕の手を握った。
握ったまま、その手を静かに下げていき、スラックスの膨らみに重ね合わせる。
「私のチンポは、私のものでも妻のものでもなく、いつでもあなたのものです」
手のひらに、固く怒張している中松さんの男性器の感触が伝わる。
中松さんはわずかに腰を揺らして、僕の手にそれを擦り付けるようにして、ぐっと押し付けた。
スラックスのジッパーに手をかける。
中松さんは少しも抵抗しなかった。
ジジジ、と金具を引き下げて、中に指を潜り込ませる。布地をかき分けていくと、濃い陰毛の感触。そして、指に弾力のある性器の生の感触が伝わる。押し込められたそれを隙間から外へ導くと、太く逞しい男性器がバネのように飛び出して解放される。
その瞬間に、かすかに性器特有の饐えた匂いが鼻をくすぐる。清潔感があって体臭にも気を使っていそうな中松さんだが、さすがに半日以上、熱心に働いたあとの男特有のチンポの匂いは、デオドラントでごまかしきれるものではないらしい。
勃起したチンポを逆手で軽く扱いてやると、中松さんは熱い吐息を漏らしながら、まるで感謝でも伝えるかのように僕の首筋にキスを繰り返した。
しばらく徹底的に弄りまわして、そろそろ少し飽きてきたなと感じてチンポから手を離したタイミングで、中松さんは僕に声をかけた。
「本日は、先に抜いていかれますか? それともカタログからにいたしますか?」
僕は少し迷ったあと、「カタログを先に見たいな」と答えた。すると、中松さんは「失礼します」と断ってから、僕の身体を抱きしめていた太い腕を緩めた。
「どうぞ、こちらにおかけください」
中松さんはラウンドチェアを引いて、僕を促した。
スラックスから露出した上反りのチンポは、いまだに勃起したままになっており、その鈴口からとろりと一筋の我慢汁を垂らしている。それを除けば、中松さんの姿はプロフェッショナルなホテルマンそのものに見える。
僕が椅子に腰を下ろすと、その隣で中松さんは床に膝をついて、テーブルの上にバインダーを広げた。
我慢汁の雫が、つうっと赤い絨毯の上に落ちて、小さな染みを作った。
*
『カタログ』には、今月、式を挙げる予定の新郎新婦たちのプロフィールや写真が、几帳面にファイリングされていた。
もちろん、特に新郎の情報が詳細にまとめられている。
本来なら明かしてはならないであろう個人情報に、契約書類。中には、式用の衣装を試着する際の着替えを盗撮したと思われる写真も、ご丁寧に何枚も挟まれていた。
「お勧めは、今週末にご予約いただいている鷹野ご夫妻ですね」
中松さんは膝立ちのままで、僕に寄り添いながら、ファイルをめくっていく。
契約書類を飛ばして、最初に開かれたページにあったのは、夫妻がホテル内で打ち合わせをしているであろう姿を映した写真だった。明らかに新郎を中心に据えた構図で、写真の端に観葉植物の葉がぼやけて写り込んでおり、物陰から撮影されているようだった。
写真の新郎は、ネイビーのポロシャツにチノパンというラフな服装で、浅黒く焼けた腕には血管が浮き出ており、スポーツマンのように逞しい体をしていた。
「仕事はスポーツ用品メーカーの営業で、大学までアメリカンフットボールをやっていたそうです」
ページをめくり、指をさしながら、中松さんは丁寧に紹介を続けていく。
どこから入手したのか、アメフトの試合中の写真や、仕事中のスーツ姿の写真などが隙間なく貼り付けられていた。
「柔道体型の私と同じで、スマートなスポーツマンというよりは、どっしりと厚みのある体格をしています。アメフト仕込みなら、体力だけでなく、精神力もかなりあると思いますので、ある程度、過酷なシチュエーションにも十分に対応可能だと思います。私と比べると筋骨隆々なタイプですので、インテリアや飾りとして利用するのにもお勧めできると思います」
中松さんはページをめくり、続けて他の新郎たちの紹介をしていった。その間、手持ち無沙汰だった僕は、彼の手に触れてみたり、顔や頭を撫でまわしてみたりしていた。
「気に入った男性は見つかりましたか?」
一通りバインダーの中の紹介を終えると、中松さんはそう僕に問いかけた。
「もちろん、私で楽しんでいただいても構いません」
そう言って朗らかに中松さんは笑みを浮かべていた。
ふと中松さんの厚い唇に目が留まる。顔を近づけるとすぐに僕の意図を察したのか、彼はそっと肩に手を添えながら、僕に唇を重ねた。
ねっとりと舌を絡ませ合いながら唾液を啜ると、かすかにミントのような清涼感があった。中松さんはタバコを吸わないので、たぶんタブレットか何かを口にしていたのだろう。
そうやってキスを交わしているうちに、下腹部にじんわりと熱が集まってくるのを感じた。
中松さんは、膨らみつつある僕の股間に気づくと、「やはり、先に抜いておきましょうか」と笑った。
*
自分だけが椅子に座っていて、他人に膝をつかせている状態は、なんだか王様にでもなったような気持ちになる。
勃起した男性器を鼻先に向けられているというのに、中松さんは少しも動じていない。僕が気持ちよく射精するのをお手伝いするのは、当然のこと。中松さんにとって、それは職務の一環なのだから、何もおかしいことではない。
もちろん、僕と知り合う前の中松さんだったら違ったはずだ。
もし男のチンポを目の前に突き付けられたのなら、どう感じていただろう?
強い嫌悪感を示したり、恐怖を感じたり、狼狽したりしただろうか。
だけど、そんな姿は、中松さんには似合わない。
中松さんには、大人の男としての余裕を見せていてほしい。スタッフから信頼されていて頼りがいのある中松さんは、いつでもどんなときでも、チンポをしゃぶるときであっても、プロフェッショナルであるべきなのだ。
中松さんは、裏筋のひだの部分を丹念に舐めた。
汚れが溜まりやすそうな部分を念入りに掃除してほしい、と事前にリクエストしていたおかげだろう。
舐め終わった後には何度もキスするみたいに唇を押し当てながら吸い上げる。
唇に向かって、亀頭を少し押し付けてやるだけで、中松さんは僕の意図をすぐに察して、口内にチンポを滑り込ませた。ザラザラした舌の上を滑る感触が心地よい。亀頭全体が柔らかい粘膜に包まれて、思わず息が漏れる。そのまま少し腰を押し付けると、中松さんはチンポを口内のさらに深くへと受け入れていった。
中松さんは、僕の股間にしっかりと顔を埋める。
クッションのように陰毛が顔を受け止めた。
下腹部に中松さんの生温かい鼻息を感じたとき、ちょうど、チンポの先端にコツンと柔らかい何かにぶつかるような感触がした。
「うっ」という声が中松さんの喉の奥から漏れる。構わずにさらに奥に奥にと押し付けると、亀頭の周りをきゅっと締め付けるような感触がした。
うん、これこれ。
これがベストポジションなのだ。
この辺りの感触を僕はとても気に入っていて、いつもこの辺りできゅっと締め付けられながら射精するのが大好きなのだ。中松さんも僕の好みをよく分かっているから、少しも嫌がることなく、堪能させてくれる。
深くチンポを咥え込み、喉の奥の締め付けを感じたまま、ゆっくりと中松さんは上下し始める。刈り上げられた後頭部を撫でると、僅かに汗が滲んでいるのが分かった。体温が上がったせいか、ほんのりと石鹸のような甘い匂いが鼻腔をくすぐった。
時折、生理的な反射で声を漏らしながらも、しっかり喉を使ってチンポを締め付けながら、中松さんはフェラチオを続けていた。
そうやって咥えている間、中松さん自身のチンポはどうなっているかというと、もちろんビンビンに勃起している。僕だって鬼畜ではないし、折角、僕が気持ちよくなっているのだから、その気持ちよさを中松さんとも分かち合いたい。
だから、こうやってフェラチオをしている最中、中松さんには自分のチンポを扱くことを許可している。中松さんは左手で僕のチンポの根元を握りながら、右手を使って自分のスラックスから露出したチンポを、絨毯に押し付けるようにして、シコシコと扱き続けていた。我慢汁の多さから、その喜びが伝わってくる。中松さんも喜んでくれているようで良かった、と僕は思った。久しぶりのオナニーを堪能できて、喜びもひとしおだろう。
僕と知り合う前は愛妻家だったらしい。まあ、今も本人の自認では愛妻家なんだろうけど、それでもセックスは禁止している。
だって、せっかく手に入れたのに、中松さんのチンポに女々しい匂いが僕の知らないうちに染み込んでいくなんて、想像するだけで嫌だ。そんなのは我慢できない。
そのことを伝えると、中松さんは快く、僕の許可なくセックスはしないことを誓ってくれた。不自然に思われないようにうまくセックスを避けるように誤魔化すからぜひ任せてほしいと、中松さんは請け負ってくれた。やはり頼りがいがある。
そのとき、ついでにオナニーも許可制にしたのだ。中松さんはもちろん二つ返事で了承してくれた。なにしろ中松さんのチンポは僕の所有物なのだから、当然と言えば当然だった。
「そろそろ射精しそうなんで、中松さんも一緒に射精していいですよ」
声をかけると、チンポをしゃぶったまま、中松さんは目線だけを僕に向ける。
イエス、了解、承知しました、ありがとうございます。何を言いたいのかは正確には分からないけど、そんなニュアンスの表情だ。
中松さんは、チンポを扱くのを一時的にやめて、ポケットからハンカチを取り出した。丁寧にアイロンがかけられている紺色のハンカチだった。それを片手で雑に広げると、自分のチンポの下に敷いた。粗相してホテルを汚さないように、ホテルマンとしての当然の気配りというわけだ。
僕は、中松さんの頭を掴み、無理矢理に引き寄せる。喉の奥をコツンコツンとノックするたびに、中松さんはくぐもった声を漏らした。同時にチンポの冠状溝あたりで強い締め付けを感じて、急激に射精感が高まる。
中松さんは苦しいはずだろうが、そんなことは感じさせないくらいに、我慢汁をまき散らしながら、一心不乱に自分のチンポを扱いていた。額には汗の玉が浮かび、こめかみには血管が浮き上がっている。
「射精するときは、僕への感謝を心の中でしっかり唱えながら、射精してくださいね」
そう告げると、中松さんは喉を鳴らしながら小さく頷く。
そのままぐりぐりとチンポを思い切り押し付けると、それに応えるように強い締め付けを感じて、頭の中が真っ白になった。思わず天を仰ぐ。びゅるびゅると、チンポから、中松さんの喉の奥に精液が注がれていくのを感じる。自分でチンポを扱いて射精するときよりも、少し穏やかな勢いの射精は、ゆっくりと長く続く。それは放尿にも似た独特の解放感があった。
僕が射精するのと同時に、もちろん中松さんも射精していた。
中松さんはというと、力いっぱいにチンポを扱き続けていたわけだから、僕とは違ってその勢いもすごかった。腕の動きの勢いそのままに、チンポの先から、びゅっと精液の迸りが飛び出していく。どろりと重みのある精液は、少し黄色味がかっていて、何日間も睾丸の中で熟成されていたことが一目で分かる。
部屋の中に一気に青臭い精液の匂いが広がる。
中松さんは射精を終えると、自分のチンポのことは放置して、僕のチンポを両手でつかむと根元を優しく絞るようにマッサージを始めた。何も指示しなくとも、強くチンポの先を吸い上げて、一滴も精液が残らないようにしっかりと仕上げてくれる。流石に気が利く。ちゅぽんと音を立てて唇からチンポを抜くと、中松さんは喉仏を上下させて、口内に残ったすべてをしっかりと飲み下した。
「たっぷり出ましたね。すっきりされましたか?」
その問いに僕が頷くと、中松さんは満足げに頷いた。
そして、自分の精液がたっぷりと付着したハンカチを拾い上げると、恭しく僕に差し出す。
「本日、私が射精させていただいた分の精液です。お納めください」
「……ん?」
一瞬、何を言っているんだろうと思ったが、すぐに合点がいった。
前回、ハンカチに射精させてそれを差し出すというマナーを、戯れに中松さんに植え付けたあと、すっかり忘れてそのまま放置してしまっていたのだ。
だけど、今日はそんな気分ではないな。
僕は、ハンカチの上の精液を人差し指ですくい取ると、その指を中松さんの額に押し当てた。その瞬間にばちっと電流が流れるような音がして、中松さんは白目を剥いた。ほんの少し焦げ臭い匂いが広がる。
すぐに中松さんは、目の焦点を取り戻して、何度かまばたきをした。
そして、自分が手に持っているハンカチを見て、眉根を寄せて少し固まった後、すぐにいつものホテルマンらしい表情に戻る。
「お見苦しいものをお見せして、失礼いたしました」
そう言って、精液が付着しているほうを内側にして、ハンカチを折りたたむ。
「こちらの私が射精した臭い精液は、責任をもって処分させていただきます」
淀みなく言い切ると、中松さんはそのたっぷりと精液の付着したハンカチを、ジャケットの内ポケットへ大事そうに仕舞い込んだ。
その匂いは、逞しくて男らしい中松さんにぴったりだ。
きっといい香水代わりになるに違いない。
「射精したこと、他の人にバレないように気を付けてくださいね」
僕がそう声をかけると、中松さんは笑った。
「プロとしてもちろん心得ておりますので、どうぞご安心ください」