【裏バニー小説】神楽坂店:人妻バニーさん(橘花サヤ・30)の場合 (Pixiv Fanbox)
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ロッカールームの照明が、
わたしのありのままの姿を照らし出す。
赤いハイレグTバックの生地の細さは、隠す気がまったくない。
それどころかいちばんデリケートなところに食い込んで、
動くたびに、見せたくない形まで露わにする。
胸には、白いカラーと蝶ネクタイ。
それ以外は全部、むき出し。
白い乳房も……その先まで。
「……こんな格好で働いてるなんて、いまだに信じられない」
家でエプロンして料理しているわたしと、鏡の中のわたし、
とても同一人物とは思えない。
でも——
あの人はこっちの——裏バニーのわたしも好きだって知ってる。
スマホを構えて、
胸を寄せるように肩をすぼめ、
脚を少し開いて——ぱしゃ。
画面を確認した瞬間、
内ももの付け根がじん、と熱くなる。
こんなの送られたら、ぜったい困るよね。
「……ふふ」
送信。
呼吸を止めたまま、画面を凝視する。
既読。
すぐに、いつものスタンプ。
【😉】
「はいはい、お仕事がんばってねー」
声に出した瞬間、
……なんだか、少し物足りなかった。
だから——
もう1枚。
さっきより、ほんの少し大胆に。
「これでどう?」なんて顔して。
送った、数秒後。
帰り、部署の連中と4人で行くから】
【予約よろしく】
「……え?」
息が止まった。
ただの冗談のつもりだったのに。
ちょっと困らせたかっただけなのに。
(なにそれ……
ほんとに来るの……?)
旦那が。
同僚を連れて。
この姿のわたしに会いに。
ひざが少し震えた。
胸に空気が入らない。
どうしよう。
なにそれ。
「……うっそ……」
笑ったのか、怯えたのか
自分でもよく分からない声が漏れる。
⸻
控え室を出る。
タバコの匂い。
店長の視線。
「あの……旦那が来るって……
同僚の方、三人連れて……四名で予約を……」
自分の声が震えているのが分かる。
隠そうとしても、隠す布がどこにもない。
店長はくすっと笑って、
少し顎を上げた。
「へぇ。
いいじゃない。旦那さん、見せたいんでしょ?裏バニー姿」
「ち……ちが……っ」
否定しかけて、飲み込む。
たしかに写真は送った。
わざわざ煽ったのはわたし。
店長はわたしの蝶ネクタイを
指先で軽く整えてくれた。
「じゃあVIPシート用意しないとね。
旦那さんに”特別サービス”していいよ。
人妻バニーさん♡」
「……はい……」
小さな声で答えた。
⸻
フロアへ続く通路で、ひとり。
笑い声、グラスの音、音楽。
いつもの夜なのに、
急に世界が大きく感じる。
(ほんとに……来るの?)
胸がむき出しのまま呼吸が浅い。
脚も落ち着かない。
この姿のわたしを、
旦那の同僚たちが値踏みする。
それを、旦那は
楽しみにしている…の?
「……もおー!」
でも、予約は完了している。
来る。
来て、
裏バニー姿のわたしを見る。
それがわかっているから、
怖いのに——
身体が熱い。
心臓の鼓動が、
足よりも先に前へ進んでいた。