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前話


fanbox post: creator/4336797/post/1406799


 ガチャ……。

 

「うっ…………っ!!」

 

 朦朧とした意識がはっきりとしてくると股間に籠った熱と痛みがジクジクと身体を蝕んできた。

 

「あ、起きましたか? 先輩」

 

 俺を心配するような桃花の声だが、この痛みは桃花が俺に与えたものだ。

 

 椅子に座り、俺を見下ろす桃花は慈しみすら感じられる眼差しでこちらを見ている。

 

 桃花の二面性は知れば知るほど恐ろしい。

 

 そして、それに縛られていく自分がはっきりとわらってしまう。

 

「は……はい」

 

 敬語を使わないとどうなるかもわからない。

 

 俺は桃花に蹴られたくない、お仕置きされたくない一心で桃花に敬語を使う。

 

「フフフ、先輩が気絶しちゃったから大分時間が経っちゃいましたよ? まぁ、おかげで先輩の身体で楽しませて貰いましたけどね🖤」

 

 ……どういう意味だ?

 

「先輩~今、自分の身体がどんなんなのかわかります? ほら、そこの鏡に写ってますよ? 先輩の恥ずかしい姿が――ね♪」

 

 桃花が足で指した先へ目を向けるとそこには大きな姿見があった。

 

 そこに写る姿に俺は愕然として声をあげる。

 

「え――なぁ!!」

 

 寝転がり拘束されていたまでならわかる。

 

 でも、それよりももっと酷いことになっていた。

 

「な、なんだよ……これ」

 

「気にって貰えましたか? 先輩~♪」

 

 気に入るわけがない。

 

 俺の身体には胸から太ももに至るまで黒ペンでびっしりと卑猥な言葉や落書きがかかれていたのだ。

 

「先輩は~まだ人間としての羞恥やプライドがあるみたいなんで目に見える形で自分がマゾ奴隷だってわかるようにしてあげたんですよ~♪ 私って優しいですよね? アハハハハハハ」

 

 桃花はイスから立ち上がると、俺の側にしゃがみこみ、落書きした箇所を指した。

 

「一番目立つ先輩の胸板には私の奴隷だってことがわかるように『桃花専用マゾ奴隷』って書いてま~す。それからこの可愛くて小さな乳首の下にはにはそれぞれ『負け犬』、『変態』って書いてるんですよ♪ ほらほら、乳首がボタンになるように矢印もつけて『ここには押してください』って書いてあるんです。ただの乳首だとつまらないので肉便器マークにしてあげましたよ♪それでここを押すと――」

 

 ギュ!

 

 桃花が爪を立てて俺の乳首を押し潰した。

 

 唐突な刺激に俺は思わず声をあげてしまう。

 

「んぁん!」

 

「フフフ、情けない鳴き声をあげま~す♪ 他にはお腹には先輩のプロフィールですよ?『後輩の足を舐めて、臭いを嗅いで変態汁を流す変態犬で~す。後輩に負けた敗北者で~す』って」

 

 無邪気に俺の身体を白魚のような指でなぞりながら桃花は俺の身体に書いた卑猥な言葉を丁寧に説明していく。

 

 その一つ一つが恥ずかしくて、惨めで、ガリガリと俺の心を削っていった。

 

「他にも、『マゾ精液入ってま~す🖤』『マゾチンポミルク入り🖤』って太ももに書いてるんです。あ、ちゃんと矢印で先輩のタマタマを示したから間違いもないですね♪ マゾのだめ押しです🖤 ここまでマゾって書いてれば先輩も自分がマゾだって忘れないですからね♪」

 

 鏡で見せつけられ、後輩の玩具にされ、涙が出るほどの恥ずかしい――はずなのに。

 

 なんで……。

 

 ドクン……。

 

 呼吸が荒くなる?

 

 怒りではなく違う熱気で頭がボーッとする。

 

 しゃがみこんだ桃花から漂う甘ったるい香りのせいか?

 

 楽しげに笑う桃花の声が胸を刺していく。

 

「あ、私に負けたことも忘れないようにチ●コには負け犬マゾチ●コって書いておきました。付け根には童貞変態チ●コって書いてるんですよ。見えますか?」

 

 桃花の言葉で下半身を見て、俺は鈍器で殴られたような衝撃を受けた。

 

「お、俺の毛……」

 

 そこにはあったはずの大人の証がない。

 

 寒々とする感覚に変な気がしたがこんなの――。

 

 今まで以上の羞恥心に耳が赤くなった。

 

「あ、書きにくいから剃っときましたよ? フフフ、負け犬の童貞チ●コには毛無のパイチンがお似合いですからね♪ アハハハハ!」

 

 桃花は俺の青くなったり赤くなったりする顔を眺めながら存分に笑っていた。

 

 俺のプライドを、理性を守る壁がまた一つ砕けた音ともともに彼女の声が何度も脳内でリプレイされるのだった。

 

◆

 

「フフフ、先輩~。可愛いですね。お似合いですよ? 負け『犬』の先輩にはとってもね♪」

 

「うぅ……」

 

「フフ、ちゃんと犬語で鳴けて偉いですね~。ちゃんと自分の立場が理解できているんですね。そうですよ、先輩は今から私の犬です。その前足と後ろ足は私にしか脱がせれないんですからね」

 

 チャリン!

 

「うぅっ!」

 

 首がギュッと閉まり、俺は思わず声をあげた。

 

 そう、拘束を解かれた俺の手足はコスプレで使うようなフワフワの犬の手にグローブと靴が履かされていた。

 

 しかも、ご丁寧に自分では外せないようにジッパーまでついている。

 

 首輪もはめられ、犬耳までつけられて俺は情けなさでまともに顔をあげられないはず――なのに、股間にはジワジワと血が集まっていた。

 

「フフ、先輩ったら、もう我慢汁出してるんですか? 私がこうしたら首が閉まって死んじゃうのに?」

 

 チャリン!!

 

「うぐぅ!」

 

 桃花がリードを上に引くだけで俺の首が首吊り状態になり、呼吸ができなくなるのだ。

 

「それとも私に飼われるのが幸せになってきたんですか? 私の全部を受け入れる覚悟ができたんですか? 犬としての自分をちゃんと自覚できたんですか?」

 

 畳み掛ける言葉の殴打で俺をさらに追い詰める桃花は実に楽しそうだ。

 

 犬になった俺を観察するように身体の回りをゆっくりと歩きながら頭上から言葉を投げつけてくる。

 

「でも~、犬になるのにまだ足りないものがありますよね?」

 

 サワワッと桃花が俺の尻を撫でた。

 

「わ、わん?」

 

「フフ、ワンちゃんなのに先輩には尻尾がないじゃないですか~。だから、今から生やしてあげますね♪」

 

「わ、わん!?」

 

 慌てて後ろに目を向けると桃花の手にはテラテラと輝く小型のスコップの様な形をしており、柄には尻尾のついた物体が見える。

 

「これ何かわかりますか?」

 

 わからない! わかりたくもない!!

 

 心で悲鳴をあげたがたが、犬語しか許されない俺にはそれを伝える術はなかった。

 

 戦く俺に桃花は嗜虐的な笑みを向けてその物体の用途を説明した。

 

「これ、アナルプラクって言ってお尻を開発するためのものなんですよ♪ 今回は特別に尻尾をつけるためのものですから、本格的な開発はまた今度ですけどね♪」

 

 いゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

 尻を掘られるってこと!?

 

 未経験の事で震えがとまらなくなる俺に桃花はさらに楽しげに恐ろしい言葉を囁く。

 

「そう怯えなくてもとっても気持ちいいんですよ? マゾ奴隷なら自分から犯してくださいって哀願するくらいなんですから~♪ まぁ、あんまり進めるとオムツが手放せなくなるんですけどね🖤」

 

 自分がそんな身体にされるのかと思うと震えはますます大きくなっていた。

 

「フフ、大丈夫ですよ? 先輩がいい子にしてれば、気持ちよくだけしてあげます。ほら、力を抜いて~。息を吐くんですよ~」

 

 桃花が尻を撫でながら俺の尻の間に先端をつけた。

 

 ひんやりとした感触に変な声が出そうになるがなんとか耐えた。

 

 後輩に本来なら絶対に見られないところまで見られてると思うと今までとは違う恥ずかしさがこみあけでくる。


 うぅ……このまま消え去りたい。

 

「ほら、股開いて――。早くしないと……また痛いことしちゃいますよ?」

 

 ぺチ、ぺチ、ぺチ。

 

 ビクッ!

 

 桃花が軽く尻をたたいただけで俺は恐怖にこわばった。

 

 身体に刻まれた金蹴りの痛みは思った以上に俺のトラウマになってるらしい。

 

「わ、わぅん……」

 

 俺は痛くされたくない思いから股をハの字に開いて桃花のそれを受け入れた。

 

「アハ♪ アハハハハ♪ アッハハハハハハハ♪ そうそう! 先輩の恥ずかしいお尻の穴を御開帳~♪ フフ、ピンクのピクピクした穴が見えますね~。さっきからピクピクして、そんなにこれが欲しいんですか~? エッチですね~♪ そんな欲しがらなくても今すぐいれて差し上げますのに🖤」

 

 桃花は嘲笑とともにアナルプラグを俺の尻の穴へ近づけ――。

 

 ズブッ!

 

「うぎぃぅぅぅ!」

 

 味わったことがない内臓を圧迫される感覚に思わず呻いてしまう。

 

 なんだこれ!?

 

 下から押されるような、なのに尻が熱い様な奇妙な感覚。

 

「あら? 今犬の癖に変な声あげませんでした? 気のせいですよね? だって犬はわん、って鳴きますもんね? フフ」

 

 そのままさらにズブズブとプラグを差し込んでいく。

 

「お尻を犯されるのはどうですか? 気持ちいいですか? 力を入れれば入れるほど痛いですよ? 苦しいですよ? ほら、もっと力を抜いて私の行為を受け入れるんですよ? ほ~ら~」

 

 ズブ、ヌチュ、ズブ、ヌチュ。

 

「わふわふわふ!」

 

 プラグが前立腺を直接刺激してきて、ダイレクトな快感で俺は涎を垂らして喘いでいた。

 

「変態マゾ奴隷は犬になっても変態ですね。フフフ、じゃとどめに~えい🖤」

 

 ズボン!

 

「きぁぃん!」

 

 奥に押し込まれたプラグが固定されて俺の尻にはフサフサした犬の尻尾が生やされるのだった。

 

 ◆

 

「はっ、はっ、はっ!」

 

「ウフフフ……。先輩~気分はどうですか? 普段は歩いている廊下を這いつくばって歩くのは? 惨めですか? 情けないですか? でも、先輩にはそれがお似合いなんですよ? 理解できましたか? 先輩のた・ち・ば🖤」

 

 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!

 

 チ●コに電流が流れるような振動が走り、内股になって足を止めてしまう。

 

「うばぁぁぁぁぁ!!」

 

「アハハハハ! いい声♪ バイブが気持ちよくて蕩けちゃいそうですか? 所詮はマゾ奴隷ですね~♪ こうしてチ●コ刺激されるだけで屈服して為すがままにされちゃうんですから🖤 本当に男の子って哀れですね♪」

 

 グッと首輪がひかれ、俺は無理やり歩かされた。

 

 首が絞まり、自分の意思とは関係なく歩かされる。

 

 桃花に支配されている被虐感が強まって――。

 

 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!

 

「んがぁ!?」

 

 ダメだ。

 

 気持ちいい……。

 

「先輩~。取り繕わなくていいんですよ? ほんとはこんなバイブ無くても感じているんでしょ? 情けなくて恥ずかしい姿を晒して惨めな行為をして感じちゃうのが先輩の本性なんです。こら、もっと犬みたいに舌だして歩きましょう? せ・ん・ぱ・い🖤」

 

 桃花の甘ったるい声は毒のように俺の心を侵食する。

 

 火照った身体は快楽に屈服してもっと刺激を欲してしまう。

 

 桃花、桃花、桃花。

 

 桃花の握るリモコンを俺は無意識に視線を向けていた。

 

「はっ、はっ、はっ!」

 

 俺はご機嫌をとるために彼女に命ぜれるままに本物の犬らしく振る舞おうとする。

 

「アハ、アハハ! あ~あ、先輩ったらプライドも捨てて屈服しちゃいましたか~♪ 変態の先輩にはお似合いの姿ですね~♪ 私に詰って欲しくて、上からもチ●コからも涎を垂らして! 可愛いですよ~!」

 

 ヴヴヴヴ、ヴヴヴヴヴ、ヴヴヴヴヴヴヴ!!

 

「わふぅぅぅぅ!!」

 

 いきたい、いきたい!

 

 生殺しの中で満たされるのは射精への欲求だ。

 

 緩急つけられてくる快感の波が俺のプライドも理性もさらいただの従順な犬へとなり下げる。

 

「ほら、犬。ご主人様に媚びへつらってご機嫌をとりなさい。マゾらしく、犬らしく尻尾を振って態度で示すの。僕は桃花さまの負け犬です~。マゾ犬です~。プライドも理性もない奴隷です~ってね🖤」

 

 つき出されたのは桃花の爪先。

 

 真っ赤なゴムは埃で汚れて黒ずんでいる。

 

 そこから伸びる紺のソックス。白い素肌。

 

 そして、遥か高みから俺を見下ろすのは、快感を与えてくれる女神だ。

 

 これは慈悲だ。

 

 桃花――女神に従えばこの苦しみから解放される。

 

 俺は虚ろな眼差しのまま桃花の上靴へと顔を近づけた。

 

「これ、入学式からずっと洗ってないんですよね~♪ トイレにも入っているし、私のおしっことか飛び散ってるかも♪ そんな上靴を舐めるなんて先輩~、もう人間辞めちゃってますね♪ 快楽のためになんでもする先輩……。情けなくて可愛くて最高です~🖤」

 

 ヴヴヴヴヴヴ……。

 

「うばぁぁぁぁ!」

 

 与えられる罵声すら快感に変えられてしまう。

 

 桃花によって変えられた身体は彼女の声も行為の全ても快感になりつつあった。

 

 この惨め極まる行為さえも――。

 

 ピチャ、ピチャ、ピチャ……。

 

「うわ~、本当に舐めてますね、先輩。先輩ったら私の靴まで愛してるですか? それはそれで嫉妬してしまいそうですけど。フフフ、それともそんなに私に気持ちよくして欲しいんですか? ならお望み通り気持ちよくしてあげますね♪」

 

 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!

 

「あびぁゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!」

 

「アハハハ! 変な声~♪ 学校の、廊下のど真ん中で、犬の格好したまま、身体中に卑猥な落書きされて、後輩に見下されて、ず~と洗ってない上靴を舐めさせれていっちゃうんですよ~🖤 ほら、最大出力です🖤 自分の変態っぷりを噛み締めながらマゾ成分たっぷりの精液出しちゃってください🖤 ほらっ!!」

 

 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!

 

 今までよりも遥かに強い刺激。

 

 焼ききれそうな電流の中で、桃花の罵倒はさらに深い快楽物質として身体に刻み込まれていく。

 

 口に広がる苦味も、敗北感も全てが快感に染まり――。

 

 ブピュ、ピュ、ビュ、ビュュュュュュュュュュュュ!!

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 俺は溜まった熱が下腹で破裂した様な感覚と荒れ狂った快感がいっきに吐き出される心地よさを味わいながら気絶した。

 

 ◆

 

「あ~あ、先輩ったらまた気絶しちゃって……。でも、そのほうが嵌めやすいですね」

 

 気絶した翔を見下ろしながら桃花は銀色に輝く物体を取り出す。

 

 ぺニスを囲むような形をしたそれは世に言う貞操帯。

 

「フフ、目を開けたらどんな顔になるのかな?」

 

 絶望の顔かな? ショックの顔かな?

 羞恥の顔かな? それとも、興奮の顔かな?

 

 どの顔でもいいですよ?

 

 先輩の顔、もっと私に見せてくださいね♪

 

 もっともっと壊して、私だけの先輩にしてあげますからね🖤

 

 桃花は楽しげに笑いながらそれを取り付ける。

 

 カチャリ……。

 

 冷たい鍵がしめられた音を翔は聞くことはなかった。

 

 そして、目を開けた時、さらなる絶望が広がっていることも今は知るよしもないのだった。

 

 

 

(Fanbox)


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