Home Creators Posts Import Register Favorites Logout
haven't archived this post yet. have a subscription? use the importer!

Content

前回


https://ina1218.fanbox.cc/posts/1659516



 奴隷登録所――。

 

 病院や市役所の様なロビーエントランスにいる女性のほとんどが奴隷を連れており、彼女の後ろを四つん這いで歩く姿はまさに家畜そのものだ。

 

 自動販売機の側では四つん這いで椅子がわりにされている奴隷や、職員が汚れたヒールを舐めさせている。

 

「へぇ、あなたが新人さんね。今年は採用が一人だから引き渡しもすぐに終わりますね。所長から受け取った書類はこちらに提出してください」

 

「ぎゃぁぁぁ!」

 

 カウンター越しだが、くぐもった悲鳴が漏れてきた。

 

 牡奴隷らしき姿が見当たらないが何故悲鳴が?

 

 社員証には新垣鈴と書かれている女性は悲鳴など聞こえないかのように淡々と、皆美の印漏れや記載ミスがないことを確認し、順番に封筒から書類を出してチェックしていく。

 

 市役所の窓口を思わせる奴隷登録書の窓口でスーツに姿の鈴は皆美の持ってきた書類を手際よくチェックしている様は出来る女だ。

 

「所長から年代は十代から三十代後半までが選択範囲になってますね。希望コースは飼育科ですか……。新人の方は多いですよ。でも、すぐに拷問科に転向する方も多いんです」

 

 椅子の座り心地が悪いのか身体を揺すって態勢を直した鈴。

 

 同時にまた押し潰された様な悲鳴が響いてきた。

 

「ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

「?」

 

 また。

 

 おかしいな。

 

 普通の椅子として扱われている奴隷が上げる悲鳴ではない。

 

 背中や顔に座られる程度ならあんな絶叫するほどの痛みはないからだ。

 

 まるで、あれは拷問でも受けたかのような――。

 

 首を傾げた皆美に鈴はクスリと笑いかけ、

 

「あら、古川さんは知らないみたいね。まぁ、私的に奴隷を所有してないなら当たり前よね。こっちを覗いてみたらわかるわよ?」

 

 鈴は悪戯っぽい笑顔で立ち上がると、ちょいちょいと手招きしてカウンターの下を覗くように言った。

 

「うわっ……。凄いですね」

 

「でしょ、去年採用の子が考えたらしいわよ? 仕事中に奴隷を躾れるようにってね。おかけでこうして拷問しながら他の仕事が出来て楽なのよ。鞭とか焼き印とかだとどうしても他のことができないからね」

 

「なるほど。確かにそうですね」

 

 覗いてみて出た感想は笑いと驚きだった。

 

 皆美の目に飛び込んできたのは今まで見たこともない椅子だった。

 

 透明なアクリルのような筒の中に正座の状態で入れられて、顔だけが真上に向かされ、豪華な椅子の座面部分には便座の様に穴が空き、奴隷の顔が覗いているのだ。

 

 その椅子に座ると全体重が奴隷の顔面に掛かる事になる。息苦しいだけなら普通に座部に頭を固定させる顔面騎乗だが、これは違う。アクリルの筒は僅かに沈み込む仕掛けで、奴隷の背よりも小さくなる。そのため、奴隷は全体重を文字通り、首と体で支えなければならないのだ。

 

 しかもそれだけではない彼が正座させられているのは江戸時代の拷問の石抱きに使ったようなギザギザの段になっている石の上だった。

 

 相当長時間座られたのか石で擦れた膝から流れた血がギザギザの部分を真っ赤に濡らしている。

 

「お許し……許して……許し……下さい……どうか……許して……さい……して……い……」

 

 全体重を顔で受け続けたせいか、スーツの縫い目が顔に残っている奴隷は虚ろな顔でひたすら懺悔をしていた。

 

「こいつももうダメかしら。フフ……この程度で壊れるなんて売り物にもならないわねぇ……」

 

 虚ろな目で謝り続ける奴隷を蔑む様に見下ろした鈴はため息をついていた。

 

「まだこの椅子は優しい方なのにね。本来なら電流が流れたり、焼きごてで全身を固定されたまま焼かれるバージョンもあったのに、座り心地も悪いし使えない奴隷だわ」

 

「ちなみにこいつはどんな罪を犯したんですか?」

 

 もはや、精神が壊れ、ただ許しをこう奴隷の姿に皆美は密かに興奮していた。

 

 自分がこれを行える立場の人間に生まれた、特権階級の人間だと強く感じ、心地よくなりつつあったのだ。

 

「こいつはね、私達の仕事中の消臭台として使ってたのにあろうことか噎せて歯を足指に当てたそうよ」

 

「それは……自業自得ですね」

 

 女神として崇めるべき女性に人間以下の奴隷が歯を立てるなどあってはならない。

 

 それこそ、その場で虫けらの様に命を絶たれてもおかしくなかっただろう。

 

 それをこうして罰だけで許して貰えたのだから彼女は優しいのだろう。

 

「ま、こいつはもうダメだから勤務が終わったら処刑科送りね。フフ、死ぬまでモルモットとして使われるなんて牡奴隷らしい最期だわ」

 

 むぎゅ。

 

「ぎぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

 無慈悲に奴隷の顔に全体重をかけて再び座る。

 

 ゴリゴリと骨が嫌音を響かせ、ギザギザの刺が容赦なく奴隷の膝に食い込み、肉を潰していた。

 

「あなたの奴隷がどうなるか知らないけどいい奴隷を選べるといいわね。のんな無能じゃなくて」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」

 

「はい。しっかりと厳選して選びますね 」

 

「それじゃ、牡奴隷の檻はそこのエレベーターで降りた地下にあるからそこの看守にこの書類を渡して頂戴」

 

 鈴は判を押した書類を一枚皆美に手渡して、壁にあるエレベーターを指差す。

 

「ご丁寧にありがとうございます」

 

「フフ、これからは同じ施設の仕事仲間だから当然よ。じゃ、またね」

 

 ミシミシミシ……。

 

「ごぉゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 骨の軋む音と奴隷の悲鳴を聞きながら皆美は自分の奴隷を選ぶためにエレベーターのスイッチを押す。

 

 鈴に虐げられる奴隷を見たせいで心の中で長く眠っていた魔物が目覚めたのを感じながら――。

 


Files

Previews only

Comments

No comments found for this post.