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例の件から早二ヶ月。 私とかっちゃんの間には、ほとんど進展が見られなかった。


たまにデートはするものの、そこからもう一歩踏み込んでくる気配はない。

来月には、私の二十歳の誕生日を迎えてしまうというのに。


「かっちゃんは、10代の私を味わいたくないのかな……」


思わずボソッと呟いてしまった。

キスだってあれ以来してもらっていない。

もしかしたら、かっちゃんは性欲が薄いのだろうか。

……だとすると、エッチなことばかり考えている私は性欲が強いのかな。


まあ、強くなければあんなことしないか。


今考えても頭がおかしかったとしか思えない、あの痴態。

あんなことがあったせいで、私から誘うことなんて到底できない。


そんな悩みに沈んでいると、スピーカーから声が響いた。


『あー、澪ちゃん。休憩に入っていいよ。』


おじさんの声だ。


「はーい。」


そう返事をし、店の扉を閉めて『休憩中』の札を出す。


手際よく休憩の準備をしながら、ふと思ってしまった。

あの時、あのおじさんが邪魔さえしなければ、私とかっちゃんは結ばれていたはずなのに。


おじさんは何一つ悪くないと分かっているのに、少しだけムカムカした感情が芽生えてしまう。


私は小さく息を吐き出すと、用意してもらった休憩室へと足を踏み入れた。

ーーー

私は今、かっちゃんの研究所でバイトをさせてもらっている。

厳密に言えば、研究所の隣に併設されているリサイクルショップだ。


壊れた商品を安価で買い取り、修理して販売する。

家電からおもちゃ、衣料品に至るまで取り扱いは様々だ。

なにげにおじさんはセンスが良く、若い女性が好みそうな服も取り揃えている。


……だが、曰く付きの研究所が運営する変なリサイクルショップだ。

そんな場所に若い女性がふらりと入ってくるわけもない。

そこで、私に白羽の矢が立ったというわけだ。


レイアウト変更は自由にやっていいから、色んな人が入りやすい店にしてほしい。

そう頼まれて以来、私は学業と並行しながら店をいじる日々を送っている。

もちろん接客もちゃんとする。

その甲斐あってか、最近はようやく若い女性も服を見にきてくれるようになった。

時給はそこまで高くないけれど、十分に楽しい職場だ。


(将来的には私が古物商の資格でも取って、店は私、研究所はかっちゃん……なんてことにならないかな)


そんな未来を妄想して、ひとりでニヤニヤしてしまう。


そして、休憩室の椅子に腰を下ろした。

ここは気を遣って監視カメラを外してくれていて、ほぼ私専用の部屋兼物置になっている。

二人くらいなら十分休憩できるくらいのスペースだ。


なんとなく室内を見渡していると、二つのバケツが目についた。

蓋には『マネキン』と書かれている。


そういえば……かっちゃんは私をマネキンにして、見せ物にしようとしたんだった。

あの時ツルツルに毛を剃られて、今は絶賛「栽培中」だ。


気になって、片方のバケツを開けて指先を浸してみる。

すると、指先があっという間にコーティングされ、固いマネキンのようになった。

もう一つのバケツも開け、コーティングされた指を突っ込むと、一瞬で元の柔らかい指に戻った。


「やっぱり不思議な液体だな、これ……」


じっと自分の指先を眺めながら、ふと良からぬ思いつきが頭をよぎる。


そっと休憩室の鍵を閉めた。

カメラがないのをいいことに、上半身の服を脱ぎ捨てる。

棚からブラシを取り出すと、マネキン液を自分の胸に塗り拡げてみた。


みるみるうちに液体が固まり、私のおっぱいがマネキンへと変貌していく。


「やっぱりか……」


マネキン液は、私のおっぱいの形を寸分違わず固めていた。

つまり、胸の膨らみも乳首も、ほぼそのまま再現されているということだ。


「かっちゃんは……私の裸を、ほぼそのまま晒そうとしていたのか。これは許せないな。」


コーティングされて少し硬くなった自分の胸を撫でながら、頭の中で「お仕置き」の準備を組み立てる。


いくらフィアンセ(仮)とはいえ、やっていいことと悪いことがある。

それを早いうちに叩き込んでおかなければならない。

やっぱり、かっちゃんには一度痛い目……ううん、恥ずかしい目に遭ってもらわないとだよね。


私ばっかり恥ずかしい思いしているのは、フェアじゃない。


マネキン液を体から綺麗に落とし、私はしっかりと服を着直した。

ーーー

コンコン、とドアを叩く音が響いた。


「澪ちゃん、いる?」


かっちゃんの声だ。

かっちゃんは予定さえ合えば、こうして私の休憩時間に合わせて会いに来てくれる。

胸に広がる嬉しさを悟られないよう必死に押し殺し、わざと怒った表情を作った。


解錠して、かっちゃんを部屋へと招き入れる。

彼は私のあからさまな不機嫌さに少し戸惑いながら、部屋に足を踏み入れた。


「あれ? どうしたの? 何かあった?」


当たり前のような問いかけに、私はトゲのある口調で返す。


「ちょっと、そこに座って。」


何も分からないまま、指示通りに椅子に腰掛けるかっちゃん。

その正面に立ち、私はストレートに切り出した。


「あのさ……私をマネキンにしようとしたこと、覚えてる?」


この件は、あの日以来お互いに触れないことが「暗黙の了解」のようになっていた話題だ。


「う、うん……覚えているよ。」


二ヶ月も前の出来事を今さら蒸し返され、完全に困惑している。


「あの時、私を裸にして晒そうとしていたよね?」


私の言葉に、かっちゃんはハッとしたように目を見開いた。


「悪かったよ! あの時は本当にどうかしていたんだ。マネキン液が完成して、正直浮かれて舞い上がっていたんだよ……ごめん。」


予想以上に素直に頭を下げられてしまった。

思わず許してしまいそうになる自分を「だめだめ」と奮い立たせ、本題を切り出す。


「許してほしいなら……かっちゃん、マネキンになってよ。」


ピタリと、かっちゃんの動きが止まった。

彼は少しの間、何かを考えるように視線を彷徨わせていたが、やがて腹を括ったように私の目を真っ直ぐ見つめ返してきた。


「……それで澪ちゃんが許してくれるなら。」


私は心の中でニヤリと口角を上げた。

ーーー

かっちゃんは観念したように服を脱ぎ始めた。

意外にもしっかりと鍛えられていて、引き締まったいい体をしていた。

腹筋なんてきれいに割れている。

そういえば昔、「科学者は頭脳だけでなく肉体も鍛えていないとダメだ!」なんて講釈を垂れていた気がする。

(私もダイエット頑張ろう……)と、心の中で密かに誓った。


「……パンツは脱がなくていいよな?」


「どうしようかな」と一瞬迷ったけれど、それくらいならと許してあげることにした。

マネキンらしいポーズを取らせ、上半身から順に液を塗っていく。

首から下、胴体、そして腕へと塗り進めると、彼はほとんど動けなくなった。


「かっちゃん、この台車に乗って。」


その指示の意味はすぐに理解できたのだろう。

彼は渋々といった様子で、指示通り台車の上に立った。

そこから足元へ向かって液を塗り重ねていく。着々とマネキン化していくかっちゃん。


「じゃ、このマスク着けてね。」


そう言って、外部に声が漏れなくなる特製のマスクを装着させる。

これでかっちゃんの声は、私のヘッドセットを通してしか聞こえなくなった。


「かっちゃん、大丈夫?」


マイク越しに声をかけると、すぐに返答が戻ってきた。


『さすが私の発明! 息苦しさもなく、視界も良好だぞ!』


……なぜか急に科学者モードに入っている。

かっちゃんがほぼ完璧にマネキン化しているのを確認し、私はヘッドセットのマイクにそっと息を吹きかけるように囁いた。


「やっぱり……マネキンにパンツなんていらないよね?」


その瞬間、マネキンの体がビクッと揺れた。


『ちょっと澪ちゃん!? 話が違うじゃないか!』


やっぱりかっちゃんは、すました科学者気取りよりこういう反応の方がいい。

慌てる声をスルーして、私は履いていたパンツを一気に膝下まで引き下ろした。


ぷるんと露わになる、かわいらしいおちんちん。

最後に見たのはだいぶ前だ。

けれど、あの頃からあまり成長していないように見える。

かわいらしく皮の帽子まで被っていた。


「かっちゃん、包茎なんだね。」


『っ……!』


ヘッドセットから、言葉にならない呻き声が漏れた。

頭脳明晰で顔もそこそこ、体も鍛えていて一見パーフェクトな男性。

そんな彼の、最大級の弱みを握ってしまった気がする。

今の彼は、パンツで隠されていた部分以外すべてマネキンだ。

隠したくても手すら動かせない。


「ではでは……お楽しみの剃毛に移りますか。」


『ちょっと待って! 毛まで剃るの!?』


「いやいや、当たり前でしょ。」


呆れたように言い返す。


「女の子の重大な毛をあんなにあっさり刈り取っておいて、何を言ってるのよ。観念しなさい。」


ハサミを手に取り、陰毛を短くカットしていく。

ジョキジョキという軽快な音と共に、かっちゃんの股間はあっという間に坊主頭になっていった。

そこへシェービングクリームをブシューッと吹きかける。


「かっちゃん、怪我したくなかったらじっとしていてね。」


全身の大半が固まっているとはいえ、剥き出しの部位は動かせてしまう。

そっと彼のおちんちんをつまみ、カミソリで滑らかに剃り上げていった。

私だって大事なおちんちんを傷つけるわけにはいかないので、作業は極めて慎重だ。


タオルでクリームを丁寧に拭き取ると、そこには子供のころのような無垢なおちんちんが鎮座していた。


「昔を思い出すね……一緒にお風呂に入ったよね。」


懐かしい思い出が蘇る光景。

かっちゃんの表情はマスクで覆われていて窺えないが、きっと羞恥で真っ赤になっているはずだ。


かっちゃんの後ろに回り込み、今度はお尻にマネキン液を塗っていく。

あの時、自分は塗られずに済んだけど……もし私がマネキンにされていたら、こんなところまで見られていたのだろうか。

自慢のお尻ならまだしも、穴まで見られるのはさすがに恥ずかしすぎる。


(私はおマンコを見られるより、お尻の穴を見られる方が嫌なタイプなのかも……)


そんなくだらない思考を巡らせつつも、お尻の割れ目までしっかりと液を塗り込んでいく。


両サイドも丁寧に塗り終え、再び正面へと戻ってきた。

おちんちんの周囲を塗り固め、いよいよメインディッシュに辿り着く。


「かっちゃん、これって粘膜に塗っても大丈夫そうなの?」


一応、安全確認だけはしておく。


『私が作った作品だぞ! 粘膜だろうが何だろうが問題ない!』


おちんちんを丸出しにした状態で、何を誇らしげに威張っているのだろう。

ちょっとイラッとしたので、無言で皮をむぎゅっと剥いてあげた。

思いのほかツルッと剥けたので、いわゆる仮性包茎というやつなのだろう。


『み、澪ちゃん……優しくね、優しく……!』


「安心して。私だって、かっちゃんのおちんちんが傷ついたら困るんだから。」


――だって私は、いつだって受け入れる準備ができているんだから。


露出した鮮やかなピンク色の亀頭に、慎重にマネキン液を塗布していく。

固まったのを見計らって皮をかぶせ、その上からもさらに液を重ね塗りした。

こうしてついに、「かっちゃんマネキン」が完成した。


「かっちゃん、マネキンになった気分はどう?」


『やはり身動きが取れないのは辛いな。だがそれ以外は快適だ。さすがは私の最高傑作、暑さも寒さも遮断してくれている!』


また妙な強がりを言っている。

この科学者モードはやっぱりあまり好きじゃないな。


「じゃ、このままお店に持っていくからね。」


足元まで下ろしたパンツは、脱がせようにも足が固まっていて抜き取れなかったので、仕方なくそのまま履かせてあげた。


『澪ちゃん、本当に行くの……? かなり恥ずかしいんだけど……』


さっきまでの強がりが消え、急に気弱な声になる。


「私に同じ思いをさせようとしたくせに、何を言っているのやら。」


私の冷ややかな一言に、ヘッドセットの向こうのかっちゃんはぐうの音も出ず、静まり返った。

ーーー

そのまま台車をガラガラと押し、店舗のアパレルコーナーまでかっちゃんを連れて行った。

とりあえず「休憩中」の札を外して「営業中」に裏返す。


そして、台車の上のかっちゃんと向き合った。


「台車から下ろすのは大変そうだから、そのままでいてね。」


『ちょっと、怪しくないかな……? なんだか緊張してきたよ。』


パンツ一枚だとさすがにアレなので、何か服を着せようかなと思案していた、その時――カランと店のドアが開いた。


「あ、いらっしゃいませー!」


入ってきたのは、二人の若い女性だった。


「こんにちはー。また来ちゃった」


最近よく店に来てくれている二人組だ。

話を聞いたところ、近所の大学四年生らしい。


「うわっ! 何これ、男の人……!?」


私の隣に立つマネキンを見て、二人が目を丸くした。


「いえ、これは新しく開発された最新型のマネキンです。ぜひ近くで見てみてください!」


恐る恐る近寄ってくる二人。そして、そっとその肌に触れた。


「……本当にマネキンだ! すごいリアル!」

「直接触らないと分からないレベルだね。なんかすごいというか、ちょっと怖いくらい。」


まあ、そうでしょうね。

マネキンだと納得した途端、二人は遠慮なくかっちゃんの体を触り始めた。


『ちょっと澪ちゃん!? さすがにまずいって!』


焦る声に、私は胸元のマイクへそっとささやき返す。


「マネキンなんだから、大丈夫でしょ?」


実はこれ、さっき自分の胸に塗った時に気づいていたのだが、外からの刺激や触感は内側の本人にそのまま伝わってしまう。

つまり今の彼は、女子大生二人に素肌を直接触られまくっている状態なのだ。


「なかなか良い体してるねー。」

「腹筋とか、リアルすぎてやばい。」


かっちゃんの胸やお腹をペタペタと触る二人。

私は独占欲が強めな反面、「自分の好きな人を自慢したい」という厄介な性格も持ち合わせている。

だから、もっと彼を見てほしいと思ってしまうのは、もはや必然だった。


二人の耳元へ、そっと顔を近づける。


「……実はここだけの話、パンツの中もすごく作り込んであるんですよ。」


その声は、当然マイクを通してかっちゃんの耳にも届いている。


『ちょっと澪ちゃん!! それは本当にダメだって!!』


必死の制止はもちろん無視だ。

なんせ彼は、私に対してこれと同じことをしようとしたのだから。

反省してもらわなければ困る。


「えっ? 脱がしちゃっていいの?」

「はい。他のお客様には内緒ですよ?」


唇に人差し指を立て、ニヤリと笑ってみせる。

二人もどこか、怪しげで好奇心に満ちた雰囲気を醸し出し始めた。


「じゃあ、二人で一緒に下ろしてみる?」

「うん……本当にいいんですよね?」


二人が最終確認をとってくる。


「はい! 遠慮なく思いっきりやっちゃってください!」


私の言葉を免罪符に、二人は「せーの!」の掛け声と共に一気にパンツを引き下ろした。

マネキンなはずなのに、ぷるんと勢いよく飛び出してきたように見えた。


「「きゃーっ!」」


黄色い歓声が店内に響く。


『いやいやいや! 澪ちゃん、これは本当にマズいって!!』


叫び声を完全に無視していると、二人はまじまじとかっちゃんの股間を見つめ、疑問を口にした。


「……ねえ、なんで体は大人なのに、子供のおちんちんなの?」

「確かに。すごく小さいし、皮被ってるし」


当然、その問いに対する答えは用意してある。


「ダビデ像などを思い出してください! 大きくて剥けていることだけが正義とは限らないんですよ。これこそが、計算し尽くされた芸術的なおちんちんです!」


堂々と言い切ると、二人はなんだか納得したように頷いた。


「なるほど……確かに大きくて立派だと、生々しくてエロくなっちゃうもんね。」

「私、このかわいらしいおちんちん好きですよ。」


芸術の定義なんて結局この程度のものなんだな、と内心で思いつつ、さらに追い打ちをかける。


「それでですね……実はもう一つ、ギミックがあるんですよ。」


顔を見合わせる二人。


「もしかして……大人になったりするんですか?」

「だとしたら面白すぎるマネキンなんだけど!」


二人はそっと手を伸ばし、かっちゃんのおちんちんをつまんだ。


「やっぱり触り心地はただのマネキンね。不思議ー。」

「たまたまも完全にマネキンだ。」


女子大生二人に弄ばれるかっちゃん。


『マズいって! 澪ちゃん、そろそろ許して!!』


悲鳴のような声に、私は冷ややかに返答した。


「もし……私以外の女で大きくなったりしたら、浮気だからね?」


かっちゃんは私の知る限り童貞だ。

若い女の子に触られて、耐えられるわけがない。


「あの……これ、剥いちゃってもいいですか?」


その言葉に、ハッと我に返った。


「あ、はい! どうぞご遠慮なく!」


剥ける確証はなかったけれど、二人の手によって包皮はあっさりと剥き上げられてしまった。

ちゃんと内側と外側で別々に液を塗った甲斐があったようだ。


「かわいい! 綺麗なピンク色!」

「完全に童貞のおちんちんね。昔付き合ってた童貞の彼氏がこんな色だったわー。」


思わず口元がゆるんでしまう。


「かっちゃん、女の子二人に童貞ってバレちゃったね。恥ずかしいね。」


『本当に……かんべんしてよ……』


ヘッドセットから、情けない呻き声が聞こえる。

二人を見ると、剥き出しになった先端を容赦なくツンツンと触っていた。


その時――ついに「変化」が訪れてしまった。


『!? 痛い! 澪ちゃん、まずいって!!』


その声は、演技でもなんでもなかった。

女の子ふたりにいじくり回され、ついに大きくなってしまったのだ。

けれど、表面はカチカチのマネキン液でコーティングされている。

内側から膨張しようとしても膨らめず、強烈に圧迫されているのだろう。


さすがに私も焦った。

おちんちんが使い物にならなくなったら、一番困るのは私だ。

私のバージンをかっちゃんに捧げられなくなってしまう!


「あ、はいはい! 分かりました、すぐに戻しますね!」


インカムから指示を受けた振りをしながら、二人に向き直る。


「すみません! このマネキン、まだ調整中だったみたいで……一度バックヤードに戻しますね!」


そう言い残し、急いで台車を押し込んで休憩室へと駆け込んだ。

そのまま急いで店に戻り、二人に「すみません、一時休業になっちゃいました。」と伝えて帰ってもらう。


「また来るねー。」と去っていく二人を見送り、大急ぎで『休憩中』の札をドアに掲げた。


息を切らしながら休憩室へ戻り、まずはかっちゃんのマスクをひっぺがした。

ーーー

「かっちゃん、大丈夫!?」


マスクを外すと、そこには苦しそうに脂汗を浮かべたかっちゃんの姿があった。


「ごめん……頑張って耐えようとしたんだけど、勃起しちゃったみたいだ……」


無理だと分かっていて仕掛けたいじわるだったのに、彼は本気で耐えようとしてくれていたらしい。

申し訳なさと愛おしさで胸がいっぱいになる。


「すぐに解放するから、ちょっと待っててね!」


そう言って、すぐさまおちんちんに向かって解除液を振りかけた。

すると、固められて小さくなっていたおちんちんが、ビシッ!と弾けるように一気に起き上がった。

今まで抑え込まれていた抑圧を一気に解消するかのように。


だが、解けたのはまだ外側だけだ。

急いで包皮を剥き、亀頭にも液をかける。

パンッ!と音を立てて亀頭が大きく膨らみ、一気に戦闘態勢へと整ったおちんちんが完成した。


「かっちゃん、大丈夫? 痛くない?」


「うん、どうにか楽になったよ……本当にごめんね、勃起なんてさせちゃって。」


申し訳なさそうに眉をひそめるかっちゃんと、目の前で猛り狂う彼の一物。

それを見つめているうちに、私のブレーキは完全に壊れてしまった。


「かっちゃん、ごめんね! 私、ちゃんと責任取るから!」


「えっ――」


おちんちんに水をかけて完全に薬を洗い流すと、私は迷わずそれをパクッと口に咥え込んだ。


「ちょっ、澪ちゃん!? そんなことしてないで、早く全身のマネキン化を解いてよ!」


当然、そんな制止の声が耳に入るはずもない。

今のかっちゃんは、股間以外すべて固定されていて手足も動かせないのだ。

私からすれば、これは絶好のチャンスでしかない。


……いい加減認めよう。私は性欲が強い!

だから、このくらい味わったってバチは当たらないはずだ。


勃起してもそこまで大きくはない彼のおちんちんを、根元までまるごと咥え込む。

頭の中で何度も何度もイメージトレーニングを重ねてきた、私のフェラチオの腕前を披露する時だ。

想像していたよりは小ぶりだったけれど、未経験の私にとってはむしろ好都合だった。


じわっと口の中に溢れ出してくる唾液。

私の体も、このシチュエーションを後押ししてくれているみたいだ。


ジュルジュルと音を立てながら、舌先でおちんちんを下から上へと舐め上げ、また戻す。


「う……く……っ」


かっちゃんの口から、耐えかねたような甘い漏れ声が落ちた。

どうやら、ちゃんと気持ち良くなってくれているらしい。


舌を肉棒にしっかりと巻き付け、そのまま口全体で思い切り吸い上げる。

狭い室内にジュポジュポと下品な水音が響き渡るけれど、そんなのどうでもよかった。

ずっと夢にまで見たかっちゃんのちんちんを、自分の口で気持ち良くさせているんだから。


「澪ちゃん……ダメだ、もう出ちゃう……っ!」


自分の口で限界まで追い詰めているという歓喜と、もう終わってしまうのかという寂しさが同時に押し寄せる。

けれど、下手に生殺しにするより、このまま一気に出させてあげた方がいい。


私は口を使った最後のピストン運動に拍車をかけた。

ジュバジュバと激しい水音が部屋を満たしていく。


そして――。


「ごめん、澪ちゃん……イク……ッ!」


その切迫した声と共に、ドクッと口の中に独特の青くさい匂いが広がった。


(これが……かっちゃんの精液……)


本来なら匂うはずの風味も、今の私にとっては脳を痺れさせる最高の媚薬だった。

ドクッ、ドクッと数回に分けて吐き出される熱い液体。

そのすべてをひと滴も漏らすまいと口全体で受け止め、ゆっくりと喉の奥へ流し込んでいく。


それが体内に染み渡っていくのを感じるたび、胸の奥から深い幸福感が湧き上がってきた。


やがてすべての精液を吸い尽くし、私は名残惜しそうにゆっくりと口を離した。


「ふぅ……ごちそうさま、かっちゃん。」


かっちゃんは激しい射精の後の脱力感に包まれているのか、ただ力なく乾いた笑いを漏らすことしかできないようだった。

ーーー

エピローグ

満足した私は、かっちゃんのマネキン化を解除するため、今度は解除液を全身に塗り拡げていった。

上半身から順に、硬いコーティングが解けていく。


すべてのマネキン液を拭き取り終えた瞬間、かっちゃんは膝から崩れ落ちるように椅子へ座り込んだ。


「はぁー……疲れた……」


そりゃそうだろう。

マネキンにされ、女子大生ふたりにいじくり回され、最後は私にフェラチオで全部吐き出させられたのだから。

疲労困憊にもなるはずだ。


「……反省した? もう私の裸を見せ物にしようだなんて、二度と企んじゃだめだからね。」


「分かってるよ……。澪ちゃんのことは、ちゃんと大事にするからさ。」


そう言うと、かっちゃんは私の手をぎゅっと握り返してくれた。

(まあ……一回くらいなら、私もマネキンになってあげてもいいかな)なんて、ほんの少しだけ思ってしまうのだった。


「それでさ……このままエッチしちゃう?」


全裸のままのかっちゃんに向かって、ストレートに提案してみた。


「それなんだけどさ……もう少しだけ、待ってくれないかな。」


……この状況になっても、まだ私を抱いてくれないのか。

一瞬、胸の奥がキュッと萎んで悲しくなりかけた。


「あのさ、来月は澪ちゃんの誕生日でしょ? 誕生日の前日と当日、予定をあけておいてほしいんだ。」


その一言で、私の心はパッと一気に明るくなった。


「澪ちゃんの誕生日はさ……二人きりで過ごそうよ。」


それって、つまり――。


「かっちゃんは、10代の私と20代の私を、両方いっぺんに味わいたいってわけね!」


「いやっ、そういうわけじゃ……!」


少し困ったように弁解する彼だったけれど、きっと図星に違いない。

……まあ、私を「味わう」なんていう下品なことまで考えてはいないだろうけれど。


せっかくだし、これくらいのおねだりはいいよね。

私はそのまま顔を近づけ、かっちゃんの唇に自分の唇を軽く重ねた。


「私の誕生日、楽しみにしてるね。……あ、かっちゃんの誕生日も楽しみにしておいてね?」


END

ーーー

後書き

とりあえず書きたいことを書きました。

女子大生に射精させて貰っても良かったんですけどね。

女子大生に射精させて貰うか、勃起したけどコーティングに押さえ込まれていて痛いの二択でしたね。

イヤな二択だ。


この二人の話はここで終わりですかね。

楽しく書けたのでヨシ。

また性欲強い女の子書きたいですね。

うむ。

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