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「ん。先生、着いた」

「はぁ……はぁ……はぁあ……そ、そう……」

 私は荒く息を吐きながら応えた。

 ロードバイクに乗っている。

 脚はプルプルと子鹿のようになっていて、お尻が痛い。

 いったい何時間走ったのだろう。

 見たことのない風景をいくつも通り過ぎたような気がする。

 ある朝、私はシロコに誘われて、というか無駄遣いレシートをユウカに見せるという脅し文句を受けて、一緒にロードバイクで走り始めたのだ。

 シロコのお願いはただひとつ。

 曰く、ついてきて。

 それがどれほど過酷なものになるか、私はそのとき想像していなかった。

 もちろん想像できたからと言って、逃れるすべはきっとなかったのだろうが。

 とにもかくにも、私は死にそうになりながらシロコについていくことに成功した。

 どうやら、目的地に無事到着したらしい。

「……え? こ、ここは……?」

「ん。ホテル」

 シロコがなんでもないことみたいに応える。

 そう、目の前にあるのはホテルだ。

 荒野に一軒、ぽつんと建つ城みたいな外観のホテル。

 アーチを描く門があり、そこにデカデカと何の変哲もなく、『ラブなホテル』と看板が掲げられていた。

 ……うーん、ネーミングセンス。

「シロコ、えっと……ここがどんな目的の場所か知ってる?」

「当たり前。さ、先生。入ろう」

「ちょ、ちょっと待って。こういったところに先生と生徒が入るのは」

「今さらすぎる。私も初めて入るからワクワク」

「シロコっ……あ、あーっ!」

 そうしてものすごい力で、私はシロコに引きずられてホテルの中へ連れ込まれるのであった。

☓  ☓  ☓

「先生……きて」

「し、シロコ……」

 ホテルに入った。

 シャワーを浴びた。

 シロコから「備えあれば憂いなし。シンプルなルールだ」と何やら怪しい薬を飲まされて体力が回復した。

 というより、やたら下半身だけ熱くなった。

 見ると、股間が今まで見たことがないぐらいに勃起していた。

 大きなベッドの上、裸になったシロコが仰向けに寝そべり、私を待っている。

 両手を広げて、私が上に乗るのを待っている。

 心臓が高鳴る。

 先生としては間違っているのはわかっている。

 シロコとあんなことやこんなことをしておいて、何を今さらと言われるのは間違いない。

 それはそうなのだが、ここで超える一線は今までとは違うような気がした。

 それでも──。

「先生……私の誘い、迷惑だった?」

 シロコの顔が曇る。

 そんな顔をされてしまったら、私はもう、自分の信念など投げ捨ててしまえ!という気になっていた。

「シロコ!」

「先生……」

 私はシロコに覆いかぶさり、そして──。

 思い切り抱きしめて、その柔らかで濡れそぼった割れ目に、己の高ぶりを突き入れた。

☓  ☓  ☓

「はっ、あ、ん、んっ……」

 部屋の中には、シロコの押さえたような甘い吐息がこぼれる。

 私がシロコの蜜壺を貫くたび、ベッドがギシギシと軋んだ。

 浮かび上がるシロコの汗の匂いと、ホテルのソープの匂いが混じったものが、鼻腔をくすぐる。

「シロコ」

 私は肉棒でシロコの肉洞を掘削しながら、首筋に顔を埋めた。

 それから思い切り、その甘い匂いを嗅ぐ。

「あっ、だめ……先生……は、恥ずかしい……」

 シロコが頭を小さく振るが、その程度では私を引き剥がすことはできない。

 それに匂いを嗅がれて、シロコの蜜肉が締まった。

 私はその柔らかく心地よい刺激に、たまらず呻く。

「いい匂いだよ、シロコ」

「だ、ダメ……嗅いじゃっ……んっ」

 シロコはそう言いながらも、私にしがみついてくる。

 両腕を背中に、両足を腰を回して、強く抱きついてくる。

「あぁっ」

 シロコの絞ったような嬌声がこぼれた。

 強く抱き合ったことで、肉棒が淫洞の最奥を押し込んだのだ。

 私に絡みついた両手両足がビクビクッと引き攣る。

 肉壺が締り、中の襞々が蠢き、私は背筋が這い上ってくる快感に呻く。

 シロコもまた、陰茎のピストンに甘く荒い声をこぼす。

 高まっているのだ。互いに、限界が近いのがわかる。

「せ、先生……」

「シロコ?」

 シロコに呼ばれて顔をあげると、水色の瞳が私をジッと見つめていた。

 シロコは少しだけ顎を上げて、唇をわずかに突き出す。

「キス、しよ?」

「……」

 私は、言われるとほぼ同時にシロコにキスしていた。

「んっ、ん……」

 シロコの淫洞を擦りながら、唇を貪り、舌を絡める。

「はっ、はぁ……ん、ん……」

 シロコの切羽詰まった声さえも、官能的だった。

 そんなことを考えていると、もう限界が迫ってきた。

 歯を食いしばって耐えられるようなものではない。

「シロコ、ごめん。私、もう」

「うん……いいよ。先生、私も、もう……イっちゃうから」

 シロコが再び私の目をジッと見つめてくる。

「一緒に、イこ?」

 シロコの殺し文句だった。

 頬を赤く染め、いつもの無表情の中に、扇情的な笑み。

 そして眉間にわずかに寄るシワが、彼女の言葉が本当だと示している。

「あっ、先生……んっ、ん、うっ、んぅうっ!」

 そして私とシロコは、同時にイった。

 シロコがビクビクッ、と身体を痙攣させた衝撃で、私は白濁液を吐き出した。

 強くしがみつかれながら、シロコの蜜壺の中に、たっぷりと射精するのだった。

「はぁ、はぁ……せん、せ……ん」

 シロコが私にキスを浴びせてくる。

 何度も何度も、唇をついばむようにキスをした。

「先生、また、来ようね」

「……うん。また……あ」

 私はその場の感情に流されて返事をしようとしたが、ひとつだけ訂正する。

「今度は、シャーレにもう少し近いほうがいいかな」

「ん。考える」

 私の言葉にシロコは頷き、そして最後に、もう一度だけキスをした。

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