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“どうしてこうなったのだろう?“

人々が口々に話し騒がしい中心に私はいる。

私は今肌の露出が一切ない全身真っ赤なラバースーツを着て職場の席に座っている。

私、和壁 沙織(わかべさおり)はラバーフェチで呼吸制御が大好き。

いつも週末には全身赤いラバーに包まれている。

しかし、ラバーは薄いため赤いラバー越しにでも陰部や乳首が薄ら透けている。

赤いラバーの頭は目と口のところに目立たないほどの小さな穴、マイクロホールのラバーマスクを被り、体はフェイスエントリーのラバースーツを着て、真っ赤な光沢のあるマネキン人形のような姿になる。

フェイスエントリーだけでも特殊なのにさらに私の無理なオーダーをお願いした仕様になっている。

それはフェイスエントリーのラバースーツのフードを被るとほぼ顔を覆ってしまい鼻と口の辺りだけがわずかに露出する仕様になっている。

そのため、マイクロホールマスクとフェイスエントリーのラバースーツを着ると口が満足に開かなくなり話せなくなり、視界がなくなる。

そんな姿でさらに口の部分に小さな穴が一つだけ空いたラバーマスクを最後に被って呼吸制御する。

一番苦労するのは最後に手がお団子のようになるグローブを付ける時、片方の手は比較的簡単に嵌められるのだが、もう片方がかなり苦労する。

こうして一度お団子グローブを嵌めてしまうと、自分でも簡単には外せなくなり、一度この姿になると簡単には呼吸制御を止められなくなる。

この緊張感が私をさらに興奮させる。

過去に一度だけだがお団子のようになるグローブが外せなくなり、週末の土日にずっとラバースーツで呼吸制御することとなり命の危機を感じたことがあった。

その時は本当にもうダメかと思った。

なんとかグローブを脱いで事なきを得たが、ラバースーツの中は汗と愛液と漏らした尿で大変なことになっていた。

そんな事があっても、私は今でも呼吸制御を辞められない、根っからの変態だ。

そんな私だが全身真っ赤なラバーに包まれて変態行為に及ぶのは週末の自宅だけと決めていたはず…だった。

暑さと息苦しさから気づくと私は机に突っ伏し眠っていた。

呼吸するたびにラバーが顔に張り付く、その感触が堪らない。

机に頭を置いてしばらく呼吸制御を楽しんでいると、突然背後から声を掛けられて、ビクッと反応してしまった。

「和壁さん?」

その声には聞き覚えがある、職場の同僚 益田 千香(ますだちか)さん。

“なぜ、益田さんが私の自宅にいるのだろう“

そう考えたがすぐに答えは出ない。

「おはよう!」

少し離れたところから声がした営業の浜田 俊之(はまだとしゆき)さんの声。

いつも職場で私の次に出社の早い2人だ。

つまり、ここは私の自宅ではなく職場という事だろうか、周りの音に耳を傾けるとコピー機の音やパソコンのファンの音があちらこちらから聞こえてくる。

つまり私は職場の自席で呼吸制御をして楽しんでいたことになる。

大企業に勤める私は絶対に見せられない、いや見せてはならない姿を同僚に晒していることになる。

“なぜこうなったのか?“

私は呼吸制御で酸素の行き渡らない頭で必死に昨日の出来事を思い返した。

「あ!」

ほとんど口が動かないラバーの下で口が開いて声が出てしまうほど。

私はあるプロジェクトを担当していた。

プレゼン企画がようやく纏まり、最後にロゴデザインだけとなりプレゼンのパートナーと知恵を絞り、赤いピクトグラムのデザインをし、

コンセプトにもピッタリのものができた。

部長に提出するとろくに目も通さずに完全否定され却下されてしまった。

プレゼンパートナーとその日はヤケ酒を飲んだ。

これまで時間を掛けてやって来たことが全否定され、人格まで否定された気分になり、いつもは飲まない日本酒まで飲んだ。

酒に酔った勢いで私はラバースーツを家に取りに帰り、会社に戻りIDで入館した。

ラバースーツを取り行ったのはピクトグラムの実物があれば上司も納得するだろうというプレゼンパートナーの言葉が私に火をつけたに他ならない。

大声で部長の名前と文句を叫びながら更衣室で真っ赤なラバースーツに着替え、赤いエナメルのニーハイブーツを履いた。

その辺りまでは何となく酒の力を借りて動いていたのだが、当然そんな時間に上司どころか誰も会社に居るはずもなく自席に座って、ラバーマスクを被り呼吸制御し気持ち良くなり、そのまま眠り込んでしまったのだった。

酔いが覚めてくると、自分の行動が思い出される。

更衣室でラバースーツに着替え、ラバースーツと一緒に持ってきたピンヒールで光沢のあるニーハイブーツに履き替えた。

着ていたスーツもハイヒールも酒の勢いそのままにゴミ箱に捨てたことも思い出した。

そんな事を思い返している間にも同僚たちが次々と出勤してくる。

そして、私の姿を見ると驚きヒソヒソと話す声が小さい声はずなのにはっきりと私の耳には聞こえてきた。

「和壁さん、乳輪透けてない?」

「うわっ、乳首たってんじゃん!」

その声は私のことを蔑んでいることはしっかりと聞かなくても分かった。

なぜ、私だと分かるのだろうと考えた時、首から下げている顔写真付きのIDだと気づいたがもう遅かった。

仮に今、ラバーマスクを脱いでも、顔がバレた上、何重にもラバーマスクを重ねて被っていることが分かり変態過ぎる汚名は返上できない。

更衣室へ移動してラバーマスクとラバースーツを脱ぐことも考えたが、奪われた視界とお団子になった手の感覚では無事に更衣室へは辿り着けないだろう。

途中、いろいろなところにぶつかり備品を壊すのは目に見えていたし、単独で転倒する可能性もある。

それに無事に更衣室に辿り着けたとしても、スーツもハイヒールもゴミ箱に捨ててしまったので清掃員さんに回収されてもう更衣室のゴミ箱にはないだろう。

“じゃあ、どうやって家に帰るの?“

いろいろな考えが頭を巡るが、結局何も思いつかず、何も行動できずに自席にただ座っている事しかできなかった。

「和壁、ちょっと!」

そう声を掛けて私の手を引いてきたのは、プレゼンパートナーの吉武 栄司(よしたけえいじ)さん。

ここ最近、ずっと共に行動していたので間違いない。

私は手を引かれるまま、吉武さんについて行くが、今はまともに話すことができないのでただついて行くことしかできない。

どこかの部屋に入ったのだろう。

周りの音が静かになった。

「なんで会社でこんな格好してるんだ!」 

私は何も答えられない。

「そうだったな、話せないんだよな」

吉武さんはなぜか私が話せない事を知っていた。

「どうする?脱ぐの手伝おうか?」

吉武さんは私が真っ赤なラバーで肌の露出が一切なく覆われていても驚いたりしている様子はなかった。

私は脱がせてもらっても、着替える服もないのでその場で首を横に振る。

「でも苦しいだろ、一番上のマスクだけでも外したら?」

言っておくが私は吉武さんと付き合っていないし、もちろん彼氏でも夫でもない。

なぜ彼が私のラバースーツの事を知っているのだろう。

「どうする?ここは書庫でほとんど人の出入りがないから、ここにいるか?」

私が頷くと、吉武さんはおそらく段ボールか何かを持ってきたのだろう、私にそこへ入って隠れるように言った。

もうこれ以上誰にもこの姿を見られたくない私は勧められるまま段ボールの中に入った。

段ボールの中は狭いが周りが柔らかく妙に落ち着く。

それに少し眠くなってきた。

同僚の前でとんでもない姿を晒して極度のストレス状態から解き放たれたこともあったのだろう。

なぜかこの会社に入社するキッカケとなったレースククイーン時代のことを思い出した。

元々レーシングチームのスポンサーだったうちの会社。

私はそのレーシングチームのレースクイーンをやっていて、今の部長に気に入られて入社することになった。

そんなレースクイーン

をしている私の最前列でカメラを構えていた男性の事を思い出した。

イベントにもよく来てくれる人で私のファンだといってくれたが、名前は知らなかった。

だが、その人の名前が今なら分かる。

“吉武 栄司!“

私のプレゼンパートナーで最近は特に親しくしている。

少し考えるもしかして吉武さん、私のこと。

そう思っていくつか気づいたことがあった。

今回のプレゼンは部長から直々に指名があったこと。

おそらく、自分の推薦で入社させたのはいいがこのままではと思い、花を持たせるつもりでプレゼンを任されたのだと思っていた。

部長の直々ということもあり、同僚たちならこのプレゼンを受けるかどうか躊躇してしまうだろう。

というのいうのも上手くいけば昇進もあるが、失敗すればしばらく昇進から遠のいてしまうから。

そんなプレゼンパートナーに自ら名乗りを上げたのが吉武さんだった。

その吉武さんの発案でプレゼンでは赤いピクトグラムのデザインを提案したのだが、残念ながら部長には目を通してすらもらえなかった。

私が腹が立った理由は真っ赤な私が週末ラバースーツを着ている時をデフォルメしたもののようで感情移入していたから。

まるで自分を否定された気分になった?

私は始め赤いピクトグラムのデザインに対して否定的だったが、吉武さんが強く推した。

それに柔らかい感じの方がいいのではないかと、ピクトグラムに光沢を付けてラバーのようにした。

それが私の心に刺さった訳だが。

それが吉武さんが意図して、やったことではないかと。

それが否定されれば酒も入る。

よく考えれば、ピクトグラムの実物があれば部長も納得するだろうと言って私に火をつけたのも吉武さんだった。

さらになぜ私の赤いラバースーツのことを知っているのかと思い返して心当たりがあった。

吉武さんが住んでいるマンションは私の向かいのマンション、しかも私よりも少し上の階に住んでいると言っていた。

つまり、私の部屋を覗くことが可能な位置に住んでいる。

それに入社してすぐの時、歓迎会で意気投合し家の方向が同じということもあり一緒に帰った。

その際、トイレが我慢できないので貸して欲しいとお願いされて貸したのを思い出した。

襲われるかと思ったのだが、紳士的な対応で酔い覚ましにコーヒーも出したのを覚えている。

もしかするとあの時部屋に何か仕掛けられていたのではないか。

そう思うと私は急に怖くなってきた… 。

急いで段ボールから出ようとするが、体が上手く動かない。

お酒が残っているのもあると思うが何か違う。

私は段ボールの中に体を丸める形で収まり、ゆっくりと段ボールが閉められるように感じながら気を失った。

目覚めた時、私は仰向けでベッドのようなところに寝かされていた。

相変わらず視界は赤一色。

なのだが呼吸は少し息苦しさを感じるが呼吸制御しているような感じではなかった。

お団子になった手で首元を触りマスクを脱ごうとするが、引っ掛かりが全くない。

フェイスエントリーのラバースーツの首元を撫でているような感触しかなかった。

「あ!お目覚めかな沙織ちゃん!」

その声は紛れもなく吉武さんの声だった。

「よく眠っていたね、プレゼン資料纏めるのに頑張ったのにアレはないよね」

そう話し掛けてくる吉武さんはいつもと変わらない。

私は吉武さんが話すのを聞きながら、お団子になったグローブを外そうと頑張ったが一向に外れる様子はない。

「沙織ちゃん、それ外せないよ、だってグローブの根元は赤いラバースーツと同じ赤いビニールテープでグルグル巻きにしてるから」

そう言われれば確かに手首がいつもよりも締まっているような感じがする。

「驚いたよ、レースクイーンをやってた沙織ちゃんがうちの会社に入社するなんて、しかも同じ部署」

声の位置が変わるので吉武さんは私の周りを歩きながら話をしているのだろう。

「しかもご近所さんで、ラバーフェチの呼吸制御好きと知った時は震えが止まらなかったよ」

吉武さんの声のトーンが上がる。

「だって、大好きなレースクイーンが俺の理想とするピッタリとしたラバースーツを着て、顔はノッペラボウ、そんな姿で呼吸制御しながらオナニーしているなんて初めて見た時は夢かと思ったよ」

“やっぱり、部屋にカメラを仕掛けられていた“

私は体が震えるのが分かった。

「俺の想像以上の事を体現してくれる沙織ちゃんだけど、職場ではキリッとしたキャリアウーマンって感じが堪らなかった、ギャップ萌えってやつだね」

私が話せないのを知っている吉武さんはなおも話し続ける。

「でも、一つだけ希望を言えばラバースーツは赤よりも黒光りしたラバースーツの方が好きかな」

「だからね、沙織ちゃんのために黒いラバースーツも用意したんだ!」

吉武さんは楽しそうに話す。

「黒いラバースーツは残念ながらネックエントリーです、フェイスエントリーの特別仕様は高価でさすがに買えなかったよ」

「じゃあ、早速着てみようか?」

そう言うと私の足を通してラバースーツを重ね着させ始めた。

おそらくは黒いネックエントリーのラバースーツを。

いつの間にかニーハイブーツも脱がされていることにも今気づいた。

5本指ソックスになった私のフェイスエントリーラバースーツの足先にネックエントリーの感触を感じながらどんどん着せられていく。

腕を通されながら思うことは、指先はどうなってるのだろうかということ。

それを察したように吉武さんが答える。

「このネックエントリーのラバースーツの手はお団子にしておいたよ、だからこれを着たら沙織ちゃんはもう手が全く使えなくなってしまうよ」

そんな危機的状況なのに、私は興奮してお股を濡らしていた。

腕を通すと体がラバースーツに呑み込まれていく感覚に興奮する。

どんどん肩口から首の方へラバースーツが首元の形状を戻しながら私の体を呑み込んでしまった。

目は見えないが今の自分の状況を想像して興奮して身震いしてしまう。

「あれ?もしかして沙織ちゃんネックエントリーの黒いラバースーツ気に入ってくれた?」

「実はね、このネックエントリーのラバースーツも特別仕様なんだ、このまま呼吸制御体験しちゃう?」

“ネックエントリーのラバースーツの特別仕様って?“

そう思っていると、吉武さんが話し出す。

「このネックエントリーのラバースーツはね、なんと首元のラバーを長めにしてもらっているので、沙織ちゃんの頭を全部覆って呼吸制御してしまいます」

私はそれを聞いてゾクっとした。

今のマイクロホールマスクの呼吸穴が全部塞がってしまうのだ。

“すぐに苦しくなってしまいそうだけど、大丈夫かな?“

そんな事を考えながらドキドキして暴れずに待ってしまう自分がいた。

「じゃあ、首元のラバーを引っ張って呼吸制御しちゃうよ!そのままだと元に戻っちゃうから口を縛ってその上から黒いラバーマスクも、被せるからね」

“え!それって凄く苦しくならないの?“

私はそう思いながらもドキドキして呼吸制御をしてもらうのを暴れることなく、ジッとして待っていた。

首元が引っ張られる感覚、次に顔を舐めるようにラバーが私の顔に張り付くように覆っていく。

急に息苦しくなるが、ラバーはそのまま私の頭全てを覆ってしまった。

“苦しい!”

そう思うが私は暴れる事なく息苦しさを味わう。

頭の天辺で吉武さんがラバースーツの口を縛っているのだろう。

さらに息苦しさが増した。

口を縛り終えた吉武さんが私にラバーマスクを被せてくるが私は暴れたりしない。

吉武さんから施された呼吸制御を存分に味わうためだ。

「綺麗だよ沙織ちゃん、俺が追い求めていた理想の姿だ」

そう聞こえた後、しきりにシャッターを切る音が聞こえてきた。

始めのうちはなんとか耐えることができたが、当然すぐに苦しくなる。

いつも一人で呼吸制御している少し穴の空いたマスクを被るのとは訳が違い、全く呼吸穴がないのですぐに限界がきた。

私は苦しさからお団子になった手で顔を覆うラバー、そしてその上から被せられたラバーマスクを脱ごうとするが、潤滑剤のようなものを全身に塗られているのでツルツルと滑りラバーマスクの首元の引っ掛かりすら触ることもできなかった。

どんどん苦しさが増し、精一杯口を広げて言葉にならない動物のような呻き声を上げながら助けを求めてベッドを這いずる。

そんな私の近くでシャッターの切る音だけは絶え間なく続いていた。

“もうダメだ!“

私は心の中でそう呟いて、体を震わせて逝った後、すぐに意識が途切れた。

横になり頭がボォーッとする中、遠くでテレビの音が聞こえている。

“私、何してた?”

自分が何をしていたのかもすぐには思い出せないのだが頭は比較的スッキリとし、お股が大変なほど濡れているのだけは分かった。

横になったまま思い返してみる。

そうだ私、吉武さんに呼吸制御されてそれで気持ちよくて逝ちゃてそのまま意識を失ったんだった。

それにまだ手はお団子のままでラバースーツも着たままだったが、顔のマスクは外されたようで息苦しさはあるが呼吸はできた。

体を起こすと吉武さんが声を掛けてくる。

「沙織ちゃん、呼吸制御で気持ちよくて逝っちゃったみたいだね」

私はゆっくりと頷く。

「今度は俺も沙織ちゃんの中で気持ちよくさせて貰えないかな?」

私が答えないでいると、黒いネックエントリーのラバースーツの股のところにファスナーでもあったのだろう。

『ジッジッ』

という音ともに股の辺りの締まりが緩くなった。

「このネックエントリーのラバースーツは股のところにファスナーがあるんだよ」

「沙織ちゃん、ラバーショーツ下ろすね」

吉武さんはネックエントリーのラバースーツのファスナーを下ろすと中に手を突っ込んで、フェイスエントリーの赤いラバースーツと見分けがつかないラバーショーツをズリ下ろした。

その先には私の体の奥までラバーで覆われた陰部がある。

“そんなことまで知っているの?“

そう思っていると、吉武さんの指が私のラバーで覆われた陰部へと侵入してきた。

私は体を捩りながらも、吉武さんの指を自分の気持ちよくなるところへと誘導する。

私が吐息混じりの喘ぎ声を上げていると吉武さんも堪らなくなってきたのだろう。

「沙織ちゃん、俺のも挿れてもいいかな?」

私はもうメチャクチャにして欲しいくらいに体が欲している。

大きくウンウンと頷くと、熱く太い吉武さんのモノが私の中へ入ってきた。

私は満足に喘ぎ声を上げることもできずに逝った、何度も何度も。

最後は吉武さんに甘えるように抱きついて逝った。

それから程なくして私は会社を辞めた。

あんな姿を晒したのもあるが、別の理由がある。

それは吉武 栄司さんとの結婚。

私はレースクイーン時代、彼の名前は知らなかった。

でも、彼が大会社の社長の息子で大金持ちであることは知っていた。

担当だった今の部長に上手く取り入ってこの会社に入社することができた。

歓迎会の帰り、トイレを貸して欲しいという彼に私は酔い覚ましのコーヒーを淹れてあげ、ワザと手間取りカメラや盗聴器を仕込む時間を与えたのだった。

怖くなったのはあまりにも彼が私の計画通りに行動してくれたから。

プレゼンの後、酔った勢いで自分のラバースーツを会社に持ち込み、呼吸制御したのは半分掛けだった。

私の部屋を覗き見している吉武さんが、赤い光沢のあるピクトグラムを提案したのも、実物を見せようと言ったのも私が酔ってそうすると考え誘導したことは分かっていた。

私はまんまとそれに乗った。

あの時の吉武さんは自分の計画が上手くいったと思ったに違いない。

私を助けることで自分へ気持ちを向けることができると考えたのだろう。

私もあの時、吉武さんが私の手を引いてくれず放置されれば、こちらの作戦はかの時点で終わっていた。

吉武さんが手を引いてくれた事で2人の関係は縮まるどころかお持ち帰りされて結ばれた、形こそ歪だが。

私は吉武さんの事は入社前からいろいろ情報を集めていた。

ラバーの衣装を着た女性やゼンタイを着た女性の写真を好んで撮っているということから、私は赤いラバースーツを購入しゼンタイのように顔までも覆う姿になってみた。

それが意外にも私に刺さり、ラバースーツを着て呼吸制御プレイを始めるキッカケとなった。

かなりの出費はあったが、吉武さんを射止められるならと頑張った。

当時28歳の私には30歳までに結婚し子供を産むという目標があった。

その目標はなんとかギリギリ達成しそうだ。

今、お腹の中には私と栄司さんの赤ちゃんがいる。

赤ちゃんがいるので、しばらくはラバースーツを着ての呼吸制御プレイはできないが出産後はまた栄司さんを喜ばせて自分も楽しもうと思っている。

だから今だけは我慢です。

おしまい

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