derby6:【ダビアク】出走準備 (Pixiv Fanbox)
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競走馬の着ぐるみ体験をして戻ってきた事務所には緑色のラバースーツを着た3人の女性がいて俺は驚いたがすぐに挨拶をした。
「虹村 栄司です、よろしくお願いします!」
秋山主任から俺と同じサポート業務に当たる3人ということで紹介してもらった。
3人とも秋山主任に引けを取らない美人揃い、こんな3人と一緒に仕事ができるかと考えるだけで今からドキドキしてしまう。
そんな3人の見かけ通り、事務所の中もいい匂いが漂っていた。
夏川 日向(なつかわひなた)さん、
春名 果穂(はるなかほ)さん、
冬木 京香(ふゆききょうか)さんの3人を紹介してもらった俺。
その名前を聞いて俺はすぐに【ダビアク】当初の競走馬の名前を思い出していた。
そして、ポツリと呟いた。
「ヒュウガサマー、フルーツスプリング、ウインターパフューム」
それに反応したのは3人。
「えー!なんで知ってるの?」
「えっ、あのー、昔から【ダビアク】の大ファンで… 、でも今は貯金まで使い果たしたので、アルバイトを始めたら、たまたまココに派遣されて… 」
「うんうん、いいぞ!」
「これから一緒に働こうね、よろしく!」
「今は男性がいないから力仕事よろしくね」
3人からそれぞれ声を掛けられ、俺は照れながら頷いた。
「ところで栄司くんは瑞希の始めの名前は知らないでしょ」
「えっ!モモイロミズキじゃないんですか?」
「実はね、オータムミズキだったんだよ!本人が身バレしそうだから嫌だって駄々を捏ねて、ピンクが好きだったからモモイロミズキに替えたんだよね!」
いつも堂々としている秋山主任が少し気まずそうにしていた。
「そろそろ時間だね」
「準備始めよっか!」
3人は申し合わせたように緑色のラバーマスクを被った。
それを見た俺は声を上げた。
「えっ!大丈夫なんですか?呼吸とか視界とか?」
そう言うと秋山主任は俺にも3人と同じラバーマスクを手渡して言った。
「中を覗いて貰えれば分かるわよ」
俺は秋山主任にそう促されて中を覗くと、目と鼻、口の辺りが透けて外側が見えていた。
見た目には穴が分からないほど小さな穴が多数開いていた。
だから、3人とも緑色のラバーマスクをノッペラボウになっても苦しまなかったのだ。
そんなラバーマスクを被っていると、秋山主任もラバーマスクを被った。
「秋山主任も?!」
「そう、前半2レースだけサポート業務のサポートをして、虹村くんだけで大丈夫そうなら私は引っ込むから」
「よろしくお願いします!」
そんな会話をしているうちに、3人はラバーマスクを被って自ら首輪を付けていた。
そんな3人の首輪には[スタッフ]と表記されていた。
ラバーマスクを被った秋山主任も[スタッフ]と表記された首輪を付けた。
そして、俺が渡された首輪には[スタッフ見習い]と表記されていた。
「事務所を出たら首輪は外せないし、ラバーマスクも投げないから、個性を捨ててスタッフとして接すること」
そう言われると妙にスタッフとして気合が入った。
まだ、見習いだが… 。
俺は秋山主任だけでなく、3人にも挨拶をし、事務所を出た。
移動している途中で、3人のうち誰が誰か分からなくなったが、俺に話し掛けてきた。
「栄司くん、【ダビアク】やってるなら、これからラバースーツを着せる女の子は全裸だって思わなかった?」
そう聞かれて俺が答えに困ってしまうと、別の全身緑色のラバースーツの女性が言った。
「黙っているということは、そう思ったんだね」
そう言って笑ってみせる。
「あんまり、栄司くんを虐めたら可哀想だよ!」
1人だけ俺の味方になってくれた。
そして秋山主任も。
「無駄口叩いてないで、仕事仕事!」
そう言った後、秋山主任は俺の方を向いて言った。
「みんないい奴だから、気にしないでね」
そう言った後、5人の個性のない緑色のラバーマネキン人間たちは【ダビアク】の開始時間が近いたのでグリーンバックのブースへと向かうのだった。
俺は今までアニメキャラだとばかり思っていた女性たちとこれから対面する。
そんな中でもサクラモモカを担当できたらいいのに、そう思いながらかつての競走馬の着ぐるみを着ていた綺麗なお姉さんたち4人の後ろをついて行くのだった。
グリーンバックのブースに着いたが、アニメキャラの実体の女性たちはまだ誰もいなかった。
それから程なくして、話し声がしてきた。
いよいよアニメキャラを演じていた女性たちと会える。
否が応でも俺の期待は高まった。
つづく