真っ暗な中、呼吸音だけが響く〜Come back LIP's fetish〜【後編】 (Pixiv Fanbox)
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土曜日も早く真美と一緒にいたい一心で張り切ってアルバイトへと向かった。
また、あんな姿になって真美と密着できると思うと興奮が収まらない。
あんな姿というのは密着ゴムスーツを着せられた僕と真美の姿。
もちろん、中に入っている僕たちがその姿を見るのは無理だが、MAYURIさんが密着ゴムスーツを着せられた僕たちの姿を撮影し、帰り間際に見せてくれたのだ。
体は一つだが、足が4本、腕が4本の黒光りする奇妙な生物になっていた。
脚の数ならタコのように見えなくもない。
そんな姿にされて密着していたのかと思うとますます興奮してきたのだ。
人なのに人じゃない姿に僕は興奮していた。
そう、初めてバキュームバッグで真空パックされた真美を目撃し、壁から出したあの感覚に似ている。
唇フェチ、そして今ではすっかりラバーフェチにも目覚めた僕は異形フェチというものがあるのか分からないがそのフェチも開花してきているように思えた。
ラバースーツに着替えてから今日は壁の前まで移動する。
密着ゴムスーツを着てから移動するのは転倒のリスクがあるから。
埋められる壁の前で密着ゴムスーツを着て気持ちよくなると、すぐに僕たちは壁に埋め込まれた。
だが、苦痛ではなくむしろ誰にも邪魔されず思う存分真美と一緒にいられるのだから楽しみで仕方なかった。
いつもより外の音は聞こえにくいが、オープンしたのがざわついた雰囲気で分かる。
僕はほどほどに鼻息を出し、真美と同じところから供給される空気を吸い呼吸することでフレーバーを漂わせながら密着を楽しんだ。
真美と密着して気持ちよくなっていたので時間の感覚はなかったが、今日は人が途切れず、いつもよりお昼休憩は1時間遅くなっていた。
そして、壁から出された異形なゴムの塊に穂波さんがまた驚きの声を上げていた。
その姿に嫌悪を感じたのか、穂波さんはすぐにお昼を食べに外出してしまった。
僕と真美は上半身だけ密着ゴムスーツから出してもらい腰から下は密着し、ラバースーツに口元以外覆われたままお弁当を食べた。
僕たちがそんな姿でお互いのお弁当を食べさせ合っているのを見て、MAYURIさんが言った。
「ホント、あなた達って仲がいいわね」
呆れた感じで言われたが少しも気にならなかった。
食事の後はしっかり歯磨き。
入念に歯も舌も磨いてから、キスをしてお互いのフレーバーのチェックをした。
MAYURIさんは僕と真美を密着ゴムスーツの中へ戻すとそのまま壁に埋め込んだ。
穂波さんの嫌悪を誘う姿が壁に戻された後、少しして彼女が戻ってきていつもより遅い展示会午後の部が始まった。
午後の部も大盛況であったとMAYURIさんから聞いた。
フレーバーも良かったし、唇は絶妙な動きだったと教えてもらった。
密着ゴムスーツの成果が早くも出てきた。
当然のように翌日の日曜日も大盛況でいつもより長くギミックとして働いた僕も真美も流石に疲れていた。
休み明けの月曜日にまで疲れが残っている。
勃起したまま挿れている方も、勃起したものを挿れられている方も疲れてしまったのだ。
疲れてはいるものの、そこにあるべきものがないことに少し寂しさを感じる。
でも隣りにいる真美を見るとお互い笑顔になり元気になった。
そんな僕のところへまたも穂波さんがやって来た。
「ねぇ眞田くん!前に話した展示会の壁に取り付けられた唇が呼吸している仕掛けって知りたくない?」
そんなことを聞かれても困ってしまう。
“だって、それは僕と真美だもん!”
「いやぁ、気にはなるけど… 」
上手くはぐらかそうと頑張ってみる。
「実はね、私あそこでアルバイトしてるんだ!だから、仕掛けを知ってるんだ」
自信満々でそう言う穂波さん。
“穂波さんがアルバイトをしているのも知ってるよ”
心の中でそう呟きながらも回避する方法を考えなければならない。
なんとか上手く引き下がってくれる方法を考えなければならない。
思いついたのは守秘義務。
咄嗟にその言葉で回避を試みる。
「穂波さん、それって外に漏らしたらダメな情報じゃない?守秘義務ってヤツ、勝手にバラして訴えられたりしないの?」
僕の言葉にハッとして、口を押さえた穂波さんは逃げるように僕の前から離れて行った。
隣りの席の真美を見ると、満面の笑みでサムズアップしていた。
おしまい